焦げ目のついたとうもろこしに、マヨネーズとチーズと唐辛子を重ねる
とうもろこしは、粒が熱くやわらかくなり、複数の面に焼き色がつくまで焼きます。味つけは、熱いうちに順番に重ねます。粒の甘みが分かるくらい、薄づけにしてください。
網の上で粒がふくらみ、まだらに焼き色がついて、熱々の穂が上がってきます。まず軽く調味料をひとつまみ、次にライム風味のマヨネーズを薄く塗り、白いチーズを砕いてまぶして、最後に赤い唐辛子をぱらり。ひと口かじると、とうもろこしの甘み、ほのかな酸味、チーズの塩気、あとから来る辛さがいっしょに広がります。これがエローテ(elote)、メキシコで穂のまま食べるとうもろこしの料理です。英語圏では「Mexican street corn」とも呼ばれます。
作り方はひとつに決まっていません。メキシコ各地で、エローテは茹でたり焼いたりされ、チーズや唐辛子、のせるものも地域や売り手によって変わります。この記事で紹介するのは、Goya Foods が公開している4人分のグリル版をもとにした一例です。家庭向けに調整した編集版で、商品名のついた調味料は一般的な材料として説明し、元のレシピが半分に切る穂も丸ごとのまま扱います。「本場の唯一の配合」ではなく、特定の市販品の味をそのまま再現するものでもありません。
粒を穂から外してカップで食べるようになると、エスキーテという近いけれど別の料理になります。違いは後半で説明します。
エローテは若い穂の名前であり、その穂で作る料理の名前でもある
「elote」という語は、まず食材を指します。スペイン王立アカデミーとスペイン語アカデミー協会(RAE/ASALE)の辞典は、茹でたり焼いたりして食べる若いとうもろこしの穂と定義し、メキシコや中米の国々で使われる語として記録しています。ただ、これは語の意味と使われ方の記述で、マヨネーズとチーズをのせる今の料理がいつ生まれたかまでは語っていません。この記事も、語から料理の起源を推測することはしません。
料理としてのエローテは、穂のまま食べる形です。Larousse Cocina は、エローテとエスキーテを同じ材料を使うメキシコのアントヒート(antojito、軽食)として並べて紹介しています。エローテは穂のまま、エスキーテは粒を外してばらで出す点が違い、基本の味つけは似ていても同じ料理ではありません。
同じ記事は、呼び名や追加の具、調理法が土地ごとに違うことも伝えています。茹でる穂もあれば焼く穂もあり、唐辛子も「辛いほうか辛くないほう」かで選べる、と書かれています。Goya のレシピはそのうちの、4人分の焼きの一例にすぎません。ひとつの形に固定されないところが、この料理らしさです。
焦げすぎ、まだらな仕上がり、塩辛さの直し方
| 起こりがち | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 外側が焦げるのに粒が硬い | 火が強すぎる、または同じ面を焼き続けた | こまめに返し、網のいちばん熱いところから離す。とくに丸ごとの穂では、決まった時間にたよらない |
| 色が薄く水っぽい | 表面が濡れている、または火が弱い | 焼く前に粒の水気をふく。先に茹でた場合は、湯を切ってよく乾かす |
| チーズが付かない | マヨネーズが少ない、または穂が冷めた | 穂が温かいうちにマヨネーズを塗り、皿の上のチーズに直接転がす |
| 塩辛い | 塩気のあるチーズに塩味の調味料が重なった | 次はadoboを控え、チーズと唐辛子の味を先に確かめる。コティハや粉チーズは少しずつ足す |
| 辛すぎる | 唐辛子製品が思ったより強かった | 振る量を減らし、唐辛子をかける前に、味つけなしの穂を取り分けておく。唐辛子は食卓に置く |
知っておきたいアレンジ
とうもろこし、チーズ、唐辛子は、それぞれ仕上がりを大きく変えます。比べるときは、基本のレシピから変える要素をひとつだけにしてください。
- 炭火で焼くelote asado。 Larousse の「メキシコ料理百科事典」には、皮をむいたとうもろこしをアナフレ(anafre、小さな炭火の焜炉)で絶えず返し、濃い茶色になるまで焼くelote asadoが載っています。旧連邦区(Distrito Federal)やメキシコ中部で親しまれ、limón(ライム)、塩、chile piquín(小粒の唐辛子)で食べる、と記されています。家庭のグリルは同じ設備ではないので、真似る手順ではなく、味の方向を知る参考にしてください。
- 茹でてから焦がす。 アメリカの Culinary Institute of America のdeconstructed elotesは、とうもろこしを塩水で茹でるか、皮付きのまま焼いてから、軽く焦がします。このレシピは粒を穂から外すため、加熱の考え方の一例にとどまります。先に茹でる場合は、網にのせる前によく水気をふいてください。
- エパソーテと茹でる、または焼く。 Larousse Cocina は、地域の例として、エパソーテ(epazote)といっしょに茹でたり焼いたりするものも記録しています。
- ケソ・フレスコかコティハ。 ケソ・フレスコは、このレシピのまろやかな塩気のもとです。コティハは別のレシピに出てくる、塩気の強い別のチーズです。使うなら少なめにして、味を見ながら加えます。
- 唐辛子は別添え。 唐辛子のシーズニングを別にして出せば、それぞれが好きな辛さを選べます。
- ふつうのマヨネーズとライム。 ライム風味のマヨネーズが見つからなければ、ふつうのマヨネーズを使い、食卓でライムを絞ります。香りと酸味は商品と同じにはなりません。
- 元のレシピどおり半分に切る。 4本を焼く前に半分に切れば、元のレシピの形になります。約7分という目安はこの切り方のものです。
- 粒をカップに。 粒を穂から外したら、それはエローテの別名ではなく、別の料理のエスキーテです。
エローテとエスキーテ|穂のままか、カップか

違いは形です。エローテは穂のまま持って食べ、エスキーテは粒を穂から外して、カップなどの容器に盛ります。Larousse Cocina によると、どちらも limón(ライム)、mayonesa(マヨネーズ)、queso(チーズ)、sal(塩)、chile(唐辛子) という同じ基本の組み合わせが見られます。一方で、呼び名や追加の具、作り方は、メキシコ各地で違います。ミチョアカン州のvasolote、アグアスカリエンテス州のchasca、モンテレイのelote en vasoなどが例に挙がっていますが、これは例であって地図の全部ではなく、どれかひとつが国全体を代表するわけでもありません。
この若い段階のとうもろこしは、より広いとうもろこしの使い方のなかにもあります。メキシコ文化省(Secretaría de Cultura)の記録によると、ベラクルス州中北部とプエブラ州北部にまたがるトトナカパン(Totonacapan)地方では、エローテは茹でたり焼いたりして食べられ、成熟したとうもろこしはニシュタマル(nixtamal)に加工されます。これはその地域についての記録です。エローテという料理の起源や、全国の習慣を示すものではありません。
とうもろこしは、メキシコの料理書でも独立した題材です。文化省の図書目録には、1983年の『Recetario mexicano del maíz』(メキシコ・とうもろこしレシピ集)があり、各地から寄せられた料理を集めた本で、目次にエローテの章があります。ここで参照したのは目録のページだけで、本のレシピは確認していません。
同じ国のほかの料理はメキシコの料理で紹介しています。
よくある質問
オーブンのグリルや室内用の小さなグリルでも作れますか?
元のレシピは焼き網を使っています。家庭用のグリルや室内用の小型グリルは、このレシピでは試していません。使う場合は機器の説明書に従い、穂をこまめに返しながら、時間より、粒がやわらかいことと複数の面に焼き色がついていることで判断してください。
元のレシピは半分に切るのに、なぜ丸ごとにするのですか?
丸ごとのほうが、家庭で一人一本で出しやすいからです。これは編集上の変更です。元のレシピの約7分は半分に切った穂の目安で、丸ごとなら長くかかるかもしれないので、返して確かめ続けてください。元のレシピのとおりにしたいなら、半分に切ります。
始めてから25分でできますか?
必ずしもそうとは限りません。元のレシピの合計25分は、半分に切った穂の場合の数字です。木串は事前に30分水に浸す必要があり、丸ごとの穂、グリル、火力によっても時間は変わります。
先に茹でてから焼いてもいいですか?
はい。参照した資料には、茹でる穂も焼く穂も出てきます。茹でたあとは表面の水気をよくふいて、焼き色がつきやすいようにしてから、同じ順で味をつけてください。
ケソ・フレスコの代わりは何を使えますか?
コティハや粉チーズで代用できますが、どれも同じチーズではなく、塩気も風味も違います。塩気が強く乾いたチーズは量を減らして味を見て、adobo seasoning もそれに合わせて控えます。
辛くしないで作れますか?
はい。唐辛子のシーズニングを省くか、別添えにしてください。ほかの層はそのまま成り立ち、辛いほうが好きな人は食卓で足せます。
エローテとエスキーテは同じですか?
材料は重なりますが、形が違う別の料理です。エローテは穂のまま、エスキーテは粒を外してカップに盛ります。
















