バッファローウィング:焼き色のついた皮、赤いバターソース、冷たいディップ
守りたいのは四つです。皮の香ばしさ、ホットソースの唐辛子の辛さと酢の酸味、バターの丸み、そしてセロリとディップの冷たい歯触りです。
オーブンから出てきた手羽は、こんがり焼けて皮に小さな泡のような凹凸ができています。食べる直前に、バターとカイエンペッパー系ホットソースでできた赤いソースのボウルに入れて和えます。大皿に盛ってセロリのスティックと、ブルーチーズドレッシングの小さな器を添えれば出来上がりです。みんな指でつまんで、熱くて酸っぱい手羽と冷たいディップを行ったり来たりしながら食べます。
名前が少しややこしいので、先に整理しておきます。バッファローはニューヨーク州の都市の名前で、水牛の肉の料理ではありません。バッファロー風の手羽とは、鶏の手羽を二つの部位に切り分け、揚げるか焼くかして、カイエンペッパー系のホットソースとバターで和えたものです。骨なしチキンの商品や、よそで見かける甘辛い手羽は作り方も食べる場面も違うので、別の料理として考えてください。
定番は深く揚げる作り方で、ジェームズ・ビアード財団(James Beard Foundation)が掲載しているアンカーバー(Anchor Bar)のレシピもそうです。この記事では、油の入った鍋を使わない、J・ケンジ・ロペス=アルト(J. Kenji López-Alt)氏が Serious Eats で紹介しているオーブン方式の分量と手順を使います。ただし焼く前に冷蔵庫で最低8時間乾かすので、段取りが必要です。世界ごはん紀行では、このレシピ全体を台所で通して試作してはいません。時間は目安として、手順5の温度計での確認を頼りにしてください。そのレシピによると、覆いをせずに乾かすこととベーキングパウダーが、表面をパリッとさせるのに役立ち、皮が乾いているとソースもよくからみます。
道具
- オーブン
- 縁のある天板
- 天板の中に収まるワイヤーラック
- 生の鶏肉用の包丁とまな板(手羽が切り分け済みでない場合)
- ペーパータオル
- 生の手羽を入れる大きなボウルと、加熱後の手羽用の別の清潔なボウル
- トング
- 小鍋
- 食品用の温度計
選び方と代用
手羽は、手羽中と手羽元に切り分け済みのものを買うと手間が省けます。丸ごとの手羽なら、関節で切り分けてください。骨なしのもも肉は、食感も食べ方も変わるので、同等の代用にはなりません。
ベーキングパウダーは、重曹で置き換えないでください。金属的な苦みが出ることがあります。片栗粉などのでんぷんも、ほかのパリッとした衣には使えますが、ここでは代わりになりません。
バターは、有塩バターを使うと仕上がりの塩味が強くなります。サラダ油などの植物油に替えると、ソースの風味とコクが変わります。
ホットソースはこの料理の味を決めます。タバスコ系のソースは酸味、辛さ、とろみが違うので、同じ量で使うと味が変わります。Frank's RedHot のようなカイエンペッパー系のソースが見つからないときは、ほかのソースを少しずつ試してください。ただし、バッファローらしい味とは違う仕上がりになると思ってください。
ブルーチーズドレッシングは市販品で十分です。カイエンペッパー系のソースとブルーチーズドレッシングは、輸入食品店や通販のほうが見つけやすいかもしれませんが、店によって違います。アメリカではランチドレッシングも人気ですが、バッファロー風の皿ではまずブルーチーズから試してください。
バターとブルーチーズドレッシングには乳が含まれます。ソースやドレッシングには小麦などほかのアレルゲンが入っている製品もあるので、原材料表示を確認してください。
よくある失敗と直し方
| 症状 | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| 皮が柔らかい | 表面の水分、乾かした時間、ラックを使ったか、並べすぎ、ソースをつけてからの時間 | しっかり乾かし、ラックの上で間隔をあけ、食べる直前にソースを和える |
| 焼き色が弱い | 予熱、並べすぎ、乾かし不足 | 十分に予熱し、手羽を広げ、少なくとも8時間は乾かす。重曹には手を出さない |
| 苦い、金属的な味がする | ベーキングパウダーの代わりに重曹を使っていないか | 次回はベーキングパウダーを使う |
| 焦げ色はついたが中まで火が通っていない | 内部の温度、棚の位置、手羽の大きさ | 色を追わず温度計で確認する。74°Cに届かない手羽は加熱を続け、次回は棚の位置を見直す |
| ソースが分離した | バターを強く加熱しすぎ | 沸騰させない。温かいうちに手早く混ぜ、手羽に少しずつ加える。完全に混ざらなくても味は成り立つ |
| 辛すぎる、または物足りない | バターとホットソースの割合 | 辛さと酸味を抑えたいときはバターを増やす。辛くしたいときはホットソースの割合を上げる。これは好みに合わせた調整 |
残りものと温め直し
加熱した手羽を長く出しっぱなしにせず、食卓に2時間以上置いたままにしないでください。残りは冷まして早く冷蔵し、早めに食べてください。この記事では、保存日数は決めていません。
温め直すときは、中まで十分に熱くなるまで加熱し、温度計で確認してください。皮のパリッとした感じは落ちやすく、完全には戻らないこともあります。食感を保ちたいなら、オーブンかオーブントースターで網に載せて温め、ソースは食べる直前に足してください。
本場の流れを外れないアレンジ
辛さの段階は、バッファローの注文でよくある mild(マイルド)、medium(ミディアム)、hot(ホット)に分かれています。バターとホットソースのバランスを変えるのは、この料理の流儀に十分かなっています。
ディップは、バッファロー風ならブルーチーズ、アメリカ全般で人気のある代案はランチです。ランチを添えるのも好みの問題ですが、定番の組み合わせを試したいなら、まずブルーチーズから始めてください。
バッファローには、別系統の手羽もあります。切らずに衣をつけた手羽にトマトベースのマンボソース(Mambo Sauce)を合わせたもので、歴史の節で紹介します。それはこのレシピの調整ではなく、はっきり別のスタイルです。
オーブンか揚げ油か、何が変わるか
ジェームズ・ビアード財団が掲載しているアンカーバーのレシピは、手羽を350°F(約177°C)で12〜15分、深く揚げます。Serious Eats のオーブン方式は、油の鍋を使う代わりに、冷蔵庫での乾燥と、高温での長めの焼き上げを使います。後片付けは楽になる一方で、準備の時間が長くなり、皮のパリッとし方も別の仕組みになります。オーブン版は家庭で実用的な代案であり、伝統的な揚げ方と取り違えないでください。どちらを選んでも、安全の確認は同じで、温度計で温度を確かめます。
バッファローウィングの始まりをめぐる諸説
いちばんよく知られた話は、1964年にアンカーバーで最初のバッファローウィングが出されたというものですが、細部はすっきり決着していません。カルヴィン・トリリン(Calvin Trillin)が1980年に『ニューヨーカー』誌に書いた記事には、フランク(Frank)とドム(Dom)のベリッシモ(Bellissimo)兄弟が語る、食い違う話が記録されています。一つは、店が誤って届いた手羽を活用したという話、もう一つは、常連客に出した深夜の軽食だったという話です。どちらも、テレサ・ベリッシモ(Teressa Bellissimo)を、この料理の核に結びつけています。その核とは、手羽を切り分けて深く揚げ、ソースで和え、セロリとブルーチーズドレッシングを添える、というものです。ジェームズ・ビアード財団のページ自体も、アンカーバー起源を伝説として扱い、先に作った店がどこかについては議論の余地があると認めています。全米チキン協議会(National Chicken Council)の概説は、アンカーバーと1964年をホットソース手羽の始まりとして示していますが、これは業界団体が一つの語りを紹介しているものです。
アンカーバーだけが、この街の手羽の物語ではありません。バッファロー歴史博物館(The Buffalo History Museum)によると、ジョン・M・ヤング(John M. Young)は1966年に Wings & Things で、切らずに衣をつけた手羽を、トマトベースのマンボソースとともに広めました。これは同じ料理の競合する版というより、別系統のバッファローの手羽文化と考えたほうがよいでしょう。
同博物館のメニュー収蔵品には、1857年のバッファローのクラレンドン・ホテル(Clarendon Hotel)に「Chicken Wings, fried」とある記録もあります。1960年代よりずっと前から、揚げた手羽がバッファローで出されていたことを示す証拠です。ただし、ソースをからめた現代の料理がそのときすでにあったことまでは示していません。
トリリンの記事は、バッファローでは単に「wings」と呼ぶことが多いとも書いています。今日では、家庭での集まり、試合の日、バーでの分け合う皿に欠かせない料理です。全米チキン協議会は、のちの広がりをスポーツバーとフットボール観戦に結びつけ、手羽が分けやすく比較的安いからだと説明していますが、これも業界側の読み方です。アメリカのほかの料理も知りたい方は、アメリカの料理をご覧ください。
よくある質問
バッファローウィングに水牛の肉は入っていますか?
いいえ。鶏の手羽で、名前はニューヨーク州の都市バッファローに由来します。
手羽のどの部位を使いますか?
主に手羽中と手羽元です。ジェームズ・ビアード財団のアンカーバーのレシピも Serious Eats のオーブンレシピも、切り分けた手羽を使い、先端は取り除きます。
ベーキングパウダーを省いたり、重曹で代用したりできますか?
省くと、皮を乾かして凹凸を出す助けがなくなります。重曹で代用するのはやめてください。Serious Eats は、重曹で金属的な苦みが出たと報告しています。
何度まで加熱すれば安全ですか?
USDA FSIS(米国農務省食品安全検査局)は、家禽肉のすべての部位について、安全な最低温度を165°F(73.9°C)としています。ここでは、すべての手羽の最も厚い部分が少なくとも74°Cに達していることを、骨から離して食品用温度計で測って確認するということです。見た目や肉汁だけでは、安全に火が通ったとは言えません。
なぜセロリとブルーチーズを添えるのですか?
この組み合わせは、バッファローウィングの標準的な出し方として、1980年の『ニューヨーカー』誌の記事にも、ジェームズ・ビアード財団のレシピにも記録されています。この料理に関する資料では、始まった理由が一つに確定してはいません。
何人分ですか?
軽食として約4人分と考えてください。これは編集部の見積もりです。Serious Eats のページの人数表示は一貫しておらず、ある箇所では2人分、別の箇所では4〜8の分量となっているためです。
















