西アフリカの台所に立つと、ピーナッツの香りがする
バマコの路地裏。昼どきになると、どこからともなくピーナッツの甘く香ばしい匂いが漂ってきます。大きな鍋の中で、濃厚な茶褐色のソースがぐつぐつと煮えている。鶏肉のかたまりと野菜が沈んでいる。これがマフェ(Mafé)、マリの国民食です。
マフェはピーナッツバターとトマトをベースにしたシチューです。鶏肉、牛肉、魚のいずれかをメインの具材とし、キャベツ、にんじん、じゃがいも、さつまいもなどの野菜と一緒に煮込みます。仕上げに唐辛子で辛みを加え、白いご飯にたっぷりとかけて食べる。西アフリカの食卓の真ん中に、常にこの料理があります。
マフェはマリだけの料理ではありません。セネガル、ガンビア、ギニア、ブルキナファソ、コートジボワールなど西アフリカ全域で愛されている汎地域的な料理です。ただし、マリ人は「マフェの発祥はマリだ」と強く主張します。マンディンカ族の伝統料理として数百年の歴史を持つことは確かです。
マンディンカ語で「ソース」を意味する「mafé」が語源。ピーナッツバター(ティガデゲナ)とトマトペーストで作る煮込み料理の総称。英語圏では「Groundnut Stew」とも呼ばれる。肉の種類や野菜の組み合わせは家庭によって異なり、「うちのマフェが一番」がマリ人の口癖。セネガルでは「ティエブジェン」と並ぶ国民食。

材料(4人分)
メイン
| 材料 | 分量 | 代替・備考 |
|---|---|---|
| 鶏もも肉(骨付き) | 600 g | 骨なしでも可。骨付きの方がダシが出る |
| 玉ねぎ | 1 個(中) | みじん切り |
| にんにく | 3 片 | すりおろし |
| 生姜 | 1 片(2cm) | すりおろし |
| トマトペースト | 大さじ3 | カゴメの缶入りトマトペーストが便利 |
| ピーナッツバター(無糖) | 150 g | 無糖・無塩タイプ必須。甘いものは不可 |
| 水 | 600 ml | 鶏ガラスープでも可 |
| サラダ油 | 大さじ2 | ピーナッツオイルがあれば最高 |
野菜
| 材料 | 分量 | 代替・備考 |
|---|---|---|
| にんじん | 1 本 | 乱切り |
| じゃがいも | 2 個(中) | 4等分 |
| キャベツ | 1/4 個 | ざく切り |
| さつまいも | 1 本(小) | 2cm厚の輪切り。省略可 |
| オクラ | 6 本 | ヘタを取る。とろみ付け。省略可 |
スパイス・調味料
| 材料 | 分量 | 備考 |
|---|---|---|
| 塩 | 小さじ1 | 味を見て調整 |
| マギーブイヨン | 1 個 | 西アフリカの必須調味料。コンソメでも可 |
| 唐辛子(粉) | 小さじ1/2 | 辛さは好みで調整 |
| 黒こしょう | 少々 | — |
| ローリエ | 1 枚 | — |
マフェの味はピーナッツバターで決まります。必ず無糖・無塩タイプを使ってください。スキッピーやJIF等の甘いピーナッツバターは論外。日本で入手しやすいのは「千葉県産ピーナッツペースト(無糖)」「三育フーズ ピーナッツバター(無糖)」「アリサン ピーナッツバター(クランチー)」の3つ。有塩タイプを使う場合は塩の量を半分に減らしてください。

この料理に使う食材・道具


調理手順
鶏もも肉に塩・こしょうで下味をつけ、鍋にサラダ油を熱して表面を焼き付ける。全面に焼き色がついたら取り出す
焼き色をつけることで香ばしさが加わる。中まで火を通す必要はない。煮込みで火が通る。

同じ鍋で玉ねぎのみじん切りを炒める。しんなりしたらにんにくと生姜のすりおろしを加え、香りが立つまで1分炒める
玉ねぎは透明になるまでしっかり炒める。ここが味のベースになる。

トマトペーストを加え、焦げないように混ぜながら2分炒める。ペーストの酸味が飛んで色が濃くなったらOK
トマトペーストを炒めることで酸味が和らぎ、甘みとコクが出る。これは西アフリカ料理の基本テクニック。

ピーナッツバターを加え、水600mlを少しずつ注ぎながらダマにならないように混ぜる。ローリエとマギーブイヨンを加える
ピーナッツバターは一度に全量加えてOK。水を少しずつ加えながら溶かしていくとダマにならない。

焼き付けた鶏肉を鍋に戻し、にんじんとじゃがいもを加える。蓋をして中火で30分煮込む
途中で水分が減りすぎたら水を足す。焦げ付きやすいので時々底を混ぜる。

さつまいも、キャベツ、オクラを加え、さらに15分煮込む。塩・唐辛子で味を調えて完成
さつまいもは煮崩れやすいので後から加える。オクラを入れるとソースにとろみがつく。

この料理の歴史 — ピーナッツと西アフリカの運命
マフェの歴史はピーナッツ(落花生)の歴史そのものです。
ピーナッツの原産地は南米です。16世紀にポルトガル人が大西洋奴隷貿易の航路を通じて西アフリカにピーナッツを持ち込みました。ピーナッツは西アフリカの気候と土壌に完璧に適応し、瞬く間に主要作物となりました。セネガル、マリ、ガンビア、ギニアの農業はピーナッツを中心に回るようになり、19世紀には「ピーナッツ経済圏」が形成されました。
マフェの原型は、ピーナッツが西アフリカに根付いた17世紀頃に生まれたと考えられています。マンディンカ族(マリ南部からセネガル東部にかけて居住する民族)は、すり潰したピーナッツを肉や魚の煮込みに加える調理法を発展させました。これが「ティガデゲナ(tigadèguèna)」で、マフェの直接的な祖先です。マンディンカ語で「ティガ」はピーナッツ、「デゲナ」はソースを意味します。

18世紀のフランス植民地時代、セネガルとマリ(当時のフランス領スーダン)はピーナッツのプランテーション経済に組み込まれました。フランスはピーナッツを搾油原料として輸出しましたが、西アフリカの人々は搾油後の残渣(ピーナッツペースト)を料理に活用しました。植民地の経済搾取が皮肉にも、マフェの味を濃厚にしたのです。
20世紀初頭、マギーブイヨン(Maggi)が西アフリカに進出しました。ネスレ社の固形ブイヨンは瞬く間に西アフリカの調味料として定着し、マフェに「うまみ」のレイヤーを追加しました。現在の西アフリカ料理にマギーブイヨンが欠かせないのは、この歴史的背景があります。チェブジェン(セネガルの炊き込みご飯)にもマギーブイヨンは必須です。
1960年にマリがフランスから独立すると、マフェは国民的アイデンティティの象徴となりました。独立後のマリ政府は伝統文化の復興を推進し、マフェは「マリの魂」として国民食に位置づけられました。バマコの食堂では昼食の定番としてマフェが毎日提供されています。
21世紀に入り、マフェは西アフリカのディアスポラ(離散民)を通じてヨーロッパとアメリカに広まっています。パリの18区(アフリカ系移民が多い地域)には本格的なマフェを出す食堂が点在し、ニューヨークのハーレムやブルックリンでもマフェを提供するレストランが増えています。英語圏のフードブログでは「West African Groundnut Stew」として紹介され、ヴィーガンコミュニティでも植物性たんぱく質の豊富なレシピとして注目されています。
セネガルではマフェを「マフェ」または「ドモダ(domoda)」と呼びます。セネガル版マフェはトマトの比率が高く、やや酸味が強い傾向があります。マリ版はピーナッツバターの比率が高く、より濃厚でクリーミー。どちらが「本場」かを議論すると西アフリカ人同士で喧嘩になるので注意。ガンビアでは「ドモダ」がほぼ同じ料理を指します。
調理のコツ — 完璧なマフェを作るための6つの技術

1. ピーナッツバターは「無糖・無塩」が絶対
マフェの味の8割はピーナッツバターで決まります。甘いピーナッツバター(スキッピーやJIFのクリーミータイプ)を使うと、シチューが甘ったるくなって修復不可能です。必ず原材料がピーナッツだけのものを選んでください。成分表示に「砂糖」「植物油脂」「食塩」が入っていないものが理想。落花生100%のペーストが最良です。
2. トマトペーストは「炒める」
トマトペーストを鍋に入れてそのまま煮込む人がいますが、それは西アフリカ料理の作法に反します。トマトペーストは油で2〜3分炒めて酸味を飛ばすのが鉄則。炒めることでメイラード反応が起きて甘みが増し、完成後のソースに複雑な奥行きが出ます。ジョロフライスでもトマトペーストを炒めるのは必須工程です。
3. 鶏肉は骨付きを使え
マフェのダシは鶏肉の骨から出ます。骨なし肉で作ると「何かが足りない」仕上がりになります。骨付きもも肉を使えば、煮込み中にコラーゲンが溶け出してソースにとろみと旨味が加わります。手羽元や手羽先でも代用可能。骨付き肉が入手できない場合は鶏ガラスープの素を水に溶かして補ってください。
4. マギーブイヨンの代替
西アフリカ料理にマギーブイヨンは必須ですが、日本では入手しにくい場合があります。コンソメキューブで代用できますが、味の素(MSG)を少量加えるとより西アフリカの味に近づきます。マギーブイヨンの本質は「うまみの塊」です。和風だしの素は味の方向性が違うため非推奨。
5. 煮込み時間は「最低45分」
マフェは短時間で作る料理ではありません。ピーナッツバターの油分が分離し、トマトペーストと一体化するには最低45分の煮込みが必要。表面にオレンジ色の油が浮いてきたら「マフェが完成した」サインです。西アフリカの母親たちはこの油を見て火を止めるタイミングを判断します。
6. ご飯は硬めに炊く
マフェに合わせるご飯は硬めに炊くのが西アフリカ式。ソースが濃厚なので、柔らかいご飯だとベチャベチャになります。日本の白米を通常の水加減より1割少なめで炊くと、ちょうど良い硬さになります。フフ(ガーナのモチ状の主食)やウガリ(東アフリカのコーンミールペースト)と合わせるのも本場流です。
マフェのバリエーション — 肉も魚も野菜も
マフェの魅力はメインの具材を自由に変えられることです。マリの各家庭が「うちのマフェ」を持っています。

肉のマフェ
| バリエーション | 具材 | 特徴 |
|---|---|---|
| マフェ・プーレ | 鶏肉 | 最もポピュラー。本記事のレシピ |
| マフェ・ビアンド | 牛肉 | 牛すね肉の塊で。煮込み時間は90分以上 |
| マフェ・ムトン | 羊肉 | 祝祭日の贅沢版。羊の脂がピーナッツソースと好相性 |
| マフェ・ポワソン | 魚 | 白身魚の切り身で。セネガル沿岸部で人気 |
野菜のマフェ(ヴィーガン対応)
近年、欧米のヴィーガンコミュニティでマフェの人気が急上昇しています。肉を使わず、豆腐やひよこ豆、さつまいもをメインにした植物性マフェは、たんぱく質・脂質・炭水化物のバランスが良く、完全な一食になります。
ヴィーガン版のポイントは、鶏ガラスープの代わりに昆布だしまたは野菜ブイヨンを使うこと。マギーブイヨンの代わりに味噌小さじ1を加えるとうまみが補えます。
日本の食材でアレンジするなら、鶏肉の代わりに豚の角切り肉を使っても美味しい。ピーナッツバターのコクと豚の脂が絶妙に合います。野菜はかぼちゃ、大根、里芋など根菜系なら何でもOK。マフェは「ピーナッツソースで煮る」という技法であり、具材は自由です。
マフェの食文化 — 西アフリカの食卓風景
マフェは単なる料理ではありません。西アフリカのコミュニティの絆そのものです。
大皿を囲んで食べる。 マリの食事は大皿を家族全員で囲むスタイルです。直径50cmを超える大皿の中央にご飯を山盛りにし、その上からマフェのソースをたっぷりかける。家族が皿を囲んで座り、右手でご飯とソースを混ぜながら食べる。この共食の文化は西アフリカの社会の基盤です。一人で食事をすることは「社会からの孤立」を意味し、避けるべき行為とされています。
昼食の女王。 マリでは昼食が一日の中心的な食事です。マフェは昼食に提供されることが最も多い。バマコのオフィス街では、女性たちが路上で大鍋のマフェを売り、労働者たちが行列を作ります。一皿500〜1,000CFA(約100〜200円)。この「マフェ売りのおばちゃん」は西アフリカの都市風景の一部です。
結婚式のマフェ。 マリの結婚式では、花嫁側の家族がマフェを大量に作って招待客に振る舞います。マフェの出来が花嫁の「料理の腕」の評価に直結する。そのため花嫁は結婚前に母親からマフェの作り方を徹底的に仕込まれます。「マフェが上手い女性は良い妻になる」というマリの諺があります。

ラマダン明けのマフェ。 マリは人口の約95%がムスリムです。ラマダン(断食月)の日没後に最初に食べるイフタール(断食明けの食事)にマフェが登場することも多い。断食で疲れた体にピーナッツの高カロリーなソースが染み渡ります。コシャリがエジプトのラマダン中の定番であるように、マフェはマリのラマダンを支える食べ物です。
ピーナッツ農家の誇り。 マリの農村部ではピーナッツ栽培が主要な生計手段です。収穫したピーナッツの一部を自家用に残し、臼で潰してピーナッツペーストを作る。このペーストで作るマフェは市販のピーナッツバターでは再現できない風味があると言います。ピーナッツを育てる農家が、そのピーナッツでマフェを作り、家族に食べさせる。この循環がマフェの食文化の本質です。
マフェは大量のピーナッツバターを使います。ピーナッツアレルギーをお持ちの方は絶対に食べないでください。代替レシピとして、ピーナッツバターの代わりに**タヒニ(ごまペースト)**を使う方法があります。味は本場とは異なりますが、ナッツ類を含まない安全なバージョンです。ただしゴマアレルギーにも注意してください。
食材の入手ガイド — マフェの材料を日本で揃える

マフェの材料は全て日本のスーパーで入手可能です。特別な輸入食材は不要。ピーナッツバターだけ「無糖タイプ」を選ぶことに注意すれば、今日からでも作れます。
主要材料の入手先
| 材料 | 入手先 | 価格目安 |
|---|---|---|
| 無糖ピーナッツバター | カルディ・Amazon・成城石井 | 500〜800円/200g |
| トマトペースト | スーパー | 100〜200円/缶 |
| 鶏もも肉(骨付き) | スーパー | 300〜500円/600g |
| マギーブイヨン | カルディ・Amazon | 300〜500円/24個入り |
| 唐辛子(粉) | スーパー | 100〜200円 |
代用テクニック
| 材料 | 代用品 | 仕上がりの違い |
|---|---|---|
| 無糖ピーナッツバター | 自家製(ピーナッツをフープロで粉砕) | 粒感が残り本場に近い |
| マギーブイヨン | コンソメキューブ + 味の素少量 | ほぼ同等 |
| オクラ | なし(省略可) | とろみが減る |
| さつまいも | かぼちゃ | 甘みの質がやや異なるが美味 |
よくある質問

Q1. マフェとティガデゲナの違いは?
同じ料理の異なる呼び名です。「マフェ(mafé)」はマンディンカ語系の呼称でセネガル・ガンビアでも通じます。「ティガデゲナ(tigadèguèna/tigadeguena)」はバンバラ語(マリの主要言語)での呼称。「ドモダ(domoda)」はガンビアでの呼称。全て「ピーナッツソースの煮込み」を指します。
Q2. 辛さは調整できる?
もちろんです。唐辛子は好みで増減してください。マリの家庭でも辛さは家ごとに異なります。子供がいる家庭では唐辛子を入れず、食卓に「唐辛子ペースト」を別添えして各自で調整する方式が一般的。辛いのが好きな方はハバネロパウダーを少量加えると西アフリカの激辛マフェに近づきます。
Q3. 鶏肉以外で作れる?
牛すね肉(90分以上煮込む)、羊肉(70分以上煮込む)、白身魚の切り身(15分煮込む)、エビ、豆腐など何でも合います。ヴィーガン版はひよこ豆とさつまいもの組み合わせが定番。マリでは「冷蔵庫にあるもので作る」のがマフェの流儀です。
Q4. 翌日は美味しくなる?
はい。マフェは翌日が最も美味しい料理です。一晩置くことでピーナッツバターの油分とトマトソースが完全に一体化し、味に深みが増します。冷蔵で3日間保存可能。温め直すときは水を少し足してから弱火で加熱してください。
Q5. ご飯以外に合う主食は?
フフ(ガーナのモチ状の主食)やウガリ(東アフリカのコーンミールペースト)が本場流。日本の食材で代用するなら、白玉だんごをフフの代わりにしても面白い。フランスパンを添えるのはパリのマリ人コミュニティのスタイル。クスクスとの相性も抜群です。
Q6. 子供でも食べられる?
唐辛子を入れなければ子供に最適な料理です。ピーナッツバターのまろやかな味は子供に好まれます。ただしピーナッツアレルギーの有無を必ず事前に確認してください。初めて食べさせる場合は少量から始めてください。
Q7. マフェに合う飲み物は?
マリでは**ビサップ(hibiscus tea)**が定番の組み合わせ。ハイビスカスティーの酸味がピーナッツソースの濃厚さを中和します。ジンジャービールも好相性。アルコールならラガービール(サッポロ黒ラベルのような軽めのもの)がピーナッツの風味を邪魔しません。
参考文献

英語圏の文献・記事を中心に、以下を参考にしました。
- Mafé - Wikipedia (English) — マフェの歴史・地域差・バリエーションの包括的解説
- West African Groundnut Stew - Serious Eats — 調理科学に基づくレシピ解説
- Mafe Recipe - The Spruce Eats — 材料の代用テクニック
- Tigadeguena - 196 Flavors — マリの食文化コンテキスト
書籍からもピーナッツの伝播史について調査しました。
- Davidson, A. (2014). The Oxford Companion to Food. Oxford University Press. — ピーナッツの伝播史
関連記事 — アフリカの煮込み料理

西アフリカの煮込み: チェブジェンはセネガルの炊き込みご飯で、マフェと並ぶ西アフリカの二大国民食。ジョロフライスはナイジェリア発のトマトベース炊き込みご飯で、西アフリカ全域で「どの国のジョロフが最も美味いか」論争が絶えない。アチェケはコートジボワールの発酵キャッサバで、マフェのソースをかけて食べることもある。
東アフリカの煮込み: ドロワットはエチオピアの鶏肉スパイス煮込みで、バルバレスパイスの辛みが特徴。ズィグニはエリトリアの牛肉トマト煮込み。ンドレはカメルーンの苦味野菜シチューで、ピーナッツを使う点でマフェと共通する。
アフリカの主食: フフはガーナのモチ状の主食で、マフェのソースと合わせるのは西アフリカの定番。ウガリは東アフリカのコーンミールペーストで、あらゆるシチューの受け皿になる。インジェラはエチオピアの発酵クレープで、ドロワットを乗せて食べる。
まとめ — ピーナッツが繋ぐ大陸間の食の歴史

マフェは「ピーナッツバターでシチューを作る」というシンプルな発想の料理です。しかしその背景には、大西洋を越えたピーナッツの旅、植民地時代の経済搾取とその中から生まれた食の知恵、そして「大皿を囲んで食べる」西アフリカのコミュニティ文化が詰まっています。
日本のキッチンで無糖ピーナッツバターを鍋に溶かすとき、あなたは16世紀から続く食の歴史の一端に触れています。ピーナッツバターの選び方さえ間違えなければ、マフェは初心者でも確実に美味しく作れます。鶏肉を焼いて、野菜を入れて、ピーナッツソースで煮込む。それだけで西アフリカの食卓がそのまま再現できます。濃厚なピーナッツソースを白いご飯にかけて食べるその一口で、バマコの路地裏の匂いがあなたのキッチンに届くはずです。



