ブブール・バアヤック:ふるいで押し落とした生地を、甘いココナッツミルクへ
手の中でまとまる固さの生地を作り、ふるいから少しずつ押し落とします。白いココナッツソースは、食べる直前まで別にしておきます。
粗い穴のふるいの上に、淡い色の生地がひとかたまりのっています。その下には、茶色くふつふつと煮えるココナッツミルクの鍋。スプーンの背で押すと、短くふぞろいな生地が汁の中へ落ちていきます。生地を少しずつ足していくうちに、鍋は火が通ってとろみのついた甘い粥になります。パンダンと塩ひとつまみを加えて別の鍋で煮た白いココナッツソースは、器に盛った粥の上からかけます。
これが南カリマンタン州バンジャルマシンのブブール・バアヤック(bubur baayak)です。bubur ayak、bubur saring とも呼ばれます。ここでの分量と作り方は、バンジャルマシンを所在地として挙げている投稿者が Cookpad に載せた家庭のレシピ1点に沿っています。投稿者はこの料理を、故郷のバンジャル料理として紹介しています。1人の作り手の版であり、唯一の本場のレシピではありません。インドネシアのパームシュガー、gula merah の甘さと、塩気のあるココナッツミルクを合わせた料理です。ほかの料理はインドネシアのページでも紹介しています。
このレシピは編集部で試作していません。Cookpad の投稿には出来上がりの量、加熱時間、温度が書かれていないため、ここにも載せていません。工程の画像は書かれた手順をもとにしたイラストで、バンジャルマシンで撮った写真ではありません。生地の固さやスプーン1杯の量を示すものでもありません。
途中で見つける、味の決め手
選び方と代用
食品として販売されている石灰水だけを使い、ラベルの表示に従ってください。家庭用の消石灰、工業用の石灰、そのほかのアルカリ性の製品では代用しないでください。この料理には小麦とココナッツが含まれます。ほかのアレルゲンや交差接触については、各製品の表示を確認してください。
- 石灰水: 食品用の石灰水は、ふつうの食料品店では見つけにくいかもしれません。ほかのアルカリ性の製品で置き換えないでください。
- 米粉: 一般的な米粉を使います。もち米粉ではありません。
- 小麦粉: この版では入れます。米粉だけで生地を作ると、別のレシピになります。
- パームシュガー: インドネシアのパームシュガーを探してください。日本の黒糖は同じ材料ではなく、風味が変わります。
- ココナッツミルク: 薄いものと濃いものを、別々の材料として買うか用意します。役割が違うためです。薄いほうは粥を煮る汁になり、濃いほうはソースになります。
- パンダン: 鍋とソースの両方に使います。手に入らない場合は、この料理の形から離れます。
道具
- ボウル
- 粥を煮る鍋
- ソース用の小さな別鍋
- 粗い穴の金属のふるい(saringan)
- 生地を押すスプーン
- 混ぜるスプーン
- 盛りつける器
食べ方:甘い粥に、塩気のあるソース

粥の甘みはパームシュガーから来ています。ココナッツミルクと塩は、コクと塩気を添えます。ソースと粥を一緒にすくうと、ひと口で両方の味が楽しめます。
失敗したときの見分けと直し方
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 生地が固くて押し出せない | 水が少ない | 水を90ml未満しか使っていなければ、残りの水を少しずつ練り込む |
| 生地が穴から流れ落ちる | 水が多い、または一度に加えた | 次回は水を少しずつ加え、生地がまとまった時点で止める |
| 生地が長くそろった麺になる | cendol(チェンドル)に近い形になっている | 少量ずつスプーンで押し、短くふぞろいな形にする |
| 鍋が焦げる、分離する | 火が強い、または底を混ぜていない | 火を弱め、ときどき鍋底を混ぜる |
同じ名前の別のレシピと、ほかの土地の料理
ここに挙げるのは上のレシピを調整したものではなく、別々の版です。分量や作り方を上のレシピに混ぜないでください。
| 版 | 記されている内容 | 違い |
|---|---|---|
| Budaya Indonesia の投稿 | 米粉200g、小麦粉50g、水200ml、kapur sirih 3 sdm、santan 1500ml、gula merah 150g、水100ml、パンダン2枚、白砂糖と塩は適量 | 配合と液体の量が異なり、パームシュガーのほかに白砂糖も使う |
| サンバスのマレー語圏の bubbur ayak | 米粉、ココナッツミルク、塩、ココナッツシュガー、水を、鍋の上でふるいに押して煮る | 語彙の調査であり、分量つきのレシピはない。小麦粉は挙げられていない |
ジャンビの Bubur Ayak として、小麦粉と米粉の生地をおろし器で押し出して長い形にするという記述もあります。名前が同じというだけで、ある土地の料理の材料や文化的な背景を別の土地の料理に移してはいけません。
背景:名前、地域、資料から言えること
Wikidata の Bubur ayak の項目は、場所をバンジャルマシン、原産国をインドネシアとし、別名として Bubur saring と Bubur baayak を挙げています。ただし記述に参照が付いていないため、この項目は料理を同定する手がかりとして扱い、歴史の裏づけとはしません。
Budaya Indonesia の投稿は、Oase という投稿者によるもので、バンジャルマシンと南カリマンタンのこの料理を、甘く、ココナッツミルクのコクがあり、粒状でとろみがあると説明しています。また、バンジャル語の ayak を、何かをふるいに通す、あるいは揺すってふるう動作と結びつけています。この投稿は他のサイトや Cookpad を出典として挙げているため、言葉の意味は投稿者の説明として紹介し、確かな由来とは扱いません。
Cookpad の投稿者は、若いころ郷里で近所の人たちが一緒にこの料理を作っていた記憶に触れています。これは1人の記憶であり、地域全体の習慣の証拠ではありません。投稿者はまた、ふるいで押す工程の写真を撮り忘れたと書いており、この記事でその工程をイラストで示しているのはそのためです。
サンバスの研究は、別のマレー語圏で似た名前の郷土食が記録されていることを示しています。バンジャル版の由来についてはなにも証明しません。この記事の作り方のうち、焦げつかないよう鍋底からゆっくり混ぜることと、器の中でソースを混ぜずにおくことの2点は、Cookpad の投稿ではなく編集部の提案です。
よくある質問
代用で迷ったときは、まず石灰水を確認してください。必ず食品として販売されている製品を使います。
bubur ayak と bubur baayak は同じ料理ですか?
Wikidata は、bubur saring とともに、この2つの名前をバンジャルマシンの1つの項目にまとめています。ただし、サンバスの記録が示すように、名前が似ていても地域によって料理が異なることがあります。bubur ayak は、bubur という語を共有しているだけの塩味の料理、bubur ayam とも別物です。
何人分できますか?
分かりません。Cookpad の投稿に人数が書かれていないため、出来上がりの量は示していません。
air kapur sirih とは何ですか?
この生地に使う石灰水です。Cookpad の投稿には銘柄や濃度が書かれていないので、食品として販売されている製品を使い、ラベルの表示に従ってください。食用ではない石灰では絶対に代用しないでください。
sdm と sdt を換算しないのはなぜですか?
Cookpad のレシピで使われている単位で、決まった容量を当てはめていないためです。そのため、この記事では日本の大さじ・小さじやアメリカのスプーンへの換算は載せていません。
ふるいの穴の大きさはどのくらいですか?
Cookpad の投稿に数値の記載はありません。生地を短くふぞろいな形に押し出せる、粗い穴のふるいを選んでください。
市販のココナッツミルクを薄めて使えますか?
Cookpad の投稿者は、市販品を薄める例を注記していますが、それはこのレシピとは別にしています。ここでの分量は、薄いココナッツミルク500mlと濃いココナッツミルク100mlだけです。
パンダンや白いソースは省いてもいいですか?
どちらもこの版の一部なので、どちらを省いても、この料理の形から離れます。パンダンやソースを省いた場合に仕上がりがどう変わるかは確かめていないため、変更例としては載せていません。
保存はどのくらいできますか?
保存期間、冷凍の可否、温め直しの方法は示しません。信頼できる資料がないためです。













