甲羅に詰めた具の表面がこんがり焼けて香ばしく仕上がったクラブ・ファルシ
🌍ジャンルサン・バルテルミー/フランス領カリブ料理

クラブ・ファルシの作り方|蟹を甲羅に詰めて焼く(Crabes Farcis)

世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方

STEP 11 / 7

蟹をクールブイヨンで加熱する

手順1: 蟹をクールブイヨンで加熱する

調理に入るまで、蟹は販売元の指示どおり冷蔵しておきます。蟹を扱う前後に手を洗ってください。生の魚介に使った包丁やまな板は洗ったうえで、熱湯をかけてから使い直します。

大きな鍋に、水、クールブイヨン用のにんじん、玉ねぎ、エシャロット、クローブ、黒粒こしょう、ブーケガルニ、粗塩、エスプレット唐辛子を入れます。沸かして10分ほど煮立て、蟹を加えたら、静かに沸いている状態で10〜12分加熱します。蟹の大きさや種類はさまざまなので、この時間は目安であって、火が通った保証ではありません。取り出して冷まします。

すでに加熱された蟹を買った場合は、この手順は省きます。

STEP 22 / 7

甲羅から身を取り出す

手順2: 甲羅から身を取り出す

蟹は、無理なく触れる温度になるまで冷まします。上の甲羅は割らないように開き、ハサミとピックで脚、爪、胴から身を取り出します。硬い殻の破片と軟骨は取り除きます。甲羅は具を詰める器になるので、きれいに洗っておきます。野菜の下ごしらえの間、身は冷たく保ちます。

STEP 33 / 7

野菜を切る

手順3: 野菜を切る

具用のにんじん3本とじゃがいも2個を、細い千切りにします。火が均一に通るよう、太さはそろえます。よく切れる包丁があれば足りますが、千切り器があれば使ってもかまいません。具用の玉ねぎとにんにくは刻み、タイムの枝から葉をしごいて取ります。

STEP 44 / 7

野菜を色づけずに柔らかくする

手順4: 野菜を色づけずに柔らかくする

ソテー用のフライパンにバター20gとオリーブ油50mlを温めます。にんじんとじゃがいもを加え、中火で7〜8分、柔らかくなって少し透き通るまで、色づけずに火を通します。そこへ玉ねぎとにんにく、続けてタイムの葉、塩、こしょうを入れて混ぜます。

STEP 55 / 7

具を混ぜて味を調え、卵黄を加える

手順5: 具を混ぜて味を調え、卵黄を加える

野菜を冷まし、オーブンを180〜200°Cに温めておきます。パンは少量の牛乳に浸します。牛乳はパンが吸える分だけにして、余分は絞って除きます。ボウルで蟹の身、野菜、パンをやさしく混ぜ合わせます。蟹の繊維、野菜の細切り、柔らかいパンが、まだ見分けられるうちに手を止めてください。

ここで味見をして、塩とこしょうを調えます。この後は味見をしません。 卵は使う直前に割り、卵黄を加えて、やさしく混ぜ合わせます。卵を扱ったあとは手を洗います。

STEP 66 / 7

甲羅に詰める

手順6: 甲羅に詰める

具は置かずに、そのまま次へ進みます。きれいにした甲羅に具をスプーンで詰め、天板に並べます。上にパン粉を薄くふり、手で軽く押さえ、バターを少しのせます。

STEP 77 / 7

焼き色がつき、中心が熱くなるまで焼く

手順7: 焼き色がつき、中心が熱くなるまで焼く

180〜200°Cで、表面に焼き色がつくまで焼きます。次に、料理用温度計で具の中心を確かめます。75°Cが1分以上保たれていれば合格です。焼き色だけでは、中心が仕上がったかどうかはわかりません。表面のほうが先に色づく場合は、範囲の低いほうの180°Cで焼き、中心が届くまで続けます。

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Ingredients

材料

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

24品目

材料

蟹、にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、にんにく、パン、牛乳、バター、油、パン粉が並ぶクラブ・ファルシの材料
卵とタイムは下の表にありますが、この写真には写っていません
材料 分量 代替・備考
生きたブラウンクラブ(tourteau) 2匹 具になる身と、焼き器になる甲羅を取る
水(クールブイヨン用) 適量 蟹を加熱する煮汁
にんじん(クールブイヨン用) 2本 香味野菜
玉ねぎ(クールブイヨン用) 1個 香味野菜
エシャロット(クールブイヨン用) 1個 香味野菜
クローブ 3個 クールブイヨン用の香辛料
黒粒こしょう 適量 クールブイヨン用の香辛料
ブーケガルニ 1つ クールブイヨン用のハーブ
粗塩 適量 クールブイヨンの味つけ
エスプレット唐辛子(piment d'Espelette) 適量 クールブイヨンの味つけ
にんじん(具用) 3本 甘みと食感を出す細切り
じゃがいも 2個 具をまとめる細切り
玉ねぎ(具用) 1個 香味野菜
にんにく 2かけ 香味野菜
タイム 1枝分の葉 具の香り
バター(野菜用) 20g 野菜を柔らかくする
オリーブ油 50ml 野菜を柔らかくする
古くなったパン 約50g 牛乳で柔らかくして具をつなぐ
牛乳 少量 パンを柔らかくする
卵 1個(卵黄を使う) 具のつなぎ
塩 適量 味つけ
こしょう 適量 味つけ
パン粉(chapelure) 少々 表面の焼き色用
バター(表面用) 少々 表面に焼き色をつける助け
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手に入りにくい材料の買い方

買い出しガイド

蟹の身と野菜を、甲羅に戻して焼く

この料理で守りたいこと

蟹は粗いまま、にんじんとじゃがいもは細切りのまま、具がペースト状になる前に混ぜるのをやめます。焼き色は表面の合図、具の中心が仕上がったかどうかは温度計が教えてくれます。

サン・バルテルミー(Saint-Barthélemy、通称サン・バルト)の観光公式の紹介は、フランスの調理技法と島の産物が出会う食卓を描き、島で味わいたいカリブの料理の一つとして crabes farcis(詰め蟹)の名を挙げています。情景は思い浮かべやすいはずです。蟹自身の甘い身を甲羅にたっぷり詰め、上にはパン粉の香ばしい焼き色。具には根菜の細切りが走り、なめらかにつぶしてはありません。

ただし、その紹介は料理名を挙げているだけで、レシピは載っていません。島の分量つきレシピは見つけられなかったので、この記事は、2人分のフランス語の一般的なレシピ、Meilleur du Chefの「Crabe farci」をもとに組みました。家庭で蟹を詰めて焼くには確かな方法ですが、サン・バルテルミー島の唯一の伝統配合ではなく、そう紹介するつもりもありません。

作る前に

このレシピは、編集部ではまだ試作していません。もとにしたレシピには内部の食い違いもあります。材料欄は卵1個、作り方は卵黄を加える、という書き方です。この記事では卵を1個用意し、卵黄を使います。これは編集上の選択で、理由は「この料理と、このレシピの出どころ」の節で説明します。


道具

  • 大きな鍋
  • 蟹を冷ますバットまたは網
  • キッチンばさみとシーフード用のピック
  • 包丁とまな板(千切り器があれば使ってもかまいません)
  • ソテー用のフライパン
  • ボウル
  • オーブンと天板
  • 料理用温度計

選び方と代用

以下の代用は、いずれも試していない提案です。

  • ほかの蟹。 ブラウンクラブはどこでも売っているわけではありません。魚屋の丸ごとの蟹でも作れますが、身の量、塩気、食感は種類で変わります。
  • 加熱済みの蟹、蟹の身。 生きた蟹を加熱したくなければ、すでに加熱された蟹を買い、手順2から始めます。蟹の身だけを使うのがいちばん手軽ですが、料理としては別物になります。甲羅がなければ耐熱皿で焼くことになり、皿に盛ったときの見た目が変わります。
  • 冷凍の蟹。 解凍と加熱はパッケージの表示に従い、使うまで冷たく保ちます。
  • パン。 白いパンが無難です。ほかの種類のパンでは具の仕上がりが変わります。
  • エスプレット唐辛子。 手に入らなければ省くか、好みのほかの乾燥唐辛子を使います。どちらにしても、クールブイヨンの味は少し変わります。
  • じゃがいも。 品種によって、具の水分と食感が変わります。

食べ方:焼きたてを

皿にのった焼き色のついた蟹の甲羅詰め。フォークで具を持ち上げ、粗い食感を見せている
焼きたての熱いうちに。蟹の甘みと粗い食感がまだ区別できる

温度の確認に合格したら、熱いうちに甲羅ごと出します。食べる前に、具と甲羅の境目に殻の破片が残っていないか見てください。このレシピには決まった付け合わせはないので、添えるものはお好みで決めてかまいません。

うまくいかないとき

気づくこと 考えられる理由 対処
具がペースト状に見える 混ぜすぎ 全体がまとまるまでやさしく混ぜるだけにし、蟹は粗いまま残す
野菜に焼き色がつく 火が強すぎる 火を弱める。細切りは淡い色のまま、わずかに透き通る程度に
パンがべたつく 牛乳が多すぎる もう一度絞る。次回は牛乳を少なめに始め、パンが吸う分だけ足す
殻のかけらを感じる 殻出しで見落とした 混ぜる前に、身をもう一度ていねいに探って取り除く
表面は焼けたのに中心が75°C未満 表面のほうが中心より早く色づいている 範囲の低いほうの180°Cで焼き、中心が75°Cで1分以上になるまで続ける

安全な扱い、アレルゲン、残りの扱い

食品衛生

卵黄は生のまま具に入り、オーブンで初めて火が通ります。75°Cの確認は省かないでください。 高齢の方、2歳以下の乳幼児、妊娠中の方、免疫機能が低下している方に出す場合は、とくに大切です。日本の食品安全委員会は、これらの方には生卵を避け、十分に加熱した卵料理を選ぶよう勧めています。生や加熱不十分の甲殻類も、これらの方には出さないでください。

  • 加熱。 厚生労働省は、家庭での調理のめやすとして、中心部が75°Cで1分以上としています。
  • 手と道具。 同じ手引きでは、肉、魚、卵を扱う前と後に手を洗うようにとあります。生の肉や魚を切ったあとの包丁やまな板は洗い、熱湯をかけてから使い直します。
  • 魚介を冷たく保つ。 まず表示と販売元の保存方法に従います。家庭の冷蔵庫については、厚生労働省のめやすは10°C以下です。フランス農業省は、冷蔵の魚介類についてより厳しい上限を表で定めていて、+2°Cまたは融けつつある氷の温度としています。また、低温でもリステリアが増えうると注意しています。
  • 残り。 浅い容器に小分けして早く冷まし、10°C以下で冷蔵します。温め直すときは75°C以上にします。保存日数は決めていません。使った資料に、この料理についての日数が書かれていないからです。
  • アレルゲン。 この料理には甲殻類、卵、乳(バターを含む)が入ります。パンとパン粉は小麦を含む場合があるので、市販品は表示を確認してください。

アレンジ

以下はどれも地域の伝統ではなく、編集上の案で、試してもいません。

  • 蟹を粗めに。 蟹を大きめの塊で残すのがこのレシピにいちばん合い、おすすめの形です。
  • 加熱済みの蟹の身を耐熱皿で。 いちばん手軽ですが、甲羅に盛る見せ方はなくなります。
  • ラルドンを加える。 もとにしたレシピには、ラルドン(脂身つきのベーコン)が任意の材料として載っています。この記事のレシピには入れていませんが、フランス風の比較として気になる方の参考になります。
  • グルテンを避ける。 パンとパン粉を替えたり省いたりすると、食感もつなぎも変わるので、別の料理と考えてください。

この料理をよりカリブらしく見せるために、トマトやウスターソースなどの味をあえて足していません。アンティル風の一皿は、きちんと記録された完全なレシピで、あらためて取り上げる価値があります。

この料理と、このレシピの出どころ

フランスの公式観光サイトFrance.frは、サン・バルトの食を、フランスの調理技法と地元の産物の組み合わせとして紹介しています。そこにはcrabes farcisが、魚のブーダン、アクラ、塩鱈入りのクリストフィーヌと並んで挙げられています。これは、島の食卓を訪れる人に紹介するとき、この料理が含まれているということを示すにとどまります。料理の起源を示すものではありません。 由来の話、家庭の伝統、祭りとの結びつき、漁の季節も確かめられなかったので、書いていません。比べられる島のレシピも見つけていないため、サン・バルトの味つけがほかとどう違うかについても、何も言えません。

ここで使ったレシピは、Meilleur du Chefの2人分「Crabe farci」(Chef Philippe)に従っています。フランスの一般的なレシピで、分量と手順が具体的なことから選びました。Éditions Larousseにも、かなり違うcrabes farcisがあります。蟹4匹分で、クールブイヨンに白ワインを使い、きのこ、生クリーム、カレー、パプリカ、パルメザンも入ります。これらは混ぜず、一つの筋の通ったレシピにしました。

もとのレシピに空白があった箇所と、食品衛生のために変えた箇所は、編集上の判断です。

  • 卵。 フランス語の材料欄は 1 œuf entier(全卵1個)、発行元の英語版は「1 egg」です。作り方は、どちらの言語版も卵黄を加えます。その手順の写真には、卵黄1個の周りに透明でつやのある液体が写っているため、卵白が少し混じっている可能性は否定できません。Larousseの別のレシピは、つなぎが卵黄のみで、蟹4匹に3個です。これらを根拠に卵黄を使いますが、疑問が解消されたわけではありません。
  • 味見。 もとのレシピは、卵黄を加えたあとに味を調えます。生卵入りの具を誰も味見しないよう、味見を卵黄の前に移しました。
  • ブーケガルニ。 材料欄にはありますが、鍋に入れるものとして手順には名前が出てきません。鍋に入れるのは編集部の補いです。
  • 仕上げ。 もとのレシピには焼き時間がありません。時間を作らず、温度計での確認を終点にしました。

よくある質問

クラブ・ファルシはサン・バルト独自の料理ですか?

そうだとは言えません。France.frは、島で味わえるカリブの料理の一つとして紹介していますが、独自の起源や島だけの配合は確認できませんでした。

ブラウンクラブ以外の蟹でも作れますか?

作れます。ただし、もとのレシピが認めている代用ではなく、編集上の代用です。魚屋の丸ごとの蟹や加熱済みの蟹の身でも作れますが、種類によって身の量、塩気、食感が変わります。

甲羅がない場合はどうしますか?

耐熱皿で焼きます。食卓での見た目は変わりますが、75°Cの確認は同じように必要です。

焼き時間は何分ですか?

もとのレシピに分数はなく、180〜200°Cで表面に焼き色がつくまで、とあるだけです。焼き色がついたら、中心が75°Cで1分以上保たれていることを確かめてください。レシピ全体の所要時間は1時間と書かれていますが、蟹の冷却と殻出しに、もっとかかるかもしれません。

卵は全卵ですか、卵黄だけですか?

もとのレシピの材料欄は卵1個、作り方は卵黄を加える、となっています。この記事は、作り方の記述とLarousseの卵黄のみのつなぎに従います。卵白の使い道はレシピにないので、提案もしていません。全卵にしたい場合は、その材料とその手順だけを替えてください。試していないので、具の仕上がりがどう変わるかはわかりません。

このレシピは試作済みですか?

いいえ、この版は試作していません。時間だけに頼らず、見た目の合図と温度計を頼りにしてください。

主な参考リンク

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