海の印象が強い島の食卓に、橙色の野生ベリーがある
材料は4つだけ。ベリー、水、砂糖、グルコースです。シロップは沸かして完全に冷まし、ピューレは種をこします。果実の色と個性が、そのまま一杯の主役になります。
サンピエール・ミクロン島は、カナダの沖合、北大西洋に浮かぶフランスの小さな群島です。この島の食べ物というと、多くの人がまず海を思い浮かべます。ところがフランス農業省が挙げる島の特産品のなかには、果実があります。plate-bière、またはplaquebière、ronce des tourbières(泥炭地のいばら)とも呼ばれる橙色の野生ベリーで、同じ記録にはジャムやソルベに加工されると書かれています。
魚介が並ぶ食卓に、鮮やかな橙色が差す。この記事はそこから始まります。プラケビエールのソルベは、このベリーを冷たいまま味わうための一品です。
島では、このベリーはplate-bière、plaquebière、ronce des tourbièresと呼ばれます。英語ではcloudberry、ノルウェー語ではmolterです。ケベックでは、plaquebièreのほかにchicouté、chicoutaïという名でも見つかります。呼び名の由来には諸説あり、この記事ではどれか一つに決めることはしません。
レシピの出どころ
島の公的な記録は、果実とそのソルベへの利用までは確かめてくれますが、分量や作り方は載せていません。サンピエール・ミクロン島そのものの、分量つきのレシピは、この記事の執筆時点では見つけられませんでした。
そこで、分量と手順は同じベリーを使う別の土地から借りています。ノルウェーの料理人トム・ヴィクトル・ガウスダルさんのクラウドベリー・ソルベで、Visit Norwayが公開しているものです。クラウドベリー、水、砂糖、グルコースをシロップにして煮立て、ブレンダーにかけ、こして、アイスクリームメーカーで凍らせる、短くて明快なレシピです。ノルウェーではクルムカケ(krumkaker)とクリームを添えますが、それらは別の添え物でソルベ自体には含まれないので、ここでは省きました。
はっきり書いておくと、これは島の伝統レシピではありません。 島が名物とするベリーのために、北欧の台所から借りてきた作り方です。また、この記事のレシピは世界ごはん紀行では台所で試作していません。島に分量つきのレシピが見つかれば、そちらのほうがよい手引きになるでしょう。
単純な材料で香りを楽しむ冷たいデザートがお好きなら、ナツメグアイスクリームもあわせてどうぞ。
プラケビエールとはどんな果実か
アラスカ大学フェアバンクス校の協同普及サービスによると、熟したクラウドベリーは柔らかく、琥珀色で、果汁が多い果実です。同じ資料は、実をやさしく扱うよう勧めています。また、種は加熱すると硬く感じることがあり、そのため果実をふるいにかけて除くレシピもある、と述べています。
ケベックの料理サイトLe Québec cuisineは、この実をchicouté、chicoutaï、plaquebièreの名で記録し、北部のデザートやジャムと結びつけています。北の地域で同じ果実がどう使われるかを知る比較にはなりますが、島自身の習慣や歴史を示す証拠ではありません。
味の比較はここでは書きません。これらの記録が果実について述べているのは色、柔らかさ、果汁の多さまでで、この記事もそこで止めています。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 浅いトレー
- 小鍋
- ml目盛りのある計量容器
- 耐熱の容器
- ブレンダー
- 目の細かいこし器
- ボウル
- アイスクリームメーカー
- 盛り付け用の小さな器
選び方と代用
生か冷凍か。 冷凍のクラウドベリーも使えます。冷凍を使う場合は、すべて解凍するか、すべて凍ったままにするか、状態をそろえるとピューレが均一になります。解凍で出る水分が仕上がりの食感をどう変えるかは、確認できていません。
ほかのベリー。 ラズベリーや黄桃など身近な果物が同じ風味になるという根拠はないため、このレシピでは代用品をすすめません。別の果物を使うなら、それは別のソルベと考えてください。
このレシピに卵、乳、小麦、ナッツは使いません。ただしグルコースなど市販の食材には、アレルゲンや共用設備についての表示があることがあります。購入時にラベルを確認してください。生の果実と道具はすべて清潔に保ち、生のベリーを扱う基本の衛生を省かないでください。
なめらかさと、うまくいかないとき
口当たりを決めるものの多くは、機械を回す前にあります。ベリーをやさしく扱えたか、シロップが本当に冷めていたか、種をこせたか。この3点が大切です。
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 撹拌する前にベリーがつぶれて汁が出ている | 選り分けるときに押したり転がしたりした | トレーに広げ、ベリーをかき回さずに手で葉を取り除く |
| 撹拌しようとしてもシロップがまだ温かい | 置いた時間が足りない | 待つ。撹拌はシロップが完全に冷めてから始める |
| ソルベにざらつきや硬い粒がある | ピューレに種が残っている | 凍らせる前に目の細かいこし器でピューレをこす。クラウドベリーの種は硬く感じることがある |
| 機械の中でゆるいまま固まらない | 機械やボウルの準備不足、または回す時間が足りない | アイスクリームメーカーの説明書で、ボウルの準備と攪拌時間を確認する |
| 冷凍庫に入れておいたらすくえないほど硬くなった | さらに凍った | 少し柔らかくなるまで置き、スプーンで確かめる。このレシピでは、柔らかくする時間の目安は示さない |
試してみたい変化
以下はここまでのレシピの外にある案です。どれも同じ仕上がりになると確認されたものではありません。
- こさずにそのまま使う。 果肉が残る一方、種も残り、クラウドベリーの種は硬く感じることがあります。なめらかさを求めるなら、作り方どおりにこしてください。
- 冷凍ベリーで一年じゅう作る。 冷凍ベリーは使えますが、解凍で出る水分が仕上がりにどう影響するかは確かめていません。
- ベリーに合わせて砂糖を調整する。 果実がとても甘い、あるいは酸っぱい場合は気になるところですが、レシピのバランスが変わり、試してもいないため、おすすめの分量には含めていません。
- 機械なしでブレンダーだけで作る簡易版。 冷凍クラウドベリー3カップ(7 dl)、シュガーシロップ1/2カップ(1 dl)、氷7個をブレンダーにかけてすぐ供する、4人分の簡易版もあります。分量も食感も異なるため、上のソルベとは混ぜないでください。
食べ方と保存
ソルベは何も添えず、小さな器に盛ります。ベリーの色と個性が最初に目に入るようにするためです。ノルウェーではこのソルベにクルムカケとクリームを添えますが、それらはこのレシピには含みません。
保存期間の目安はここでは示しません。攪拌してすくえる状態になったら、そのまま食べてください。
よくある質問
プラケビエールとクラウドベリーは同じ果実ですか?
地域の資料が名前を結びつけています。島の記録にはplate-bière、plaquebière、ronce des tourbièresが、ケベックの資料にはchicouté、chicoutaï、plaquebièreが載っています。購入するときは、通称だけでなく、ラベルの学名と原産国も確認してください。
これはサンピエール・ミクロン島の伝統的なレシピですか?
いいえ。フランス農業省は、このベリーが島の特産でジャムやソルベに加工されると確認していますが、レシピは載せていません。ここでの分量と作り方は、ノルウェーの料理人トム・ヴィクトル・ガウスダルさんのクラウドベリー・ソルベ(Visit Norway掲載)によるものです。
ほかのベリーで代用できますか?
別のベリーが同じ風味になると言える根拠はないため、代用品はすすめません。別の果物を使えば、別のソルベになります。
アイスクリームメーカーなしで作れますか?
このレシピはアイスクリームメーカーを使います。New Scandinavian Cookingには、冷凍ベリー、シュガーシロップ、氷をブレンダーにかける別の簡易法がありますが、分量も食感も違います。同じソルベとは考えないでください。
砂糖はなぜmlで量るのですか?
レシピがその単位で示しているためです。gに直そうとすると密度を推測することになります。ml目盛りのある計量容器を使ってください。
栄養成分は?
このレシピの栄養成分の数値は得られていないため、載せていません。













