ゴートウォーター:骨付きヤギ肉をクローブ、オールスパイス、メースで煮込む
骨付きのヤギ肉、クローブ・オールスパイス・メース、スコッチボネットの辛み、そして最後にだけ軽くとろみをつけた煮汁です。
Eat Your Worldに載った2013年の旅行記には、アンティグアのビーチバーで食べたゴートウォーターが出てきます。クローブとシナモンの香りがして、煮汁には小さなダンプリングが入り、フンジー(fungee)が添えられていたそうです。店の料理人は、土曜日に出すのが昔からの習わしだと話していたといいます。これはあくまで一軒の店の一人の料理人の話で、島全体の決まりではありません。それでも、鍋ごとに姿を変える料理への入り口としては格好の話です。アンティグア・バーブーダの観光広報(Pressroom)は、ゴートウォーターをアンティグアの名物で、地元の定番料理だと紹介し、レストランや路上の屋台ごとにレシピが違うと伝えています。
このレシピについて
以下のレシピは、Fabulous Fusion Foodが掲載している版に沿っています。このページはアンティグア・バーブーダの料理として載せていて、6人分、準備20分、調理160分、合計180分と記されています。著者名は書かれていませんが、材料と作り方はBBC Good FoodのKeshia Sakarahのレシピとほぼ一致します。BBC Good Foodは、ゴートウォーターをモントセラトの国民食として紹介しています。つまり、アンティグアだけに伝わる配合でも、唯一の正統な版でもありません。アンティグアとその近隣の島々が、それぞれのやり方で自分たちの料理だと考えているひと皿の、レシピのひとつです。
世界ごはん紀行では、このレシピを台所で試作していません。以下に編集部の提案として載せる代用や見た目の確認も、試していません。
この料理に使える食材・調味料
選び方と代用
ここに書くのは編集部の提案で、現地のやり方ではありません。どれも試作していません。
- ヤギ肉:いちばん手に入れにくい材料で、専門の取扱店で探すことになりそうです。骨付きのものを頼んでください。
- メース:クローブ、オールスパイス、メースが味の中心です。ナツメグはメースと同じではなく、香りが変わります。
- スコッチボネット:辛みと香りの両方を担います。ハバネロなど別の辛い唐辛子では、どちらも変わります。
- ブラウニングソース:色をつけるための材料です。ウスターソースを同じものとは考えないでください。 確認できた代用品はありません。
- コーンスターチ:じゃがいも澱粉は別の材料なので、同じように働くとは考えないでください。
道具
- ふた付きの大きな厚手の鍋
- フードプロセッサー
- 大きなボウルとざる
- キッチンペーパー
- アクをすくうスプーンかお玉
- コーンスターチを溶く小さなボウル
- 生肉用と分けた包丁とまな板
うまくいかないときは
ここに書く確認ポイントは編集部の提案で、試作はしていません。
| 気づいたこと | 考えられる理由 | 対処 |
|---|---|---|
| キャラメルが焦げて苦い匂いがする | 砂糖の色が濃くなりすぎた | キャラメルが黒くなる前、黄金色のうちに肉を入れる |
| 野菜が液状になる | 回しすぎた | 粒感が見えるうちに止める |
| 肉がまだ硬い | ヤギの月齢や部位による | ふたをして、とても柔らかくなるまで煮続ける。時間の幅は目安で、保証ではない |
| 煮汁が重い、ペースト状になる | 澱粉が多すぎる | 小さじ1を守り、軽く注げる濃さでやめる |
| 辛すぎる | スコッチボネットの種と果肉 | 次回は下の「アレンジ」を参照 |
アレンジ
ここに書くのは編集部のアイデアで、現地の料理人が認めた代用ではありません。どれも試作していません。
- 辛さを抑える:スコッチボネットの種を取ります。辛みも香りも変わります。
- 別の唐辛子を使う:ほかの辛い唐辛子を使います。香りが変わります。
- ヤギ肉の代わりにラム肉:ヤギ肉が手に入らないときの選択肢です。味は変わり、煮込み時間も変わるかもしれないので、柔らかさで判断してください。
- ブラウンシュガーか糖蜜:どちらも手順2で鍋に入れられます。キャラメルの出来や甘さを比べてはいません。
食べ方と保存

熱いうちに、パンと一緒に食べます。パンは鍋に入れず、食卓で添えてください。
煮込みを室温に長く置かないでください。鍋のまま室温で冷ますのも避けます。ウエルシュ菌(食中毒を起こす細菌)の芽胞は、ふつうの加熱では死にません。残ったら浅い容器に小分けして素早く冷まし、冷蔵なら10°C以下、冷凍なら−15°C以下で保存します。温め直すときはよくかき混ぜながら、全体が75°C以上になるまで加熱してください。長く置きすぎたものは捨てます。
島ごとのゴートウォーター

アンティグア・バーブーダの観光広報は、ゴートウォーターを、唐辛子、クローブ、シナモンで味つけしたスパイシーな煮込みと説明しています。レシピはレストランや屋台ごとに違うとも書いています。上のレシピにはシナモンが入っていません。名前を保ったまま、料理がこれだけ動くことがよく分かります。
| 島 | 資料が伝えていること | 読み方 |
|---|---|---|
| アンティグア | 地元の定番で、レシピは店や屋台ごとに違う。2013年の旅行記には、小さなダンプリングとフンジーの付け合わせ、料理人が話した土曜日の話が出てくる | 旅行記は一人の料理人と一つの場所の話で、ダンプリングとフンジーはこのレシピには入っていない |
| モントセラト | 国民食。雄ヤギの煮込みで、濃すぎず薄すぎない汁が望ましいとされ、パンかごはんと食べる。金曜の昼食や、みんなで集まる行事と結びついている | モントセラト自身の説明であり、アンティグアの習慣ではない |
| シント・マールテン | National Heritage Foundation & Museumが地元の料理として挙げている | 作り方も歴史も書かれていない |
使った資料からは、ゴートウォーターがどこで始まったかは分かりません。そのため、起源については何も言いません。
よくある質問
ゴートウォーターは水っぽい薄いスープですか?
いいえ。Fabulous Fusion Foodは、食材の名前に「water」がつく料理を、薄いだしではなく風味豊かなスープや煮込みだと説明しています。アンティグアの観光広報も、ゴートウォーターをスパイシーな煮込みと呼んでいます。名前の由来は確認できなかったので、「water」は料理名の一部としてそのまま扱います。
これはアンティグアのレシピですか?
Fabulous Fusion Foodはアンティグア・バーブーダの料理として載せていますが、同じレシピがBBC Good Foodではモントセラトの国民食として出ています。島々で共有されている料理のレシピのひとつとして読んでください。アンティグア自身の資料も、島内でレシピは違うと述べています。
なぜコーンスターチは小さじ1なのですか?
Fabulous Fusion FoodもBBC Good Foodも、材料欄にコーンスターチ小さじ1と、別に「小麦粉またはコーンスターチ 小さじ1〜2」の行を載せています。ところが作り方では、「the cornflour」を水50mlと混ぜるとしか書かれていません。BBC Good Foodでは、この余分な行はパンのあとの最後にあり、用途の記載がなく、小麦粉は作り方のどこにも出てきません。ほかの点で違いのあるGood Food Middle East版は、小さじ1のコーンスターチだけを載せています。小さじ1にしたのは編集部の判断です。著者への確認も、台所での試作もしていません。
煮込み用の水が、いつもの材料リストにないのはなぜですか?
Fabulous Fusion Foodは、煮込み用の水1Lとコーンスターチを溶く水50mlを、作り方にしか書いていません。最初から見えるよう、どちらも材料表に移しました。
レモン水で肉を洗わないといけませんか?
いいえ。レモン水で洗う手順はFabulous Fusion Foodの作り方にあるものですが、農林水産省の近畿農政局は、水で菌が調理台や道具に飛び散るおそれがあるとして、生肉は洗わないよう勧めています。水気を拭くだけで十分で、洗わないと風味がどう変わるかは試していません。
クローブとオールスパイスは粒ですか、粉ですか?
レシピには書かれていません。それぞれ小さじ2とあり、「ground(粉)」と指定されているのはメースだけです。そのため、この分量のまま載せていて、換算もしていません。
塩が入らないのはなぜですか?
材料にも作り方にも塩の記載がないので、分量は足していません。最後に味を見て、ほしければ塩を足すのは編集部の提案で、レシピの一部ではなく、試作もしていません。
ゴートウォーターは必ず土曜日に食べる料理ですか?
そのような決まりを裏づけるものはありません。土曜日の話は、アンティグアの旅行記に出てくる一軒の料理人のものです。モントセラトの観光局は、自分の島の話として、金曜の昼食とみんなで集まる行事に触れています。
何日もちますか?
日数は示しません。参考にした日本の食品安全関連の公的な案内に、日数が書かれていないためです。冷まし方、温度、温め直しについての案内は上の保存の注意に載せていて、長く置きすぎた食品は捨てるよう伝えています。芽胞についての案内はカレーを例にしていて、この煮込みに当てはめるのは編集部の判断です。















