薄切りに焼いたドネルケバブをピデと野菜に重ねた家庭の一皿
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ドネルケバブの作り方|肉を重ねて冷やし、薄切りにして焼くトルコの味

約17分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

付け合わせの野菜を先に取り分け、下味を混ぜる

手順1: 付け合わせの野菜を先に取り分け、下味を混ぜる

生肉を出す前に、トマトと生で食べる玉ねぎを切り、葉物を洗います。清潔な容器に入れ、肉から離して冷蔵庫に入れておきます。

次に、下味用の玉ねぎ中1個を薄切りにします。ボウルにヨーグルト大さじ1、オリーブ油大さじ4、粉赤唐辛子小さじ1/2、塩小さじ1/2、黒こしょう小さじ1/2を混ぜ、薄切りの玉ねぎを加えます。バターは焼くときのために別にしておきます。

STEP 22 / 6

肉を切って、冷蔵庫で漬ける

手順2: 肉を切って、冷蔵庫で漬ける

繊維の向きを確かめ、肉400gを薄く均一に切ります。包丁や手が滑りそうなら、いったん手を止めてまな板を安定させてください。厚みが揃っていると、下味も火の通りも揃いやすくなります。

切った肉を下味に加え、1枚ずつ全体に絡めます。容器にふたをして、冷蔵庫(5°C以下)で6時間以上、できれば一晩置きます。台所に出したままにしないでください。

STEP 33 / 6

肉を重ねてロールにし、冷凍して、冷蔵庫で解凍する

手順3: 肉を重ねてロールにし、冷凍して、冷蔵庫で解凍する

漬けた肉を下味から引き上げ、余分な汁気を落とします。漬けていた玉ねぎは香りを移し終えているので、生では使わず、そのまま残します。清潔な食品用ラップの上に、肉を1枚ずつ重ね、押し合わせて、短くて詰まった円筒にします。汁が漏れないようにしっかり包み、薄く切れるくらい締まるまで、一晩冷凍します。

焼く日(翌日以降)には、ロールを冷蔵庫に移し、凍った芯がなくなるまで冷蔵庫の中で解凍します。そして冷蔵庫から出したての冷たいうちに切ります。台所に置いて解凍することも、凍ったロールをそのままフライパンに入れることも、してはいけません。

STEP 44 / 6

冷えたロールを、できるだけ薄く切る

手順4: 冷えたロールを、できるだけ薄く切る

冷たく締まったロールを、清潔で滑らないまな板にのせます。よく切れる包丁で、できるだけ薄く切ります。肉を押さえる手の指は、刃の後ろに丸めて引いておきます。一度に切るのは少量にとどめ、切らない分は冷蔵庫に戻します。

ロールが柔らかくなりすぎてきれいに切れないときは、短時間冷凍庫に戻して締め直します。カチカチに凍った肉に、無理に刃を押し込むのはやめてください。生肉に使った包丁、まな板、皿は、野菜や加熱後の肉に使わないようにします。

STEP 55 / 6

小分けに焼いて、75°Cを確かめる

手順5: 小分けに焼いて、75°Cを確かめる

フライパンを中火〜強めの中火で温め、バターの一部を溶かします。一回分の薄切り肉を、重ならないように1層に広げます。まず肉から水分が出ます。それを飛ばしたら、全体に焼き色がつくまで、返しながら焼きます。残りも数回に分けて、必要ならバターを足しながら焼きます。

火が通ったかどうかは、時間や色では判断できません。温度計で、肉が75°Cに達したことを確かめます。これはSafe Food Australiaがドネル肉の加熱について勧めている温度です。焼けた肉は清潔な皿に移し(生肉をのせた皿に戻さない)、すぐに出します。

STEP 66 / 6

パンを温めて、盛る

手順6: パンを温めて、盛る

ピデかフラットブレッドを温めます。焼けた肉、トマト、手順1で取り分けておいた玉ねぎ、葉物を重ねます。ソースは食卓に置き、食べる人が好きな量を足せるようにして、すぐに食べます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

牛肉、玉ねぎ、ヨーグルト、オリーブ油、赤唐辛子、塩、黒こしょうを並べたドネルケバブの材料
パンや付け合わせの野菜は、最初から生肉と離しておく

分量は、Türkiye Todayが掲載している2人分の家庭用レシピに沿っています。肉は牛肉か羊肉のどちらかを選びます。出典に、肉の種類による分量の違いはありません。バターは下味に混ぜず、焼くときのために取り分けておきます。

7品目

肉と下味

材料 分量 代替・備考
牛リブアイまたは牛もも(dana eti)、または羊肉(kuzu eti) 400g 2〜3mm程度の薄切りにできる塊を選ぶ。ももは軽く、リブアイや羊肉は脂と香りが豊か
プレーンヨーグルト 大さじ1 下味として肉に絡む。無糖の一般的なヨーグルトでよい
オリーブ油 大さじ4 味を肉全体に行き渡らせる。香りの控えめな油に替えるとオリーブの風味が弱まる
玉ねぎ 中1個 薄切りにして肉と一緒に漬ける。この玉ねぎは生では食べない
粉赤唐辛子 小さじ1/2 穏やかな赤い辛み。辛みの強いものなら量を減らす
塩 小さじ1/2 肉の下味。粒の大きさで塩気が変わるので、足すのは焼いた肉を味見してから
黒こしょう 小さじ1/2 香りと軽い辛み。挽きたてのほうが香りが立つ
1品目

焼くとき

材料 分量 代替・備考
バター 大さじ1〜2 薄切り肉をフライパンで焼く脂
4品目

付け合わせ

材料 分量 代替・備考
ピデまたはほかのフラットブレッド 好みで 食べる前に温める
トマト 好みで 薄切り
玉ねぎ 好みで 別の玉ねぎを使い、生肉に触れる前に切っておく
葉物野菜 好みで 洗って、生肉と離しておく

付け合わせは添え物で、レシピの基本分量には含みません。

注意

ヨーグルトとバターは乳を含みます。ピデなどのパンは小麦を含む可能性が高く、乳を含むものもあります。商品表示を確認し、共用の調理器具からの混入にも気をつけてください。生で食べるトマト、玉ねぎ、葉物は、生肉を触る前に切り、清潔なまな板と容器で扱います。下味に使った玉ねぎは、生のままでは出さないでください。

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薄く削いで、縁を焼いて、温かいピデにのせる

バターを溶かしたフライパンに、下味をつけた極薄の肉を少しずつ広げます。まず水分が出て、やがて縁から色づいていきます。何度か返して引き上げ、温めたピデにトマトと玉ねぎ、葉物と一緒に重ねる。このレシピが目指すのは、そんな食卓の場面です。回転する串も専用のロースターも使いません。あるのは包丁と、冷たく締めた肉のロールと、フライパンだけです。

豆知識

このレシピで守るのは、下味をつけた肉の薄くて均一な切り口と、小分けに焼いて縁を色づけ、中心まで75°Cで火を通すことの二点です。垂直の回転串を再現するものではなく、薄切りドネルの口当たりを普通の台所に持ち込む方法です。

トルコのドネルケバブ(トルコ語で döner kebap)は、味つけした肉を円筒状に重ね、垂直に回転する串で焼いて、焼けた外側から薄く削ぎ取る料理です。NSW Food Authority(オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の食品当局)は、肉片を串に刺して焼くシシケバブとは別のものだと説明しています。ここで紹介する作り方は垂直の串を再現しません。肉に下味をつけ、重ねてロールにし、締まるまで冷やして薄く切り、フライパンで焼きます。店の回転コーンとは同じものではなく、家庭向けの近似です。

豆知識

アダナやシシのような串焼きのケバブをお探しなら、トルコのケバブを扱った別の記事があります。肉を串に刺して焼く点が、このドネルとの大きな違いです。

ドネルとは何か|回る肉を、外側から削ぎ取る

名前そのものが動きを指しています。Associated Press(AP)の2024年の報道は、döner を「回る」を意味する dönmek に由来する語と説明しています。肉を立てた串に重ね、串を熱源の前で回転させ、焼けた外側を削ぎ取っていく。だから一皿は、縁がかりっとした薄切りの山になります。

回転串ならではの、外側の焦げ目と内側のしっとり感を、家庭の台所でそのまま再現することはできません。できるのは肉を薄くすることです。この先の工程はすべてそのためにあります。長い下味、均一に切れる冷たく締まったロール、そして一回分ずつ焼き色をつける熱いフライパンです。

コツ

このレシピは、仕込む日と焼く日が分かれます。肉は冷蔵庫で最低6時間(できれば一晩)漬け、重ねて一晩冷凍し、薄切りの前に冷蔵庫で解凍します。手を動かす時間は短く、大半は冷蔵庫と冷凍庫での待ち時間です。待ち時間は作業時間と別に見積もってください。


道具

  • よく切れる包丁(牛刀など)
  • 滑らないまな板。生で食べる野菜と加熱後の肉には、別の清潔なまな板を使う
  • 冷蔵庫でマリネするための、ふたつきのガラス容器など
  • 食品用のラップ(ロールの成形用)
  • フライパンとヘラ
  • 料理用温度計(肉が75°Cに達したか確認する)
  • 加熱後の肉をのせる清潔な皿(生肉をのせた皿は使わない)

肉と脂と唐辛子の選び方

牛ももは軽く、牛リブアイは濃厚。 ももは脂が少ないので、すっきりした味に仕上がります。薄く切って、焼きすぎないことが大切です。リブアイは脂が多く、甘みとコクが増します。

羊肉は牛肉とは別の香り。 羊肉を使うと、後で紹介するアンカラのドネルのような、トルコの羊肉を使う型に近づきます。ただし牛肉と同等の置き換えではなく、味わいそのものが違います。

バターと尾脂は同じではない。 アンカラの地域型では、羊の尾脂(kuyruk yağı)を肉の間に重ねます。フライパンのバターはその完全な代わりにはなりません。尾脂なら羊の香りがもっと強くなります。手に入りにくいので、この家庭版では必須にしません。

粉赤唐辛子は控えめに。 一般的な粉の赤唐辛子を使います。赤唐辛子は辛さにかなり幅があり、このレシピでは粉赤唐辛子がpul biberと同じだとは考えていません。少なめに始めて、足りなければ食卓で足してください。

ヨーグルトは少量でも省かない。 大さじ1だけですが、抜くと風味と肉の表面の状態が変わり、同じ味にはなりません。下味のヨーグルトと、ソースとして出すヨーグルトは別にしておきます。


パンに挟むか、皿に盛るか|イスケンデルという食べ方

手順6のパン包みが、家庭のドネルをいちばん手軽に食べる形です。パンを使わず、肉をトマト、玉ねぎ、葉物と一緒に皿に盛ってもかまいません。

もう少し手の込んだ皿盛りが、イスケンデル・ケバブ(İskender kebap)です。Turkish Food Travelは、ピデに薄切りのドネル肉、トマトソース、ヨーグルトをのせ、焼きトマトと唐辛子、バターを添えた料理として紹介しています。イスケンデルは独立した一皿であり、ドネル肉の標準的な出し方ではありません。この層の重ね方をこのレシピに借りるなら、ドネルの定義ではなく、別の提供スタイルを取り入れたものと考えてください。なお、その資料に載っている、薄切り肉とひき肉を交互に重ねる6人分のドネル肉は別のレシピで、ここには混ぜていません。

角切りのピデに薄切りのドネル肉、トマトソース、ヨーグルト、溶かしバターを添えたイスケンデル風の皿
イスケンデルは、ドネル肉にピデ、トマトソース、ヨーグルト、バターを合わせる別の皿料理

食卓に出すトルコのソースをもっと知りたいときは、トルコのケバブソースを扱った記事もあります。数ある選択肢のひとつであって、「ドネル専用のソース」が決まっているわけではありません。

うまくいかないときの戻し方

切るとき、焼くとき、味つけで迷いやすい点を、原因と対処にまとめます。

困りごと 考えられる原因 対処
ロールが切れない 解凍で柔らかくなりすぎた 短時間冷凍庫に戻して締め直す。完全に凍った肉に無理に刃を入れない。切れ味のよい包丁と滑らないまな板を使う
薄切りが厚くて噛み切りにくい 切るときにロールの締まりが足りなかった 焼いた肉を切り直そうとしない。次回は冷やし方を調整し、薄く均一に切れるようにする。家庭の薄切りは、店の削ぎ切りと完全には同じにならない
肉が煮えたようになる 一度にフライパンへ入れすぎた 小分けにして、肉の間に隙間をあける。水分を飛ばしたら、焼き色がつくまで動かしすぎない
脂が少なくぱさつく 牛ももは脂が少ない 次回はリブアイか羊肉に。油を大量に足すのではなく、部位の違いとして考える
辛すぎる 粉赤唐辛子は辛さに幅がある 次回は下味の量を減らし、足りなければ食卓で足す
温度計がない — 薄く均一に切り、厚い塊ではなく数回に分けて焼く。ただし色だけでは75°Cかどうか確かめられないので、温度計の使用を強くおすすめする

保存と余りもの、食品安全

注意

家庭では、食べる分だけ焼いて、フライパンから出してすぐ食べるのがいちばん簡単です。加熱前の肉も加熱後の肉も、室温に置いたままにしないでください。解凍した生のロールを、翌日に持ち越してもいけません。

Food Standards Australia New Zealandが発行する「Safe Food Australia」は、ドネル肉が条件次第で有害な細菌の増殖を支えうると指摘しています。ドネル肉については、75°Cまでの加熱、加熱後は60°C以上での保温、提供直前のもう一度の加熱を勧めています。加熱した肉を保存する場合は、素早く冷ますこと(60°Cから21°Cまで2時間以内、続けて21°Cから5°Cまでさらに4時間以内)、そして5°C以下で冷蔵することを推奨しています。これは食品事業者を念頭に置いたオーストラリアとニュージーランドのガイドの勧告で、ここでは家庭の台所向けの目安として紹介しています。

NSW Food Authorityも、生肉は冷蔵しておくこと、冷たいソースは使うまで冷蔵庫に入れておくこと、生肉や加熱後の食品と離しておくことを勧めています。家庭でも、ヨーグルトを使った下味とヨーグルトのソースは冷やしておき、生肉用と生で食べるものの用で、道具と容器を分けてください。

アレンジ|肉の部位、脂、盛り付けを変える

  1. 牛ももで軽く。 脂が少なく、すっきりした味です。薄く切ることを優先し、焼きすぎないようにします。
  2. 牛リブアイで濃厚に。 脂が多く、甘みが増します。フライパンのバターは少なめに始めて、肉から出る脂の量を見ましょう。
  3. 羊肉で香り高く。 羊の肩肉などを使うと、牛肉とはまったく違う香りになります。赤唐辛子を増やす必要はありません。
  4. パンなしで皿盛りに。 肉をトマト、玉ねぎ、葉物と一緒に盛ります。ごはんを添えるのは家庭の献立案のひとつで、現地の標準とは言えません。
  5. イスケンデル風の皿に。 ピデ、トマトソース、薄切りの肉、ヨーグルト、溶かしバターを重ねます。別の料理の盛り付け方を借りた食べ方です。

アンカラ、ベルリン、そして形の違い

アンカラのヤプラク・ドネル。 トルコ文化観光省の文化ポータル「Kültür Portalı」は、2012年にアンカラ県が出した郷土料理の刊行物を引いて、アンカラのドネルを紹介しています。使うのは羊の後脚肉10kg、尾脂1kg、トマト1kg、塩。肉を薄いシート状に開き、一晩トマトと塩で下味をつけ、層の間に尾脂を挟んで串に重ね、炭火の前で回して焼きます。これは大きな串のための分量で、家庭用に縮めて使うものではありません。地域の型が、冒頭で作った小さな冷凍ロールと、どれほど違いうるかがわかります。

皿からパンへ。 APの2024年の報道で、ベルリンの店主は、トルコでは羊肉を皿で食べる料理だったこと、1970年代のベルリンでトルコ系移民がパンに挟む形に変えたことを語っています。これはAPが伝えた一人の証言であり、単一の起源が確定したわけではありません。同じ報道は、ドネルをどう作り、どう出すべきかをめぐるトルコとドイツの見方の違いも伝えています。肉のまわりのパンや野菜、ソースが、土地ごとに違うことを思い出させます。

縦串で焼く隣の料理。 レバント地方のシャワルマも、立てた串で焼かれます。ただし名前も味つけも食卓も別のものです。そちらはシャワルマの記事をご覧ください。

よくある質問

ドネルケバブとシシケバブの違いは何ですか?

ドネルは、垂直に回転する串で焼いた肉を、外側から薄く削ぎ取る料理です。シシは、小さめの肉片を串に刺して焼く料理です。切り方も、熱の当たり方も違います。

垂直のロースターがなくても作れますか?

串焼きの本物そのものは作れません。ただ、下味をつけた肉を重ねてロールにし、締まるまで冷やして薄く切り、フライパンで焼けば、薄くて焼き色のついた肉を味わえる家庭版になります。

牛肉だけでも作れますか?

作れます。Türkiye Todayの家庭用レシピは、牛リブアイか牛もも、または羊肉を使っています。ももは軽く、リブアイは濃厚で、どちらもアンカラのような羊肉の地域型とは味が違います。

凍ったロールを、そのまま焼いてもいいですか?

いけません。まず冷蔵庫で解凍し、冷たいうちに切って、すべての薄切りを75°Cまで火を通します。ドネル肉の食品安全の指針も、冷凍したドネル肉は冷蔵庫で解凍してから調理するよう勧めています。

焼いた肉の残りを、翌日食べられますか?

食品安全の節で述べたように、素早く冷まして冷蔵し、よく再加熱した場合に限ります。余りを長く室温に置かないでください。家庭では、食べる分だけ焼くのがいちばん確実です。

どんなソースが合いますか?

パン包みなら、肉を隠さないように、ソースは少しずつ足します。トマトソース、ヨーグルト、バターの組み合わせは、別の皿料理であるイスケンデル・ケバブのものです。

主な参考リンク

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