ダシーンの葉とオクラ、かぼちゃ、蟹をココナッツミルクで煮てなめらかにしたトリニダード・トバゴのカラルー
🔪下準備55分
🔥調理50分
🍽️分量4
🌍料理トリニダード・トバゴ料理

カラルーの作り方|トリニダード・トバゴの葉野菜煮込み

約27分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

葉を下処理する

手順1: 葉を下処理する

食用タロイモ葉300gは、食用表示と若葉であることを確かめてから、流水で洗います。硬い葉柄を取り、3〜4cm幅に切ります。生のまま味見はしません。沸騰したたっぷりの湯で、少なくとも30分を目安に十分煮て、湯を捨て、水気を切ってください。販売者の指示が正確に書かれているときは、そちらを優先します。ほうれん草300gなら、3〜4cm幅に切り、沸騰した湯で1分ゆでて冷水に取り、強く絞ります。食用表示のないタロイモ葉は使わず、野生の葉や拾った葉も料理に回しません。かかる時間は、ほうれん草で10分、タロイモ葉で35分以上です。鍋に入れる時点で、葉が完全にしんなりして余分な水が落ちていれば準備完了です。

STEP 22 / 5

香味野菜と具を切る

手順2: 香味野菜と具を切る

玉ねぎは5mm角、にんにくはみじん切り、セロリとピーマンは3mm幅、青ねぎは5mm幅、かぼちゃは2cm角、オクラは1cm幅に切ります。切りそろえておくと、煮え方の差が小さくなります。蟹は殻の表面を洗い、加熱用ワタリガニ2杯を半分に割ってください。塩漬け豚肉版にする場合は、200gを8時間以上水に浸けてから水を替え、別鍋で中火にかけ、沸騰してから5分煮こぼして湯を捨てます。湯が白く濁り、肉の表面が締まって塩気の強い匂いが薄れたら下処理は完了です。スコッチボネットは切らずに丸ごと使います。辛さを弱めたいときでも、種を刻んで散らしてはいけません。所要時間は20分。かぼちゃの角がそろい、オクラの切り口に粘りが見えていれば、材料の準備は終わりです。

STEP 33 / 5

水で具を柔らかく煮る

手順3: 水で具を柔らかく煮る

厚手の深鍋に無塩バター15gを入れ、弱めの中火で溶かします。玉ねぎ、にんにく、セロリ、ピーマンを2分だけ炒めます。焼き色は付けません。そこへ下処理した葉、オクラ、かぼちゃ、タイム、パセリ、蟹または塩漬け豚肉、スコッチボネット、水200mlを加えます。沸騰したら弱火に落として蓋をし、蟹版も塩漬け豚肉版も約30分煮ます。塩漬け豚肉版は、具が柔らかくなるまでが目安です。かぼちゃを木べらで押して崩れ、オクラが柔らかく、葉の繊維が残っていなければ次へ進みます。水が底から消えそうなときは、50mlだけ足してください。

STEP 44 / 5

ココナッツミルクを加えて味をまとめる

手順4: ココナッツミルクを加えて味をまとめる

野菜が十分に柔らかくなったら、ココナッツミルク400mlを加え、弱火のまま約10分煮ます。強く沸かし続けず、鍋の縁に小さな泡が出る程度に保ってください。白い液体が緑の煮汁にむらなく混ざり、かぼちゃが崩れていれば、ほぼ仕上がりです。蟹の身が不透明になっているか、塩漬け豚肉版なら肉の中心まで熱くなっているかも確かめます。塩は、この時点では2gが基準です。塩漬け肉版は入れずに味を見てください。所要時間は10分。煮汁を濃くしたいときは、蓋を外して最後の2分だけ水分を飛ばします。焦げそうなら水を50ml足します。

STEP 55 / 5

蟹と唐辛子を外してスウィズルする

手順5: 蟹と唐辛子を外してスウィズルする

蟹の殻、タイムの枝、スコッチボネットを取り出します。塩漬け豚肉版は、肉を鍋に残すか、食べやすい大きさに分けます。あとはトリニダードのスウィズルをまねて、木べらかマッシャーで約1分つぶします。完全なペーストにはせず、葉の細片とオクラの粘りが少し残る、濃いピューレにするのがこつです。ハンドブレンダーを使うなら、鍋底に刃を当てて、熱い煮汁を飛ばさないようにしてください。とろみが強すぎたら、水を50mlずつ足します。最後に味見をして塩を足し、米にかけるならスプーンから太く流れ、スープなら細く流れる程度に整えます。所要時間は5分です。

蓋を完全に閉じた容器へ熱い液体を満杯に入れて回すのはやめてください。鍋の中で使えるハンドブレンダーを使うか、粗熱を取って少量ずつ処理します。殻、骨、タイムの枝、丸ごとの唐辛子は、刃に入れないでください。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

準備

買い出しの前に

食用タロイモの葉またはほうれん草、オクラ、かぼちゃ、ココナッツミルク、蟹を並べたカラルーの材料
葉の種類を決めてから、オクラとココナッツミルクを計量する

分量は4人分で、ご飯を添えて食べる濃い煮込みを想定しています。葉は、本場寄りにするなら食用タロイモ葉300g、入手しやすさを優先するならほうれん草300gと、表で分けました。タロイモ葉を選ぶときは、必ず食用表示のある葉を選んでください。蟹は加熱用のワタリガニ2杯(合計約300g)が基準です。塩漬け豚肉200gに替える場合は、塩抜きの工程が加わります。ココナッツミルクは煮汁の土台なのでココナッツミルク400mlをまるごと使い、仕上げに水で濃さを整えます。もうひとつ、オクラがとろみの土台です。唐辛子以外の分量は数字で書きました。塩は塩漬け肉を使うかどうかで変わるため、最後に味を見て調整します。

5品目

葉と主材料

材料 分量 代替・備考
食用タロイモの葉(ダシーン葉) 300g 食用表示のある若葉のみ。ほうれん草300gで代用可。生食不可
オクラ 160g(8〜10本) 1cm幅に切り、とろみの土台にする
かぼちゃ 150g 皮と種を除き、2cm角。現地のpumpkinに近い甘みを足す
蟹(加熱用ワタリガニ) 2杯(合計約300g) 塩漬け豚肉200g、または蟹を省いた野菜版に変更可
ご飯 600g(炊飯後) 米料理ではなく煮込みとして食べる場合は省略可
12品目

ココナッツの煮汁と香味

材料 分量 代替・備考
ココナッツミルク 400ml 缶または紙パック。濃度が違うため、まず全量を使い、仕上げで水を調整する
水 200ml 煮込み開始時に使う。薄める場合は追加50mlずつ
玉ねぎ 100g(1/2個) 5mm角のみじん切り
にんにく 2片(約10g) みじん切り
セロリ 20g 3mm幅。苦手なら省略せず、香りを弱める場合は10gにする
青ねぎまたはチャイブ 20g 5mm幅。現地のspring chiveの代替
ピーマン 1/2個(約50g) pimento pepperの代替。辛い唐辛子とは分けて使う
生タイム 2枝 乾燥タイムなら小さじ1/2
パセリ 5g みじん切り。トバゴ観光局の材料に合わせた香味の補助
無塩バター 15g 植物油15mlで代用可。塩漬け豚肉版は無塩を使う
スコッチボネットペッパー 1個 丸ごと使い、辛さを抑えるならハバネロ1/4個または青唐辛子1本。省略可
塩 2gから調整 蟹版の初期量。塩漬け豚肉版は最後に味見してから加える
買い出し

ココナッツミルクは、材料表の一般名のまま「ココナッツミルク」で検索すれば通販でも見つかります。商品ページでは、容量が400ml前後か、原材料は何か、濃厚タイプか、無糖かどうかを確かめてください。ただ、カラルー1回分だけなら、近所の輸入食材売り場や缶詰で十分です。通販で買う意味があるのは、余った分をカレーや菓子にも使うときに限られます。ダシーン葉、蟹、オクラ、かぼちゃは鮮度と下処理が命なので、普通の生鮮食材として売り場で選んでください。

葉と蟹を扱う前に

タロイモ葉は生で食べません。野生で採った葉、出所のわからない葉、食用表示のない葉は使わないでください。食用として販売されたタロイモ葉でも、下処理と十分な加熱は省けません。ほうれん草に替える場合も、このレシピでは加熱して使います。蟹は甲殻類アレルギーの対象です。避けたいときは、材料表にあるとおり塩漬け豚肉版か野菜版に変えてください。ココナッツ、乳製品(バター)、魚介や肉の有無で含まれるアレルゲンが変わるので、買ってきた品の表示も確かめてから使いましょう。

0 / 0
材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

栄養情報 1人分の目安
80kcal
エネルギー
4.3g
タンパク質
5.8g
脂質
4.8g
炭水化物
1.8g
食物繊維
213mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

トリニダード・トバゴの家庭で思い描かれる典型的な食卓には、日曜の鍋があります。深い鍋の蓋を開けると、表面にうっすらと油が浮き、青い葉の香りが立ちのぼります。お玉で緑の煮込みをすくい、炊いた米の上へとろりとかける。ダシーンの葉、オクラ、かぼちゃ、ココナッツミルク、それに蟹か塩漬け肉が、ひとつの鍋の中でくたくたに柔らかくなっています。木べらでスウィズルして葉をほぐすと、煮汁は濃いなめらかな緑に変わります。すくったときに糸を引くオクラのとろみが、葉とココナッツをつなぎとめています。皿にのせても、器によそっても成り立つので、ご飯にもスープにもなる鍋です。

Callaloo(カラルー)は、トリニダード・トバゴではダシーンの葉とオクラを軸にした煮込み、あるいは濃いスープを指します。蟹または塩漬け肉を加える版があり、ご飯にかけて食べる日もあれば、食事の前のスープとして出す日もあります。日本の台所で手こずるのは四つあります。ダシーンの葉をどう手に入れるか、安全な葉をどう見分けるか、オクラのとろみをどう出すか、辛い唐辛子を丸ごと入れるときにどれだけ辛くなるか、です。なお、ここで描いた食卓は、資料から組み立てた典型的な一場面です。特定の家庭や店の記録ではありません。

日本で作るなら、本場に近づけたいときは、食用として販売されている若いダシーン葉を使います。入手しやすさと下処理の安全を優先するなら、ほうれん草です。ほうれん草にすると葉の香りと粘りは軽くなり、色と食感も現地のカラルーとは同じになりません。それでも、ココナッツミルクとオクラ、蟹または塩漬け肉、そして全体をなめらかにする仕上げは残します。まずはこの料理がどんな島の暮らしの中にあるのか、由来と日曜の食卓、カリブ海の地域差から見ていきましょう。

カラルーは、鍋の中で島の来歴を重ねる

大鍋の中でダシーンの葉、オクラ、かぼちゃ、蟹が煮えるカラルーの調理風景
葉野菜とオクラ、蟹を一つの鍋で煮ていくカラルー

1783年、Cedula of Population(住民入植令)をきっかけに、フランス系カトリックのプランター、自由身分の有色人、アフリカ系の人々がトリニダードへ移り住みました。マルティニーク、グアドループ、サン=ドマング、グレナダ、セントルシアなどから来た人々が島に加わり、そこへ奴隷化されたアフリカ系の人々の農業の知識が重なっていきます。国立公文書館の資料が語るのは、こうした人口や労働、移動の背景です。カラルーを誰か一人の料理人が発明した証拠になるものではありません。だから起源をひとつに決めず、葉、オクラ、ココナッツ、塩漬け肉、蟹という組み合わせが、島の歴史と重なって見えてくる、というくらいの距離で眺めるのがよさそうです。

現地の食卓での位置づけは、日曜日の料理です。University of Trinidad and Tobagoの論考は、callalooを典型的な日曜日の料理とし、土曜日のsancocheと対比させています。材料として挙がるのは、ダシーン葉、オクラ、ココナッツミルク、かぼちゃ、ハバネロ、塩漬け豚尾や燻製ハムの骨、そして蟹です。葉と具をとことん柔らかく煮て、厚いピューレにする料理なので、ばらばらだった材料が鍋の中でひとつにまとまります。家族が同じ鍋を囲む日曜の食卓に、この一体感はよく似合います。「国民食」と言い切って家庭のすべてを代表させるより、典型的な食べられ方のひとつとして受け取るほうが、実際の姿に近いでしょう。

盛り付けには二通りあります。トバゴ観光局は、カラルーを米にかけて肉や鶏と食べる料理、またはスープとして出す料理として紹介しています。米にかけるときは煮汁を少し残して濃いソース状に仕上げ、スープにするときは水またはココナッツミルクを50mLずつ足して流れ具合を整えます。どちらでも変わらないのは、水を増やして別の料理にしてしまわないことです。葉とオクラのとろみが残っていれば、濃くても薄くても同じカラルーです。

豆知識

トリニダード・トバゴでは、callalooは植物の名前にとどまらず、オクラとダシーンを含む代表的な料理の名前としても使われます。一方、ジャマイカではアマランサス系の葉野菜をcallalooと呼ぶ用法が広く、同じ英語名でも材料も仕立ても同じではありません。日本語では「カラルー」、現地英語ではCallaloo、葉はdasheen bushまたはcallaloo bushとも呼ばれます。


同じ名前でも、葉と鍋は一つではない

ダシーン葉を使うトリニダード風カラルーと、アマランサスの葉を使うジャマイカ風の違いを示す食卓
カラルーという名前でも、島によって葉と料理の形が変わる

カリブ海を渡ると、同じ名前の鍋の中身が変わります。植物学のレビューは、トリニダード・トバゴのcallalooをオクラとダシーン(Colocasia esculenta)を含む料理と整理し、ジャマイカではcallalooがアマランサスと結びつくと述べています。callaloo、calaloo、callalouと表記も指すものも島によって揺れるため、話すときは国名を添えないとすれ違います。葉が違えば別のカラルーです。ダシーンとアマランサスでは、香りも粘りも仕上がりも異なります。ジャマイカ版を代用品のようにトリニダード版へ持ち込むと、同じ料理にはなりません。同じ名、違う鍋と思って向き合うのがちょうどいいのです。

レシピも家庭ごと、島ごとに違います。トバゴ観光局のレシピは、ダシーン葉12枚、オクラ8本、ココナッツミルク2カップに、かぼちゃ、香味野菜、タイム、唐辛子を合わせて低火で煮ます。柔らかくなったら、好みでブレンドする構成です。Trinidad and Tobago Newsdayのレシピは、ダシーン葉、オクラ、かぼちゃ、蟹、バター、ココナッツミルクを使います。最初に約30分煮てからココナッツミルクを加えてさらに約10分、そこで蟹と唐辛子を外してスウィズルします。具には蟹、塩漬け豚、塩漬け豚尾、燻製ハムの骨、野菜だけといった分かれ道があるので、唯一の配合を本場の味と言い切ることはできません。

日本の台所では、材料を次のように置き換えます。食用タロイモ葉を使うなら、販売者が食用として表示した若葉だけを選び、下処理と加熱を工程どおりに行います。ほうれん草は手に入りやすく、短い下ゆでで使えますが、ダシーン葉の厚みと香りと粘りまでは再現しません。オクラはとろみを作る役なので、省かずに入れます。かぼちゃは甘みと色を、ココナッツミルクは煮汁の丸みを受け持ちます。スコッチボネットが手に入らなければ、辛さを確かめやすいハバネロか青唐辛子を少量使います。唐辛子を鍋へ丸ごと入れて、香りだけを移すやり方もあります。

豆知識

dasheenはタロイモの一種を指す英語名のひとつで、トリニダードでは葉をdasheen bushまたはcallaloo bushと呼びます。ochroはオクラの現地表記なので、レシピ表では日本の読者が探しやすい「オクラ」を使います。pimento pepperは辛くない香味唐辛子を指す文脈があるため、日本では甘みのあるピーマンを代替欄に置きました。

同じ島の朝食へ

トリニダードの屋台料理や、インド系カリブ料理とのつながりが気になる方は、トリニダードのダブルスも覗いてみてください。カラルーは日曜の食卓を囲む鍋の料理です。ダブルスは揚げパンにひよこ豆をのせて手に持って食べる屋台の料理で、同じ国でも食べる時間も食感もまるで違います。

火を止める前の見分け方

カラルーの鍋を傾け、煮汁の濃度、オクラのとろみ、葉の柔らかさを確認する場面
鍋を傾けた時の流れ方で、ご飯用かスープ用かを決める
コツ

まず葉です。木べらで押して筋が残らなければ十分に柔らかく、口に入れて確かめる前に、見た目と触感でわかります。次にオクラ。輪切りの種のまわりから粘りが出て、煮汁が水のように流れず、木べらの跡が1秒ほど残れば、とろみは足りています。最後にココナッツミルク。仕上げの10分は弱火を守ってください。強い沸騰や長い煮詰めは、分離のもとです。

コツ

スコッチボネットは丸ごと入れます。辛さを控えたいなら5分で取り出し、辛くしたいときだけ最後まで置いておきます。辛さは丸ごと唐辛子で調整するのが基本です。切った唐辛子を最初から散らすと、鍋全体が急に辛くなり、取り戻しにくくなります。辛くなり過ぎたら、ココナッツミルク50mlとつぶしたかぼちゃ30gを加え、弱火で3分温めてから塩を整え直してください。

コツ

米用かスープ用かは、同じ鍋から選べます。米用は、スプーンからゆっくり太く落ち、皿の底に水分が広がり過ぎない濃さです。スープ用は、水またはココナッツミルクを50mlずつ加えて、スプーンを傾けると連続して流れる濃さにします。薄め過ぎたときは、弱火で2〜3分、蓋を外して煮詰め、オクラのとろみを戻してください。片栗粉を足すと別の粘りが生まれてしまうので、使いません。

蟹を豚や野菜に替えるとき

蟹入り、塩漬け豚肉入り、野菜だけの三つのカラルーを小鉢に分けた食卓
具材を替えても、葉とオクラを柔らかく煮てつぶす骨格は残る

蟹版は、海のうま味と殻の香りが前に出ます。蟹を加熱し過ぎないよう、30分煮たあと、ココナッツミルクを加える段階で身の状態を確かめてください。塩漬け豚肉版は、肉の塩気が煮汁へ移ります。材料表どおりに浸水と煮こぼしを行い、塩漬け肉は後から塩を足すつもりで味を見ます。蟹も豚も入れない野菜だけの版は、かぼちゃとオクラをそれぞれ200gに増やし、塩は2gから味見して足していきます。これは本場のレシピではなく、編集部が家庭向けに考えたアレンジです。本場の蟹入りと同じ味とは呼べません。野菜版は別の食べ方で、葉とココナッツの甘い香りが主役になります。具が変わっても葉とオクラを骨格に、柔らかく煮てつぶすという芯は変わりません。

ほうれん草版は、下ゆで後にしっかり水を絞ると、ココナッツミルクが薄まらず、短時間で緑のピューレになります。小松菜や空心菜を使うと、食感も香りも変わります。ダシーン葉の代わりにするなら、「日本の葉野菜版」と呼ぶのが正直です。野生のタロイモ葉、庭から採った名前の分からない葉、観葉植物の葉は、代わりにはなりません。

豆知識

カラルーは、アフリカ系ディアスポラの各地で、葉を主役にした料理として姿を変えてきました。トリニダード・トバゴではダシーンとオクラが中心です。アマランサスを使うジャマイカのcallalooがあり、オクラを別の呼び名で扱う地域もあって、同じ名前でも材料は島ごとに違います。この違いは優劣ではありません。手に入る葉と食卓の料理法が、名前に重なった結果です。

日曜のご飯へすくう

炊いたご飯に濃いカラルーをかけ、蟹の身とオクラを添えたトリニダード・トバゴの食卓
ご飯にかけると、カラルーの葉とココナッツの煮汁が主食を包む

一人分の皿に、炊いたご飯を150g程度盛り、カラルーを180〜220mlほど横からかけます。蟹の身や塩漬け豚肉は、上へ戻してください。目安はご飯150gに煮込み180〜220mlです。トバゴ観光局が紹介する、米や肉、鶏と合わせる食べ方も、スープとしての出し方も、一つの鍋から選べます。酸味のあるピクルスや生野菜を添えると、ココナッツの丸さがほどよく切れます。ただし現地の食べ方として欠かせないわけではありません。

保存と温め直し

食卓に出した分は鍋へ戻さないでください。粗熱が取れたら、浅い容器で冷ますようにして、清潔な容器に移して冷蔵します。蟹入りは翌日までを目安に食べ切り、再加熱は中心まで熱くしてから、一人分ずつ盛ります。冷凍するなら、蟹の身を外して煮汁と葉の部分だけにします。解凍後にココナッツミルクを少量足し、弱火で温めると、分離を整えやすくなります。これは品質を保証するものではなく、調理上の目安です。酸っぱい匂いがしたり、粘りに異常があったり、容器が膨らんでいたら、食べずに捨ててください。

よくある質問

ダシーンの葉が見つからないときは?

食用タロイモ葉が輸入食材店や通販で見つからなければ、ほうれん草300gで作ります。1分下ゆでして水を絞ってください。味は軽くなり、ダシーン葉と同じとは言えません。名前の分からない葉を、タロイモ葉として使うのはやめましょう。

カラルーとジャマイカのcallalooは同じ料理?

同じ英語名でも、国によって主材料が違います。トリニダード・トバゴ版はダシーン葉とオクラ、ジャマイカではアマランサスの葉を指す用法が広く見られます。検索するときは料理名と国名を一緒に入れて、葉と工程を確かめてください。

蟹の代わりに何を使える?

塩漬け豚肉200gに替えるなら、塩抜きと煮こぼしを行い、塩は最後に調整します。甲殻類を避けたいときは、蟹を入れずに、かぼちゃとオクラを増やした野菜版にしてください。蟹のだしを別の魚に置き換えて、同じ味になるとは言い切れません。

カラルーは作り置きできる?

蟹入りは、冷蔵で翌日までが目安です。浅い容器で冷ましてから再加熱します。温め直すときは、水またはココナッツミルクを50ml未満ずつ足し、弱火で煮立て過ぎないようにして、濃さを戻してください。生臭さや酸味など、いつもと違う変化があれば食べないでください。

タロイモの葉を庭から採って使ってもいい?

使えるのは、食用表示と販売者が確認できる葉だけです。庭、道端、野山から採ったタロイモ葉や、何の葉か同定できないものは使わないでください。野生のタロイモには針状のシュウ酸カルシウム結晶があり、口や喉を刺激します。加熱すれば野生の葉が安全になる、とは考えないでください。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る