ゴルディータス・デ・ナタ:クリームの生地をcomalで焼く甘い丸パン
小麦粉、nata、砂糖、卵、シナモンの柔らかな甘い生地を約1cmに伸ばし、丸く抜いて、空のcomalで中火のまま焼き色がつくまで焼きます。オーブンも、詰め物も、トッピングも使いません。
メキシコシティの路上では、ゴルディータス・デ・ナタを売る人に出会うことがあります。この記事が手本にしているLarousse Cocinaのレシピは、そう伝えたうえで、ホットチョコレートやchampurradoと一緒に食べることを勧めています。生地の材料はシンプルで、nata、砂糖、卵、ふるった小麦粉、溶かした豚脂ひとさじ、ベーキングパウダー、シナモンです。オーブンには入れず、メキシコの台所で使う平らな焼き板「comal(コマル)」の上で、両面にこんがり焼き色がつくまで焼きます。
名前には少し紛らわしいところがあります。「gordita」は、とうもろこし粉の生地で作り、具を詰めることも多い、塩味の料理を指すこともあるからです。ここで扱うのはそれとは別の、nataのコクをまとった甘い小麦粉の焼き菓子です。メキシコ料理をもっと知りたい方は、メキシコの国別ページもご覧ください。
下のレシピはLarousse Cocinaの版を、原典の分量のまま載せたものです。世界ごはん紀行では試作していません。この記事で挙げる代用案も、すべて試していません。
ゴルディータス・デ・ナタとはどんなお菓子?
ゴルディータス・デ・ナタは、小麦粉とnataで作る甘い生地の丸パンを、comalで焼いたものです。 Larousse Cocinaのレシピでは、まずnataと砂糖を混ぜ、卵を一つずつ加え、そこへ小麦粉、溶かした豚脂、ベーキングパウダー、シナモンを加えます。牛乳は、生地が乾いているときだけ少し足します。生地は約1cmの厚さに伸ばして丸く抜き、中火のcomalで焼き色がつくまで焼きます。
「gordita」と聞いて、厚みのあるとうもろこし生地に塩味の具を詰めた料理を思い浮かべた方は、いったんその姿を脇に置いてください。名前は同じでも、生地も味も食卓での役割も違います。このページに出てくるのは、すべて甘い小麦粉の版です。
フェリアや街角で親しまれる甘いパン
Larousse Cocinaは、ゴルディータス・デ・ナタがメキシコシティの路上で売られていると書き、ホットチョコレートやchampurradoを添えるよう勧めています。温かい飲み物を合わせるのは食べやすい出し方のひとつですが、必須ではありません。
地元の報道からは、このお菓子が作り手と一緒に各地を旅している様子がうかがえます。コリマのMeganoticiasは、フェリア(定期市や祭り)で20年以上販売しているパン職人の一家を取材しています。一家は複数の州の催事を巡り、ゴルディータスをトラスカラのパンとして紹介したそうです。本人たちの説明では、生地を混ぜて球に分け、伸ばして少し休ませてから焼きます。エルモシージョのProyecto Puenteは、トラスカラ出身のアンヘリカ・メスティサさんを紹介しています。Fiestas del Piticで16年間ゴルディータス・デ・ナタを売ってきた方で、小ぶりのnata入りと、大きめのバニラ風味のものを区別して語り、販売は家族の中で受け継がれてきたとのことです。
これらはあくまで特定の家族の事例で、起源が一つであることや全国共通の型があることを示すものではありません。作り手によって大きさや風味が違うことはうかがえます。このページのレシピは、数ある中のLarousse Cocinaの一版であって、すべての屋台の配合を代表するものではありません。
この料理に使える食材・調味料
道具
- comal(平らな焼き板):厚手の平らなフライパンでも代用できます
- 大きなボウル
- 木べら
- 粉をふるうための網(ふるい)
- めん棒
- 丸い抜き型
- 返すためのヘラ
選び方と代用
nataはこのレシピの核で、普通のクリームとは別のものです。 牛乳を加熱したときに表面に集まる、脂肪分の多いクリームを指して使われる語ですが、定義は一定せず、手元の資料では厳密には特定できません。日本で探すなら、メキシコ食材店やラテンアメリカ食材の輸入店で、ラベルの名前を確かめてください。
nataが見つからないときは、無糖で乳脂肪分の高い乳のクリームでも代用できますが、風味は同じにならず、nataとまったく同じようにも動きません。脂肪分や水分の違いで、生地のまとまり方も変わりえます。この代用は試していません。
小麦粉はふるったものを使い、種類は問いません。やわらかめでたんぱく質の少ない粉か、万能タイプ(all-purpose flour)かで、食感が変わる可能性があります。豚脂を植物油やバターに替えると、風味と食感が変わります。
うまくいかないとき
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 生地が乾いてまとまらない | 粉が水分を多く吸った、またはnataが固め | 牛乳を少しずつ加え、まとまるところまでにする |
| 牛乳を足したらべたつく | 牛乳が多すぎた | 原典に追加の粉の量はないため、定量を決めず、伸ばすときの打ち粉を控えめに足す |
| 外側が焼けても中が焼けていなさそう | 火が強い、または生地が厚い | 火を少し弱め、生地は約1cmに保つ |
| 焼き色がまだらになる | 生地の厚さが不均一 | 抜く前に均一な厚さに伸ばし、中火の中で色を見ながら調整する |
| 前回と生地の様子が違う | nataの脂肪分や粉の違い | ある程度の差は想定し、生地が乾いているときだけ牛乳で調整する |
焼きたてを味わう

comalから下ろしたての焼きたてをそのまま食べてもよいですし、Larousse Cocinaの提案のように、ホットチョコレートやchampurradoを添えてもかまいません。飲み物は出し方の一例で、生地の一部ではないので、なくても大丈夫です。
原典には保存や温め直しについての記載がないため、この記事では保存期間や温め直しの方法はご案内しません。
別に試してみたい変化
以下はどれも未試作のアイデアで、上のレシピを変えるものではなく、それぞれ別の版として扱います。
- nata以外のクリーム: 別の乳のクリームは、あらためて試作する候補であり、ここで代用の配合を示すものではありません。脂肪分と水分の違いを試して記録してから、代替の版として紹介すべきです。
- 粉の比較: やわらかめの粉と万能タイプの粉で別々に焼いて比べるのは、原典のレシピとは別の実験です。
- comalの代わりに厚手のフライパン: 厚手の平らなフライパンで代用できますが、同じ仕上がりになるとは限りません。
- 甘さを控えた生地: 砂糖の量を変えるなら、適当に減らすのではなく、正確な量を書いて別のレシピとして扱ってください。
よくある質問
ゴルディータス・デ・ナタと、具を詰めたゴルディータは何が違いますか?
このページのゴルディータス・デ・ナタは、nataを加えた甘い小麦粉の生地をcomalで焼いたものです。具を詰めるゴルディータは、別の生地で作る塩味の料理で、名前が同じなだけの別の食べ物です。
nataの代わりに普通のクリームを使えますか?
完全に同じにはなりません。クリームはnataと同じものではなく、風味や水分の違いで生地が変わる可能性があります。脂肪分の高い無糖の乳のクリームは、あらためて試作するための候補にすぎず、確かめ済みの代用配合はここにはありません。
オーブンで焼いてもいいですか?
このレシピは、中火のcomalで焼く作り方です。オーブンで焼くなら別のレシピになるため、ここでは扱いません。
何枚できますか?
原典の収量は12 porcionesですが、何枚になるか、1枚の大きさはどれくらいかは書かれていません。枚数は、抜き型の大きさと、生地を約1cmの厚さに保てるかどうかで変わります。














