大きな布の上に、焼きたての丸いパンが何枚も積まれています。家族が輪になって座り、それを手でちぎっては小さなかけらにしていく。かたわらの大鍋では、羊肉が朝からことことと煮えています。ちぎったパンに薄切りの玉ねぎとほぐした肉を混ぜ、熱いスープをたっぷり注ぐ。ドグラマ(dograma)は、トルクメニスタンで祝いの日に作られる、パンと羊肉のスープです。
名前は「細かく切る」から

トルクメニスタンの料理を紹介するサイト One Turkmen Kitchen によると、ドグラマという名前はトルクメン語の「ドグラマク(dogramak)」、つまり「細かく切る」から来ています。指しているのは、パンをちぎって細かくする作業。同じサイトはドグラマをいちばん伝統的なトルクメン料理と呼び、特別な日のための料理だと書いています。
その特別な日の代表が、グルバンルク(Gurbanlyk)。イスラム暦ズルヒッジャ月の10日から3日間続く犠牲祭で、家族や友人、近所の人がたがいの家を訪ね、食事をともにします。この日のドグラマは、粘土の窯で焼いた平たいパンと、新鮮な羊肉を煮たスープで作るのが習わし。パンをちぎる作業は、ふつう家族みんなで手分けして行うそうです。
トルクメニスタンのニュースサイト Turkmenportal も、ドグラマを羊肉、平たいパン、玉ねぎで作るトルクメンの国民的な料理として紹介しています。材料はたったこれだけ。料理サイト whats4eats は、「シンプルさが、ときに料理の奇跡を生む」とこの料理を表現しています。祝いの日には大量に作るため、仕込みが一日がかりになることもあるそうです。
One Turkmen Kitchen のレシピでは、ちぎったパンと肉に脂の多いスープを少しだけかけて混ぜ、布に包んでなじませておきます。食べるときに器へ取り、熱いスープを注ぐ食べ方のほかに、スープをかけずにお茶と一緒に食べることもできると書かれています。
途中で見つける、味の決め手
熱々をたっぷりのスープで

器に盛ったドグラマは、スープを吸ったパンのふっくらした食感と、羊肉の脂の甘み、生の玉ねぎのしゃきっとした辛みが一度に口に入ります。旅行会社 Ayan Travel のサイトは、深い器に乾いたドグラマを半分ほど入れて、煮立った羊のスープを注ぎ、黒こしょうと赤唐辛子をふって食べると紹介しています。辛いのが好きなら、仕上げに赤唐辛子をひとふりするのもトルクメニスタン流です。
中央アジアの羊肉料理をもっと知りたいなら、ゆでた肉と小麦の生地を合わせるカザフスタンのベシュバルマクや、ウズベキスタンの炊き込みご飯プロフも作ってみてください。
よくある質問

羊肉がないときは何で作れますか?
whats4eats のレシピは、羊肉の代わりに牛肉の煮込み用を使えるとしています。骨つきの部位を使うと、スープの味が濃くなります。
野菜を入れてもいいですか?
whats4eats は、伝統的ではないものの、刻んだほうれん草やふだん草など、やわらかい葉物をパンと玉ねぎに加えてもよいと書いています。入れる場合は、伝統の作り方とは別のアレンジとして楽しんでください。
残ったらどうすればいいですか?
スープを注いだあとのパンは時間がたつとくずれていくので、食べきれる量だけスープを注ぐのがおすすめです。残ったスープは粗熱をとってから冷蔵し、早めに使いきります。温め直すときは、鍋で煮立つまでしっかり温めてください。
圧力鍋を使うときの時間は?
whats4eats によると、圧力鍋を使うと肉を煮る時間はおよそ半分になります。具体的な加圧時間は、お使いの圧力鍋の説明書に従い、肉がやわらかくなっているかを確かめてください。











