盛岡じゃじゃ麺は、食べている途中で一杯の表情が変わる
これは2人分の家庭向けレシピで、世界ごはん紀行では試作していません。土台にしたのはJA全農たまごが公開している作り方です。チータンタンの最後に小鍋で温め直す工程は、編集部が安全のために加えたもので、作り方の中で説明します。
熱い麺の器に、きゅうりと肉味噌がのって運ばれてきます。そこから先は食べる人の仕事です。麺とたれを混ぜ、酢、にんにく、ラー油、おろししょうがを好みで足していきます。盛岡市と岩手県の公式観光サイトが、岩手県盛岡市の麺料理、じゃじゃ麺の食べ方として紹介している流れです。
食べ終わりも、ただ器を下げて終わりにはなりません。麺と肉味噌を少し残した器に卵とゆで汁を加えて、卵スープのチータンタンにします。
肉味噌は店ごとに工夫があるため、「これが唯一の正解」というレシピはありません。ここで紹介するのは家庭向けの一例で、乾燥うどんを使い、きゅうりと一緒にトマトも添えます。
材料(2人分)

| --- | ---: | --- | | 豚ひき肉 | 150g | 肉味噌 | | 玉ねぎ | 中1個 | みじん切りにして、先に火を通してやわらかくする(肉味噌) | | サラダ油 | 大さじ1 | 玉ねぎを炒める | | おろししょうが | 小さじ2 | 肉味噌 | | おろしにんにく | 小さじ2 | 肉味噌 | | ごま油 | 小さじ1 | 仕上がった肉味噌に回しかける | | 味噌 | 大さじ2 | たれ | | 酒 | 大さじ2 | たれ | | 砂糖 | 大さじ1 | たれ | | しょうゆ | 小さじ1 | たれ | | ごま | 大さじ2 | たれ | | 乾燥うどん | 2束 | 麺 | | きゅうり | 1本 | 細切りにして添える | | トマト | 1/2個 | くし切りにして添える | | 卵 | 2個 | チータンタン用、1杯に1個 | | 麺のゆで汁 | 適量 | うどんの鍋から取り置き、チータンタンに使う | | 酢、おろししょうが、おろしにんにく、ラー油 | 好みで | 食卓で加える | | 塩、こしょう、味噌、ラー油 | 好みで | チータンタンの味つけ |
きゅうりとトマトは、使う前に流水でよく洗ってください。
この料理には、豚肉のほか、小麦(うどん)、大豆(味噌・しょうゆ)、ごま、卵が含まれます。購入する商品の表示を確認してください。
道具
- フライパン
- 木べら
- 麺をゆでる鍋
- ざる
- チータンタン用の小鍋
- たれを混ぜるボウルとスプーン
- 包丁とまな板
- 盛りつけ用の器2つと箸
- あれば料理用温度計
選び方と代用
うどん。 手に入るなら平たい麺を選んでください。盛岡のじゃじゃ麺は熱い平麺で出されます。ゆで方は袋の表示どおりです。乾燥うどんは家庭向けの選択で、盛岡で出される麺と同じとは言いきれません。
肉。 豚ひき肉のほか、合いびき肉でも作れます。ここでは豚ひき肉を使っています。合いびき肉にすると、肉の風味が変わります。
酒。 なければ、水大さじ2で代えられます。香りとコクが少し軽くなります。
味噌。 銘柄や塩分によって味が変わります。まず大さじ2で作り、食卓で調整してください。
作り方:肉味噌、麺、スープの順に
肉味噌を先に仕上げてから麺をゆでると、うどんが熱いうちに盛りつけられます。
豚肉: 厚生労働省は、肉の加熱の目安として中心温度75°Cで1分以上を示しています。肉の色だけでは、この加熱ができたかどうかは確かめられません。また同省は、生肉に使った器具は他の食品に触れさせないか、そのつど洗うよう勧めています。
チータンタン: 工程10〜12は、生卵に熱い麺のゆで汁を注ぐJA全農たまごの方法のとおりです。このレシピには、卵が十分に加熱された温度・時間・確かめ方が書かれておらず、熱いゆで汁だけで火が通るとは言えません。そのため工程13は、編集部が加えた手順で、JA全農たまごのレシピにはありません。愛知県が事業者向けに示している「70°Cで1分以上」の基準と、滋賀県の「サルモネラは70°C・1分程度で死滅する」という説明に合わせました。滋賀県は、卵は冷蔵で保存し、割り置きしないことも勧めています。湯気や、写真での卵の見た目だけでは、温度はわかりません。
抵抗力の弱い方: 同省は、抵抗力の弱い人に加熱していない料理を出さないよう勧めています。妊娠中の方、幼児、高齢の方、免疫機能が弱い方は、生や半熟の卵を避けてください。工程13までしっかり行うか、卵を入れないでください。
ボウルに、味噌大さじ2、酒大さじ2、砂糖大さじ1、しょうゆ小さじ1、ごま大さじ2を入れて混ぜ、置いておきます。

2. 玉ねぎをやわらかくする
玉ねぎをみじん切りにし、サラダ油大さじ1で、弱火でやわらかくなるまで炒めます。

3. 豚肉に火を通す
豚ひき肉150g、おろししょうが小さじ2、おろしにんにく小さじ2を加えます。肉をほぐしながら炒め、色が変わって中心まで火が通るまで続けます。目安は中心75°Cで1分以上です。生肉に触れた手や器具は洗い、きゅうりやトマトに触れさせないでください。

4. たれを煮詰める
味噌だれを加え、中火で3〜5分、水分を飛ばしながら炒めます。たれが肉にからみ、フライパンに汁がたまらなくなれば仕上がりです。

5. ごま油で仕上げる
肉味噌にごま油小さじ1を回しかけます。

6. 野菜を用意して、うどんをゆでる
きゅうりは細切り、トマト1/2個はくし切りにします。乾燥うどん2束を、袋の表示どおりにゆでます。

7. ゆで汁を取り置いて湯切りする
チータンタン用に、麺のゆで汁を少し取り置きます。うどんは熱いうちに湯切りします。

8. 器に盛る
熱いうどんを2つの器に分け、きゅうりとトマトを添えます。真ん中に肉味噌をのせます。

9. 混ぜて食べる
箸で麺と肉味噌を混ぜます。好みで、酢、ラー油、おろししょうが、おろしにんにくを、少しずつ加えます。スープ用に、麺と肉味噌を器に少し残しておきます。

10. 器の中で卵を溶く
スープを作る直前に、卵を冷蔵庫から出します。残した麺と肉味噌の器に卵を割り入れ、溶きほぐします。卵は前もって割らないでください。

11. 熱い麺のゆで汁を注ぐ
取り置いた熱いゆで汁を、器に注ぎます。

12. 混ぜて味を調える
よく混ぜます。塩、こしょう、味噌、ラー油で好みの味に整えます。卵はまだ仕上がっていないので、次の工程に進みます。

13. 小鍋で温める
器の中身を小鍋に移し、中火で、スープ全体が70°Cになるまで温め、そのまま1分以上保ちます。温度計がなければ、沸騰する直前まで温めて卵がしっかり固まったことを確かめ、1分以上保ちます。スープを器に戻します。もう1杯も同じようにします。
うまくいかないとき
| 困りごと | 対処 |
|---|---|
| 肉味噌が水っぽい | 中火で3〜5分、たれが肉にからんで汁がたまらなくなるまで炒め続けます。とろみをつけようとして調味料を足さないでください。 |
| 味が濃すぎる、または薄い | 味噌は塩分に差があります。フライパンにしょうゆや塩を足さず、食卓で各自が酢やラー油を少しずつ加えて調整します。 |
| 麺が冷めてしまった | 食べる直前にゆでて湯切りし、熱いうちに盛ります。肉味噌は先に仕上げておきます。 |
| ゆで汁が残っていない | ゆで汁がないと、この方法ではチータンタンが作れません。次回は湯切りの前に取り置いてください。 |
| 卵がしっかり固まっていない | 小鍋で、スープが70°Cになるか卵がしっかり固まるまで温め続け、そのまま1分以上保ちます。 |
アレンジ
| 変更 | 変わること |
|---|---|
| 豚ひき肉を合いびき肉にする | 肉の風味が変わる |
| 酒の代わりに水を使う | 香りとコクが少し軽くなる |
| たれに豆板醤小さじ1を加える | 辛味が出る。JA全農たまごのレシピでは任意で、標準のレシピには入れていない |
| 食卓で酢を加える | 酸味が加わる |
| 食卓でラー油を加える | 辛味と香りが加わる |
| トマトを省く | 盛岡の一般的な説明に近づく。盛岡の説明ではトマトは必須とされていない |
| 卵を省く | 麺で食事を終え、チータンタンは作らない |
この料理の由来
盛岡市の説明では、この料理は、中国東北部の炒めみそうどんを参考に、白龍(パイロン)の高階貫勝(たかしなかんしょう)氏が屋台で始めたとされています。ここでは市の説明をもとにし、年代や経歴は補いません。
中国につながりがあるといっても、中国の炸醤麺(ジャージャー麺)と同じ料理というわけではありません。市と岩手県の観光サイトが紹介しているのは、熱い平麺に肉味噌、きゅうりやねぎなどを合わせ、各自が好みで味つけして混ぜ、最後は卵スープで締めるという、盛岡ならではの食べ方です。全部を一度に混ぜる人もいれば、少しずつ混ぜる人もいます。
家庭ごとの作り方にも幅があります。たとえばパルシステム生活協同組合連合会は、冷凍うどん、汁気が少なくなるまで煮た肉味噌、きゅうりと白髪ねぎを使った例を載せています。その材料や分量はこのレシピには混ぜていません。ここで使うトマトはJA全農たまごの家庭向けレシピのもので、どこでも欠かせない具というわけではありません。
盛岡じゃじゃ麺は、同じ地域に結びつく盛岡冷麺(冷たい麺とスープが中心)や、わんこそば(出し方も特徴のひとつ)とは別の料理です。日本のほかの料理も見てみたい方は、日本のレシピをどうぞ。
残ったとき
作ったら早めに食べましょう。調理中も調理後も、室温に長く置かないようにします。残った場合は、清潔な浅い容器に分けてすばやく冷まし、すぐに冷蔵庫に入れます。食べるときは十分に再加熱してください。参考にした食品衛生の資料には保存期間が書かれていないため、日数は示しません。
よくある質問
豆板醤は必要ですか?
いりません。JA全農たまごのレシピでは「あれば」小さじ1とされています。このレシピの標準では入れておらず、辛味は控えめです。
トマトは必要ですか?
いりません。参考にした家庭向けレシピには入っていますが、盛岡市の一般的な説明ではトマトは必須とされていないので、省いてかまいません。
熱い麺のゆで汁を卵に注ぐだけで大丈夫ですか?
大丈夫とは言えません。参考にしたレシピには、卵の最終的な温度、時間、火の通りの確かめ方が書かれていません。そのため、小鍋で温める工程を加えました。この工程は愛知県と滋賀県の公的な案内をもとにした編集部の補いで、試作はしていません。
チータンタンが作れないときは?
麺のゆで汁を取り置いていないと、この方法では作れません。卵を十分に加熱できないときは卵を入れず、麺で終わりにしてください。
じゃじゃ麺は保存できますか?
作りたてを食べるのがいちばんです。残った分は、上の「残ったとき」のとおり、浅い容器、すばやく冷ます、冷蔵、十分な再加熱を守ってください。







