黄色い皮を割ると、香辛料の効いた牛肉餡
バターは冷たいまま扱うと、生地が扱いやすくなります。餡はとろりと濃く、でも乾かないところまで煮詰め、包む前に完全に冷ましてください。
紙袋に入ったまま、熱々で手渡されるパティを思い浮かべてください。二つに割ると、薄い黄色の皮の中から牛ひき肉が現れ、カレーとタイムとオールスパイスの香り、そしてスコッチボネットのフルーティーな辛さが立ちのぼります。黄色の正体は、生地そのものに練り込んだターメリックとカレー粉です。
パティはひとつの型に決まった料理ではありません。Ainsley Harriott も Heritage Toronto も、牛肉以外にも野菜や別の肉を詰めたものがあり、辛さや皮の作りも店や作り手によって違うと伝えています。この記事で作るのは牛肉の1種類で、Ainsley Harriott の「Jamaican Beef Patties」(中サイズ約10個分)の配合です。ひとりの料理人のレシピであって唯一の基準ではなく、ここでは他の配合と混ぜていません。
以下の分量・時間・できあがりの個数は、そのレシピに掲載されている数値です。この記事のために台所で試作したものではないので、時計だけに頼らず、各工程に書いた見た目の目安も合わせて判断してください。島のほかの料理はジャマイカのページでも紹介しています。
途中で見つける、味の決め手
道具
- キッチンスケール
- 大きめのボウル
- 生地を冷やすときに包むラップ
- フライパン
- 木べら
- 餡を冷ます浅いボウルまたはバット
- 麺棒
- 直径14〜15cmの丸い抜き型
- 天板とクッキングシート
- 刷毛
- フォーク
- 唐辛子を扱うときの手袋
選び方と代用
買い物のほとんどは身近な品です。小麦粉、バター、卵、牛ひき肉、玉ねぎ、にんにく、タイム、こしょうは普段の食材で足ります。パティらしさを左右する材料は3つあるので、探す価値があります。
- カリブ風(ジャマイカ風)のカレー粉: ふつうのカレー粉でも代用できますが、配合が違うので香りは同じになりません。
- スコッチボネット: 見つからなければ、ほかの辛い唐辛子でも辛さは出せます。ただし辛さも香りも別物になるので、同じパティではなく別の味になると考えてください。
- オールスパイス(粉): 五香粉やシナモンは別のスパイスで、代わりにはなりません。
- タイム: 乾燥タイムは香りが変わるので、生の3枝と同量で置き換えないでください。
- パン粉または小麦粉: 基本は生パン粉です。小麦粉でも作れ、その場合も量は同じ大さじ2です。
うまくいかないときの対処
| 状況 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 生地が割れる | 水が足りない、または休ませたあとで冷たく硬くなっている | 水は一度に入れず少しずつ足す。冷えすぎて硬いだけなら、少し置いてから伸ばす |
| 生地がべたつく | バターが溶けているかもしれない | 冷蔵庫に戻し、作業台には打ち粉を薄く振る |
| 餡が漏れる | 餡が温かい、詰めすぎ、縁が汚れている | 先に餡を冷まし、縁をきれいに保って、端をしっかり押さえて閉じる |
| 底が湿る | 餡の水気が残っていた、または温かかった | ストックは20〜30分かけて煮詰め、包む前に冷ます |
| 辛すぎる | スコッチボネットが多すぎた | 次回は1/4個から始める |
基本のレシピとは別の変化案
- 辛さの調整: スコッチボネットは1/4〜1個の範囲で。量によって辛さも香りも変わり、どの量でもマイルドに仕上がるとは言えません。
- スパイスの配分: 牛肉の餡のまま、スパイスは好みに合わせて調整できます。量を変えた場合は自分流のアレンジで、ここで紹介した版とは味が変わります。
- クミン入りの生地: 手順1で小麦粉と一緒に、軽く炒って砕いたクミンシード小さじ2を加えます。伝統的ではない、任意の追加です。
- 細ねぎを入れるタイミング: 手順5のように最後に加えると、さわやかな香りが残ります。
ココブレッドを添えても、添えなくても

パティは軽食にも食事にもなります。ココブレッドは組み合わせの一例ですが、なくても料理は完成します。生地にも餡にも入れるものではないので、別に添えてください。
コーニッシュ・パスティとのつながりから、ジャマイカの味へ
パティはよく、コーニッシュ・パスティ(Cornish pasty)と結びつけて語られます。Jamaican Museum & Cultural Center はこの関係を、多くの歴史家が挙げる起源として紹介していて、Heritage Toronto も同じ系譜でパティをたどっています。単純な発明物語ではなく、由来のひとつの筋として受け止めるのがよさそうです。これらの資料は、パティをジャマイカの植民地の歴史や、強制移住・契約労働・移民といった人の移動と結びつけ、その過程で食材や技術が行き交ったと説明しています。
博物館の記事は、移民が持ち込んだスパイスや、スコッチボネットのような食材が土地の味に取り込まれていったと述べています。Heritage Toronto は、スコッチボネットを伝統的な辛みの源のひとつとして挙げています。博物館の記事は文化についての解説であって一次資料ではないため、それぞれのスパイスがいつ伝わったかまでは確定できません。
パティは海も渡りました。Heritage Toronto によると、1960年代から70年代にかけてジャマイカからの移民がカナダにパティを広め、トロントのリトル・ジャマイカにあるパティ店が、コミュニティと土地の記憶を支えてきました。博物館の記事も、北米を含む海外のジャマイカ系コミュニティで、パティが故郷とのつながりをもつ食べ物だと述べています。トロントの話は海外コミュニティのひとつの例であり、ジャマイカ全体の食習慣を表すものではありません。
ほかの作り方もあります。Jamaicans.com に載っている Winsome Murphy の版は、牛肉、escallion、タイム、唐辛子、パプリカを使い、約3ダース分で、パンを肉のつなぎに使います。別の配合なので、その分量はここには混ぜていません。
よくある質問
なぜ皮が黄色いのですか?
Ainsley Harriott のレシピでは、生地にターメリックとカリブ風カレー粉が入っています。抜くと、色も風味も弱くなります。
スコッチボネットが手に入らないときは?
ほかの辛い唐辛子で代用できますが、同じ辛さや香りにはなりません。これは編集部の提案であって Harriott のレシピにはない方法なので、慎重に加え、違う仕上がりになると考えてください。
パティはココブレッドと一緒に食べなければいけませんか?
いいえ。Jamaicans.com はココブレッドを組み合わせの例として挙げていますが、任意です。
生地にクミンを入れるのは伝統的ですか?
Ainsley Harriott は、軽く炒って砕いたクミンシードを任意の追加として挙げ、伝統的ではないとはっきり書いています。そのためここでは基本の材料に入れていません。
何個できますか?
レシピでは中サイズ約10個です。これは掲載されている数値で実測した結果ではなく、1個あたりの餡の量や完成時の重さも示されていません。
牛肉は中心が何度になれば安全ですか?
レシピに温度の記載がなく、ここでも足していません。赤い生肉が残らなくなるまで十分に加熱し、具体的な温度を知りたい場合は、お住まいの地域の公的な食品安全の情報を確認してください。
保存はどのくらいできますか? 温め直し方は?
レシピに保存や再加熱の説明がないため、この記事でも時間や温度は案内しません。加熱した牛ひき肉の扱いは、お住まいの地域の公的な食品安全の情報に従ってください。














