ロリーケーキ ― 切るたびに色が現れるビスケットの丸太
ビスケットのクラムを先に混ぜ、そこへやわらかいカラフルなお菓子を散らします。ぎゅっと押して一本の丸太にまとめ、きれいに切れるまで冷やし、色のついた断面を見せるように切ります。
外から見れば、ココナッツをまぶしただけの素朴な丸太です。冷蔵庫から出して包丁を入れると、茶色いモルトビスケットのクラムの中に、カラフルなやわらかいキャンディーの粒が点々と現れます。この断面こそがロリーケーキの魅力です。
ロリーケーキは、砕いたモルトビスケットと刻んだやわらかいキャンディー(lolly)をバターと加糖練乳でつなぎ、丸太形にまとめてココナッツをまぶし、冷やし固めるニュージーランドの焼かないお菓子です。Anchor Dairy New ZealandとWoolworths New Zealandはどちらもこれを「Kiwi classic」と呼んでいます。料理家のVanya Insull(VJ Cooks)は、lolly cakeとlolly logの二つの呼び名で紹介しています。同じ国の食卓の話はニュージーランドでも読めます。
オーブンは使いませんが、まったく加熱しないレシピではありません。バターと練乳は、乾いた材料を入れる前に電子レンジで一緒に温めます。
この記事は、VJ Cooksが2026年7月に改訂して公開している配合に沿って書いています。練乳を含め、主な材料すべての重さが示されているからです。世界ごはん紀行編集部では、このレシピを試作していません。分量、混ぜる順番、冷やし時間は原典のとおりです。無塩バター、Fruit Puffs、丸太1本にまとめる点は、この記事での編集上の選択です。
道具
- 電子レンジ対応の大きなボウル
- 泡立て器
- ビスケットを砕くもの(めん棒など)と、クラムを入れるボウル
- 包丁とまな板
- オーブンシート、または清潔な作業台
- ココナッツを広げる浅い皿
- ラップ
- 冷蔵庫
- 残りを入れるふた付きの容器
選び方と代用
モルトビスケットは、飾り気のない、ほんのり麦芽の香るビスケットで、ロリーケーキの味を決めます。原典はほかのプレーンなビスケットも認めていますが、味が変わるので、同じお菓子ではなくアレンジとして考えてください。
Fruit PuffsとExplorersは、どちらも原典に出てくる名前で、この記事ではFruit Puffsを使います。包丁で切れる、やわらかくカラフルなお菓子です。普通の硬いキャンディー、グミ、一般的なマシュマロは同等品ではありません。ほかのお菓子を使うと食感も甘さも変わるので、自分なりのアレンジとして楽しんでください。
加糖練乳は、原典に½カップと160gが併記されています。使うのは160gの重さです。ほかの配合にある「半缶」は缶の大きさによって量が変わるので、同じ意味ではありません。
バターは、この記事では無塩を選んでいます。原典には有塩か無塩かの記載がありません。
ココナッツは乾燥ココナッツ(desiccated coconut)を使います。砂糖入りのココナッツフレークに、断りなく替えないでください。別の製品です。大さじ2は薄くまぶす量で、丸太のすみずみまで覆えるとは限りません。
このレシピには乳(バター、練乳)と小麦(モルトビスケット)が入っています。ビスケット、キャンディー、ココナッツは、そのまま食べられる製品を選び、各製品の原材料表示とアレルゲン表示(同じ工場で扱う原材料の注意書きを含む)を確認してください。
崩れる、偏る、塊が残るとき
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 切ると崩れる | 冷やし足りない、または押し固め方が足りない | ラップで包み直し、固まるまで冷蔵庫へ戻す。次回は成形のときに強く押す |
| お菓子の粒が一か所に固まる | クラムを混ぜる前にお菓子を入れた、または全体に折り込めていない | 次回は先にクラムをしっとりさせてから、お菓子を全体に折り込む |
| 温めて休ませたあともバターの塊が残る | 電子レンジの出力に差がある(原典にワット数の記載なし) | 電子レンジの説明に従い、沸騰させずに、生地の状態を見ながら混ぜ続ける |
| 生地が乾いてまとまらない | 押し固めが足りない | ぎゅっと押して丸太にする。牛乳などの水分は足さない |
| ココナッツが丸太全体を覆わない | 大さじ2は薄くまぶす量 | この配合の分量どおりなので、薄いのは想定内 |
丸太が崩れると、バターや練乳を足したくなります。でも足すと、このレシピの失敗の手直しではなく、あとで紹介するほかの配合に近い別のレシピになります。
食べ方と残りの扱い
ロリーケーキは、冷えた丸太を切って、そのまま食べます。切るまでは丸太を冷蔵庫に入れておき、切ったものを食卓に長く置きっぱなしにしないでください。
残りは、ふた付きの容器に入れて冷蔵庫で保管します。原典の「冷蔵庫で密閉して保管する」という案内に沿った扱いです。使った製品の表示にも従ってください。冷やすのは固めるためで、殺菌ではありません。この記事では、保存期間や冷凍の方法は案内しません。
ほかの形、ほかの配合
別のレシピの分量で作るなら、そのレシピ全体に従ってください。一つのレシピのバターと別のレシピの練乳、冷やし時間を組み合わせても、どちらの配合にもなりません。
形。 原典は、丸太1本か小さい丸太2本にしてよいとしています。同じ生地をボール形や、型に押し込んで切る形にする方法も紹介していますが、この記事で見せるのは丸太だけです。
お菓子。 原典に出てくるのはFruit PuffsとExplorersです。ほかのお菓子にすると、食感も甘さも変わります。
ビスケット。 原典はほかのプレーンなビスケットも認めていますが、風味は変わります。
ほかの配合。 ニュージーランドのロリーケーキのレシピは、どれも同じ割合ではありません。Anchor Dairy New Zealandの配合は、溶かしバター120g、加糖練乳半缶、Explorerキャンディー約190g、モルトビスケット約250g、乾燥ココナッツ2 cupsで、4時間冷やします。Woolworths New Zealandの配合は、モルトビスケット250g、Fruit Puffs系のキャンディー190g、バター100g、練乳半缶で、16人分、数時間冷やします。どちらも別のレシピです。「半缶」はここでは換算せず、これらの分量を上の配合に混ぜることもしません。
ベーカリーの棚と誕生日会 ― ニュージーランドのロリーケーキ
Anchor Dairy New Zealandは、ロリーケーキを「Kiwi classic」と呼ぶ焼かない丸太菓子として紹介し、ページには地元のベーカリーやお弁当箱にまつわる思い出も出てきます。VJ Cooksは、lolly cake(lolly log)を、子どもの誕生日会と結びついたニュージーランドのパーティーのお菓子だと書いています。Woolworths New Zealandも「Kiwi classic」と呼び、モルトビスケット、フルーツパフ系のお菓子、バター、練乳を丸太形にまとめ、ココナッツをまぶして固まるまで冷やす、同じ材料の組み合わせを説明しています。
これらは各資料の説明と思い出で、ニュージーランドのすべての家庭に共通する経験ではありません。誰がいつ最初に作ったのかは、ここで使った資料からは確かめられないので、この記事では由来を空けたままにしています。
よくある質問
オーブンは必要ですか?
必要ありません。焼きませんが、混ぜる前にバターと練乳を電子レンジで一緒に温めます。
どのくらい冷やしますか?
最低2時間、または一晩。切れる硬さになるまで冷やします。Anchorのレシピの4時間は、別の配合の条件です。
練乳は半缶ですか?
この配合では違います。160gを使ってください。原典は½カップと160gを併記しています。「半缶」はほかのレシピの表記で、缶の大きさによって量が変わります。
Explorersが手に入らないときは?
原典はFruit Puffsを認めていて、この記事もFruit Puffsを使います。ほかのお菓子では、食感も甘さも変わります。
何切れできますか?
原典は、約2cm幅に切ると約20切れとしています。原典の目安で、私たちの台所で測った結果ではないので、実際の切れ数は変わることがあります。












