フレンチギアナのコロンボ ― 酸っぱい果実を最後に入れる鍋
形を保つ数種類の野菜、コロンボ粉の香り、そしてライム・青マンゴー・ビリンビと重ねていく酸味。コロンボ粉は野菜に火が通ってから、2個目のライムは火を止めてから加えます。
鶏肉は、ライム、にんにく、クローブ、オールスパイスに一晩漬けて、すでに香りをまとった状態で鍋に入ります。火にかけて数分たつと、鍋はにぎやかになります。ごろりと切ったじゃがいも、皮つきのナス、玉ねぎ、長いきゅうりと、ごつごつした辛いきゅうり、そして大きく切った熟す前の青マンゴー。いんげんと、星形の小さな輪切りのビリンビが入るのは終盤で、最後のライムは火を止めてから絞ります。
この順番が、このコロンボの方向を決めています。酸味は一度に来るのではなく、段階を踏んで積み上がります。野菜は鶏肉と並ぶ主役です。カレー粉で作るチキンカレーの名前違いではありません。その理由は、次の節以降で説明します。
ここで紹介するのは、公開されているフレンチギアナの鶏のコロンボを一つ選び、材料と順序をそのまま守ったレシピです。編集部での試作はしていません。また、元のレシピには鶏肉の重さも人数も書かれていないため、この記事でも人数は示しません。この地域のほかの料理はフレンチギアナのページでも紹介しています。
フレンチギアナのコロンボとは
フランスの公式観光サイトは、コロンボ(colombos)をフレンチギアナの名物料理の一つに挙げ、肉と野菜の煮込みとして紹介しています。フレンチギアナは南米大陸にあるフランスの海外地域で、隣にある独立国ガイアナとは別の場所です。
名前は共通です。グアドループとマルティニークの観光局も、コロンボを自分たちの島の料理として紹介していて、マルティニーク側の紹介では、コロンボ粉がこの土地の料理に使われるスパイスの一つとして挙がっています。同じ名前が別々の土地の料理を指すので、どこのコロンボなのかを区別して話すことが大切です。
この点は、フレンチギアナ観光委員会(Comité du Tourisme de la Guyane)も取り上げています。同委員会の食に関する刊行物で、シェフのLaurent Redlingerは、ギアナの料理は多様で、アンティル諸島の料理と混同されがちだと述べています。ギアナのコロンボの特徴としては、辛いきゅうり(concombre piquant)とビリンビ、酸味のある味わい、そして汁に浸かった料理ではないことを挙げています。この説明では、水は加えず、野菜から出る水分で煮ます。
今回のレシピと、資料で食い違うところ
以下の作り方は、Ti MolokoyのSabrina François-Vincentによる「Colombo de poulet」(2022年4月29日公開、ギアナ料理に分類)に沿っています。鶏1羽を切り分け、青マンゴー、2種類のきゅうり、いんげん、ビリンビを使います。ただ、同じページの人数欄は空欄で、鶏の重さも書かれていません。そのため、この記事では出来上がり量を見積もっていません。
作る前に知っておきたい、はっきりした違いが一つあります。このレシピは水を2回加えます。まず鶏肉がかぶる程度に入れて短く煮て、次に野菜の半分の高さまで入れます。一方、Redlingerの地域の説明では、ギアナのコロンボは水を加えずに作ります。この違いの理由は、手元の資料からは分かりません。どちらかだけを正解とはしていません。手順はレシピに書かれたとおりに従い、シェフの説明は地域の背景として紹介します。
旅行ガイドのPetit Futéには、水と、好みでココナッツミルクを使うギアナの鶏のコロンボが載っています。家庭によって作り方が違うことを示す例としてだけ触れるもので、ココナッツミルクは下のレシピには入りません。また、地元の事業者Délices de Guyaneは、フレンチギアナで作ったコロンボソースを販売していて、この料理が地元の商品にもなっていることが分かります。
時間にも注意が必要です。このページには、準備に約30分(一晩の漬け込みは含まず)、加熱に約30分と書かれています。しかし手順の中に書かれた時間を足すと、加熱は約45〜50分になります。内訳は、鶏肉に約5分、野菜に約30分、仕上げに10〜15分です。手順の中の時間を目安にして、野菜の見た目と柔らかさで判断してください。一晩の漬け込みは、これらとは別です。
コロンボという名前の由来や、この料理がフレンチギアナに伝わった経緯は、今回使った資料では確かめられないため、起源の話は書きません。
途中で見つける、味の決め手
道具
- 切り分けた鶏1羽と野菜が入る、底の厚い鍋
- 冷蔵庫でマリネするための、蓋つきのボウルまたは容器
- まな板と包丁
- コロンボ粉を水で溶く小さなボウル
- 木べらまたはへら
選び方と代用
辛いきゅうり(concombre piquant)。 普通のサラダ用きゅうりで代用できます。食感は近くなりますが、ギアナのコロンボらしいほのかな辛味と地域の香りは弱まります。
長いきゅうり。 サラダ用きゅうりで代用できます。
いんげん。 筋を取ってあれば、生でも冷凍でも使えます。
辛い唐辛子ペースト。 任意です。辛さを抑えたいときは入れません。
ビリンビ。 生または冷凍のビリンビを使います。ライムは代わりになりません。ビリンビを抜くと、試していない別のバージョンになります。
青マンゴー。 熟す前の、硬くて酸っぱいマンゴーです。熟した甘いマンゴーは別の食材です。
コロンボ粉。 普通のカレー粉と同じものとは考えないでください。コロンボ粉(poudre à colomboの名で売られていることもあります)を探し、表示を確認してください。
オールスパイス(bois d'Inde)。 ジャマイカペッパーの名でも売られています。同じスパイスかどうかをラベルで確かめ、粒か粉のどちらか一方を使います。
ピマン・ヴェジェタリアン。 辛さより香りのために使う、穏やかな唐辛子です。
一晩マリネし、段階を重ねて煮込む
鶏肉を切り分けます。ライムの皮で肉をこすり、水で洗って水気をよく切ります。ボウルに、ライム1個分の果汁、細かく刻んだピマン・ヴェジェタリアン、クローブ、すりおろしたにんにく、塩、つぶしたオールスパイス、使う場合は辛い唐辛子ペーストを少量入れて混ぜます。鶏肉にからめて蓋をし、冷蔵庫で一晩置きます。

- 野菜と果実を切る
翌日、じゃがいも、玉ねぎ、ナス、長いきゅうり、辛いきゅうりを中くらいの大きさに切ります。ナスは皮をむきません。いんげんは筋を取ります。青マンゴーは皮をむき、大きめに切ります。ビリンビは輪切りにします。いんげんとビリンビは後で入れるので、別にしておきます。

- 鶏肉を炒め始め、短く煮る
底の厚い鍋に油を少量熱します。鶏肉をマリネ液ごと入れ、中火で混ぜながら1〜2分炒めます。

鶏肉がかぶる程度に水を加えて沸かし、水が吸収されて鶏肉が柔らかくなるまで約5分煮ます。

- 主な野菜を加え、蓋をせずに煮る
玉ねぎ、ナス、じゃがいも、2種類のきゅうり、青マンゴーを加えます。具材の半分くらいの高さまで水を注ぎ、タイムとローリエを入れます。蓋をせずに約30分、ときどき様子を見て混ぜながら、野菜に火が通るまで煮ます。

- コロンボ粉、いんげん、ビリンビを加える
コロンボ粉を少量の水で溶いて、鍋に混ぜ入れます。じゃがいも数切れを鍋の内側に押しつけてつぶし、ソースにとろみをつけます。いんげんとビリンビを加え、さらに10〜15分、野菜が柔らかくなるまで煮ます。

- ライムで仕上げて盛りつける
火を止めて、2個目のライムの果汁を混ぜます。塩で味を整えます。熱いうちに白いご飯と一緒に出します。

鍋がうまくいかないとき
ここに挙げるのは、確かめるときの目安であり、結果を保証するものではありません。このレシピは試作していません。
| 見た目 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 野菜がソースの中で崩れる | 切り方が小さすぎた | 中くらいから大きめに切って、野菜の形を残します。つぶすのは、とろみのためにじゃがいも数切れだけです |
| 水っぽくゆるい | 水を一度に入れすぎた | 水は段階を分けて入れます。まず鶏肉がかぶる程度、次は野菜の半分の高さまでです |
| ダマや、粉っぽいところができる | コロンボ粉を粉のまま入れた | 必ず少量の水で溶いてから入れます |
| 酸味が煮えて平たい味になる | 仕上げのライムを火にかけたまま加えた | 2個目のライムは火を止めてから加えます |
| 思ったほど酸っぱくなく、香りも弱い | 辛いきゅうりやビリンビを入れていない、または別のもので置き換えた | 代用品を使えば起こることです。次は地域の食材を探してみてください |
このレシピの中でできる変化
- 辛いきゅうりの代わりに普通のきゅうり。 辛味は弱くなり、地域らしい香りも薄くなります。
- 辛い唐辛子ペーストなし。 もともと任意なので、抜くと手順は変えずに穏やかな味になります。
- 冷凍いんげん。 筋を取った冷凍いんげんで、生の代わりにできます。
- 長いきゅうりの代わりにサラダ用きゅうり。 サラダ用きゅうりを使います。
- ビリンビなし。 ここでは試した代用品がありません。抜いて作る場合は、このコロンボではなく、確かめていない別のバージョンとして考えてください。
地域の説明に近づけた、水を加えない作り方については、手元の資料に試したレシピがありません。上の手順は、2回の加水をそのまま残しています。
食べ方
コロンボは熱いうちに、白いご飯を必要に応じて添えます。
よくある質問
フレンチギアナのコロンボは、グアドループやマルティニークのものと何が違いますか?
名前は共通で、グアドループとマルティニークの観光局もコロンボを自分たちの料理として紹介しています。フレンチギアナ観光委員会が取材したシェフは、辛いきゅうりとビリンビ、酸味のある味わい、水を加えずに作ることをギアナの特徴として挙げ、ギアナの料理はアンティル諸島の料理と混同されがちだとも述べています。この記事では、アンティル諸島の個々のレシピとの比較はしていません。
ビリンビとは何ですか?
ビリンビ(フランス語でbélimbi)は、小さくて酸味のある果実です。地域の説明では、ギアナのコロンボの特徴として名前が挙がっています。輪切りにすると、断面が星形になります。煮込みの終盤に入れます。手元の資料には、代用品の記載はありません。
辛いきゅうりが見つからないときは?
普通のサラダ用きゅうりで代用できます。食感は近くなりますが、concombre piquantの辛味と香りはなくなります。
ココナッツミルクは必要ですか?
このレシピには入りません。Petit Futéのギアナの鶏のコロンボには、好みで入れるココナッツミルクが載っていて、作り方が一つではないことが分かりますが、ここで従っている手順には含まれません。
何人分できますか?
元のレシピは鶏1羽を使いますが、鶏の重さも人数も書かれていません。そのため、この記事でも出来上がり量は示していません。
残りは保存できますか?
この記事で使った資料には、保存や温め直しについての記載がありません。そのため、ここでは案内していません。








