日が沈み、断食明けを告げる声が響くと、家族が大皿のまわりに集まります。皿の底には、ちぎった薄いパンが敷きつめられ、その上からトマト色の煮込みがたっぷりとかけられている。パンは汁を吸ってしっとりとやわらかくなり、てっぺんには煮込んだ羊肉とかぼちゃ、じゃがいも。サリード(thareed)は、カタールをはじめとする湾岸の家庭で、ラマダンの食卓に欠かせないパンと肉の煮込みです。
ラマダンの食卓に、毎日のように

カタール国営通信(QNA)は、ラマダンに家族を集める伝統的なカタール料理を紹介した記事の中で、サリードをハリース(harees)と並んでイフタール(断食明けの食事)の食卓でいちばんに挙がる料理と書いています。ラマダンの1か月のあいだ、カタールの家庭のイフタールには、ほぼ毎日のように並ぶそうです。
同じ記事によると、サリードは、カリッと焼いた平たいパンに、羊肉や鶏肉の煮込み、あるいは野菜だけの煮込みを合わせた料理です。パンを細かく砕いて煮込みに加え、その上に肉と野菜をのせて仕上げます。記事は、とくに野菜をたっぷり入れたサリードを、栄養のある一皿としても紹介しています。一日の断食を終えた体に、やわらかく煮込んだ肉と野菜、汁を吸ったパンはやさしく届きます。
サリードはカタールだけの料理ではありません。アラブ首長国連邦(UAE)の新聞 Gulf News も、羊肉と野菜の煮込みを平たいパンに重ねてかけるサリードを、UAEを代表する料理のひとつとして紹介しています。湾岸の国々で、それぞれの家庭の味が受け継がれている料理です。
サリードに使うパンは、家庭や地域によって違います。Gulf News が紹介するUAEのレシピでは、薄く焼いたラガーグ(raqaq)やマルクーク(markook)と呼ばれるパンを皿に重ね、その上から煮込みを注いでいます。日本では、ピタパンなどの平たいパンで代用できます。
途中で見つける、味の決め手
よくある質問

羊肉の代わりに鶏肉でも作れますか?
カタール国営通信は、サリードを羊肉または鶏肉の煮込みで作る料理として紹介しています。鶏肉を使う場合は、羊肉より短い時間でやわらかくなるので、煮込み時間を短くし、中まで火が通ったことを確かめてください。
肉を使わずに作れますか?
同じ記事は、野菜だけの煮込みで作るサリードもあると書いています。肉を使わない場合は、野菜の種類と量を増やして作ってください。
バハラットが手に入らないときは?
なくても作れます。シナモン、カルダモン、黒こしょう、コリアンダーはレシピに入っているので、湾岸らしい香りの骨格は残ります。
残ったらどうすればいいですか?
煮込みとパンは別々に保存します。煮込みは粗熱をとってから冷蔵し、早めに食べきってください。温め直すときは鍋でしっかり煮立ててから、新しくちぎったパンにかけます。














