豚骨、クマラ、じゃがいも、キャベツ、クレソン、ドウボーイが入ったニュージーランドのボイルアップ
🍽️分量4〜6人分
🌍料理ニュージーランド(マオリ)料理

ボイルアップの作り方|豚骨とクマラ、クレソン、ドウボーイを煮るニュージーランド・マオリの大鍋

約14分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 4

豚骨を煮て、泡を取り、じゃがいもとクマラを加える

手順1: 豚骨を煮て、泡を取り、じゃがいもとクマラを加える

大鍋に豚骨を入れ、かぶるくらいの水を注いで沸騰させます。

沸いたらふたをして、火を弱めて静かな煮立ちにします。浮いてきた泡は穴あきおたまですくいます。弱い煮立ちを保つのが大切で、強い沸騰を長く続けると汁が濁りやすく、あとで野菜も団子も崩れやすくなります。

1時間たったら、半割りのじゃがいもと大きめに切ったクマラを入れます。骨が汁から出ないようにしてください。足し水の量はレシピに書かれていませんが、蒸発して骨が出てきたら、少量の熱湯を足すのが実用的な対処です。

STEP 22 / 4

ドウボーイの生地を作る

手順2: ドウボーイの生地を作る

鍋が煮えている間に、ボウルにセルフライジングフラワー、団子用の水、塩こしょう少々を入れ、柔らかな生地にまとめます。最後の15分に入る前に準備を終えておきます。生地は生のまま味見しないでください。

STEP 33 / 4

キャベツとクレソンを加え、ドウボーイを落とす

手順3: キャベツとクレソンを加え、ドウボーイを落とす

煮終わる15分前に、キャベツとクレソンを鍋に加えます。

その5分後に、生地を丸めて汁に落とします。大きさはレシピに指定がありません。小さくそろえるのは編集部の提案で、大きい団子ほど中心まで火が通るのに時間がかかるためです。そのまま静かな煮立ちで、残り約10分ほど煮ます。

盛る前に、ドウボーイをひとつ取り出して割ってください。中心に生の粉っぽさが残っていないことが条件で、残っていればさらに煮てもう一度確かめます。根菜は柔らかくなり、肉は骨からほぐれやすくなっているのが目安です。レシピには中心温度の指定がありません。日本の厚生労働省は、家庭での一般的な食中毒予防として、肉は中心が75°Cで1分以上になるまで加熱するよう案内しています。骨に当てず、肉の厚い部分で確かめてください。時間の経過だけでは、火が通った証明になりません。

STEP 44 / 4

深い器に盛る

手順4: 深い器に盛る

深い器に、骨付きの肉、野菜、ドウボーイ、汁をよそいます。汁は塩こしょうで味を調えます。お好みで、レシピにあるようにレウェナ・パン、バター、トマトソースを添えます。生の豚肉に触れた道具ではなく、清潔な道具で盛りつけてください。食べるときは、小さな骨片に気をつけます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

ボイルアップ用の豚骨、じゃがいも、紫クマラ、キャベツ、クレソン、小麦粉
鍋の水と団子の水、それぞれの塩こしょうは分けておく
7品目

鍋に入れるもの

材料 分量 代替・備考
肉付きの豚骨 2 kg だしと食べごたえのもと。肉が付いた骨ごとの重さで、骨なしの肉2 kgではない
鍋用の水 豚骨がかぶる量 骨を煮る水。団子の水とは別に用意する
new potatoes(小さめのじゃがいも) 500 g、半割り 汁の中でも形が崩れにくい小粒のじゃがいも
紫クマラ 500 g、大きめの塊 甘みと色。皮をむく前の重さか後の重さかは原本に記載なし
キャベツ 500 g、ざく切り かさと、やさしい甘み
生のクレソン 2カップ(250 mlのカップで、ゆるく量って約500 ml) 青い香りと軽い辛み
塩・こしょう(鍋用) 適量 汁の味つけ。味を見て調整する
3品目

ドウボーイ用

材料 分量 代替・備考
セルフライジングフラワー 1カップ(250 mlのカップで250 ml) 団子の主材料。膨らし粉がすでに入っている粉を使う
団子用の水 1/4カップ(250 mlのカップで62.5 ml) 生地をまとめる水。鍋の水とは別に用意する
塩・こしょう(生地用) 各少々 生地そのものの味つけ
3品目

添え物(お好みで)

材料 分量 代替・備考
レウェナ・パン(rewena bread) お好みで 鍋には入れず、別に添える
バター お好みで パンに塗る用に別添え
トマトソース お好みで 食卓で好みにかける

原本のレシピは、粉・団子の水・クレソンをカップで示していますが、カップの容量は定義していません。この記事では250 mlのカップを選び、その場合の容量を併記しました。粉と葉っぱはグラムに換算していません。鍋の水、鍋用と生地用の塩こしょうは、原本に数字の指定がないため、数字を足していません。

アレルゲン

ドウボーイとレウェナ・パンには小麦、別添えのバターには乳が含まれ、料理全体は豚肉が中心です。別の粉の配合はこのレシピの範囲外です。市販品を使うときは表示を確認してください。


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大きな鍋に豚骨と水を入れて火にかけます。骨がことこと煮えてきたらじゃがいもとクマラを加え、終盤にキャベツとクレソン、最後に柔らかい小麦粉の生地をちぎって汁に落とす。アオテアロア・ニュージーランドで、マオリの食文化と深く結びついて食べられてきたボイルアップです。

ボイルアップ — 豚骨と根菜、青菜、ドウボーイの大鍋

この鍋が守りたいこと

肉がほろりとほぐれるまで静かに煮た豚骨、形を保った根菜、終盤に入れる青菜、中心まで火の通った柔らかいドウボーイ。そして、それらをつなぐ汁。この5つがそろえば、ボイルアップの姿になります。

ニュージーランドの百科事典 Te Ara(Encyclopedia of New Zealand)は、ボイルアップを大鍋で作る料理として紹介し、家族にも訪れた客にも十分ふるまえる量を作れると説明しています。たくさんの人が囲む食卓のための鍋であることが、この料理の性格のひとつです。

このレシピは、ニュージーランドの New World が公開している家庭向けレシピ「Anika's go-to boil up」(4〜6人分の表記)に沿っています。ただし、これはあくまで一家庭の作り方で、唯一の決まった配合ではありません。ボイルアップは家庭によって肉も青菜も根菜も違い、後半の「家庭ごとの違い」でその幅の一部を紹介します。同じ国の料理はニュージーランドのレシピでも探せます。

ベリーズの boil up とは別の料理

ベリーズにも名前のよく似た料理がありますが、別の料理です。この記事で扱うのは、ニュージーランドのマオリのボイルアップだけです。

外から来た食とマオリの食が出会って、定番になった

Te Ara によると、ヨーロッパからの入植者が持ち込んだ豚、じゃがいも、小麦などが、マオリの食材や調理法と出会いました。豚、pūhā(プーハー)、じゃがいもの食事が新しい定番になり、この組み合わせがボイルアップと呼ばれるようになったそうです。Tourism New Zealand も同じような説明をしていて、じゃがいもはクマラより育てやすく、そのことが広まる後押しになったと述べています。

ですからボイルアップは、昔から変わらない正統の配合がひとつある料理というより、食材同士が出会って生まれた料理と言うほうが実態に近いでしょう。鍋の中身は、いまも家庭ごとに少しずつ違います。

混同しやすい3つの食材の名前を、ここで分けておきます。

名前 どんな食材か このレシピでは
クマラ(kūmara) ポリネシア由来の根菜で、古くからマオリの食文化の一部 紫クマラを大きめに切って使う
プーハー(pūhā) ノゲシの仲間(sow thistle)。豚・pūhā・じゃがいもの定番の組み合わせに名前が出る青菜 使わない。レシピによっては任意で加える
コーヒティヒティ(kōwhitiwhiti) 水辺に育つクレソン(watercress) 生のクレソンを終盤に加える

プーハーとクレソンは別の植物で、キャベツもまた別のものです。New World のレシピはキャベツとクレソンを使い、プーハーは任意の追加として触れているだけです。


選び方と代用

豚骨。 骨付きで肉が付いている豚肉を選びます。スペアリブなど、骨と肉の両方がある部位が向いています。ほかの部位だと食感も脂の量も変わるので、同じ料理ではなく「アレンジ」として考えてください。

クマラ。 指定の紫クマラが手に入らないときは、日本のさつまいもで代えるのが編集部の提案です。甘み、食感、色は変わることがあります。原本は「purple kūmara」と書くだけで、品種名は挙げていません。Foodstuffs North Island の青果規格書では、purple の区分は「濃い紫色の皮に、白から黄色の果肉」と説明されています。これは小売での区分の説明で、あらゆる紫クマラに当てはまるわけではなく、原本のレシピで使われたクマラの品種や果肉の色を特定するものでもありません。記事の写真は、この小売規格に合わせています。

クレソン。 一般的なスーパーのクレソンで、このレシピには合います。プーハーは別の植物で、この記事では探し方、見分け方、採取には触れません。

セルフライジングフラワー。 「セルフライジングフラワー」として売られているものを使い、表示を確認してください。薄力粉だけでは同じ粉になりません。薄力粉とベーキングパウダーで自分で作る場合の割合は、このレシピに根拠がないため示しません。

道具

  • ふた付きの大きく厚手の鍋(具材と汁がすべて入り、ことこと煮る余裕のある大きさ)
  • 泡をすくう穴あきおたま
  • 団子の生地を混ぜるボウルとスプーン
  • 計量カップ(この記事では250 mlのもの)
  • 足し湯用の、お湯を沸かすケトルか小鍋
  • 生の豚肉用と、盛りつけ用で分けた道具とまな板
  • 盛りつけ用の深い器

うまくいかないときの戻し方

見えている状態 考えられる理由 試すこと
骨が汁から出ている 長い煮込みで水分が蒸発した 少量の熱湯を足して、骨をもう一度かぶせる
汁が濁り、野菜が崩れる 強い沸騰を長く続けた 火を弱めて静かな煮立ちにし、ふたをする
ドウボーイの中心が生 団子が大きすぎる、または汁が煮立っていない 静かな煮立ちで煮続け、もう一度割って確かめる。次回は小さく丸める
骨についた肉がまだ硬い 骨が大きい、または火が弱い 煮続けて、いちばん厚い肉の状態をもう一度確認する。時間でなく状態で判断する
汁の味がぼんやりする 味つけが遅かった 最後に塩とこしょうを少しずつ足す

残ったときの扱い

豚骨の入った大鍋を、室温で長く置いたままにしないでください。日本の厚生労働省の一般的な案内では、残りは浅い容器に小分けして速やかに冷やして冷蔵し、食べるときは75°C以上になるまで再加熱します。このレシピについては、具体的な保存日数や再加熱の時間が確認できていないため、数字は示しません。生の豚肉に使ったまな板と道具は、ほかのものに使う前によく洗ってください。

家庭ごとの違い

Te Ara の説明からも、ボイルアップがどれだけ家庭ごとに違うかが読み取れます。どれかひとつが唯一の正解というわけではありません。

  • 肉: 豚骨のほか、Te Ara はベーコンの骨、ブリスケット(brisket)、ソーセージにも触れています。
  • 青菜: 定番の組み合わせにはプーハーが挙がります。New World のレシピはクレソンとキャベツを使い、プーハーは任意です。
  • 野菜: Te Ara は、かぼちゃ、クマラ、kamokamo(カモカモ)にも触れています。
  • ドウボーイ: このレシピは汁に落とします。Te Ara は、団子を上にのせて蒸す形も説明しており、どちらも幅のうちです。
  • 食卓で: New World のレシピのように、レウェナ・パン、バター、トマトソースを添えます。いずれも添え物で、必須の材料ではありません。

よくある質問

ボイルアップとは何ですか?

マオリの食文化と深く結びついた、ニュージーランドの一鍋料理です。Te Ara と Tourism New Zealand は、ヨーロッパの食材が入ってきたあと、豚、プーハー、じゃがいもの食事が新しい定番になったと説明しています。いまの作り方は、家庭によって違います。

クマラとさつまいもは同じですか?

ここで話しているのは、レシピの紫クマラの代わりに日本のさつまいもを使うという、料理上の代用のことです。植物としての違いを述べているわけではありません。甘み、食感、色は変わることがあります。

プーハーとクレソンは同じですか?

違います。プーハーはノゲシの仲間(sow thistle)で、クレソン(kōwhitiwhiti)は水辺に育つ別の植物です。レシピによって、それぞれやキャベツの使い方は異なります。

ドウボーイとは何ですか?

小麦粉と水を主にした、簡単な団子です。このレシピでは、セルフライジングフラワー、水、塩こしょう少々で作り、終盤に汁へ落とします。配合や入れ方は、レシピによって幅があります。

ドウボーイを薄力粉で作れますか?

このレシピはセルフライジングフラワー、つまり膨らし粉の入った粉を指定しています。薄力粉だけでは同じ粉ではなく、薄力粉とベーキングパウダーの割合もここでは示していません。

ベリーズの boil up と関係がありますか?

名前は似ていますが、別の料理です。この記事で扱うのは、ニュージーランドのマオリのボイルアップだけです。

鍋のかなめ

ボイルアップの土台は4つあります。豚骨の汁、根菜の甘み、青菜の新鮮な風味、そして柔らかいドウボーイの安心感。クマラをさつまいもに替えたり、骨付き豚肉の別の部位を選んだりすれば、味も食感も少し変わります。その違いを受け入れて、自分の台所のボイルアップにしてください。

主な参考リンク

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