コロンビア西部の街カリで、チャンプスの伝統を守る人として知られるエヴェルヒスタ・ゴメス・バランタ(Evergista Gómez Balanta)さん。コロンビアのメディアNOTI5のインタビューを、Tropicana Colombiaが紹介しています。それによると、子どもの頃、祖母と母が聖週間(Semana Mayor)にチャンプスを家で作り、家族みんなで分け合ったそうです。これは一家庭の思い出で、地域のすべての家が聖週間にこうしていたという話ではありません。それでも、大きな鍋でたっぷり作り、みんなに注いで回すという、この飲み物らしい食卓の姿が見えてきます。
Tropicana Colombiaは、チャンプスを、カリの人たちが暑い日に冷やして楽しむ飲み物として紹介しています。とうもろこしの存在感がはっきりありながら、きちんと飲める濃さで、パネラ(panela)の甘さをルロの酸味が引き締めます。この記事では、白いとうもろこし粉を使うチャンプス・バジェーノ(champús valluno)のレシピを1つ選び、配合をそのままご紹介します。
以下の分量と手順は、公開されている元のレシピに従っています。当編集部の台所で試作したものではないため、実際の仕上がり量、グラスの大きさ、正確な加熱時間は確認できていません。
白いとうもろこし粉のやわらかな厚み、パネラの糖蜜のような甘み、ルロの鋭くフルーティーな酸味、そしてやわらかいパイナップル。氷を入れて、冷たくして飲みます。
チャンプスはどんな飲み物?
ここで参考にしたのは、My Colombian Cocinaのチャンプス・バジェーノです。カウカ地方で人気の飲み物と紹介されています。作りは単純で、水とパネラとスパイスを煮て、軽くとろみのある甘い香味液(メラオ、melao)をつくります。別に用意した水で白いとうもろこし粉を溶き、メラオに加えて煮ます。そして火を止めて少し冷ましてから、ルロと細かく刻んだパイナップルを加えます。氷は飲むときに入れます。
材料それぞれの役割は次のとおりです。
| 材料 | 担う役割 |
|---|---|
| 白いとうもろこし粉 | とろみと穀物の土台 |
| パネラ | 糖蜜のようなコクのある甘み |
| ルロ(ナランヒージャ) | 酸味とフルーティーな香り。この飲み物の味の軸 |
| パイナップル | 果実の風味と、噛めるやわらかい果肉 |
| クローブ、シナモン、葉 | メラオにつく、甘くあたたかいスパイスの香り |
このレシピでは、チャンプスを発酵飲料としては扱っていません。置いて酸っぱくさせる工程もありません。
粉で作る版と、粒で作る版
チャンプスは、どれも同じとうもろこしから作るわけではありません。この記事の版は、白いとうもろこし粉を水に溶いて使います。一方、Boquisabrosoのレシピは、乾燥とうもろこし2カップを一晩水に浸し、シナモンと一緒に約1時間、粒がやわらかくなるまで煮ます。それをパネラ、ビターオレンジの葉、クローブ、水でつくったメラオと合わせ、ルロとパイナップルを加えて、氷とともに出します。さらにTropicana Colombiaは、バジェ・デル・カウカ県庁(Gobernación del Valle del Cauca)が公開した別のレシピも伝えています。とうもろこしの粒1リブラ(libra)、ルロ10個、パネラ150g、水3L、香草、パイナップル、好みでビターオレンジの果汁という配合です。
粉版と粒版では、準備の手間も口あたりも違います。どちらかが唯一の正解というわけではありません。この記事は粉版の1本に絞り、ほかのレシピの材料や手順は混ぜません。
日本でそろえるときの材料選び
ルロ(ナランヒージャ)。 元のレシピは、ルロとナランヒージャ(naranjilla)を同じ材料の呼び名として並べています。この記事では、生のルロ5個から取り出した果肉を使います。元のレシピは果肉でもよいとしていますが、それが生か冷凍か、重さがどれくらいかは書いていません。冷凍の果肉しか手に入らない場合でも、1パック全部が5個分にあたると思い込まないでください。解凍後に出る果汁の量で、仕上がりの濃さが変わります。酸味や香りも、産地や冷凍品によって違います。
パネラ。 元のスペイン語のレシピは、パネラ150gです。マスコバド糖(muscovado sugar)も選択肢として挙がっていますが、この版ではパネラを使います。マスコバド糖は、甘さや風味がパネラと同じとは考えないでください。パネラが固形のブロックなら、削るか、すりおろします。
白いとうもろこし粉。 元のレシピは、粉の加工方法や粒の細かさを指定していません。食品用の白いとうもろこし粉を使い、袋の加熱の説明を確かめてください。コーンスターチや、マサハリナ(masa harina)のようなアルカリ処理した粉、加熱済みのとうもろこし粉が、同じように仕上がる保証はありません。使う場合は、試していない代用品として扱ってください。
葉。 元のレシピは、ビターオレンジの葉(hojas de naranjo agrio)3枚で、代わりにミントも挙げています。この版ではミント3枚を使います。ほかの柑橘の葉については確認しておらず、同じものとはみなしません。
水と氷。 加熱にも、氷にも、飲用できる水を使います。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 水2Lと果物が入っても余裕のある厚手の鍋(この版では4L前後が目安です。元のレシピの指定ではありません)
- 1Lを量れる計量カップ
- 粉を溶くボウルと泡立て器
- 鍋底をさらう木べら
- ルロの果肉をすくうスプーンかナイフ
- 任意:ルロの果肉を自分で取り出し、なめらかにしたい場合の細かい目のざる
仕上がりの見極めと、うまくいかないとき
元のレシピはとろみを数値で示していません。目と、スプーンで確かめてください。スプーンにまとわりつく濃さがありながら、お玉で注げる状態が目安です。
| 困りごと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| だまができる | 粉が十分に溶けていない、または一度に入れすぎた | 次回は、粉を1Lの水に少しずつ加えて混ぜ、混ぜながらゆっくり鍋に注ぐ |
| 焦げつく、底が固まる | 火が強い、混ぜ足りない | 厚手の鍋を使い、弱めから中火に保って、鍋底をこまめにさらう(実用的な目安で、元のレシピに火加減の指定はありません) |
| 濃すぎる、重い | 思ったより煮詰まった | 火を止めて状態を確かめる。薄めるなら水を少しずつ。元のレシピに加える量の指定はなく、レシピの一部ではなく調整です |
| 甘すぎる | パネラの甘さには個体差がある | 元の分量を守り、氷はグラスに入れて飲む人が好みで薄められるようにする。最初からパネラを減らすなど、配合は書き換えない |
| ルロが手に入らない | 生のルロが見つけにくい | 元のレシピで認められているのは果肉。ほかの柑橘を使うのは試していないアレンジで、このレシピとは別扱い |
氷で薄まるのが気になるなら、氷は別添えにして、各自が入れるようにします。
アレンジの案
以下は編集部の選択で、伝統的な基準ではありません。
- 生のルロの代わりに果肉を使う。 元のレシピは果肉を認めていますが、重さの指定がありません。パックを全量入れず、少しずつ加えて味を見てください。
- ミントの代わりにビターオレンジの葉を使う。 元のレシピが最初に挙げているのは、ビターオレンジの葉3枚です。この版のミントでは、香りが違う方向に向かいます。
- パネラの代わりにマスコバド糖を使う。 元のレシピが選択肢として挙げています。パネラとは甘さも糖蜜の風味も違うと考えてください。
- パイナップルを大きめに切る。 食感を出したいなら、元のレシピの「細かく刻む」より少し大きく切ります。調整であって、現地の標準ではありません。
- 氷を別添えにする。 グラスに氷を入れるのではなく別に出して、飲む人が濃さを決められるようにします。
残ったときの扱い
この飲み物の保存期間は確認できていないため、書きません。家庭の食品衛生の一般的な心得に従ってください。手と器具を清潔にし、加熱後に室温で長く置かないようにします。残りは清潔で浅い容器に小分けして早く冷まし、速やかに冷蔵庫に入れてください。
カリの食卓で

Tropicana Colombiaは、チャンプスを、暑い日に冷やして楽しむカリの飲み物として紹介しています。エヴェルヒスタ・ゴメス・バランタさんの思い出は、NOTI5のインタビューから引用されたもので、家の女性たちが聖週間のために作り、家で分け合ったという家族の姿を教えてくれます。これは一家庭の話であり、カリやバジェ・デル・カウカのすべての家庭にあてはめることはしません。
チャンプスの隣に何が並ぶかも、家によって違うようです。Boquisabrosoのレシピは、エンパナーダ(empanadas)、アトリャード(atollado)、アロス・コン・ポジョ(arroz con pollo)との組み合わせを提案しています。レシピによって、とうもろこしの粉か粒か、ビターオレンジの葉かミントか、ルロや水の量も変わります。チャンプスが1通りではない飲み物だということが分かります。この飲み物の起源や名前の由来は、今回使った資料では確定できなかったので書いていません。
よくある質問
ルロとナランヒージャは別の果物ですか?
元のレシピは、同じ材料の呼び名として並べています。植物学的な詳しい同定は、この記事の範囲外です。
チャンプスは、とうもろこしの粒で作るのですか?
粒を使うレシピもあります。乾燥とうもろこしを一晩浸してやわらかく煮るものや、Tropicana Colombiaが伝える県庁のレシピは粒を使います。この記事は白いとうもろこし粉版だけを紹介しており、2つを混ぜることはしません。
ビターオレンジの葉は必須ですか?
必須ではありません。元のレシピはミントを代わりに挙げていて、この版ではミント3枚を使います。
チャンプスは何日もちますか?
信頼できる食品安全の資料で確認できていないため、日数は書きません。残りは清潔で浅い容器で早く冷まし、速やかに冷蔵庫に入れてください。
何度で、どれくらい煮ればよいですか?
元のレシピに温度の指定はありません。メラオを約30分煮て、粉を加えてから約1時間煮る、とあります。鍋の正確な温度と全体の所要時間は確認できていません。
コロンビアの料理をもっと
チャンプスは、アレパ(arepa)など、コロンビアにあるとうもろこしの食べ物の1つです。この国の地域の料理をもっと知りたいときは、コロンビアのレシピもご覧ください。













