ロクリ:鶏肉と米を一鍋で炊き、キャベツは最後に混ぜる
米には、鍋の中のトマト、鶏肉、香味野菜の味を移します。キャベツは別のフライパンで炒め、歯ごたえが残るうちに最後に加えます。
大きな鍋の底で、骨なしの鶏肉がバターできつね色に焼けていきます。そこへトマトペーストとブラウンシュガー、続いてセロリ、トマト、にんにく、玉ねぎ、タイム、ウスターソースを加え、水と米を入れてふたをします。別のフライパンでは、残りのバターで刻んだキャベツがやわらかくなり、炊き上がった米に混ぜられるのを待っています。
これが、Global Kitchen TravelsのChef Mireilleが紹介するChicken Lokriの姿です。Chef Mireilleは、島のオランダ側であるシント・マールテン(Sint Maarten)の、休日や特別な日の料理だと説明しています。レシピはシント・マールテンの料理本『Asina Nos Ta Cushina』に由来するとも書かれています。この記事は分量も手順もこの一つの版に沿っており、世界ごはん紀行では試作していません。
ほかの資料では、名前をLocriと綴り、島全体の料理としてもう少し広く紹介しています。それぞれの資料が何を述べ、どこまでしか確かめられないかは、後半の背景の節で触れます。
途中で見つける、味の決め手
選び方と代用
どれも少しずつ味が変わるので、ご自身の調整として試してください。
- 米: ここでは長粒米を使います。日本の短粒米は粘りが強く、水の吸い方も違うため、別の料理になり、水の量もそのままでは通用しないかもしれません。
- 鶏肉: 骨なしのものにしてください。骨付きだと、火の通る時間も米とのバランスも変わります。
- バター: 有塩と無塩では鍋の中での味が違います。最終的な塩加減は味見で決めましょう。
- セロリ: 苦手なら置き換えるか抜いてもかまいませんが、鍋の風味は変わります。
- ウスターソース: 日本のものも含め、製品によって風味が違い、瓶が変われば味も動きます。ウスターソースはこの版の特徴の一つなので、できれば入れてください。
- ホットソース: ふつうのホットソースで足ります。特定の銘柄は必要ありません。
道具
- ふた付きの大きな厚手の鍋
- キャベツを炒める別のフライパン
- 生の鶏肉用と、盛り付け用で分けた調理器具
盛り付け:揚げたプランテンを添えて

揚げた熟したプランテンは、添えるとよい付け合わせとして挙げられているもので、必須ではありません。プランテンがなくてもロクリは完成します。熟したプランテンが手に入らなければ、省いてください。
うまくいかないときは
対処は鍋、ふた、火力、米によって変わるため、決まった救済の分量はありません。少しずつ調整し、鍋の様子を見ながら進めてください。
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 米がまだ硬い | 米の種類、火力、ふたからの蒸気漏れ | ふたと火力を確かめ、鍋が乾いていれば水を少し足して、やわらかくなるまで弱火で炊き続ける |
| 米が炊けたのに汁が残っている | ふた、火力、米の種類 | 弱火でもう少し炊き、こまめに様子を見る |
| トマトペーストが焦げつきそう | 手順3の火が強すぎる | 火を弱め、混ぜ続ける |
| キャベツがやわらかすぎて歯ごたえがない | 炒めすぎ、または加えるのが早すぎた | 次回は早めに火から下ろし、最後まで米の鍋に入れない |
| 米がべたつく | 短粒米を使った | 短粒米ではそうなりやすい。次回は長粒米を使う |
アレンジ
以下はいずれも上のレシピを変えるものなので、仕上がりは少し違ってきます。
- 短粒米: 粘りが強くなり、水の吸い方も変わります。この版で確かめた水の量はないので、鍋をよく見てください。
- 鶏むね肉ともも肉: 骨なしであれば、特定の部位は必要ありません。選んだ部位で食感は変わります。
- ホットソースは食卓で: 鍋には入れず、各自で足してもらいます。辛さの好みが分かれる食卓に向きます。
- プランテンなし: ロクリだけで盛り付けます。
- キャベツを硬めに、またはやわらかめに: フライパンで炒める時間を好みで調整します。硬めのほうが、米とのコントラストが出ます。
島の両側で呼ばれる名前
この島はフランス領のサン・マルタン(Saint-Martin)とオランダ領のシント・マールテン(Sint Maarten)という二つの行政区に分かれていて、ここで使った資料が両側を同じように語っているわけではありません。
Global Kitchen Travelsは、Chicken Lokriをオランダ側の、休日や特別な日の料理として紹介しています。旅行会社のPenchard Voyagesは、サン・マルタンの名物の一つとしてLocriを挙げ、スパイスをきかせた米と鶏肉と野菜の料理と説明しています。同じページは、グラン・カーズ(Grand-Case)を、伝統料理、クレオール料理、フランス料理、イタリア料理、シーフードのレストランがそろう食の中心地として紹介しています。旅行ガイドのWe Are! SXMは、Locriを米、鶏肉、数種の野菜の料理と述べ、この島をカリブの食の交差点と呼んでいます。
これらを合わせると、名前と大まかな形が島の両側で重なっている可能性はうかがえます。ただし、一つのレシピが島全体で共有されていることまでは示していません。この記事のレシピは、オランダ側の一つの版として読んでください。島全体の決定版のロクリではありません。名前の由来や語源、綴りどうしの関係は、ここでは未確認のままです。
Global Kitchen Travelsは、この料理をペラウ(Pelau)に近いものとして並べ、レシピ名を「St. Maarten style Chicken Pelau」としています。一方で、ウスターソースをこの版の特徴として扱っています。これは書き手一人による比較であり、二つの料理が歴史を共有していることを示すものではありません。
ほかのカリブの料理も作ってみたいなら、トリニダードのカラルー、セントルシアのグリーンフィグとソルトフィッシュ、ジャマイカのアキーとソルトフィッシュもどうぞ。
よくある質問
ロクリはドミニカのロクリオと同じ料理ですか?
いいえ。綴りは近いものの、ドミニカ共和国のロクリオ・デ・ポジョ(locrio de pollo)は別の土地の料理で、調理法も違うため、ここでは別の料理として扱います。
どの米を使えばよいですか?
公開されているChicken Lokriのレシピは米を使うとしており、この記事では長粒米を使います。短粒米もアレンジとして使えますが、粘りが強くなり、水の吸い方も変わります。
キャベツを抜いてもよいですか?
抜くことはできますが、この版の構成が変わります。キャベツを別に炒めて最後に混ぜることがこの版の特徴で、抜くと、やわらかい米とのコントラストがなくなります。
グラムやミリリットルの分量がないのはなぜですか?
レシピは米国の単位で公開されており、換算を確認できていないため、その単位をそのまま残しています。
1人前はどのくらいですか?
公開されているレシピは8人分としていますが、1食の量は示していません。この数字はおおよその目安とし、食卓に合わせて量を加減してください。
残りはどう保存しますか?鶏肉は何度まで加熱すればよいですか?
この記事で使った資料には、保存、温め直し、鶏肉を安全に加熱する温度についての記載がないため、時間や温度は載せていません。お住まいの地域の食品安全当局の案内に従ってください。















