バリ島の海藻のルジャック、魚だし仕立て
海藻の塩気とぷりっとした歯ごたえ、まぐろの軽いだしのうま味、焼いたterasi(えびの発酵ペースト)の香り、そして焼きココナッツとガランガルの香ばしさです。果物に甘酸っぱいたれをからめる、よく知られたルジャックとは別の料理です。
ルジャック(rujak)と聞くと、果物を甘くてねっとりした唐辛子入りのたれであえたものを思い浮かべる人が多いでしょう。ところがバリ島の海沿い、デンパサールやセラガン島のあたりには、海藻を主役にしたルジャックがあります。バリ語で bulung(ブルン)は海藻のこと。ルジャック・ブルンは、海が身近な食料源であるデンパサールとセラガン島に結びついた料理です。
この記事で取り上げるのは、Cookpad で紹介されたデンパサール在住の家庭料理の投稿者、Wawia Ni Made さんによる「ルジャック・ブルン・クア・ピンダン」です。1人分の一品で、すぐ使える状態の緑の海藻を器に盛り、焼いたココナッツとおろしたガランガルをのせます。そこへ、まぐろをインドネシアのローレル(daun salam)とレモングラスで煮出したまぐろの軽いだしを、つぶした唐辛子、焼いたterasi、塩で調味してかけます。投稿者は、近所の売り手から下処理済みのブルン(bulung matang)を買うと書いています。また、この緑のブルンを、白いブルンや海ぶどうに似た boni とは区別しています。
投稿者は調理時間を約30分としていますが、これは投稿者自身の目安です。編集部では計時も試作もしていません。インドネシアのほかの料理も知りたい方は、インドネシアのページもご覧ください。
bulung は単に海藻を意味するので、複数の料理名に出てきます。ギャニャール(Gianyar)のジャジャ・ブルン(Jaja Bulung)は海藻とヤシ砂糖で作る甘いお菓子で、この塩味のサラダとはまったく別の料理です。詳しくは後述します。
途中で見つける、味の決め手
選び方と代用
海藻は、下処理済みですぐ食べられる緑のブルンを使います。決まった種類はないので、これでなければという「正解」の海藻を探す必要はありません。バリ島以外では、食用として売られている緑色の枝分かれした海藻を探してください。食品として売られている海ぶどう(Caulerpa)も選択肢のひとつですが、ここに写っている細い枝状の海藻とは違い、粒がつながったような食感です。塩蔵で売られている海ぶどうもあるので、使うときは表示どおりに戻し、味付けの前に塩気を確かめてください。これは代用であり、塩気も食感も変わります。
ココナッツは、焼いてからおろしたものを使います。生のココナッツで代えると、このトッピングの決め手である香ばしさがなくなります。濃い色のぱさぱさの粉になるまで焼く必要はありません。
ガランガルはしょうがとは別の根茎で、daun salam もヨーロッパのローレル(月桂樹)とは別の葉です。どちらも代えると料理の香りが変わるので、できればアジア食材店で本物を探してください。
terasi はインドネシアのえびペーストで、たれの発酵した深みのもとです。ラベルで甲殻類のアレルゲン表示を確認してください。
道具
- 小鍋
- 目の細かいざる(だしを濾すため)
- 濾しただしを受ける小さな器
- 石のすり鉢とすりこ木(または、つぶすためのほかのすり鉢)
- 浅い盛り付け用の器
- 小さなおたままたはスプーン
コツと直し方
| 気づいたこと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 仕上がりがしょっぱい | だしが約100mlよりかなり少なくなるまで煮詰まった。または塩蔵の海藻の戻しが足りなかった | 次回はだしが約100mlになった時点で煮るのをやめる。塩蔵の海藻は表示どおりに戻し、味付けの前に味を見る |
| たれにえびペーストのざらざらした塊が残る | terasiが十分につぶれていない | だしを加える前に、terasiを唐辛子と塩といっしょにしっかりつぶす |
| だしがにごっている | たれの唐辛子とterasi | 普通のことです。だしが完全に澄んでいる必要はありません |
| 香ばしさがなく、ぼんやりした味 | 焼いたココナッツではなく生のココナッツを使った | 焼いてからおろしたココナッツを使う |
| しょうがのような味が強い | ガランガルの代わりにしょうがを使った | ガランガルを使う。別の食材です |
アレンジと調整
ここからは、投稿者のレシピにない調整です。上の基本のレシピは変わりません。
- 辛さを控えめにしたいときは、唐辛子を減らします。弱まるのは辛味だけで、ほかは変わりません。
- 海ぶどうやほかの食用 Caulerpa を使うときは、ラベルで品種と塩蔵かどうかを確認します。塩蔵品は表示どおりに戻してください。ここで使う緑の枝状のブルンとは塩気も食感も違う仕上がりになります。
- 市販の魚だしを使うと、daun salam とレモングラスでまぐろを煮たものとは味が変わるので、基本のレシピには含めていません。
- ベジタリアン向けにまぐろとterasiを抜くと、この料理のうま味の軸がなくなります。同じ働きをする簡単な代用はないので、提案しません。
ほかにも、ライムや揚げた大豆を加えたルジャック・ブルンを見かけることがあります。それらは別のレシピのもので、ここでは使いません。
保存について
レシピには保存についての記載がなく、すぐ食べられる海藻と魚のだしを合わせたものの安全な保持時間も確認できていません。作り置きは前提にせず、食べる分だけ作って、残りを取っておく前提にもしないでください。
ブルン、ルジャック・ブルン、ジャジャ・ブルン

bulung はバリ語で海藻を意味する言葉で、ひとつの料理の名前ではありません。観光情報サイトの Visit Bali は、ルジャック・ブルンをデンパサールとセラガン島に結びついた料理として紹介し、bulung buni や bulung rambut など、海藻の種類によって扱いが違うことにも触れています。ココナッツ、ライム、揚げた大豆、好みで加えるピンダンのソースなどを、提供のしかたとして挙げています。これは地域の概説であり、すべての屋台や家庭にあてはまる決まりと読むべきではありません。
生物多様性を扱う Yayasan KEHATI は、ルジャック・ブルンをバリの海藻のルジャックとして紹介し、よく使われる bulung boni を Caulerpa spp. としたうえで、この料理をセラガン島や地元の海の食料資源と結びつけています。この同定は bulung boni についてのもので、ブルンとして売られているすべての海藻の種を特定したものではありません。このレシピを書いたデンパサールの投稿者は、緑のブルンを boni とは区別して使っています。
一方のジャジャ・ブルンは、ギャニャールの甘いお菓子です。ギャニャール県政府によると、乾燥海藻をヤシ砂糖と煮て、濾し、冷まして切り分け、おろしたココナッツを添えて出すもので、午後にスンゴル(Senggol)市場で売られています。ブルンという言葉とおろしたココナッツは共通していますが、この記事の塩味のサラダとは別の料理です。
よくある質問
bulung boni や Caulerpa でなければいけませんか?
いいえ。このレシピはすぐ使える緑のブルンを使い、投稿者は種類を特定していません。投稿者は、この緑のブルンを白いブルンとも、海ぶどうに似た boni とも区別しています。食品として売られている、すぐ食べられる緑の枝状の海藻であれば、この料理の趣旨に合います。
海ぶどうは使えますか?
食品として売られている食用の海ぶどうは選択肢のひとつですが、細い糸状ではなく粒状の食感です。塩蔵で売られているものもあるので、表示どおりに戻して塩気を確かめてください。投稿者のレシピとは異なる使い方になり、仕上がりも変わります。
ここでいうクア・ピンダンとは何ですか?
このレシピでは、まぐろをインドネシアのローレル、レモングラス、水で約100mlになるまで煮て、冷まして濾し、つぶした唐辛子、terasi、塩で調味した、シンプルな魚のだしのことです。果物のルジャックに使う、甘くて濃いたれではありません。
作り置きはできますか?
レシピには保存条件の記載がなく、安全な保持時間も確認できていません。作り置きや保存はおすすめしません。
どんなアレルゲンを含みますか?
魚(まぐろ)とえび(甲殻類のterasi)です。パッケージの海藻やterasiのラベルで、ほかのアレルゲン表示も確認してください。
しょうがをガランガルの代わりに、月桂樹をdaun salamの代わりに使えますか?
別の食材なので、代えると料理の香りが変わります。ガランガルとdaun salamは、できればアジア食材店で探してください。












