熟したプランテンと牛ひき肉、チーズを重ねて焼いたプエルトリコのパステロン
🔪下準備30分
🔥調理55分
🌍料理プエルトリコ料理

パステロンの作り方|プエルトリコの熟したプランテンと牛ひき肉の重ね焼き

約14分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

プランテンを切る

手順1: プランテンを切る

プランテンの両端を切り落とし、皮に縦に1本切り目を入れてむきます。熟したプランテンは柔らかいので、皮は手で簡単にはがれます。むいたら縦に4等分し、厚さ5〜7mmほどの細長い板状にしましょう。1本1分ほどで切れます。途中で折れても、あとで並べるときに継ぎ合わせれば問題ありません。

STEP 22 / 7

プランテンを揚げ焼きにする

手順2: プランテンを揚げ焼きにする

厚手のフライパンに油を深さ2.5cmほど入れ、中火で175℃に熱します。プランテンを4〜5枚ずつ入れ、片面2〜3分ずつ、両面がこんがりとしたきつね色になるまで揚げ焼きにしましょう。キッチンペーパーを敷いたバットに取り出し、熱いうちに塩を軽く振ります。残りも同じように揚げます。

STEP 33 / 7

香味野菜とスパイスを炒める

手順3: 香味野菜とスパイスを炒める

別のフライパンにオリーブオイル大さじ1を中火で熱し、玉ねぎ、ピーマン、にんにくを3分ほど炒めます。野菜がしんなりして玉ねぎが透き通ったら、コリアンダー、クミン、オレガノ、スモークパプリカ、ガーリックパウダー、オニオンパウダーを加え、30秒ほど混ぜましょう。スパイスが油になじみ、香りが立てば十分です。

STEP 44 / 7

ひき肉を炒めて脂を除く

手順4: ひき肉を炒めて脂を除く

牛ひき肉、塩小さじ1、こしょう小さじ1/2を加え、木べらでほぐしながら中火で6〜8分炒めます。肉の色が変わって赤い部分がなくなり、全体が茶色にほぐれたら火を止めましょう。フライパンを傾け、底にたまった脂をキッチンペーパーで吸い取ります。脂が多いまま重ねると、焼き上がりが油っぽくなります。

STEP 55 / 7

トマトソースで煮詰める

手順5: トマトソースで煮詰める

再び中火にかけ、トマトソース、オリーブ、ケイパー、パクチーを加えます。ときどき混ぜながら3〜5分煮て、汁気がほとんどなくなるまで煮詰めましょう。汁気が残っていると、重ねたときにプランテンが水分を吸ってべたつきます。味見をして、塩で調えます。

STEP 66 / 7

重ねて卵を流す

手順6: 重ねて卵を流す

20cm角の耐熱皿にオリーブオイルを薄く塗ります。底にプランテンの1/3を隙間なく並べ、ピカディージョの半量、チーズ1カップを重ねます。残りのプランテンの半量、残りのピカディージョ、取り分けた大さじ2を除いたチーズを重ねましょう。溶き卵を全体に回しかけ、層のすき間にしみ込ませてから、最後に残りのプランテンを上に並べます。重ねる作業は5分ほどが目安です。

STEP 77 / 7

オーブンで焼く

手順7: オーブンで焼く

180℃に予熱したオーブンで、ふたをせずに20分焼きます。いったん取り出して、残りのチーズ大さじ2と粉チーズを散らし、さらに3分焼きましょう。チーズが溶けて表面がこんがりし、中央に竹串を刺して抜いたとき先が熱く、卵液が流れ出てこなければ焼き上がりです。10分ほど置いてから8等分に切り分けると、層が崩れにくくなります。

焼き上がった耐熱皿はとても熱くなっています。オーブンミトンを使って取り出し、切り分ける前に10分ほど休ませてください。卵が完全に固まっていない場合は、さらに5分ずつ焼き足しましょう。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

パステロンの材料の熟したプランテン、牛ひき肉、玉ねぎ、ピーマン、トマトソース、オリーブ、ケイパー、チーズ、卵、スパイス

米国のスーパーマーケット、メトロポリタン・マーケットが公開しているレシピをもとに、日本の計量に置き換えた配合です。

3品目

プランテン

材料 分量 代替・備考
熟したプランテン 5本 皮がほぼ真っ黒になったもの
揚げ油 フライパンに深さ2.5cm サラダ油
塩 少々 揚げたてに振る
17品目

ピカディージョ(牛ひき肉の煮込み)

材料 分量 代替・備考
オリーブオイル 大さじ1
玉ねぎ 小1個 みじん切り
ピーマン 2個 中くらいのもの。みじん切り
にんにく 3片 みじん切り
コリアンダーパウダー 大さじ1
クミンパウダー 大さじ1
乾燥オレガノ 大さじ1
スモークパプリカ 大さじ1 普通のパプリカパウダーでもよい
ガーリックパウダー 大さじ1
オニオンパウダー 大さじ1 なければ省く
牛ひき肉 680g 合いびき肉でもよい
塩 小さじ1
こしょう 小さじ1/2
トマトソース 425g(1缶) 無塩のもの
緑オリーブ(種なし) 1カップ(約120g) 半分に切る
ケイパー 大さじ2 汁気を切る
パクチー 3枝 刻む
4品目

重ねて焼く

材料 分量 代替・備考
卵 2個 塩ひとつまみを加えて溶く
ピザ用チーズ(モッツァレラ) 2カップ(約200g) 大さじ2を仕上げ用に取り分ける
粉チーズ 大さじ2 パルメザン
オリーブオイル(型用) 少々
コツ

パステロンに使うプランテンは、皮の黄色い部分がほとんど残らないほど黒くなったものが理想です。アメリカズ・テスト・キッチンの記事も、熟しきったプランテンでなければならないとしています。黄色いものは紙袋に入れて常温に置くと、早く熟します。

注意

熟したプランテンは糖分が多く、揚げ油がはねやすく、焦げやすくなります。油の温度を上げすぎず、返すときはトングを使ってください。卵と乳製品を使うので、アレルギーのある人に出すときは注意しましょう。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

皮が真っ黒になるまで熟したプランテンを油で揚げ焼きにすると、表面はキャラメルのように色づき、中はねっとりと甘くなります。それを耐熱皿に敷き詰め、オリーブとケイパー入りの牛ひき肉、とろけるチーズ、またプランテン。溶き卵を流してオーブンで焼けば、甘さと塩気が層になった重ね焼きのできあがりです。プエルトリコの家庭で、家族の数だけレシピがあるといわれる一皿、パステロン(pastelón)。プランテンの代わりにパスタを使えば、ほとんどラザニアのような料理です。

プエルトリコの家ごとの「大きなパイ」

プエルトリコの家庭の食卓で切り分けられるパステロン

パステロンという名前は、スペイン語で「大きなパイ」を意味します。米国の料理雑誌アメリカズ・テスト・キッチンでこのレシピを紹介したデビッド・パスミーニョは、祖母が揚げた熟したプランテンとピカディージョ(ひき肉の煮込み)を重ねて焼いていた家の味を出発点にしています。記事は、プエルトリコの家族はそれぞれ自分のパステロンを持っていると書いています。

プランテンは、アジアで生まれ、アフリカを経て1500年代に南北アメリカへ渡った作物です。パスミーニョの記事は、アフリカから連れてこられた人々がこの作物をカリブの島々に広めたと伝えています。いまではプエルトリコの食卓に欠かせない食材で、青いうちは揚げてトストーネスに、熟したら甘く焼いてマドゥーロスに。パステロンは、その熟した側の甘さを主役にした料理です。

豆知識

プエルトリコには、パステロンによく似た「ピニョン(piñón)」という料理もあります。プエルトリコ料理の歴史を調べているホセ・エルナンデスは、ピニョンは熟したプランテンを薄切りのまま重ね、パステロンはつぶしたプランテンを使うのが主な違いだと説明しています。ただし、薄切りのプランテンで作るものもパステロンと呼ばれることが多く、名前の使い分けは家庭や時代によって揺れています。

料理書に残るパステロンと、卵の層

溶き卵を流し入れて層を固めるパステロンの断面

エルナンデスは、1948年の英語の料理書『Puerto Rican Cookbook』に、パステロンのレシピが「baked pie(焼いたパイ)」として載っていると紹介しています。少なくとも20世紀の半ばには、すでにプエルトリコの家庭料理として知られていたことになります。同じ記事は、ピニョンのレシピが1954年の『Cocina criolla』など島の代表的な料理書に繰り返し登場することも挙げています。

多くのレシピに共通するのが、溶き卵を流して層を固める手順です。卵がプランテンと肉のすき間にしみ込み、焼くと全体がひとつにまとまって、切り分けても崩れにくくなります。一方で、卵を使わないレシピもあり、どこまで卵を入れるかも家ごとの違いのひとつです。

日本で作るときの一番の問題は、熟したプランテンです。輸入食材店や通販で青いプランテンを手に入れ、常温で皮が黒くなるまで追熟させてから使います。生食用のバナナは柔らかく甘すぎて、揚げると崩れてしまうので代わりにはなりません。


甘さと塩気を釣り合わせるコツ

揚げ焼きにしたプランテンとピカディージョを並べ、甘さと塩気のバランスを見る

パステロンのおいしさは、熟したプランテンの甘さと、オリーブとケイパーの塩気が交互に来るところにあります。プランテンの熟し方が足りないと甘みが出ず、ただの芋の重ね焼きのようになります。熟しきったプランテンを選ぶことが、何よりの近道です。

コツ

プランテンを揚げたら、熱いうちに塩を振っておくと、甘さが引き立ちます。塩を振り忘れると、焼き上がりの味がぼんやりします。

ピカディージョは、少し濃いめに味をつけておくのがこつです。甘いプランテンとチーズに挟まれると、単独で食べたときより味が薄く感じられます。オリーブとケイパーは、大きめに切って存在感を残すと、食べたときに塩気のアクセントになります。

コツ

ピカディージョは、前日に作って冷蔵庫に入れておけます。メトロポリタン・マーケットのレシピでは、冷蔵で2日前まで作り置きでき、その場合は焼き時間を10分ほど延ばして中まで温めるよう勧めています。

つぶして作るか、薄切りで作るか — アレンジのしかた

つぶしたプランテンで作るパステロンと薄切りで作るパステロンの比較

揚げずに作りたいなら、熟したプランテンを皮ごと20分ほどゆでるか、皮をむいて蒸してから、フードプロセッサーでなめらかにつぶす方法もあります。つぶしたプランテンを半量ずつ敷いて、間にピカディージョを挟み、チーズをのせて焼くと、しっとりとしたピュレの層のパステロンになります。エルナンデスの説明に従えば、こちらがよりパステロンらしい形です。

ひき肉は、牛肉のほか豚ひき肉や鶏ひき肉でも作れます。キューバのピカディージョ・ア・ラ・アバネラのようにレーズンを加えると、甘さがいっそう重なった味わいになります。

食べ方

切り分けたパステロンとサラダの完成写真
四角く切り分け、サラダを添えて

焼き上がったパステロンは、四角く切り分けて皿に盛ります。断面にプランテン、ひき肉、チーズの層がきれいに見えるのが、うまく焼けたしるしです。さっぱりしたサラダを添えると、甘さとこくのある重ね焼きによく合います。

同じプエルトリコの料理なら、青いプランテンをにんにくとつぶすモフォンゴと並べてみてください。熟したプランテンと青いプランテンで、同じ食材がまったく違う料理になります。豚肩肉をじっくり焼くペルニルも、プエルトリコの祝いの食卓に欠かせない一皿です。

よくある質問

青いプランテンと黒く熟したプランテンを並べた比較

青いプランテンで作れますか?

青いプランテンは甘みがなく、でんぷん質で固いので、パステロンには向きません。常温で皮がほぼ黒くなるまで追熟させてから使ってください。季節や室温によりますが、時間がかかるので早めに用意しておきましょう。

冷凍の熟したプランテンは使えますか?

冷凍で売られている熟したプランテンを使うレシピもあります。解凍してから同じように揚げ焼きにするか、フードプロセッサーでつぶして使ってください。

オーブンがない場合は?

フライパンで作ることもできますが、卵とチーズに十分火が通るよう、ふたをして弱火でじっくり加熱する必要があります。仕上がりの香ばしさは、オーブンで焼くほうが出ます。

作り置きできますか?

焼いたパステロンは、冷めてから切り分けて冷蔵し、電子レンジやオーブンで中心まで熱くなるよう温め直してください。保存日数のはっきりした目安は示せないので、早めに食べきってください。

主な参考リンク

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