深皿に盛った豆とザワークラウト、じゃがいも、ベーコンのスープ、ヨータとパン
🔪下準備15分
🔥調理1時間10分
🌍料理スロベニア・カルスト料理

ヨータの作り方|スロベニア・カルスト地方の豆とザワークラウトのスープ

約12分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 5

豆を下ゆでする(約30分)

手順1: 豆を下ゆでする(約30分)

ひと晩浸した豆をざるにあげて洗い、鍋に入れて、豆の上に3〜4cmかぶる量の水を注ぎます。ローリエ2枚と塩小さじ1を加えて強火にかけ、沸騰したらアクをすくって弱火に落とし、ふたを少しずらして約30分ゆでます。豆を1粒取り出して指でつぶし、芯が残らずにすっとつぶれれば十分です。かたいときは10分ずつ延ばします。ゆで上がったら湯を切り、ローリエは取り除きます。

STEP 22 / 5

ベーコンと玉ねぎを炒める(約8分)

手順2: ベーコンと玉ねぎを炒める(約8分)

豆をゆでているあいだに、じゃがいもを1.5cm角、ベーコンを1cm角に切り、玉ねぎとにんにくをみじん切りにします。大きめの厚手の鍋にベーコンを入れて中火にかけ、脂が透き通って鍋底にたまってくるまで3分ほど炒めます。玉ねぎを加え、透き通ってしんなりするまで約4分。焦げ色はつけません。

STEP 33 / 5

にんにくと小麦粉を炒める(約2分)

手順3: にんにくと小麦粉を炒める(約2分)

にんにくを加えて30秒ほど、香りが立つまで炒めます。続けて小麦粉大さじ1をふり入れ、木べらで鍋底からこそげるように1分ほど炒めます。粉が脂を吸って全体になじみ、粉っぽさが消えれば次へ進みます。このひと手間で、スープに自然なとろみがつきます。火が強いと粉がすぐに焦げるので、中火を超えないようにしてください。

STEP 44 / 5

ザワークラウト、豆、じゃがいもを煮る(約25分)

手順4: ザワークラウト、豆、じゃがいもを煮る(約25分)

ブイヨン1Lを少しずつ加え、小麦粉がだまにならないように混ぜながらのばします。ローリエ2枚、じゃがいも、ゆでた豆、ザワークラウトを加えて強火にかけ、沸騰したら弱火に落とします。ふたを少しずらし、ときどき鍋底から混ぜながら約25分煮ます。じゃがいもに竹串がすっと通り、角が少し崩れはじめ、ザワークラウトがやわらかくなれば煮上がりです。とろみが強すぎて鍋底に張りつきそうなら、湯を100mlずつ足します。

STEP 55 / 5

パプリカで色をつけて味を調える(約3分)

手順5: パプリカで色をつけて味を調える(約3分)

パプリカパウダー小さじ2を加えてよく混ぜ、弱火のまま、ふつふつと小さな泡が立つ状態でさらに2〜3分煮ます。スープが淡いれんが色に変わり、パプリカの甘い香りが立てば完成です。ここで初めて味見をして、塩と黒こしょうで調えます。ベーコンとザワークラウトから塩気が出ているので、塩はひとつまみずつ加えてください。もっととろみが欲しい場合は、お玉の背でじゃがいもと豆を鍋の側面に押しつけて、いくつか崩します。

ヨータは次の日のほうがおいしいスープとしても知られています。ひと晩おくと、ザワークラウトの酸味が豆とじゃがいもになじんで丸くなります。温め直すととろみが強くなっているので、湯を少し足してのばしてください。

酸味の強いスープなので、ホーロー鍋やステンレス鍋で煮るのが向いています。残ったら鍋に入れっぱなしにせず、ふた付きの保存容器に移してください。

小麦粉(小麦)を使います。小麦を避けたい場合は、小麦粉を入れず、手順5でじゃがいもと豆を多めに崩してとろみをつけてください。市販のブイヨンやベーコンには、乳や小麦、大豆などを含む商品もあるので、アレルギーのある人に出すときは原材料表示を確認してください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

乾燥うずら豆、ザワークラウト、じゃがいも、燻製ベーコン、玉ねぎ、にんにく、ローリエ、パプリカパウダーを並べた材料

3品目

豆の下ゆで

材料 分量 代替・備考
乾燥うずら豆 300g 現地ではボルロッティ豆。金時豆でもよい。ひと晩水に浸す
ローリエ 2枚 下ゆで用
塩 小さじ1 下ゆで用
11品目

スープ

材料 分量 代替・備考
燻製ベーコン(かたまり) 200g 1cm角に切る。パンチェッタでもよい
玉ねぎ 2個 みじん切り
にんにく 3片 みじん切り
小麦粉 大さじ1 薄力粉
ザワークラウト 500g 酸味を和らげたいときは水で洗って絞る
じゃがいも 400g 1.5cm角に切る
ブイヨン(スープ) 1L 固形スープを湯で溶いたものでよい
ローリエ 2枚 煮込み用
パプリカパウダー(甘口) 小さじ2 色づけと香りに
塩 少々 ベーコンとザワークラウトの塩気を見て加える
黒こしょう 少々 仕上げに

ザワークラウトは、輸入食品店やスーパーの瓶詰め・缶詰の棚で見つかります。商品によって酸味と塩気にかなり差があるので、封を開けたら少し味見をしてください。酸っぱさが強すぎるものは、ざるに入れてさっと水で洗ってから絞ると、ちょうどよい酸味に落ち着きます。燻製ベーコンは薄切りよりかたまりのほうが、煮込んでもうまみが抜けきらず、噛んだときにスモークの香りが残ります。

コツ

乾燥豆を戻す時間がない日は、豆の水煮600gで代用できます。下ゆでの工程を省き、手順4でブイヨンと一緒に加えてください。乾燥豆から煮たほうがスープにとろみが出やすいので、水煮を使うときはじゃがいもを少しつぶして加えると、とろみを補えます。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

石灰岩の白い石垣が続くカルスト台地では、冬になるとブーラ(スロベニア語でburja)と呼ばれる冷たく乾いた北東風が吹き下ろします。この風は、カルストの名産である生ハム、クラシュキ・プルシュト(kraški pršut)を何世紀も前から乾かしてきた風でもあります。石造りの家の台所でことこと煮えているのが、豆とザワークラウト、じゃがいもを合わせたとろりとしたスープ、ヨータ(jota)です。酸っぱいキャベツと豆の、冬のスープ。スロベニア西部の食卓には欠かせない一皿です。

材料は日本のスーパーでほぼそろいます。瓶詰めのザワークラウトと乾燥のうずら豆、燻製ベーコン、じゃがいも。豆をひと晩水に浸しておけば、あとは1時間ほど鍋で煮るだけです。

カルストの台所に、酸っぱいキャベツの鍋がある

カルスト地方の石造りの家の台所で、豆とザワークラウトのスープを煮込む鍋

スロベニアは、アルプスとアドリア海、パンノニア平原とカルスト台地が出会う小さな国です。スロベニア政府観光局は国内を24の美食地域に分けて紹介していて、その案内書『Taste Slovenia』では、カルスト地方の代表的な料理としてクラシュカ・ヨータ(kraška jota)が挙がっています。説明は短く、「カルストでは、ヨータは酸っぱいかぶかザワークラウトで作るが、必ずじゃがいもも入れる」。じゃがいもが入るかどうかが、カルストのヨータを見分けるいちばんの目印です。

名前の由来は、スロベニアの西隣にあるイタリアのフリウリ地方にあるといわれます。スロベニアの料理を英語で紹介しているSlovenian Kitchenのサラ・カリシュニクは、フリウリで「ヨータ」はミネストローネの一種を指す言葉で、そこから東や南へ広がったと説明しています。スロベニア語でスープを意味する「ユーハ(juha)」とも語源がつながっているそうです。案内書『Taste Slovenia』も、ヴィパヴァ渓谷のヨータを「もとはカルニア(フリウリ北部の山地)の料理の地方版」と紹介しています。

豆知識

ヨータはスロベニアだけの料理ではありません。イタリアのトリエステでは「トリエステ料理の代表」とされるほど親しまれ、イストリア半島やゴリツィア、クロアチアのリエカ周辺でも食べられています。国境線が引き直されても、台所の鍋は国境をまたいで受け継がれてきました。

カルストの料理には、冬を越すための保存食の知恵がそのまま詰まっています。秋に漬け込んだザワークラウトや酸っぱいかぶ、乾燥豆、燻製や塩漬けの豚肉。どれも寒い季節に台所に残っているものばかりで、それをひとつの鍋で煮て、豆とじゃがいもでとろみをつけるのがヨータです。中央ヨーロッパのザワークラウトと、地中海側の豆とオリーブオイルの食文化が、ちょうどこのあたりで混ざり合っています。

谷を越えると、ヨータの中身が変わる

カルスト、イストリア、ヴィパヴァの3種類のヨータを並べた様子

ヨータは、谷や半島をひとつ越えるだけで中身が変わります。カルストのヨータはザワークラウトか酸っぱいかぶに、必ずじゃがいもを入れます。南のイストリア半島のヨータはザワークラウトと豆で作り、じゃがいもを入れません。北のヴィパヴァ渓谷では、ブドウの搾りかすで発酵させたかぶを使うヨータが知られていて、スロベニア政府観光局のレシピでは、つぶしたじゃがいもと豆に、その発酵かぶを合わせています。

カルストには「甘いヨータ」と呼ばれる特別な一皿もあります。つぶしたじゃがいもと豆に、にんじんとスパイス、少しの酢を加えるもので、酸っぱいキャベツを使わないぶん、やわらかな味になります。どのヨータにも共通するのは、豆とじゃがいもを煮崩して、さらりとしたスープではなく、ぽってりとしたとろみに仕上げることです。

豆知識

スロベニアのイストリア地方では、ヨータにトウモロコシ粉のポレンタを添えることも多いといわれます。パンを浸して食べるか、ポレンタと一緒に食べるかで、同じスープでもずいぶん印象が変わります。


パンと一緒に、深皿で

深皿に盛ったヨータとパンを並べたスロベニアの食卓
深皿にたっぷり盛り、パンを添える

ヨータは深皿にたっぷり盛り、厚切りのパンを添えるのが基本の食べ方です。Slovenian Kitchenのサラ・カリシュニクは、自分の家ではマッシュポテトを添えて食べるとも書いています。豆とじゃがいものスープにさらにじゃがいもを合わせるのは意外ですが、冬の寒い日の一食としては十分に理にかなっています。日本の台所なら、バゲットやライ麦パンがよく合います。

ベーコンのかたまりを一緒に煮込み、厚めに切って盛り付けの上にのせるレシピもあります。肉を主役にしたいときは、豚のスペアリブや燻製のソーセージを一緒に煮込むと、ごちそうらしい一皿になります。同じザワークラウトを肉と一緒に煮込む料理なら、ポーランドのビゴスも作ってみてください。酸っぱいキャベツの使い方が国によってどう違うかがよく分かります。

ベーコンを入れずに作れば、菜食向けのヨータになります。その場合はスモークパプリカを甘口のパプリカと半量ずつ合わせると、燻製の香りを補えます。オリーブオイル大さじ2で玉ねぎを炒めると、イストリア寄りの軽い味わいになります。

よくある質問

ザワークラウトの瓶と、水で洗って絞ったザワークラウト

ザワークラウトが手に入らないときは何で代用できますか?

キャベツの浅漬けや、塩もみしたキャベツに酢を少し加えたもので近づけられますが、発酵による酸味とうまみはザワークラウトほど出ません。できれば輸入食品店や通販でザワークラウトを用意するのがおすすめです。

圧力鍋で豆を煮てもよいですか?

使えます。ひと晩浸した豆を、圧力鍋の取扱説明書にある豆の加圧時間に従って煮てください。やわらかさの目安は、指で押すと芯がなくすっとつぶれる状態です。

作り置きはできますか?

ひと晩おいたほうが味がなじむので、作り置きに向いています。粗熱を取ってからふた付きの容器に移して冷蔵庫に入れ、早めに食べきってください。温め直すときは、湯を少し足してから弱火で全体をよく温めます。

じゃがいもを入れないと、どうなりますか?

イストリア風のヨータに近くなります。豆とザワークラウトの味がはっきりして、とろみはやや弱くなります。とろみが欲しいときは、豆の一部をつぶして加えてください。

主な参考リンク

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