一枚で焼くパイ・スス:手で押し広げたバターの皮と、なめらかなミルクカスタード
パイ・ススは二層でできています。手で型に押し広げた皮と、卵黄・加糖練乳・水のカスタードです。必ず中までしっかり焼き、中心の温度を測ってから、型に入れたまま冷やしてください。
パイ・スス(pie susuとも書きます)は、バリ島と結びつけて語られるミルクカスタードのタルトです。島では小さなサイズのものが土産として知られています。この記事で紹介するのは、少し違う形です。Daily Cooking Questのアニタ・ジェイコブソン(Anita Jacobson)が、家庭で焼きやすいように小さなタルトをやめ、底取れの9インチ型に一枚で焼く形へ簡単にしたものを土台にしています。
皮に使うのは小麦粉、冷たいバター、少量の砂糖だけです。フィリングも卵黄、加糖練乳、水だけで、卵白、牛乳、コーンスターチ、バニラ、チーズは入れません。これはひとつの家庭のレシピなので、バリのすべての店や家庭を代表するものではありません。焼き時間も一枚の大きなタルトに合わせたもので、ミニサイズのタルトにそのまま当てはめることはできません。
レシピ由来の部分と、編集部が足した部分
材料、型、皮とフィリングの作り方、オーブンの温度、焼き時間、そして「皮が色づき、カスタードが固まる」という見た目の目安は、アニタ・ジェイコブソンのレシピによります。そのページには8人分と書かれていますが、同じ大きさに8等分できるという保証ではありません。
この記事で編集部が加えた部分は次の3つです。
- 中心温度の確認。 日本の厚生労働省が示す家庭向けの一般的な目安、つまり中心部75°Cで1分以上を使います。レシピのページには中心温度を測った記載がなく、この目安も、米国食品医薬品局(FDA)の卵に関する一般的な助言も、このタルトのために作られたものではありません。
- 生卵まわりの衛生。 洗浄に関する助言は、FDAの卵の安全に関する一般的な案内に沿っています。
- 冷やし方、型の外し方、切り分け。 この最終段階はレシピの本文にはありません。実用と衛生の面から編集部が加えた手順です。
このレシピは世界ごはん紀行では試作していません。 中心温度の確認を足したことで、仕上がりの食感や全体の所要時間がどう変わるかは保証できません。
道具
- 底取れタルト型(9インチ×1.125インチ)
- キッチンスケールと大さじ
- まな板と包丁
- ボウル(生地用)
- ペストリーカッター、ナイフ2本、または清潔な手
- フォーク
- 泡立て器とフィリング用のボウル
- 万能こし器と、受けるための清潔なボウル
- オーブンミット
- 清潔な耐熱の網などの台
- 芯温を測れる食品用温度計(プローブ付き)
- 切り分け用の清潔な包丁
選び方と代用
加糖練乳。 200gを量って使います。缶の大きさはまちまちなので、「1/2缶」と目分量で決めないでください。
牛乳ではなく水。 加糖練乳と水が、このフィリングの液体のすべてです。牛乳を足すと別の配合になってしまいます。
バター。 冷やしたまま使い、塩は別に足しません。
小麦粉。 all-purpose flourを使います。薄力粉やでんぷん類などを同じように置き換えられるかは確認していません。
このタルトには小麦、乳、卵が含まれます。材料の表示、とくに同じ工場・設備での製造に関する表示を確認してください。焼く前の生地やフィリングは味見しないでください。生卵を扱う前後には、手、道具、作業台を洗ってください。
盛りつけと残ったとき

冷蔵庫から出して冷たいままいただきます。残りは早めに冷蔵庫へ戻し、40°F以下に保ってください。卵料理を室温に置く時間は2時間を超えないようにし、気温が90°Fを超える場合は1時間を超えないようにしてください。これは超えてはいけない上限であり、使い切ってよい冷却の待ち時間ではありません。日持ちを保証する数字でもありません。完成したタルトの保存日数は、こちらでは設定しません。
うまくいかないとき
| 状況 | 対処 |
|---|---|
| 生地がやっとまとまる程度にしかならない | それが目安です。水は足さずに、そのまま型に押し広げます |
| フィリングにぶつぶつが残っている | タルト生地に注ぐ前に、こし器に通して清潔なボウルに受けます |
| できあがったように見えるが、まだ測っていない | 必ず測ってください。焼き色や固まった表面からは中心温度は分かりません |
| 35分たっても中心が75°C未満 | 焼き続けて、もう一度測ります。30〜35分は目安で、保証ではありません |
| 焼き続けるうちに皮が濃く色づいてきた | それでも温度の確認が先です。追加で焼くと色や食感が変わることがあり、こちらでは確かめた対処法がありません |
| 型を外そうとしたらまだ温かい | 冷蔵庫に戻し、しっかり冷えてからやり直します |
ほかの「パイ・スス」レシピとの違い
パイ・ススとして公開されているレシピは、かなり違いがあります。たとえばPalmiaのサイトのレシピは、テフロンの鍋で火を通し、牛乳・砂糖・コーンスターチのカスタードを使います。MyMilk.comのレシピは、皮もフィリングも材料が異なり、マイゼナ(コーンスターチ)を材料に挙げていますが、フィリングの工程では使っていません。これらは別の配合なので、材料をこの記事の配合に混ぜないでください。
また、型の大きさ、小麦粉、加糖練乳の銘柄を変えた場合の分量や時間は、確かめたものがないため示しません。Daily Cooking Questのページのコメント欄には、牛乳を使う、倍量で作る、マフィン型で焼くといった話が出てきますが、どれもこのレシピの内容ではありません。
パイ・ススをめぐる背景
パイ・ススは、バリ島の土産としてよく説明されます。インドネシアの言語開発機関のリソースサーバーに置かれたインドネシアの食文化に関する資料も、そのように書いており、ほかの土地のカスタードタルトとの関連にも触れています。ただしその部分には注記も一次資料もないため、ここでは起源やバリへの伝わり方には触れません。
ほかの料理も見てみたい方は、インドネシアのレシピもどうぞ。アヤム・ブトゥ、サテ・リリット、サンバル・マタはバリの別の料理で、クラッパータールは別の島の菓子です。いずれも、このタルトと決まった組み合わせではありません。
よくある質問
バリで土産として売られている小さなタルトと同じものですか?
いいえ。アニタ・ジェイコブソンが9インチ型に一枚で焼く形にした家庭版です。どの店の小さなタルトと味や食感がどれくらい近いかは分かりません。焼き時間をミニ型に当てはめることもしないでください。
フィリングに牛乳、コーンスターチ、バニラを加えてもよいですか?
この版では加えません。フィリングは卵黄、加糖練乳、水だけです。
皮がきつね色なら焼けたと考えてよいですか?
いいえ。皮の焼き色とカスタードが固まった状態はレシピの見た目の目安ですが、この記事では中心が75°Cで1分以上になっているかを測るようにお願いしています。届いていなければ焼き続けて、もう一度測ってください。
FDAは卵料理に160°Fと示していますが、なぜ75°Cを使うのですか?
どちらも一般的な目安で、このタルトで個別に確かめたものではありません。守る条件をひとつにするために、この記事では日本の目安である「75°Cで1分以上」に統一しています。
作るのにどれくらい時間がかかりますか?
レシピのページには、15分、35分、50分という時間が載っています。ただしこれらは、中心温度の確認、冷却、型外しまで含めた全工程を測った数字ではなく、そこまで含めた所要時間はこちらで確かめていません。中心にもう少し火を通す必要があれば、焼き時間はさらに延びることもあります。
何日くらい持ちますか?
日数は示しません。タルトは40°F以下の冷蔵庫で保管し、「盛りつけと残ったとき」に書いた室温に置く時間の上限を守ってください。





















