白いごはんと焼いたプランテンを添えたキューバのひき肉煮込みピカディージョ
🔪下準備15分
🔥調理35分
🌍料理キューバ料理

ピカディージョ・ア・ラ・アバネラの作り方|キューバのひき肉煮込み

約14分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

野菜とチョリソーを切る

手順1: 野菜とチョリソーを切る

玉ねぎとピーマンは5mm角に切り、それぞれ1/2カップほどを用意します。チョリソーは1cm角、オリーブは半分に切りましょう。野菜の大きさをひき肉の粒とそろえると、口の中でばらばらにならず、ごはんにかけたときにまとまりがよくなります。

STEP 22 / 7

チョリソーを炒めて油を出す

手順2: チョリソーを炒めて油を出す

大きめのフライパンにオリーブオイル小さじ2とチョリソーを入れ、中火で5分ほど炒めます。チョリソーの脂が溶け出し、フライパンの油がオレンジがかった赤に染まれば十分です。強火にするとパプリカが焦げて苦みが出るので、中火を守ってください。

STEP 33 / 7

玉ねぎとピーマンを炒める

手順3: 玉ねぎとピーマンを炒める

玉ねぎとピーマンを加え、赤い油をからめながら中火で3〜4分炒めます。玉ねぎが透き通り、ピーマンがしんなりして色が少し濃くなったら次へ進みましょう。ここで野菜にしっかり油を吸わせておくと、ひき肉を入れたあとも香りがよく回ります。

STEP 44 / 7

ひき肉を炒める

手順4: ひき肉を炒める

牛ひき肉とローリエを加え、木べらでほぐしながら中火で7〜8分炒めます。最初は大きな塊のまま焼き色をつけ、それから細かくほぐすと、香ばしさが出ます。肉の赤い部分がすっかりなくなり、ぽろぽろにほぐれたら炒め上がりです。脂が多く出た場合は、キッチンペーパーで軽く吸い取ります。

STEP 55 / 7

トマトで煮詰める

手順5: トマトで煮詰める

トマトピューレ1カップを加えて混ぜ、弱めの中火で5分ほど煮ます。ときどき底から混ぜ、汁気が減って木べらで底をなでると跡が残るくらいの濃さになり、肉と野菜がとろみのあるソースにまとまれば十分です。汁気が多いままだとごはんがべちゃっとし、煮詰めすぎると肉がぱさつきます。

STEP 66 / 7

オリーブ、レーズン、ケイパーを加える

手順6: オリーブ、レーズン、ケイパーを加える

オリーブ、レーズン、ケイパー、指でもんだオレガノを加え、1〜2分混ぜながら温めます。具が全体になじみ、レーズンが少しふっくらしたら火を止め、ローリエを取り出しましょう。ここで初めて味見をし、塩とこしょうで調えます。オリーブとケイパーの塩気が入るので、塩は小さじ1/4から少しずつ足してください。

STEP 77 / 7

プランテンを焼いて盛り付ける

手順7: プランテンを焼いて盛り付ける

熟したプランテンは皮をむき、1cm厚さの斜め切りにします。フライパンにサラダ油大さじ2を中火で熱し、片面2〜3分ずつ焼きましょう。表面が濃いきつね色からキャラメル色になり、竹串がすっと通れば焼き上がりです。皿にごはんを盛ってピカディージョをかけ、プランテンを添えます。

熟したプランテンは糖分が多く、焦げやすいうえに油がはねやすくなります。火は中火までにとどめ、返すときはトングを使ってください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

ピカディージョの材料の牛ひき肉、チョリソー、玉ねぎ、ピーマン、トマトピューレ、オリーブ、レーズン、ケイパー、プランテン

ジェームズ・ビアード財団が紹介している『Paladares』のレシピをもとに、日本の計量に置き換えた配合です。

13品目

ピカディージョ

材料 分量 代替・備考
オリーブオイル 小さじ2
チョリソー 120g スペイン産の加熱用。1cm角に切る。なければ粗びきソーセージ
ピーマン 1/2カップ(約2個) 5mm角
玉ねぎ 1/2カップ(約1/2個) 5mm角
牛ひき肉 570g 豚ひき肉や合いびき肉でもよい
ローリエ 1枚
トマトピューレ 1カップ(200ml) 生のトマトなら2〜3個を刻む
緑オリーブ(ピメント入り) 1/4カップ(約12粒) 半分に切る
レーズン 大さじ3
ケイパー 大さじ2 汁気を切る
乾燥オレガノ 小さじ1 指でもんで香りを出す
塩 少々(小さじ1/4から) オリーブとケイパーの塩気を見て最後に決める
こしょう 少々
3品目

付け合わせ

材料 分量 代替・備考
ごはん 茶碗4杯分(約600g) 長粒米ならよりキューバらしい
プランテン(熟したもの) 2本 皮が黒くなるまで追熟させる。なければ省く
サラダ油 大さじ2 プランテンを焼く
コツ

プランテンは、輸入食材店や通販で手に入る料理用バナナです。甘く焼くなら、皮が黄色から黒っぽくなるまで常温で追熟させてから使います。緑のうちは甘みが少なく、芋のような食感になります。

注意

チョリソーやソーセージには、商品によって豚肉、乳、小麦などが使われています。食物アレルギーのある人に出すときは、原材料表示を確認してください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

フライパンに角切りのチョリソーを入れて火にかけると、数分で油が赤く染まり、パプリカとにんにくの香りが立ちのぼります。そこに玉ねぎとピーマン、牛ひき肉を加えてほぐし、トマトで煮詰めたら、最後に緑のオリーブとレーズン、ケイパーをぱらり。白いごはんにたっぷりかけ、黄金色に焼いたプランテン(料理用バナナ)を添えれば、キューバの食卓でおなじみの一皿です。塩気と甘みと酸味がいっぺんに来るひき肉の煮込み、ピカディージョ・ア・ラ・アバネラ(Picadillo a la habanera)。日本のスーパーの材料でほとんどそろい、30分ほどで作れます。

刻んだ肉を、ハバナ風に煮る

キューバの家庭の食卓に並ぶピカディージョと白いごはん、黒豆

ピカディージョ(picadillo)は、スペイン語で「細かく刻む」を意味する動詞picarから来た言葉で、刻んだ肉やひき肉を使った料理を指します。「ア・ラ・アバネラ」は「ハバナ風」の意味。カリブ海や中南米の国々にはそれぞれのピカディージョがあり、ひき肉に緑のオリーブ、レーズン、スパイスを合わせるという骨組みを、国ごとに少しずつ変えて作っています。キューバのものは、オリーブとレーズンの甘じょっぱさが持ち味です。

米国のジェームズ・ビアード財団が紹介しているレシピの前書きは、「ピカディージョとキューバや中南米の料理の関係は、ラグーとイタリア料理の関係と同じ」と書いています。安い肉をおいしく食べきるための家庭の知恵から生まれ、誰もがほっとする定番になった料理だというわけです。同じ前書きには、白いごはんにかけ、甘く揚げたプランテンを添えるのがいちばん、という点では誰もが意見をそろえるともあります。

豆知識

ピカディージョは、それだけでおかずになるほか、ほかの料理の具にもなります。キューバでは、エンパナーダ(包み揚げのパイ)や、マッシュポテトでピカディージョを包んで揚げる「パパ・レジェーナ(papa rellena)」の中身としてもおなじみです。

テレビの料理番組と、キューバの台所

古いテレビの前でキューバの家庭料理を作る台所の風景

ピカディージョの歴史を語るとき、よく名前が挙がるのがニツァ・ビジャポル(Nitza Villapol)です。「キューバのジュリア・チャイルド」と呼ばれた料理研究家で、1948年に始まったとされるテレビの料理番組「コシーナ・アル・ミヌート(Cocina al Minuto)」の司会を長く務めました。米国の公共ラジオNPRの記事は、番組の初期にはピカディージョ、バカ・フリータ(牛肉のカリカリ焼き)、アロス・コン・ポジョ(鶏の炊き込みごはん)といったキューバの古典的な料理が多く取り上げられていたと伝えています。

1959年の革命のあと、キューバではバターや油脂が手に入りにくくなり、豚肉やパン、牛乳も不足しました。ビジャポルはその日の市場で手に入るものを使い、油やバターを減らし、安い部位の肉で作れるようにレシピを変えていきました。ひき肉を少しの量で家族に行き渡らせるピカディージョは、そんな台所にもよくなじむ料理です。

豆知識

ジェームズ・ビアード財団のレシピの出典は、アーニャ・フォン・ブレムセンらによる2017年の本『Paladares』です。「パラダール(paladar)」は、キューバで個人が営むレストランのことで、この本はそうした店の料理を紹介しています。

日本の台所で作るときに守りたいのは、オリーブ、レーズン、ケイパーの三つをそろえることです。どれもスーパーで手に入りますが、ひとつでも欠けると、甘み・塩気・酸味の三角形が崩れて、ただのミートソースに近づいてしまいます。チョリソーは日本ではスペイン産の加熱用が少し探しにくいので、手に入らなければ粗びきソーセージで代用しても、赤い油の香りは弱くなるものの十分おいしく作れます。


甘じょっぱさを決める、塩とレーズンの加減

オリーブ、レーズン、ケイパーを小皿に分けて並べた比較

ピカディージョで一番失敗しやすいのは塩加減です。チョリソー、オリーブ、ケイパーはどれも塩気が強く、ジェームズ・ビアード財団のレシピも、塩はほとんどいらないと注意しています。塩は最後の味見のあとと決めておけば、塩辛くなる失敗はまず防げます。

コツ

レーズンの甘さが苦手な人は、大さじ3を大さじ2に減らしてもかまいません。ただし、ゼロにするとキューバらしさが一気に薄れます。甘さを控えたいときも、少しは残しておくのがおすすめです。

オリーブは、種を抜いて赤いピメントを詰めた緑のものが、キューバ風の定番です。黒オリーブを使うと香りが重くなり、色もくすみます。ケイパーは酢漬けのものを汁気を切って使い、塩漬けのものは水で洗ってから加えてください。

コツ

ピカディージョは、煮てから少し置くと味がなじみます。時間があれば、火を止めてふたをし、10分ほど休ませてから盛り付けると、オリーブとレーズンの味が肉に移ります。

豚肉で、じゃがいもで — アレンジのしかた

じゃがいもを加えたピカディージョと、ゆで卵を添えたピカディージョ

肉は牛ひき肉に限らず、豚ひき肉や合いびき肉でも作れます。豚肉を使うと甘みが強くなり、レーズンとの相性がさらによくなります。中南米の国々でも作り方はそれぞれで、ケイパーとゆでたじゃがいもを入れるプエルトリコ風や、ゆで卵を添えるドミニカ共和国風などがあると紹介されています。

日本の食卓に合わせるなら、ピカディージョをごはんの上にのせて目玉焼きを添えるだけでも、立派な一皿になります。キューバの家庭のように、多めに作って翌日にエンパナーダの具やコロッケの中身に回すのもひとつの手です。一度で二度おいしいのも、この料理が家庭で長く作られてきた理由のひとつでしょう。

食べ方

白いごはんにピカディージョをかけ、焼いたプランテンを添えた完成写真
白いごはんにピカディージョをかけ、焼いたプランテンを添えて

皿に白いごはんを盛り、ピカディージョをたっぷりかけ、横に甘く焼いたプランテンを並べます。米国のキューバ旅行会社Insight Cubaのレシピ紹介は、白いごはんのほか、トストーネス(青いプランテンの揚げ焼き)や黒豆とごはんを付け合わせに挙げています。黒豆の煮込みを添えれば、キューバの食堂の定食に近い形になります。

同じキューバの肉料理なら、牛肉をほぐしてトマトで煮込むロパ・ビエハもおすすめです。プランテンをもっと味わいたいなら、カリブのプエルトリコでつぶしたプランテンを主役にするモフォンゴと食べ比べてみてください。同じ料理用バナナでも、熟し加減と調理法でまったく別の味になります。

よくある質問

ピカディージョに使う緑オリーブとケイパーの瓶詰め

チョリソーがなくても作れますか?

作れます。チョリソーを省く場合は、オリーブオイルを大さじ1に増やし、玉ねぎとピーマンを炒めるときにパプリカパウダーを小さじ1/2ほど加えると、赤い色と香りが少し補えます。

プランテンの代わりに普通のバナナは使えますか?

生食用のバナナは柔らかく、焼くと崩れやすいので、おすすめはしません。プランテンが手に入らないときは、付け合わせを省いて白いごはんだけで食べるか、黒豆の煮込みを添えてください。

冷凍できますか?

煮込んだピカディージョは、冷めてから密閉容器に入れて冷凍できます。保存期間のはっきりした目安は示せないので、早めに食べきってください。温め直すときは、中心まで熱くなるまで加熱します。

辛くできますか?

キューバのピカディージョは辛くない料理です。辛くしたい場合は、食卓で唐辛子のソースをかけて調整してください。

子ども向けにできますか?

辛みはないので、そのまま子どもにも食べやすい味です。オリーブやケイパーの塩気が気になる場合は、量を半分にして、レーズンを少し多めにすると食べやすくなります。

主な参考リンク

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