コングリ、赤い豆の色をまとう米
豆は形を残したまま柔らかく煮て、煮汁も取っておきます。その煮汁が米の炊き水になり、豆の色と風味が料理全体に行き渡ります。
赤い豆をローリエと少量のオレガノと一緒に煮ると、鍋の水は次第に煮汁へと変わっていきます。そこへ、油、にんにく、玉ねぎ、ピーマン、クミンをまとわせた米を合わせ、すべてを一緒に炊き上げます。ここでは米と豆を別々に盛りません。豆が米を染めながら、ひとつの料理として仕上がります。
キューバの観光ポータルCuba.Travelは、コングリをキューバの代表的な料理のひとつとして挙げています。この記事で扱うのは、赤いんげん豆(frijoles colorados)で作る東部キューバ風の一品です。Cubagoで公開されているAmalia Trianaの「米2カップ」のレシピをもとにしました。ほかのキューバの料理人が別の豆や別の呼び名を使うこともあり、この版だけが唯一の正解というわけではありません。
このレシピは世界ごはん紀行編集部では試作していません。Cubagoのレシピには、人数の目安、豆の煮時間、豆を煮たあとの水分の調整方法が書かれていないため、ここにも足していません。米や鍋、炊飯器によって、結果は変わることがあります。
途中で見つける、味の決め手
選び方と代用
- 豆は乾燥豆を使います。 材料の1カップは乾燥豆の量です。調理済みやゆで缶の豆を1カップ使うと、豆と米のバランスが変わり、米を炊く煮汁も得られません。
- カップは1つに統一します。 米も水も、同じカップで量ってください。
- 米は長粒の白米です。 ぱらりとふっくらした米に仕上げるのが目標で、米の種類によって必要な水の量が変わります。別の種類の米では、この水量で同じようには炊けないかもしれません。
- ピーマンは赤でも緑でもかまいません。 使うのは1/4個だけです。
道具
- 計量カップ
- 豆を浸水させるボウル
- ざる
- 豆を煮る鍋
- ソフリートを作るフライパン
- 炊飯器
- スプーンまたはしゃもじ
うまくいかないとき
この配合では、浸水した豆がどれだけ水を吸うか、煮上がったあとに煮汁がどれだけ残るか、炊飯器ごとの水分をどう調整するかが決まっていません。以下の対処はその範囲にとどめていて、水の量を修正する数値は示していません。
| 状態 | 考えられること | 対処 |
|---|---|---|
| 長く煮ても豆がまだ硬い | 煮時間は鍋によって変わり、決まった時間はありません | 煮続けて、米の工程には進まない。豆の食感で判断する |
| 豆が柔らかくなる前に鍋の水が減った | 足し水の量は決まっていません | 水を足すなら、豆に必要な分だけにする。鍋に残ったものがすべて米の炊き水になる |
| 豆が崩れてしまう | 目安より煮すぎたかもしれません | 次回は、豆が中まで柔らかく、かつ形が残るところで止める |
| 米が思ったより柔らかい、または硬い | 米の種類で必要な水が変わり、炊飯器にも差があります | 使った米、炊飯器、残った煮汁の量を記録して、次回の目安にする |
| 味がぼんやりする | 塩は適量で加える指定です | 食べる前に味を見て、塩を少し足す |
アレンジ
よく見られる変化を挙げます。いずれも上の基本のレシピとは別の方向への変更なので、必須の手順ではなく選択肢として受け取ってください。
| アレンジ | 変わること | 知っておくこと |
|---|---|---|
| 豚肉を加える | チチャロネス(4〜5個)と、ベーコンに似た塩漬け豚肉トシーノ、チョリソの小片を、ソフリートと一緒に炒める | チチャロネスの大きさ、トシーノとチョリソの分量が定まっていないため、基本のレシピには入れていません |
| 黒豆 | 材料には赤豆か黒豆の選択肢があり、黒豆版はハバナと結びつけて説明されています | この記事は赤豆版で通します。呼び名については下の節を参照してください |
| パクチー(コリアンダーの葉) | 仕上げに刻んだパクチーを加える | 好みの仕上げで、必須の材料ではありません |
コングリは、肉料理や野菜と一緒に食卓に出すこともできます。Cuba.Travelは、米と黒豆に季節のサラダ、ローストまたはソースをかけた豚肉、揚げたプランテンを添えた食事を、キューバの典型的な食事として紹介しています。ただしこれは黒豆の例なので、赤豆のこのレシピに固定された決まりではなく、献立のヒントとして受け取ってください。
キューバのコングリ:ひとつの名前、いくつもの鍋
Cuba.Travelは、キューバの典型的な料理を、スペイン、アフリカ、先住民、ユカタン、アジアの伝統が混ざり合った結果として説明しています。観光向けの概説なので、料理がどう紹介されているかを示すものであって、各家庭が実際に何を作っているかを示すものではありません。
呼び名と豆は、きれいには対応しません。 Cubagoは、赤豆のコングリを東部キューバの版、黒豆の版をハバナのもので、そちらではモロス・イ・クリスティアーノス(Moros y Cristianos)と呼ばれると説明し、呼び名には地域差があるとも述べています。CiberCuba Cocinaも、コングリは赤、モロス・イ・クリスティアーノスは黒としつつ、どちらもコングリと呼ばれることがあると付け加えています。Food Networkに載っているMika Leonのレシピは、黒豆を使ったものにcongriという名前を付け、キューバの一部の地域では赤豆を使うと注記しています。そのため、この記事ではどの版に従っているかを明記し、キューバ全土で通用する呼び名をひとつに決めることはしていません。
起源もはっきりしていません。 Cubagoは、この料理と名前をめぐって、19世紀の調理法、ハイチのフランス語やアフリカの言語に結びつく語源、米を豆と一緒に炊くことで調理時間が短くなったという考えなど、複数の見方を並べています。CiberCuba Cocinaも、起源は研究者のあいだで合意がないものとして扱っています。いずれも可能性のひとつとして読むのがよく、確定した歴史とは言えません。
よくある質問
コングリとモロス・イ・クリスティアーノスは同じ料理ですか?
誰に聞くかで答えが変わります。豆の色で分け、赤はコングリ、黒はモロス・イ・クリスティアーノスとする資料がある一方、CiberCuba Cocinaは、どちらもコングリと呼ばれることがあると記しています。この記事で扱うのは、東部の赤豆版です。
何人分ですか?
Cubagoは、米2カップと乾燥豆1カップのこのレシピに人数の目安を示していません。そのため、この記事でも示していません。
豆はどのくらい煮ればよいですか?
鍋によって変わるので、決まった時間は示していません。豆が中まで柔らかく、かつ形を保っている状態になったら、次の工程に進んでください。
炊飯器に水を足したほうがよいですか?
Cubagoのレシピは、豆の煮汁以外の水を加えていませんし、この記事でも水量の目安は示していません。豆を煮たあとに残る水分が決まっておらず、米や炊飯器にも差があるため、仕上がりは変わる可能性があります。これは、このレシピで未検証の点のひとつです。
なぜ豆の煮汁を全部使うのですか?
煮汁が、米を炊く水になるからです。豆の色とローリエ、オレガノの風味がすでに移っていて、これを使うことで米が染まり、豆を別に添えただけの白いごはんとは違う、コングリらしい一品になります。
炊飯器ではなく、普通の鍋でコンロで炊けますか?
このレシピは炊飯器で仕上げるもので、コンロでの時間や水分の調整は示されていません。そのため、この記事ではコンロで炊く方法は紹介していません。















