ほぐした牛肉をとうもろこしの生地でとろりと煮込んだニカラグアのインディオ・ビエホと焼いたプランテン
🔪下準備25分
🔥調理2時間
🌍料理ニカラグア料理

インディオ・ビエホの作り方|ニカラグアのとうもろこし生地で煮る牛肉の煮込み

約13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 7

牛肉を香味野菜と煮る

手順1: 牛肉を香味野菜と煮る

大きな鍋に牛肉、水1.5L、丸のままの玉ねぎ1/2個、ピーマン1個、にんにく1/2玉、塩小さじ1を入れて強火にかけます。沸騰したら灰色のアクをすくい、弱めの中火に落としてふたをずらし、約1時間30分煮ましょう。フォークを刺して、肉の繊維がほろりとほどければ煮上がりです。

STEP 22 / 7

牛肉を細くほぐす(約10分)

手順2: 牛肉を細くほぐす(約10分)

牛肉を取り出して5分ほど冷まし、フォーク2本で繊維に沿って細くほぐします。長さ3〜4cmの糸のようになれば十分です。ゆで汁はざるでこして、香味野菜は取り除きます。ゆで汁は生地に600mlを使い、残りは仕上げの濃さの調整用に取っておきましょう。

STEP 33 / 7

マサ・ハリナを練る(約5分)

手順3: マサ・ハリナを練る(約5分)

ボウルにマサ・ハリナ150gを入れ、ぬるま湯200mlを少しずつ加えて手で練ります。耳たぶくらいの柔らかさで、手にべたつかず、ひびが入らずにまとまれば練り上がりです。ぼろぼろと崩れるときは、ぬるま湯を大さじ1ずつ足してください。

STEP 44 / 7

生地をゆで汁で溶く(約3分)

手順4: 生地をゆで汁で溶く(約3分)

練った生地を小さくちぎってボウルに入れ、アチョーテペースト大さじ1と、温かいゆで汁600mlの半量を加えます。泡立て器でつぶしながら混ぜ、残りのゆで汁を加えてさらに混ぜましょう。粒が見えず、ポタージュくらいのなめらかなオレンジ色の液になれば準備完了です。

STEP 55 / 7

野菜を炒めて牛肉を合わせる

手順5: 野菜を炒めて牛肉を合わせる

厚手の鍋にサラダ油大さじ2とバター大さじ1を中火で熱し、薄切りの玉ねぎ、細切りのピーマンと赤パプリカ、にんにくを5分炒めます。玉ねぎが透き通ってしんなりしたらトマトを加え、さらに3分。トマトの形がくずれて汁気が出たら、ほぐした牛肉を入れて全体をなじませ、塩、こしょうで軽く下味をつけます。

STEP 66 / 7

とうもろこしの生地を加えて煮込む

手順6: とうもろこしの生地を加えて煮込む

溶いた生地を鍋に注ぎ、木べらで底から絶えず混ぜながら中火にかけます。ふつふつと沸いてきたら弱火に落とし、オレンジ果汁とライム果汁、スペアミントの葉の半量を加えましょう。そのまま約20分、焦げつかないよう底をこそげるように混ぜ続けます。木べらですくうとぽってりと落ちるくらいのとろみが目安で、それより重くなったら、取っておいたゆで汁を50mlずつ足してください。表面に油の小さな粒が浮いてきたら煮上がりの合図です。

STEP 77 / 7

プランテンを焼いて盛り付ける

手順7: プランテンを焼いて盛り付ける

煮込みの間に、熟したプランテンの皮をむいて斜め1cm厚さに切ります。フライパンに薄く油をひいて中火で片面2〜3分ずつ焼き、両面に濃いきつね色の焼き目がつけば完成です。器にインディオ・ビエホを盛り、残りのミントを散らして、プランテンとごはんを添えます。

とうもろこしの生地でとろみがついた煮込みは、沸くと大きな泡がはじけて熱い煮汁が飛びます。混ぜるときは柄の長い木べらを使い、顔を鍋に近づけすぎないでください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

インディオ・ビエホの材料の牛肉、マサ・ハリナ、アチョーテペースト、ミント、オレンジ、ピーマン、トマト

アメリカの女性支援団体トゥギャザー・ウィメン・ライズが紹介するニカラグアの家庭のレシピと、プレンサ・メルコスールのレシピを土台に、日本の台所向けに分量を整えた配合です。

6品目

牛肉を煮る

材料 分量 代替・備考
牛肩ロース(かたまり) 600g すね肉など煮込み用の部位。豚肩ロースでもよい
水 1.5L
玉ねぎ 1/2個 皮をむいて丸のまま
ピーマン 1個 へたと種を取る
にんにく 1/2玉 横半分に切る
塩 小さじ1
4品目

とうもろこしの生地

材料 分量 代替・備考
マサ・ハリナ 150g とうもろこしを石灰水で処理して挽いた粉。コーンミールでは代用できない
ぬるま湯 200ml
アチョーテペースト 大さじ1 アナトーパウダーなら小さじ1
牛肉のゆで汁 600ml 上の工程でとったもの
11品目

煮込みの具と仕上げ

材料 分量 代替・備考
サラダ油 大さじ2
バター 大さじ1
玉ねぎ 1個 薄切り
ピーマン 2個 細切り
赤パプリカ 1個 細切り
トマト 2個 皮を湯むきして1cm角
にんにく 2片 みじん切り
オレンジ果汁 大さじ3 現地のナランハ・アグリア(酸っぱいオレンジ)の代わり
ライム果汁 大さじ2 オレンジ果汁と合わせて酸味を出す
スペアミント 1パック(約10g) 葉をつむ。ニカラグアではイエルバブエナと呼ぶ
塩・こしょう 各少々 味を見て加える
2品目

添えもの

材料 分量 代替・備考
熟したプランテン 2本 皮が黒くなったもの。斜め1cm厚さに切って焼く
ごはん 4人分
コツ

ナランハ・アグリアは、日本では手に入りにくい酸味の強いオレンジです。オレンジ果汁とライム果汁を3対2で合わせると、甘さより酸っぱさが先に立つ現地の味に近づきます。この組み合わせは家庭向けの代用です。

コツ

アチョーテペーストは、アナトー(ベニノキの種)にスパイスを合わせて練った中米の調味料で、輸入食材店や通販で手に入ります。煮込みのオレンジ色と、ほのかな土の香りはこのペーストから生まれます。


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材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

大鍋の中で、オレンジ色のとろりとした煮込みがぽこり、ぽこりと泡を立てています。木べらで底からすくうと、細くほぐれた牛肉がとうもろこしの生地にからみ、ミントの青い香りと柑橘の酸っぱい香りがふっと立ちのぼる。守護聖人の祭りの日には、こんな鍋が台所の火の上で長いあいだ煮えています。ニカラグアでガジョピントと並んで名の知られた料理、インディオ・ビエホ(indio viejo)です。

スペイン語で「年老いたインディオ」という、少しどきりとする名前の煮込み。見た目はポタージュとリゾットの間のようで、正体は牛肉のスープをトルティーヤの生地でとろりとまとめたものです。日本では生のとうもろこし生地は手に入りにくいので、メキシコ料理でおなじみのマサ・ハリナを水で練って代わりにします。

とうもろこしの国の、いちばん古い煮込み

大鍋でインディオ・ビエホを煮るニカラグアの台所

ニカラグアの国立大学レオン校(UNAN-León)の研究者が2024年に発表した論考によると、この土地の人々はスペイン人が来るはるか前から、とうもろこしを中心に暮らしを組み立ててきました。主な食べ方はトルティーヤ、タマル、そして「年老いた男」の煮込み、つまりインディオ・ビエホだったといいます。とうもろこしの生地でとろみをつけるという作り方そのものが、先住民の台所から受け継がれてきたものです。

一方で、中身は時代とともに変わりました。同じ論考は、現在のインディオ・ビエホは主に牛肉か豚肉で作られ、どちらもヨーロッパ人が新大陸に持ち込んだ家畜だと指摘しています。南米のニュースサイト、プレンサ・メルコスールは、この料理をマヤとスペインの文化が結びついた一皿と紹介し、もとは山羊の肉で作っていたと書いています。

豆知識

名前にはオメテペ島に伝わる伝説があります。島の集落を通りかかった2人のスペイン人が、食事中の先住民に何を食べているのかと尋ねると、ひとりが「年老いたインディオだ」と答えました。料理を分けたくなかったための嘘で、スペイン人は気味悪がって口にしなかった、という話です。あくまで言い伝えで、記録で確かめられた出来事ではありません。

いまのインディオ・ビエホは、家庭の日曜の昼にも、祭りや結婚式の大鍋にも登場します。添えるのは白いごはんと、甘く熟したプランテン。プレンサ・メルコスールは、熟したプランテンの焼いたものや、青いプランテンの薄切りを添えるよう勧めています。煮込みの酸味とミントの香りに、プランテンの甘さがよく合います。


とろみと酸味を決めるコツ

木べらで持ち上げたインディオ・ビエホのとろみ

インディオ・ビエホのとろみは、家庭によってかなり違います。スプーンですくってぽってり落ちるくらいの家もあれば、スープに近い家もあります。目安は、木べらで鍋底に線を引くと一瞬だけ底が見えるくらい。冷めるとさらに固くなるので、火を止める時点では少しゆるめに仕上げます。

コツ

とうもろこしの生地は、煮込みに直接ちぎって入れるとダマになります。必ずゆで汁で先に溶き、なめらかな液にしてから加えてください。ダマができてしまったら、その部分だけすくってゆで汁でのばし、ハンドブレンダーで軽く回してから戻します。

コツ

ミントと柑橘の果汁は、長く煮ると香りが飛びます。半量は煮込みに、残りは盛り付けの直前に加えると、ミントの青い香りがはっきり残ります。

酸味は最後に調えます。味を見て物足りなければライム果汁を小さじ1ずつ足し、酸っぱすぎればゆで汁でのばしてください。トゥギャザー・ウィメン・ライズのレシピのように、乾燥チーズや溶き卵を生地に混ぜ込んで、こくを足す作り方もあります。

豚肉や鶏肉で作るなら

豚肉で作ったインディオ・ビエホ

プレンサ・メルコスールのレシピは豚の肩肉を使い、牛肉や鶏肉でもよいとしています。豚肩ロースなら煮る時間は約1時間、鶏もも肉なら約30分が目安です。どちらも最初の工程と同じように香味野菜と煮て、ほぐしてから使います。

肉をほぐすときのポイントは、トゥギャザー・ウィメン・ライズのレシピが勧めるように、高価な部位を選ばないことです。すじの多い安い部位のほうが繊維に沿って細くほぐれ、とうもろこしの生地とよくなじみます。牛肉なら肩ロースやすね、豚肉なら肩ロースが向いています。

食べ方

ごはんと焼いたプランテンを添えたインディオ・ビエホの完成写真
ミントを散らし、ごはんと焼いたプランテンを添えて

深めの皿にインディオ・ビエホをよそい、白いごはんと焼いたプランテンを横に添えます。ごはんに煮込みをからめ、プランテンの甘さで口を休めながら食べるのが現地流です。プレンサ・メルコスールは、トマトの皮をバラの形に巻いて飾る盛り付けも紹介しています。

ニカラグアの料理をもっと知りたくなったら、とうもろこしの生地で肉を包み、バナナの葉で蒸すナカタマルを。同じ国の祝いの料理で、生地の扱い方がよく似ています。肉と野菜を葉で包んで蒸すバホも、ニカラグアの週末の食卓を代表する一皿です。

よくある質問

マサ・ハリナとアチョーテペースト、ミントを並べた写真

マサ・ハリナがないときは?

市販のコーントルティーヤで作れます。トゥギャザー・ウィメン・ライズのレシピでは、トルティーヤ約340gをちぎって水に1時間浸し、ミキサーでなめらかにしてから使っています。コーンミールやコーンスターチでは、とうもろこしの生地らしい風味ととろみは出ません。

アチョーテペーストは省けますか?

省いても作れますが、仕上がりの色が黄土色になり、香りも控えめになります。アナトーパウダー小さじ1でも代わりになります。パプリカパウダーで色だけを足す方法もありますが、アチョーテの香りとは別物です。

作り置きできますか?

冷めるとかなり固くなるので、温め直すときはゆで汁か水を少し足して、弱火で底から混ぜながら中心まで温めてください。保存日数のはっきりした目安は示せないので、冷蔵して早めに食べきりましょう。ミントは温め直したあとに新しい葉を足すと香りが戻ります。

辛い料理ですか?

辛くありません。唐辛子は入らず、酸味とミントの香りが主役です。辛さがほしい人は、食卓で唐辛子の酢漬けや辛いソースを足してください。

アレルギーで気をつける材料は?

炒めるときにバター(乳)を使います。サラダ油だけで炒めれば乳を使わずに作れます。生地に卵やチーズを混ぜるアレンジでは、卵と乳が加わります。

主な参考リンク

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