鋳鉄のグリルパンで焼き色をつけ、オレガノと粉唐辛子をかけたアルゼンチンのプロボレタ
🔪下準備10分
🔥調理10分
🌍料理アルゼンチン料理

プロボレタの作り方|アルゼンチンのアサードで最初に焼くチーズ

約11分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

チーズを切って表面を乾かす(半日〜1日)

手順1: チーズを切って表面を乾かす(半日〜1日)

プロボローネを厚さ2cmの輪切りにし、ラップをかけずに皿にのせて、冷蔵庫(約5℃)で半日から1日置きます。表面がうっすら乾いて、指で触れてもべたつかない状態になれば十分です。この表面の乾いた薄い膜が、形を保つ支えになります。

STEP 22 / 6

オレガノと唐辛子をまぶし、粉をはたく(約2分)

手順2: オレガノと唐辛子をまぶし、粉をはたく(約2分)

グリルパンにのせる30分前に冷蔵庫から出して室温(20℃前後)に戻し、両面に乾燥オレガノと粉唐辛子の半量ずつをすり込みます。続けて薄力粉大さじ1を両面に薄くはたき、余分な粉は手で軽く落としましょう。表面が白っぽく均一に覆われ、チーズの地がうっすら透けるくらいが目安です。

STEP 33 / 6

グリルパンを中火で3分熱する(約3分)

手順3: グリルパンを中火で3分熱する(約3分)

鋳鉄のグリルパン(またはスキレット)を中火にかけ、3分ほどしっかり温めます。手をかざして熱気を強く感じ、水を1滴落とすとすぐに玉になって転がるくらいが目安です。油はひきません。温まりが足りないと、チーズが焼き目をつける前に溶けて張りついてしまいます。

STEP 44 / 6

片面を2〜3分焼く

手順4: 片面を2〜3分焼く

チーズをグリルパンの中央にそっと置き、動かさずに2〜3分焼きます。縁がぷくぷくと泡立ち、下の面から香ばしいにおいが立って、側面の下のほうが少し柔らかくふくらみ、チーズがとろりと溶け始めていれば裏返しどきです。途中で持ち上げると、焼き目がはがれてしまいます。

STEP 55 / 6

裏返してもう片面を焼く(約2分)

手順5: 裏返してもう片面を焼く(約2分)

幅の広いフライ返しをチーズの下に一気に差し込み、手早く裏返します。こんがりとしたきつね色の焼き目がついていれば成功です。中火のまま、もう片面も2分ほど焼き、指で中央を軽く押してふんわり柔らかく、側面がとろりとふくらんでいれば焼き上がりです。

STEP 66 / 6

オレガノとオリーブオイルをかけて熱いうちに出す(約1分)

手順6: オレガノとオリーブオイルをかけて熱いうちに出す(約1分)

グリルパンごと鍋敷きにのせ、残りのオレガノと粉唐辛子をふり、オリーブオイル大さじ1を回しかけます。表面がつやつやと光り、ふつふつと泡が残っているうちに食卓へ運びましょう。焼いたバゲットと一緒に、熱いうちに取り分けます。

焼き上がったプロボレタと鋳鉄のグリルパンはとても熱くなっています。グリルパンごと出すときは必ず鍋敷きにのせ、取っ手は厚手のミトンで持ってください。溶けたチーズは高温なので、子どもに出すときは少し冷ましてから取り分けます。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

プロボレタの材料の厚切りプロボローネ、乾燥オレガノ、粉唐辛子、オリーブオイル、バゲット

エクセレンシアス・グルメとブラサス・イ・サボレスが紹介する基本の作り方を、日本で手に入る材料に合わせた配合です。

5品目

プロボレタ

材料 分量 代替・備考
プロボローネチーズ 厚さ2cmの輪切り1枚(約250g) 直径10〜12cm。なければカチョカヴァッロを厚さ2cmに切る
乾燥オレガノ 小さじ1
粉唐辛子 小さじ1/2 現地のアヒ・モリード(粗挽き唐辛子)の代わり。一味やチリフレークでよい
薄力粉 大さじ1 表面に薄くまぶす。省いてもよい
オリーブオイル 大さじ1 仕上げにかける
2品目

添えもの

材料 分量 代替・備考
バゲット 1/2本 1.5cm厚さに切ってトーストする
シミチュリ 大さじ4 好みで。作り方は関連記事で
コツ

プロボローネは、輸入食材店やチーズ専門店、通販で手に入ります。かたまりで買って、自分で厚さ2cmに切ってください。薄いと中が温まる前に溶け広がり、厚すぎると表面が焦げても中が冷たいままになります。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

日曜の昼、アルゼンチンの家の裏庭では、レンガを組んだパリージャ(焼き台)の炭がようやく赤くなったところです。肉が焼けるまでには、まだしばらくかかる。待ちきれない家族や友人のために、焼き手がまず網にのせるのが、厚く切った円盤形のチーズです。表面がじゅっと音を立てて縁からこんがり色づき、オレガノと粉唐辛子をぱらりとふれば、中はとろりと柔らかい。アサードの始まりを告げる焼きチーズの前菜、プロボレタ(provoleta)です。

材料は、プロボローネというイタリア系のチーズ、オレガノ、粉唐辛子、オリーブオイルだけ。炭火がなくても、鋳鉄のグリルパンやスキレットがあれば、日本の台所で10分ほどで焼けます。崩さずに焼くための下準備がひとつあるので、そこだけ押さえてください。

カラブリアの移民が、アサードにチーズを持ち込んだ

アルゼンチンの裏庭のパリージャで肉と一緒に焼かれるプロボレタ

プロボレタは、アルゼンチンで生まれたチーズです。スペイン語版ウィキペディアによると、生みの親はイタリア南部カラブリア州ロッサーノ出身のナタリオ・アルバ(1902〜1983年)。若くしてアルゼンチン中部コルドバ州の村アロージョ・アルゴドンに移り住み、乳製品の仕事に就きました。アルゼンチンにはイタリア系の住民が多く、アルバは二つの国の食習慣をひとつにしたいと考えたといいます。チーズはイタリア料理に欠かせず、肉はアルゼンチン料理の中心。それなら、イタリアのチーズをアルゼンチンのアサードに加えればいい、という発想でした。

スペインの食の専門誌エクセレンシアス・グルメによると、アルバが試行錯誤の末にこのチーズを完成させたのは1940年代のことです。円筒形のプロボローネを炭火にのせると、外側はかりっと、内側はやわらかくなる。名前はイタリアのチーズ「プロボラ」を小さく呼んだ形で、1955年には「プロボローネ・イラード(糸状に練ったプロボローネ)」としてアルゼンチンの食品規格に載りました。アルバは商標と製法を登録しましたが、2008年に「プロボレタ」は一般名として扱われることが決まったといいます。

豆知識

プロボレタが炭火の上でも溶け流れないのは、「イラード(糸状に練る)」という製法のおかげです。スペイン語版ウィキペディアは、熱い湯の中でチーズの生地を練って伸ばすこの工程(イタリア語でパスタ・フィラータ)が、焼いても形が崩れないための欠かせない条件だと説明しています。モッツァレラやカチョカヴァッロも、同じ仲間のチーズです。

食べ方も決まっています。エクセレンシアス・グルメによると、昔ながらのプロボレタは家族で囲む日曜のパリージャで焼き、味付けはオレガノと粉唐辛子だけ。いまでは店ごとにハムや卵、ソースをのせた創作版も出ていますが、基本はオリーブオイルを少したらし、焼いたパンを添えるというシンプルなものです。スペインでアルゼンチン式の出張バーベキューを営むブラサス・イ・サボレスは、アサードを待つあいだの「胃をだますための一品」として、アルゼンチンの人たちが肉の前にプロボレタを楽しむ様子を紹介しています。


焼き崩れを防ぐコツ

表面に焼き目がつき、形を保ったプロボレタ

プロボレタづくりでいちばん多い失敗は、焼いているうちにチーズが溶け広がって、形がなくなってしまうことです。防ぐ方法は3つあります。表面を乾かしておくこと、グリルパンを十分に温めておくこと、焼いている間は触らないこと。ブラサス・イ・サボレスは、表面を乾かしておくと薄い膜ができて形を保ち、かりっと焼けると説明しています。チーズを網に張りつかせない工夫として、表面に小麦粉をまぶす方法も紹介しています。

コツ

炭火の網で焼く場合は、網に直接のせると溶けたチーズが下に落ちやすいので、小さな鋳鉄のスキレットや、アルミホイルを二重にして縁を立てた皿にのせて焼くと安心です。エクセレンシアス・グルメも、鉄の器にのせて焼く方法を挙げています。

コツ

チーズは冷蔵庫から出してすぐに焼くと、中心が冷たいまま表面だけ焦げます。焼く30分前に出しておくと、表面がこんがり色づくころには中もちょうどとろりとします。

ハムや卵をのせた創作版

生ハムと半熟卵をのせたプロボレタ

エクセレンシアス・グルメによると、いまのアルゼンチンのバルやレストランでは、ソースや野菜、ハム、卵をのせたプロボレタも出されています。家で試すなら、焼き上がりに生ハムを2〜3枚のせたり、焼いたピーマンやトマトを添えたりすると、前菜からひと皿の料理に変わります。

同じ記事は、ペストソースと若葉、低温で火を通した卵を添えたレストラン仕立てのプロボレタも紹介しています。日本の台所では、半熟の目玉焼きをのせ、黄身を崩してチーズにからめるだけでも十分ぜいたくです。

食べ方

焼いたバゲットとシミチュリを添えたプロボレタの完成写真
熱いうちに切り分け、焼いたバゲットとシミチュリを添えて

熱々のプロボレタをフォークで切り分け、焼いたバゲットにのせて食べます。とろりと伸びるうちが食べどきで、冷めると固くなるので、焼き上がったらすぐ食卓へ。パセリとにんにくの生のハーブソースシミチュリを少しのせると、チーズの脂がすっきりします。

プロボレタで火の準備が整ったら、主役の肉へ。アルゼンチンの炭火焼きの組み立てはアサードの記事で、牛肉の薄切りを揚げ焼きにする家庭の定番はミラネサで紹介しています。

よくある質問

プロボローネのかたまりと乾燥オレガノ、粉唐辛子を並べた写真

モッツァレラやほかのチーズで代用できますか?

水分の多いフレッシュなモッツァレラは、焼くとすぐに溶け広がるので向きません。同じ糸状に練るタイプで熟成させたカチョカヴァッロなら、プロボローネに近い焼き上がりになります。

フライパンで焼けますか?

フッ素樹脂加工のフライパンでも焼けますが、熱の保ちがよい鋳鉄のグリルパンやスキレットのほうが、短時間でこんがりとした焼き目がつきます。フライパンの場合も油はひかず、しっかり温めてからのせてください。

辛さを抑えるには?

粉唐辛子を省き、オレガノだけで焼いてください。辛さが欲しい人は、食卓で各自がふりかけます。

アレルギーで気をつける材料は?

乳(チーズ)と、まぶす薄力粉に小麦を使います。小麦は省いても焼けます。添えるバゲットにも小麦が含まれます。

主な参考リンク

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