香港式ワンタン麺:エビの弾力、細い卵麺、澄んだだし
ワンタン、麺、だしを別々に仕上げ、食べる直前にひとつの椀へ合わせます。エビと豚肉の弾力ある具のワンタン、細い黄色い卵麺、そして麺もワンタンも一度も入れない澄んだ鶏だしです。
椀から立ちのぼる湯気に、だしのしょうがとねぎの香りがのっています。澄んだ金色の表面の下には、細い黄色い卵麺がひと巻き。皮越しにエビのピンク色が透ける巾着形のワンタンが並び、青々としたチンゲンサイに似た青菜(choy sum)が添えられます。薄切りのねぎの青い部分、できれば揚げエシャロットを少しのせれば完成です。
この記事では、Omnivore's Cookbook のマギー・ジュ(Maggie Zhu)さんによる「Wonton Noodle Soup(广式云吞面)」を土台にします。著者は、広東の家庭料理を学んだ経緯をこのレシピの中で語っています。細い香港式の卵麺、黄色いワンタンの皮、澄んだ鶏だしを使い、大椀4杯または小椀6杯分です。分量は、皮と麺の「1パック」を含めて元のレシピの単位のままにしています。元のレシピには1パックの重さも皮の枚数も書かれていないため、この記事でも示しません。レシピカードの目安は、準備1時間20分、調理20分、合計1時間40分で、準備の大半はワンタンを包む作業です。
このレシピ全体を、世界ごはん紀行編集部が台所で試作したわけではありません。
だしは、手元にある鶏だしから始めます。著者は自家製の鶏だしをすすめ、別のレシピへのリンクを示していますが、そのだしの作り方はこの料理には含まれないため、ここでは再掲しません。この地域の料理や背景は、香港のページでも紹介しています。
香港式とは何か:麺・ワンタン・だしを別々に仕上げる
この記事が追う香港式は、3つの要素と、それが椀の中で出会うしかたで決まります。 マギー・ジュさんのレシピでは、ワンタンの具は豚肉とエビ、麺は細い香港式の卵麺、だしはしょうがとねぎの白い部分で温めた鶏だしです。麺、ワンタン、青菜は別鍋の水でゆでてだしを澄んだまま保ち、椀に並べてから熱いだしを注ぎます。
香港のお店には、それぞれの流儀があります。香港政府観光局は、元朗(ユンロン)にある三代目が営む「Ho To Tai Noodle」を紹介しています。手作りのワンタン麺と鴨卵麺を毎日作り、蝦子撈麵(えびの卵をまぜた和え麺)として、あるいは豚肉とエビのワンタンを濃いスープで出すそうです。これは一軒の例であり、すべての店に共通する定義ではありません。家庭で作る分量や作り方を決めるものでもありません。
別の道を行くレシピもあります。たとえば Chef Amazing は、干しヒラメでとるだし、主にエビの具、細い卵麺という組み合わせを紹介しています。これは別の配合なので、そのだしの材料や分量はこの記事のレシピには混ぜていません。
道具
- 麺、ワンタン、青菜をゆでる、真水用の大きな鍋
- だし用の中くらいの鍋
- 具を混ぜるボウルとスプーン
- 包んだワンタンを並べるトレイか皿
- 清潔な濡れ布巾
- 網じゃくし、穴あきお玉または目の細かいざる、水切り用のざる
- だしの香味野菜を取り出すスキマーか穴あきお玉
- お玉
- スープ椀4〜6個
- 食品用温度計
- 生の具用と加熱後用の、別々の器具とまな板
選び方と代用
生抽(Chinese light soy sauce)は、日本の薄口しょうゆとは別の商品です。 名前は似ていますが、同じではありません。生抽が見つからなければ、ふつうの日本のしょうゆで代用できますが、具の色と塩気は変わります。
| 項目 | 第一候補 | 見つからないとき |
|---|---|---|
| 皮 | 香港式の黄色いワンタンの皮 | 白い皮でも作れますが、食感と色が変わります。皮の大きさや枚数は商品によって違います |
| 麺 | 細い黄色の香港式卵麺(生または冷凍)。袋の表示に従う | 市場で手に入る細い中華風の卵麺。太さ、かん水の量、弾力が違います。うどんのような太い小麦麺は、同じ料理とは考えないでください |
| エビ | 殻と背わたを除いた生エビ | 冷凍のむきエビを解凍し、水気をふいたもの |
| 豚ひき肉 | ふつうの豚ひき肉 | 脂身の割合は決まっておらず、赤身が多いか脂が多いかで具の仕上がりが変わります |
| 鶏だし | 自家製の鶏だし | 無塩または薄塩の鶏だしを使い、だしの塩は味を見て調整します |
| 青菜 | choy sum | ベビーチンゲンサイ。小松菜でも作れますが、食感は変わります |
| 揚げエシャロット | 市販の揚げエシャロット | フライドオニオン(香りは変わります)、または省く |
麺と黄色い皮は、アジア食材店の冷蔵・冷凍コーナーで探し、表示で種類と調理方法を確かめてください。
うまくいかないときは
| 起きること | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 包むとき、またはゆでるときにワンタンが破れる | 具がゆるかった | 粘りのあるペースト状になるまで、一方向に混ぜ続ける |
| 皮が閉じない | 縁が乾いている | 皮とワンタンは濡れ布巾の下に置く。縁に水を少しつける |
| ワンタンがトレイやお互いにくっつく | 粉をふっていない、または詰めすぎ | トレイに小麦粉を薄くふるか油を塗り、間隔をあけて並べる |
| ワンタンが鍋底にくっつく | 入れたあとに混ぜていない | 入れたらすぐに静かに混ぜる |
| だしが濁る | だしの中で麺やワンタンをゆでた | すべて別鍋の真水でゆで、だしは注ぐだけにする |
| 麺がやわらかく、だしが減っている | 椀を置いたまま時間がたった | 食べる直前に組み立てる |
| 温度計で中心が75°C未満 | 加熱が足りない、または厚めのワンタン | 加熱を続け、中心が75°Cで1分以上保たれるまで確かめる |
変えてもよいところ
- choy sum の代わりにベビーチンゲンサイ。 同じ本数で、同じようにゆでます。
- 小椀6杯にする。 同じ麺、ワンタン、青菜、だしを、4杯ではなく6杯に分けます。
- 揚げエシャロットなし。 好みなので、青ねぎの青い部分だけでも一杯として成り立ちます。
- 冷凍ワンタン。 同じようにゆで、中心温度の確認は省かないでください。
- 地元で手に入る細い卵麺。 香港式の麺がなければ、細めの中華風の卵麺でも一杯にはなりますが、歯ごたえは変わります。
よくある質問
スーパーのふつうの中華麺でも作れますか?
作れますが、仕上がりは変わります。香港式のワンタン麺は細い黄色の卵麺で、スーパーの中華風の麺は、太さ、かん水の量、弾力が違うことが多いです。見つかる中でいちばん細い卵麺を選び、その袋の表示どおりにゆでてください。
麺は何分ゆでますか?
袋の表示に従ってください。マギー・ジュさんの紹介文には生麺で約30秒とありますが、レシピカードには袋の表示どおりにゆでるとあります。麺の商品によって違うため、この記事では袋の表示に従います。
ワンタンは前もって作っておけますか?
マギー・ジュさんの注記には、作り置きのワンタンは冷蔵で1日、冷凍で3か月とあります。これは著者の記載であり、この記事では家庭の食品安全を保証するものとしては示しません。生のワンタンは加熱後の食品から離して扱い、冷凍かどうかにかかわらず、ゆでるときは手順10のとおり中心温度を確かめてください。
麺やワンタンをだしでゆでてはいけませんか?
マギー・ジュさんのレシピでは、だしでゆでると濁るため、麺、ワンタン、青菜は別鍋の水でゆでます。麺や皮のでんぷんはゆで湯の鍋に残り、鶏だしは熱く保つだけで済みます。
市販の鶏だしでもよいですか?
マギー・ジュさんは自家製の鶏だしをすすめ、別のレシピへのリンクを示していますが、ここでは再掲していません。市販の鶏だしは現実的な家庭向けの代用で、無塩か薄塩のものなら、だしの塩小さじ2、または味見で調整しやすくなります。味は自家製とは違います。
生抽は日本の薄口しょうゆと同じですか?
違います。生抽(Chinese light soy sauce)と日本の薄口しょうゆは別の商品です。ふつうの日本のしょうゆで代用すると、具の色と塩気が変わります。
浮いてから1分では足りないのですか?
それはレシピの加熱の目安で、安全の証明ではありません。日本の厚生労働省は、家庭での調理の一般的な目安として、食品の中心を75°Cで1分以上加熱すること、また生の肉や魚介を加熱済みの食品に触れさせないことを示しています。浮いてから1分でこの目安を満たすかどうかは確かめられていないため、温度計で中心を確かめてください。























