メキシカンライス:先に炒めて、トマトで赤く炊く
洗った米は、薄くきつね色になるまで炒めるだけにします。そこへこしたトマトソースを加え、ふたをして静かに炊きます。途中で動かすのは一度だけ。粒をくずさないよう、やさしく寄せてください。
洗った米が熱い油の中を動き、粒がうっすらきつね色に変わっていきます。次に入るのは、完熟トマトとにんにく、白玉ねぎをなめらかにしてこしたソース。続けて熱湯、角切りのにんじん、グリーンピース、丸ごとの青いセラーノ唐辛子3本を加え、ふたをして火を弱めます。米を先に油で炒めてから、トマトで炊く。これがこの赤いごはんの骨組みです。
この料理はarroz rojo(アロス・ロホ)。Larousse Cocinaはメキシコの定番の付け合わせとして紹介し、arroz a la mexicanaとも呼んでいます。英語圏ではこの種の赤いごはんをMexican riceと呼ぶことが多いのですが、その英語名がメキシコ全土で通じる唯一の正式名称というわけではありません。
下のレシピは、Larousse Cocinaが『Verde, blanco y rojo en la cocina mexicana』から掲載しているarroz rojoの6人分に沿っています。あくまでひとつの作り方で、これだけが正解というわけではありません。
このレシピは、編集部ではまだ台所で試作していません。分量と時間はLarousse Cocinaのレシピのとおりで、お使いの鍋やコンロでは仕上がりが変わることがあります。
概要には調理40分とありますが、手順の本文は弱火でふたをして25〜30分炊き、そのあと10分休ませる内容です。下の作り方は、手順の本文の時間を使っています。
この料理に使える食材・調味料
道具
- 米を洗うボウルとざる
- ミキサー
- ソースをこすための茶こし(ざる)
- ふた付きの鍋
- ゴムべらまたは木べら
選び方と代用
- 油: 種類の指定はありません。ふだん使っている調理用の油でかまいません。
- 塩: 塩は粒の大きさがまちまちなので、食べる前に味を見て、足りなければ調整します。
- セラーノ: 手に入らなければ、入れないか、ほかの青唐辛子を使います。辛さや大きさが違うので、どちらにしても料理の味わいは変わります。
- 水: この作り方は熱湯で炊きます。鶏だしについては、よくある質問をご覧ください。
うまくいかないときの直し方
| 困りごと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 米がむらなく炒めにくい | 洗ったあとの水が残りすぎている | 油に入れる前に、できるだけしっかり水を切る |
| ソースがゆるい、粒が残る | ミキサーに水を加えた、またはこしていない | 水を加えずに攪拌し、必ずこす |
| 粒が濃い色になった | 薄いきつね色を過ぎるまで炒めた | 次はもっと早く止め、米を動かし続ける |
| 色にむらがある | トマトソースが鍋の端に集まっている | 端から中央へ向けて、米をやさしく寄せる |
| 粒が割れた | 強く混ぜすぎた | 色をそろえるのに必要な分だけ、そっと動かす |
| 炊き終わっても米が硬い | 鍋やコンロによって差がある | ふたをしたまま弱火で続け、休ませる前に粒をもう一度確かめる |
メキシコ各地のバリエーション
下の例は、上のレシピにまとめて足すのではなく、別の作り方として試してください。どんなものがあるかを知るための目安で、試作済みの配合ではありません。
Larousse Cocinaの『Diccionario enciclopédico de la Gastronomía Mexicana』には、地域による違いが記録されています。
| 地域・人 | 変わるところ |
|---|---|
| タバスコ、チアパスの一部、ユカタン | アチョーテを加える |
| ドゥランゴ | グリーンピース、じゃがいも、細切りの唐辛子、とうもろこし、チーズなどを加える |
| TV Aztecaの『Cocineros Mexicanos』 | 米と、トマトと野菜の混ぜものを別々に火を通してから合わせる。コリアンダー、パセリ、チレ・クアレスメーニョ、加熱したにんじん、グリーンピースを使う |
TV Aztecaのレシピは分量も違い、2つに分けて作る方法です。そのため、このレシピの調整ではなく、別のレシピとして扱ってください。TV Aztecaは、シェフが生放送で細部を即興で変えることがあるとも断っています。
赤いごはんと呼び名
辞典は、arroz rojoを次のように説明しています。米を油で炒め、ミキサーにかけたトマトで味つけし、にんにく、玉ねぎ、ハーブと一緒に水または鶏だしで炊く料理です。また、メキシコシティと中央部の州では、arroz a la mexicanaと呼ばれることが多いとも書いています。
Larousse Cocinaのレシピは、この2つ目の呼び名を色で説明しています。グリーンピースと唐辛子の緑、よく使われるじゃがいもの白、トマトの赤です。じゃがいもはこの系統でよく使われますが、このレシピの材料には入っていないため、ここでも加えていません。緑・白・赤という色の組み合わせが、呼び名の由来として説明されています。
Larousse Cocinaは、この料理をsopa secaまたは付け合わせとして食卓に置いています。ほかの料理も見たい方は、メキシコ料理をどうぞ。
よくある質問
メキシカンライス、arroz rojo、arroz a la mexicanaは同じ料理ですか?
Larousse Cocinaはarroz rojoとarroz a la mexicanaを同じ料理の呼び名として扱っており、この記事もそれに従っています。「メキシカンライス」は、この赤いごはんにここで使っている英語由来の呼び名で、特定のスペイン語名と一対一で対応するわけではありません。
カップや大さじはどれくらいの量ですか?
レシピはどちらの単位も、容量や重さを定めていません。そのため、ここでは換算を示していません。カップで量る材料に同じカップを使えば、互いの割合は保てます。
水の代わりに鶏だしを使えますか?
辞典には、水または鶏だしで炊くarroz rojoが書かれているので、鶏だしの作り方もあります。ただ、この記事のレシピは熱湯で炊きます。鶏だしにすると、別の作り方になります。
じゃがいもは入れますか?
このレシピには入れません。Larousse Cocinaはじゃがいもをこの系統によく使われるものとして挙げていますが、このレシピの材料にはありません。辞典には、ドゥランゴで加える具のひとつとしても記録されています。
丸ごとのセラーノで、どれくらい辛くなりますか?
レシピは辛さの程度を書いておらず、編集部も試していません。唐辛子は丸ごと入れるので、食卓で食べるかよけるかを決められます。
なぜレシピの調理時間が合わないのですか?
Larousse Cocinaの概要には調理40分とありますが、手順は弱火で25〜30分炊いて10分休ませる内容です。ページにその差の説明はないため、この記事は手順の時間に従っています。















