カルド・デ・コスティージャ:湯気の立つ深皿に、やわらかなリブ肉と形を保ったじゃがいも
この鍋で守るのは、リブ肉をやわらかく煮てからじゃがいもを入れることと、じゃがいもが柔らかくなっても形が残っているうちに火を止めることです。玉ねぎを攪拌して入れるため、煮汁は自然に少し濁ります。ここでは透明さを目指しません。
深い器に、骨付きの牛リブ肉、皮をむいたじゃがいものごろごろとした塊、そして刻んだ生のコリアンダー。淡く旨みのある煮汁から湯気が立ちのぼります。コロンビアでは、カルド・デ・コスティージャは朝食に食べるスープで、ボゴタ市の観光当局も、この街の朝食の伝統とあわせて食文化として取り上げています。
このレシピは、My Colombian Recipesのエリカ・ディーニョ(Erica Dinho)さんのレシピに沿っています。著者はコロンビア生まれ・育ちと自己紹介している人です。作り方は素朴でゆったりしています。ショートリブをクミン、塩、こしょうと一緒に煮て、玉ねぎ、青ねぎ、にんにくを少量の水と攪拌したものを鍋に加え、最後にじゃがいもとコリアンダーを入れます。難しいのは肉がやわらかくなる時機と、じゃがいもが形を保つ時機を合わせることだけです。
caldoはブロス(だし汁)、costillaは肋骨・リブを意味するので、caldo de costillaはそのまま「リブのブロス」です。コロンビアのレシピでは、この部位をcostilla de res(牛リブ)、じゃがいもをpapaと呼びます。名前にまつわる特別な由来話は、確認できていません。
ボゴタの朝の食卓にのぼる、牛リブのスープ
カルド・デ・コスティージャは、コロンビアの家庭ごとにさまざまな作り方があります。共通する核は水、牛リブ、じゃがいもです。コロンビアの地域料理媒体ラ・ヌエバ・バガテラ(La Nueva Bagatela)は、この料理をボゴタ周辺の高地、クンディボヤセンセ地域(Cundiboyacense)に結びつけています。同じ媒体は、その地域の外でも広く見かけるスープだと説明し、深夜や運輸関係の人たちが集まる場所で出される例にも触れています。これはその媒体の捉え方で、確定した歴史ではありません。この記事も、単一の発祥地を断定しません。
ボゴタ市の公的な認知のほうは、もう少しはっきりしています。市の観光局(Instituto Distrital de Turismo)が開いた美食会議「El Sabor de Nuestra Casa」では、料理実演のテーマにボゴタの朝食と並んでカルド・デ・コスティージャが入っていました。市の発表は、このスープをボゴタの文化表現として紹介しています。これは公的に認知されていることを示すだけで、コロンビアの誰もが食べる、あるいは同じように食べるという意味ではありません。
家庭の台所では細部が変わります。にんじんを入れる人もいますし、玉ねぎの種類、にんにく、クミン、香草、ブイヨン粉の有無もレシピごとに違います。二日酔いに効く、外国人の鉄道労働者が伝えたといった話を目にするかもしれませんが、どちらも信頼できる裏づけがありません。この記事では、体を温めてくれるよい一杯として紹介します。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 大きな深鍋。水約15カップとリブ、じゃがいもを入れても、上に十分な余裕があるもの
- ブレンダー
- 包丁とまな板
- おたま。アクを取るなら網じゃくしも
- じゃがいもの火通りを試す、清潔なフォーク
選び方と代用
レシピはカップとポンドで書かれています。メートル法で作る場合の目安は、1カップ = 240 ml、小さじ1 = 5 ml として丸めた換算です。原典はカップの容量を示していないので、240 mlのカップは編集上の仮定です。
- リブ3ポンドは約1.36 kg(骨を含む重さ)
- じゃがいも1ポンドは約454 g
- 水15カップは約3.6 L
- ブレンダー用の水¼カップは60 ml
- 刻んだ玉ねぎ1カップは240 ml
- 刻んだコリアンダー½カップは120 ml(半量ずつで各60 ml)
玉ねぎとコリアンダーは重さではなく容量です。
ショートリブ。 3ポンドは骨付きの重さです。代わりに骨なしの肉を3ポンド買うと、レシピが想定するよりずっと多い肉になってしまいます。骨付きの牛すね肉が代わりに挙げられることもありますが、骨と脂のバランスが違うので煮汁の味は変わります。同じものとして置き換えないでください。
青ねぎ。 細い青ねぎ(scallions)を使います。コロンビアのレシピでは、長ねぎに近いcebolla largaが使われることがよくあります。太い長ねぎやリーキしか手に入らない場合に、細い青ねぎ6本と同じ6本を使うのはやめましょう。分量は同等ではありません。
じゃがいも。 品種は指定されていません。煮崩れしにくい品種のほうが、形を保って仕上げやすくなります。粉質のじゃがいもは崩れやすく、煮汁にとろみをつけます。
コリアンダー。 生のコリアンダー(香菜)の葉を使います。½カップ全部を一度に刻み、同量の2つに分けておくと、うっかり½カップをもう一度加えてしまう失敗を防げます。
このレシピに入れないもの。 にんじん、アチョーテ、ブイヨン、油は使いません。リブを焼き付けたり洗ったりする必要もありません。
硬い、崩れた、味が薄い:鍋の中のトラブルの直し方
| 困りごと | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| じゃがいもを入れる時機なのに、リブがまだ硬い | リブが厚い、または火が弱すぎて進んでいない | じゃがいもを入れる前に煮続け、またフォークで確かめる。追加時間は決まっていないので、柔らかさで判断する |
| じゃがいもが崩れる | 肉の準備ができる前に入れた、または強く沸騰させた | 肉が柔らかくなってから入れ、静かな煮立ちを保ち、早めに火通りを試す。粉質の品種は崩れやすい |
| 煮汁が脂っぽい | リブの脂が表面に浮いている | 好みで表面の脂を少しすくう。全部取り除く必要はない |
| 煮汁が濁る | 攪拌した玉ねぎのベースによるもので、想定どおり | 直す必要はない。この作り方は澄ましたスープではない。濁りが重くならないよう、静かな煮立ちを保つ |
| 煮汁の味がぼんやりする | この水の量に対して塩が足りない | じゃがいもを入れるときと、出す前に味を見て、塩とこしょうを調整する。このレシピではブイヨンは使わない |
| コリアンダーの香りが鈍い | 全量を煮込んでしまった | 後半分は器に取っておき、生の香りを上に残す |
食べ方と家庭ごとのバリエーション

著者は、カルド・デ・コスティージャをアレパ、 アヒ(ají)、アボカド、白ごはんと一緒に楽しむそうです。これは本人の好みで、必須ではありません。プレーンなアレパを添えるのがいちばん手軽で、一杯が朝食らしい食事になります。
ほかの家庭では、鍋にこんな変化をつけています。
- にんじん。 著者は、にんじんを入れる人もいると書いています。このレシピには含まれず、分量も示していません。入れるなら、それはアレンジです。
- 玉ねぎとコリアンダーを上に。 コロンビアの牛肉・乳製品生産者のサイト、カルネ・イ・レチェ・コロンビアナ(Carne y Leche Colombiana)では、コリアンダーだけでなく、刻んだ玉ねぎとコリアンダーを飾りにしています。
- 味つけの違い。 玉ねぎ、にんにく、クミン、香草の使い方はレシピごとに違い、ブイヨン粉を使うものもあります。それぞれ別の配合なので、分量をこのレシピに混ぜないでください。
- 圧力鍋。 圧力鍋を使うコロンビアのレシピもありますが、時間は機種と部位で変わります。この記事は普通の鍋だけを扱います。
コロンビアのほかの料理は、コロンビアの料理一覧から探せます。
よくある質問
カルド・デ・コスティージャはサンコーチョと同じですか?
違います。カルド・デ・コスティージャは、リブとじゃがいもを軸にした牛リブのブロスです。サンコーチョ(sancocho)は具が何種類も入る、より具だくさんのスープで、たとえば鶏のサンコーチョ(sancocho de gallina)は牛リブではなく鶏肉が主役です。
牛肉はどの部位を買えばよいですか?
骨付きの牛ショートリブを、骨を含む重さで3ポンド買ってください。骨付きのすね肉も候補にはなりますが、骨と脂のバランスが違うので、できあがる煮汁は別物になります。
圧力鍋で作れますか?
このレシピは普通の深鍋用です。圧力鍋の時間は機種と部位で変わるので、ここでは扱いません。
煮汁が澄まないのはなぜですか?
玉ねぎ、青ねぎ、にんにくをブレンダーで攪拌して鍋に加えるため、煮汁は淡く少し濁ります。この作り方では想定どおりの状態です。
にんじんを入れてもいいですか?
レシピの著者によれば、入れる人もいるそうです。ただし家庭のアレンジで、このレシピの材料には含まれません。
何を添えるとよいですか?
プレーンなアレパを別添えにするのがいちばん手軽です。著者は、ほかにアヒ、アボカド、白ごはんも好んでいます。どれも必須ではありません。











