ピーナッツバターサンドがフレンチトーストになる — 茶餐廳の一皿
甘みのあるピーナッツバターを挟んだ2枚のミルクブレッド、全面にさっとまとわせる卵液、熱い油にくぐらせる工程、そして加糖練乳とバターの仕上げ。この4つが、この料理を特徴づけています。
一般的なフレンチトーストは、1枚のパンを卵液に浸して、フライパンで焼くところから始まります。香港式フレンチトーストは、少し違う道をたどります。2枚のミルクブレッドでピーナッツバターを挟み、耳を落とし、サンドイッチごと卵液にさっとくぐらせて、濃い黄金色になるまで揚げます。仕上げは加糖練乳とひとかけのバターです。
このページのレシピは、Andy LiangがThe Kitchnに書いた「Hong Kong-Style French Toast」(2024年5月6日公開)の一つのレシピに沿っています。4人分で、ミルクブレッド8枚から4つのサンドイッチを作ります。このレシピでは、香港式フレンチトーストを香港の茶餐廳(cha chaan teng、いわゆるお茶のレストラン)の定番メニューと説明し、ミルクブレッド、ピーナッツバター、練乳、バターを構成要素に挙げています。同じ街の料理は香港のページでも紹介しています。
世界ごはん紀行では、このレシピを台所で試作していません。以下の分量・順序・温度・揚げ時間は、The KitchnのAndy Liangのレシピに沿っています。
ミルクブレッドと合うピーナッツバターがそろえば、作り方そのものは短く済みます。気をつけたいのは、卵液から油に入れるまでのほんのわずかな間です。
茶餐廳で出会う、トーストの店
香港政府観光局は茶餐廳をお茶のレストラン(tea restaurants)と紹介しており、そのガイドには、具体的な店のメニューとしてこのトーストが載っています。訪れたい茶餐廳の一覧では、油麻地(Yau Ma Tei)のMido Cafeについて、厚切りの香港式フレンチトーストをバターと練乳で出す店として薦めています。深水埗(Sham Shui Po)の茶餐廳、Hon Fat Noodleの日本語ページでは、西多士を香港式フレンチトーストの名前として挙げ、練乳をたっぷりかけて出す店の名物の一つと説明しています。
これらはあくまで特定の店の例で、すべての茶餐廳が同じ作り方をするという意味ではありません。たとえばMido Cafeの厚切りは、このページの家庭向けレシピで使う1/2インチの厚さとは違います。店の例とレシピをつないでいるのは、練乳とバターの仕上げです。この料理の歴史や起源については、ここで使った資料が触れていないため、このページでは語りません。
道具
- 縁の高い大きなフライパン、または鋳鉄製のスキレット(幅10インチ以上)
- 幅が広く浅いボウル
- 泡立て器
- 塗るときと耳を切り落とすときに使うナイフ
- サンドイッチを返すヘラ
- キッチンペーパーを敷いた皿
選び方と代用
アジア系ベーカリーのミルクブレッドが、探したいパンです。形はベーカリーごとに違いますが、ここで大切なのは厚さ1/2インチに切ることです。
甘みのある、分離しないピーナッツバターが中身です。ナチュラルタイプのピーナッツバターは仕上がりが変わるため(下の「別の組み合わせは、またの機会に」を参照)、基本の作り方には入れません。
加糖練乳を、無塩バターと一緒に上にのせます。はちみつ、ゴールデンシロップ、メープルシロップは別の材料で、この作り方には含まれません。
油は中性油としてキャノーラ油を使い、ほかに普通の全乳、コーシャーソルト、無塩バターを使います。特定のブランドは必要ありません。
つまずきやすいところ
| ポイント | 守りたいこと |
|---|---|
| 卵液にくぐらせる | 全面を手早く。ボウルに置いたままにせず、引き上げる |
| 耳を切る | 塗る前ではなく、2枚目のパンをのせたあと |
| フライパンに入れる数 | 2個ずつ。揚がったら次の2個 |
| 油の温度と時間 | 350°F。途中で返し、片面約1分半、濃い黄金色になるまで |
| 油切り | 仕上げをのせる前に、キッチンペーパーを敷いた皿で短く |
| 仕上げ | このレシピでは加糖練乳と無塩バターだけ |
別の組み合わせは、またの機会に
どれも仕上がりが変わります。それぞれ別のアレンジとして考え、基本のレシピには混ぜずに試してください。
- クランチタイプのピーナッツバターを、クリーミーの代わりに使うと、食感が変わります。
- ナチュラルタイプのピーナッツバターは、より塩気のある味わいになります。分離している場合は、塗る前に混ぜてください。
- ヌテラをピーナッツバターの代わりにすると、チョコレート味になります。このページで紹介するピーナッツバター版とは、味も見た目も別の料理です。
- パン・ド・ミを、ミルクブレッドの代わりに。
- ブリオッシュやカントリーホワイトブレッドを、ミルクブレッドの代わりに。
よくある質問
普通のフレンチトーストとどう違いますか?
普通のフレンチトーストは、たいてい1枚のパンを卵液に浸してフライパンで焼きます。The KitchnのAndy Liangのレシピでは、2枚のミルクブレッドで甘みのあるピーナッツバターを挟み、耳を切り落とし、全面を手早く卵液にくぐらせて揚げ、最後に練乳とバターで仕上げます。
卵液に浸しておいてもよいですか?
いいえ。レシピは、浸さずに全面を手早くくぐらせるよう指示しています。くぐらせる時間を秒数で示してはいないため、このページでも目安の秒数は示しません。
練乳の代わりにはちみつやシロップを使えますか?
この作り方では使いません。仕上げは加糖練乳と無塩バターで、香港政府観光局が紹介する店の例とも重なります。はちみつ、ゴールデンシロップ、メープルシロップは別の材料で、別の一皿になります。
所要時間はどのくらいですか?
The Kitchnのレシピの冒頭に書かれた調理時間は、手順にある揚げ方(2個ずつ、片面約1分半)と合いません。そのため、このページでは合計時間を示していません。片面の時間と、トーストの色を目安にしてください。
残ったら保存できますか?
The Kitchnのレシピには残りの扱いについてのメモがありますが、食品安全の資料では確認できていません。このページでは保存日数も温め直しの方法も案内しません。このレシピは、揚げたらすぐに食べるところまでです。
「西多士」は同じ料理ですか?
香港政府観光局のHon Fat Noodleのページでは、西多士を香港式フレンチトーストの名前として使い、練乳をたっぷりかけて出す品として紹介しています。これは一軒の店の呼び方と出し方で、すべての茶餐廳や料理の歴史にあてはまるとは、このページでは言いません。












