鶏仔餅は、皮と餡を別々に仕込む小さな楕円の焼き菓子
このレシピは試作しておらず、温度も測っていません。焼き時間はあくまで目安です。豚の脂身の餡に火が通ったかどうかは、手元の食品用温度計で判断してください。
皮と餡は別々に作り、それぞれ休ませます。合わせるのは最後です。皮10gで餡約15gを包み、小さな楕円に整えて押し平らにし、卵を塗って焼きます。
鶏仔餅(鸡仔饼)は、広東の餡入り焼き菓子です。この記事で扱うのは一つの版だけで、広州華商職業学院(Guangzhou Huashang Vocational College)の酒店管理・厨芸学院(School of Hotel Management and Culinary Arts)が、広東の点心の授業の一環として2022年11月8日に掲載した「岭南鸡仔饼」です。このページは、広州の名物の軽食として紹介し、甘くて香ばしく、さくっとほどけ、甘みのなかに少し塩気があると説明しています。これは学院の言葉であり、編集部が食べた感想ではありません。
これは伝承の処方でも、広東全体の標準でもありません。ほかのレシピの分量や作り方も混ぜていません。
学院のページにある内容と、編集部が加えた内容
学院のページにある内容: 材料名と計量された分量、作業の順序、皮を約30分、餡を約1時間休ませること、10gと約15gの取り分け、楕円の成形、卵塗り、上火190°C・下火170°Cで約15分焼くこと。
ページに書かれていない内容:
- 水・酒・卵の量(「少々」「適量」とだけ書かれている)
- 油・酒・卵の種類
- 脂身を湯通しする時間と温度
- 漬け置きの時間
- 皮と餡を休ませる場所と温度
- 何個できるか
水・酒・卵の量や、漬け置きの時間に数字は補っていません。
編集部が加えた条件と読み方:
- 食品安全の条件: 湯通しの終点、焼く前の時間の上限、温度計での確認は編集部の条件です。厚生労働省、米国FDA、カナダ保健省の公開されている指針をもとに、編集部の判断でこのレシピに当てはめました。これらの機関がこの菓子を評価したわけではありません。
- 麦牙糖: ページはこの表記です。熱で溶かせるとあるため、麦芽糖と読みました。
- 食粉: ページには成分の記載がありません。中国語圏の用法から、食用の重曹と読みました。根拠の薄さは「よくある質問」に書いています。
- 肥肉: 文脈から豚の脂身と読みました。部位はページに書かれていません。
- 熟面粉(加熱した小麦粉): ページに作り方はありません。下の乾煎りの方法は、別の記事によるものです。
この料理に使える食材・調味料
道具
- オーブン
- 食品用温度計(先端で測る細い探針のもの)
- はかり
- ふるい
- ボウル
- 湯通し用の鍋
- 包丁とまな板
- 乳鉢と乳棒
- 刷毛
- 天板
選び方と代用
- 低筋粉: 「低筋粉」で探します。お住まいの地域のケーキ用や柔らかい小麦粉は、完全に同じとは限りません。
- 麦芽糖: 麦芽糖と、英語名「maltose」でも探します。
- 重曹: 食用の製品を使います。鹸水(かんすい)のように炭酸ナトリウムを主成分とするアルカリ剤は、別の材料として扱ってください。
- 南乳: 「南乳」で探します。ほかの種類の発酵豆腐に置き換えないでください。
- 油と酒: 種類は決めておらず、特定のものはすすめません。
- 熟面粉: 「熟面粉」で探すか、自分で作ります。作り方は、油も水も加えずに小麦粉を弱火で乾煎りし、混ぜ続けます。香りが立ったら火を止めて冷まし、揉みほぐして細かいふるいにかけます。
うまくいかないとき
| 困りごと | 対処 |
|---|---|
| 湯の中で、いちばん厚い脂身がなかなか75°Cにならない | 加熱と測温を続けます。75°Cに達し、さらに1分以上たつまでは、切ったり漬けたりしません |
| 台所が32°Cを超えている | 上限は1時間です。餡は10°C以下の冷蔵庫で休ませます |
| 成形に時間がかかり、時間の上限を超えそう | 待っている分は冷蔵庫に入れ、次は量を減らして作ります |
| 焼けて見えるのに75°C未満だった | 焼き足して測り直します。色では餡が十分に熱くなったかわかりません |
| 合格するものと、しないものがある | ひとつずつ測り、75°C未満のものは焼き続けます |
| 75°Cになる前に焦げた | 食べないでください |
| 南乳や、指定の小麦粉が見つからない | 試して確かめた代用品がないため、置き換えたときの仕上がりはお伝えできません |
他の版とのちがい
同じ名前でも、同じ菓子とは限りません。2023年の中山日報(Zhongshan Daily)の特集は、見出しが「百軒の菓子店があれば百種類の鶏仔餅がある」というもので、皮と餡の合わせ方・包み方、形、餡に差があることを伝えています。広州、斗門、中山を例にした、あるフードライターによる三つの分類も載っていますが、これはそのフードライターの整理であり、地域の公式な分類ではありません。
レシピを比べる前に知っておきたい違いが、ほかにもあります。
- 皮のアルカリ剤: Chinese Cooking Demystifiedの「Cantonese Chicken Cookies」は、皮に鹸水を使い、食粉は使いません。配合が別なので、一方をもう一方に入れ替えないでください。
- もう一つの成形法: 学院のページには、二枚の生地で餡を挟み、切り分ける方法もあります。この記事で使うのは、包んで押し平らにする楕円の第一の方法だけです。
- くるみ: 学院のページは冒頭の要約でくるみに触れていますが、計量された材料には入っていないので、ここでは使いません。
この一版の位置づけ
このレシピは、職業学院の点心の授業の実習として届いたものです。ページには個人の著者も指導者も書かれておらず、歴史的な処方とも結びつけられていません。そのため、ここでは由来の物語は語らず、この菓子についてまわる伝説や健康効果の話も繰り返しません。ほかの料理も見てみたい方は、中国のほかの料理もどうぞ。
よくある質問
鶏仔餅には鶏肉が入っていますか?
学院の計量された材料に、鶏肉はありません。この版の脂は肥肉で、豚の脂身と読んでいます。ここから、すべての店や地域に当てはめることはできません。
何個できますか?
学院のページに個数はありません。一般的な組み合わせとして、粉500gの皮に餡1500gを合わせると書き、10gと約15gの取り分けも示しています。計量された材料を割ると、皮は約105個分、餡は約92個分で、およそ90〜100個になります。これは編集部の計算で、水・酒・端材を含まず、試作もしていません。
食粉とは何ですか?
学院のページには書かれていません。皮の分は3.5g、餡の分は5gで、脂身の下味に入れます。中国語のフォーラムの投稿が食粉を食用の重曹と同じものとしており、広東語版ウィキペディアは関連語の梳打粉に炭酸水素ナトリウムという化学名を挙げているので、食用の重曹(炭酸水素ナトリウム)と読みました。ただし根拠は薄く、フォーラムの投稿は個人のもので、学院の意図を証明するものではありません。編集部の解釈としてお読みください。
なぜ水・酒・卵の分量がないのですか?
学院のページは、水と酒を「少々」「適量」としか書いておらず、卵の量はありません。油・酒・卵の種類や、漬け置きの時間もありません。数字を作らず、空白のままにしました。
オーブンの温度は確かですか?
ページの温度の文字列は、下火の数字の間に余計な空白が入っており、170°Cと読みました。予熱、段の位置、天板の枚数、天板の向きを変えることについても、ページには何も書かれていません。
家庭で安全に焼けますか?
学院のオーブン設定と時間は、安全の確認ではありません。このレシピも試作していません。湯通しと焼成の両方で温度計を使い、中心が75°Cになったことを確かめ、さらに1分以上加熱してください。日本の厚生労働省がこの目安を示しています。カナダ保健省は豚肉を71°Cとしていますが、ここでは高いほうの数字を採っています。
残りはどう保存しますか?
残った餡と焼いた菓子は、2時間以内に冷蔵します。菓子は浅い容器に分けてください。何日もつかの情報はなく、再加熱の方法もすすめません。























