大きくほぐれた塩魚が、淡いオレンジ色のココナッツソースに浮かぶ
塩魚はペーストにせず、大きな身のまま残します。玉ねぎ、甘唐辛子、トマトの姿が見える、クリーミーなココナッツミルクのソースに仕上げるのが目標です。塩を足すかどうかは、煮上がったものを味見してから決めます。
骨なしの塩魚が、ココナッツミルクとトマトの淡いオレンジ色のソースに沈んでいます。そこに甘唐辛子(sweet bell pepper)の角切り、玉ねぎ、ほんの少しのScotch bonnetが混ざり、食べる直前に刻んだコリアンダーと青ねぎが散らされます。東カリブ海の二島からなる連邦国家、セントクリストファー・ネービスの塩魚の煮込み(stewed saltfish、saltfish stew とも)です。
この記事は、料理人でありフードライターでもあるKeshia Sakarahが公開したレシピに沿っています。彼女はココナッツダンプリングとローストしたパンノキを添えて出します。作り方は短く、塩魚を水で15分ゆでて水気を切り、香味野菜と唐辛子を油で柔らかくし、トマト、黒こしょう、魚を加えて、最後にココナッツミルクを混ぜてふたをして5分煮ます。レシピには塩の分量が書かれていません。塩魚は商品ごとに塩気が違うので、味を見てから味つけするところまでが作り方の一部です。
このレシピは公開されている配合をもとにしたもので、この記事のために台所で試作したものではありません。塩魚の商品に調理の説明がある場合は、食い違う部分は商品の説明に従ってください。ここに書いた時間は、すべての商品に通用する保証ではありません。カリブ海の別の料理には、トリニダードのカラルーもあります。
塩魚とダンプリング — 国民食と、その食卓
セントクリストファー・ネービス政府の在外国民向けページは、塩魚とダンプリング(saltfish and dumplings)を国民食であり、料理の定番だと紹介しています。ガーディアン紙のレシピページも、塩魚の煮込みにココナッツダンプリングとローストしたパンノキを添えたものを国民食と説明しています。ただし、どちらの資料も唯一の公式レシピを示してはおらず、家庭や料理人によって作り方は違います。ココナッツミルクを使うこの配合は、ひとりの料理人が公開した一例であり、唯一の正解ではありません。
Keshia Sakarahがレシピに添えた解説によると、塩魚は早くも15世紀に北大西洋から輸入され、大西洋奴隷貿易のなかで砂糖と引き換えにこの地域へ入り、食文化の一部になったといいます。これはレシピ作者による説明で、この料理の歴史のすべてを語るものではありません。
煮込みを囲む食卓も一通りではありません。2021年、セントクリストファー・ネービス情報サービス(SKNIS)は、ドバイ万博(Expo 2020 Dubai)のナショナルデーのメニューを報じました。国民食を調理する地元の料理人が選ばれ、メニューには塩魚とココナッツダンプリング、炒めたパンノキ、辛味をきかせた揚げプランテン、ゴートウォーター(goat water)が並んだそうです。これはひとつの催しのメニューで、これらがいつも煮込みに付くという決まりではありません。
途中で見つける、味の決め手
道具
使う道具は多くありませんが、ふた付きの大きめのフライパンと、ゆでた魚の水を切るざるは用意しておきましょう。
- 塩魚をゆでる小鍋
- 魚の水を切るざる
- ふた付きの大きめのフライパン
- 木べらまたはへら
- 包丁とまな板
選び方と代用
塩魚(saltfish)は、塩漬けして干した魚です。レシピが指定しているのは皮も骨もない塩魚です。ふつうのスーパーで売っている生のタラや甘塩の切り身は別の食材で、塩気も水分も違うため、このレシピの直接の代わりとして扱わないでください。
- 塩魚: saltfishや塩蔵タラ(salted cod)の名で、カリブ海食材店や輸入食材店で扱われていることが多い食材です。レシピに合わせて、できれば皮・骨なしを選びます。塩気は商品ごとに違うため、味つけの前に必ず味見をします。
- Scotch bonnet: とても辛い唐辛子です。別の唐辛子を使うと辛さが変わります。辛さが心配なら、テーブルにホットペッパーソースを出す方法もあります。
- 種の扱い: 甘唐辛子の種は除きます。Scotch bonnetの種を除くと、辛さを調整できます。
- 菜種油: レシピがこの油を名指ししています。
- コリアンダー: 葉のことで、英語圏の一部ではcilantroとも呼ばれます。このレシピで使うハーブはこれだけです。
- 青ねぎ: 英語ではspring onion、scallion、green onionなどと呼ばれます。
食べ方 — ダンプリングとパンノキ、横にペッパーソース

Keshia Sakarahは、この煮込みにココナッツダンプリングとローストしたパンノキを添え、好みでホットペッパーソースを出します。これらの添え物は別のレシピなので、この記事では扱いません。
| 場面 | 合わせるもの | 出典 |
|---|---|---|
| レシピ作者の出し方 | ココナッツダンプリング、ローストしたパンノキ、好みでホットペッパーソース | ガーディアン紙、Keshia Sakarah |
| 政府が示す国民食の呼び方 | 塩魚とダンプリング | 政府の在外国民向けページ |
| ある催しのメニュー | ココナッツダンプリング、炒めたパンノキ、辛味をきかせた揚げプランテン、ゴートウォーター | SKNIS、ドバイ万博ナショナルデー |
うまくいかないとき
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 魚がバラバラに崩れた | 魚やココナッツミルクを入れたあとに強く混ぜすぎた | 工程3以降は、あおるように返し、やさしく混ぜる。次回は水を切った魚を大きな身のまま加え、混ぜる回数を減らす |
| 野菜が焦げた・色づいた | 炒めすぎ、または火が強すぎた | 工程2で、野菜が柔らかくなり始めたらすぐ止める。ソースは焦げの風味ではなく、甘唐辛子とトマトの味になるのが目標 |
| 塩辛すぎる | 塩魚の塩気は商品ごとに違い、15分のゆで時間では決まった量の塩抜きにならない | 塩は足さない。このレシピには、これ以上の塩抜きの工程はない。ほかの公開レシピには魚の下ごしらえが違うものもあるが、その方法はこのレシピには含まれない |
| 味がぼんやりする | 魚が思ったほど塩辛くなかった | 味見をしながら、塩を少しずつ足す |
| 辛すぎる | Scotch bonnetの辛さが強い | レシピはScotch bonnetの種を除くようには指示していない。種を除くのは次回に向けた編集部の調整案。鍋にさらに辛味を足さず、ペッパーソースは別添えにする |
他のレシピに見られる違い
- 添え物: ココナッツダンプリングと、ローストまたは炒めたパンノキ、辛味をきかせた揚げプランテン、ゴートウォーターは、資料では煮込みに添えて出すものとして出てきます。煮込みの材料ではありません。
- 下ごしらえの違い: 米国のDaughters of the British Empire in the USAのレシピ資料は、塩魚を一晩浸けてからゆで、ほぐします。魚はグリーンペッパー、トマト、にんにく、油、バターまたはマーガリン、青ねぎ、パセリと合わせます。これは別のレシピで、分量や手順はこの記事の作り方と混ぜていません。
- 辛さ: 食卓にペッパーソースを出せば、鍋はレシピどおりのまま、辛さは食べる人が選べます。
よくある質問
生タラや甘塩の切り身で代用できますか?
同じ食材ではありません。塩魚は塩漬けして干した魚で、生のタラや甘塩の切り身とは塩気も水分も違います。このレシピは皮・骨なしの塩魚を前提にしています。ほかの魚を使えば別の料理になり、資料には調整後の作り方も載っていません。
Scotch bonnetが手に入らないときはどうしますか?
レシピには代用品も代用量もありません。別の唐辛子を使うと辛さが強くも弱くもなるので、あなた自身のアレンジとして扱ってください。鍋の辛さはそのままにして、テーブルにホットペッパーソースを出す方法もあり、レシピ作者もこれは好みで添えるものとしています。
なぜココナッツミルクを使うのですか?
ココナッツミルクはこの料理人の配合の一部です。魚や野菜をまとうクリーミーなソースになります。塩魚の煮込みには入れずに作るものもあるため、すべての家庭に共通する条件ではありません。
塩はどのくらい入れますか?
レシピに塩の分量は書かれていません。塩魚は商品によって違うので、工程5で煮上がりを味見し、必要なときだけ塩を足してください。
煮込みにはどれくらい時間がかかりますか?
レシピにあるのは、塩魚の最初の下ゆでが15分、ココナッツミルクの中でふたをして煮るのが5分です。野菜は柔らかくなり始めるまで炒めるだけです。レシピのページに載っている調理時間は、ダンプリングとパンノキを含む食事全体の時間なので、煮込みだけの時間ではありません。











