高さのある中華鍋で熱した油に、味つけした卵液がすっと流れ落ちていきます。最初は高い位置から、だんだん鍋に近い位置へ。卵はふくらみ、黄金色のふんわりした姿になって、熱いジャスミンライスの待つ皿へ移ります。これが、タイのカオ・カイ・チアオ(ข้าวไข่เจียว)、カイ・チアオ(khai jiao)とも書かれる卵焼きのごはんです。
カオ・カイ・チアオ:熱いジャスミンライスにのせる、黄金色のふんわり卵焼き
具は入れません。表面が泡で覆われるまで溶いた卵に、魚醤、砂糖、ライムを数滴だけ加えて味をつけ、熱いジャスミンライスと一緒にいただきます。具材も、飾りも、つけだれもありません。
この記事の1人分のレシピは、Blue Jasmineのシェフ、Duangjaisantisuk Nipapornさんのレシピをもとにしています。2018年のMICHELINガイドの記事(Rachel Tan記)に掲載されたものです。このレシピには赤唐辛子とアカシアの葉が「お好みで」として挙がっていますが、ここでは入れません。卵とごはんだけの基本型です。
途中で見つける、味の決め手
道具
- ボウル
- フォーク
- 調味料を入れる小さな器や皿
- 油を量る計量カップなど
- 深めの中華鍋
- へら
- ごはんをよそうスプーン
- 皿
選び方と代用
ジャスミンライスは、卵に取りかかる前に炊いて熱い状態にしておきます。ライムは生の果汁を使い、ほんの数滴だけ加えて、味つけの脇役にとどめます。
中華鍋は、200mlの揚げ油を入れられるだけの高さがあるものを選びます。この基本型は具を足さないので、ほかに買ったり下ごしらえしたりするものはありません。
うまくいかないときの見分け方
ここに挙げた確認点は、作り方に出てきた目安をそのまま拾ったものです。今どの段階かを見失ったときの手がかりになりますが、特定の仕上がりを保証するものではありません。
| 見えるもの | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| 溶いた卵に泡が少ない | 表面が泡で覆われているか | 調味料を加える前に、フォークでさらに溶く |
| 油から煙が出ない | 強火になっているか | 油がうっすら煙を出し始めるまで熱し続ける |
| 油からもくもくと煙が出る | 最初のうっすらとした一筋を過ぎていないか | 火を止め、油が落ち着いてから進める |
| 卵が鍋にくっつく | 卵を動かして扱っているか | へらで折りたたみながら整える |
| ふくらんだのに火が強いまま | 火加減を調整したか | 中火に落とす |
| 卵が白っぽい、または生の部分がある | 色、食感、生卵の残り | 黄金色でふんわりし、完全に火が通るまで焼く |
背景:この基本型以外のバリエーション
カイ・チアオという名前は、ひとつの決まった配合だけを指すわけではありません。次のレシピをMICHELINガイドの版と比べましたが、上の作り方には何も取り入れていません。
| レシピ | 卵 | 違い |
|---|---|---|
| MICHELINガイド、シェフ Duangjaisantisuk Nipaporn(お好みの追加) | 3個 | 赤唐辛子2本とアカシアの葉300gを「お好みで」として挙げる。ここでは両方とも使わない |
| Bon Appétit、Parnass Savang | 4個 | 青ねぎと、酢を使うソースを使い、片面ごとの加熱時間を示し、焼いたあとはペーパーで油を切る |
| Real Thai Recipes、Cee | 1個 | 白こしょうを使い、魚醤またはタイの淡色しょうゆを選べる。揚げ方が異なり1〜2分という目安があり、シラチャーソースとパクチーも提案している |
これらはそれぞれ配合も作り方も違う別のレシピで、足して使えるものではありません。気になるものがあれば、そのレシピを最初から最後まで通して作ってください。
背景:このレシピのもとになったもの
ここでの分量、人数、作り方は、MICHELINガイドが2018年に掲載した、Blue Jasmineのシェフへのインタビュー記事のレシピカードにもとづいています。レシピカードには、熱いジャスミンライスを添えることは書かれていますが、ごはんの量も炊き方も載っていないため、この記事でも補っていません。
ここで使った資料が裏づけているのは、このレシピと各バージョンの比較です。世界ごはん紀行編集部では、このレシピ全体を実際の台所で試してはいません。料理の起源や歴史、栄養、健康への効果については何も述べておらず、保存の方法も案内していません。
よくある質問
卵は200mlの油を全部吸いますか?
吸うとは考えないでください。MICHELINガイドのレシピは、200mlを揚げ用の量として挙げていて、全量を中華鍋に入れます。どれだけ卵に吸われるか、どれだけ鍋に残るかはレシピに書かれていないので、この記事でも見積もりません。
卵は裏返す必要がありますか?
このレシピでは裏返しません。へらで折りたたみながら扱い、鍋にくっつくのを防ぎます。ほかのレシピにある片面ごとの時間は、それぞれの作り方に属するものです。
加熱時間や油の温度はどれくらいですか?
MICHELINガイドのレシピには、加熱時間も油の温度も片面ごとの時間も載っていません。かわりに見た目の目安を使ってください。油が煙を出し始めること、卵がふくらむこと、黄金色でふんわり仕上がることです。表面が黄金色でも中まで火が通っているとは限らないので、供する前に完全に火が通っているか確認してください。
ライムはいつ入れますか?
MICHELINガイドの記事の本文では、ライムの話がもっと前に出てきます。この記事ではレシピカードの順序にしたがい、先に卵を泡立ててから、魚醤、砂糖、ライムを数滴の順に加えます。
魚醤のかわりにしょうゆを使えますか?
このレシピは魚醤を使っていて、置き換えは案内していません。Real Thai Recipesは魚醤またはタイの淡色しょうゆを選べるとしていますが、それはあくまで1個の卵で作るそのレシピの中での話です。タイの淡色しょうゆを、日本の白しょうゆと同じものと考えないでください。
ペーパーで油を切ったほうがいいですか?
MICHELINガイドのレシピには油を切る工程がないので、この記事では鍋から直接皿へ移します。ペーパーで油を切るのはBon Appétitのレシピに含まれている手順です。
ごはんはどれくらい添えればいいですか?
レシピに量の記載はないので、お好みの量でかまいません。炊けていて熱い状態のごはんを用意してください。























