バタタ・サウン — ご飯とダルの横に置く、酸っぱくて赤橙色のじゃがいも
形を保ったじゃがいもの角切りが、濃いオレンジ色のグレービーをまとっていること。そのグレービーに、玉ねぎのやわらかな甘み、タマリンドの酸味、赤唐辛子の辛さ、ココナッツ油の香りが集まります。
白いご飯とダルの鉢が並び、その横に、タマリンドの酸っぱい香りがつんと立つ赤橙色のグレービーでつやつやしたじゃがいもの角切りが、小さく盛られている。バタタ・サウンは、そんな食卓の料理として語られています。ここで使うレシピの出どころ、The Culinary Konnoisseur の「Tangy Konkani Batata Saung」は、ダリ・トーイ(ダルの一種)とご飯を添えて食べることを勧めています。Belly On My Mind に書いている料理人も、白いご飯とダルを合わせています。
料理そのものはとてもシンプルです。じゃがいもを固めにゆで、玉ねぎをココナッツ油で透き通るまで炒め、赤唐辛子粉、塩、タマリンド、水と一緒に煮て、グレービーが濃くなってじゃがいもにからむまで仕上げます。油で香りを出すホールスパイスもなく、材料の数も多くありません。大切なのは、甘み・酸味・辛みのバランスと、じゃがいもを崩さないことです。
この料理は Batata Saung とも Batata Song とも書かれます。Belly On My Mind の筆者は、「saung」は「song」と発音すると説明しています。名前の由来は、ここで使った資料では確かめられないため、この記事では推測しません。
バタタ・サウンはどこで語られてきたか — インド南西岸のコンカニ家庭料理
バタタ・サウンは、インド南西部の沿岸、カナラ地方と結びついたコンカニの料理に属します。インド全土の料理として、またすべてのコンカニの家庭が同じ作り方をする一つのレシピとして紹介するものではありません。インドのほかの料理はインドの国別ページでご覧ください。
Belly On My Mind の筆者は、自分がチトラプール・サラスワト・ブラーフマン(Bhanap)の出身だと紹介し、バタタ・サウンをそのコミュニティの家庭料理として説明しています。ゆでたじゃがいも、タマリンド、赤唐辛子が料理の軸です。これは筆者自身の家族とコミュニティの話であり、ここでもそのものとして紹介します。すべての台所を定義するものではありません。
2017年には、Curly Tales が、ムンバイのボリヴァリにあるレストラン Simply Saraswat を紹介する記事で、家庭の外での姿を伝えています。店主はチトラプール・サラスワト、Bhanap、Amchi の食卓の料理を出していて、記事は Batata Song を、店のサラスワト・ターリー(定食)にのる穏やかな辛さのグレービーと描いています。これはある店のある時点のメニューで、今の店の様子や地域全体の食習慣を示すものではありません。
同じ「バタタ」という言葉がつく料理でも、レバノンのバタタ・ハラとは別の料理です。共通するのはじゃがいもくらいで、ほかはあまり重なりません。
このあとのレシピは、分量がもっとも揃っている The Culinary Konnoisseur の4人分の配合に従っています。このレシピは世界ごはん紀行編集部では試作していません。クミン入りの配合や、にんにくをたっぷり使うバタタ・ロスネ・サウン(batata losne saung)は、レシピには混ぜず、「バリエーションと関連する作り方」の節で触れます。
この料理に使える食材・調味料
選び方と代用
じゃがいもと玉ねぎは、ふつうのスーパーで買えるもので大丈夫です。品種の指定はありません。大きさにばらつきがあるので、できれば量ってください。とてもみずみずしい玉ねぎは、そのぶん鍋に水分を足します。
タマリンドは、量れるペーストのほうが扱いやすいです。もう一つの選び方は、レモン大のタマリンド1個から取った液を使う方法です。二つは濃さが同じではないので、置き換えられるものとして扱わず、味を見ながら加えてください。
赤唐辛子粉は辛さがまちまちです。手持ちの粉の辛さが分からないときは、小さじ1より少しだけ少なめに始めて、グレービーを味見してから足します。
油は、ココナッツ油がこの料理らしい香りを作ります。ふつうの食用油でも作れますが、香りは穏やかになります。
買い物は、タマリンドペースト以外はふつうのスーパーでそろいます。タマリンドペーストやタマリンド濃縮は、アジア食材店、インド食材店、輸入食品の売り場で探してください。
道具
- じゃがいもをゆでる小鍋
- 包丁とまな板
- 蓋つきの厚手の鍋またはカダイ
- 木べらまたはへら
- 計量カップと計量スプーン
うまくいかないときの直し方
| 困りごと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| じゃがいもが崩れる | 最初のゆでが柔らかすぎた、または強く混ぜた | 次回は固いうちにゆで上げます。角切りにしたら、かき混ぜるのではなく、底からやさしく返します |
| 辛すぎる | 思ったより辛い唐辛子粉 | 次回は唐辛子を少なめにして、味見してから足します。白いご飯とダルを添えると、皿の上でも辛さがやわらぎます |
| 酸っぱすぎる | 強いタマリンド(とくにブロックから取ったもの) | まず基本の分量で作ります。任意のジャガリー小さじ1は、酸味に甘みを添えますが、酸味を消すものではありません |
| グレービーが水っぽい、鍋底にくっつく | 火が強すぎる・弱すぎる、または鍋がとても広い・狭い | 蓋をした煮込みは弱火のまま、ときどき確かめて混ぜます。とろみがつく早さは、火力と鍋によって変わります |
バリエーションと関連する作り方
タマリンドペーストと、レモン大のタマリンドから取った液は、酸味の強さが違います。
水は合計2カップです。濃さは火力や鍋の幅にも左右されるので、水の量を変えるより、グレービーを見て判断してください。
使う唐辛子の品種は決まっていません。Byadgi 種や Kashmiri 種も選べますが、必須ではありません。
ココナッツ油が香りを決めます。ほかの食用油に替えると、香りは穏やかになります。
甘酸っぱい仕上げのためのジャガリー小さじ1は、最後に加える任意の一品で、基本のレシピとは別です。
クミン入りの別の作り方では、赤唐辛子粉とタマリンド液にクミンを合わせ、配合も異なります。ここでは味の違いの比較にとどめます。
バタタ・ロスネ・サウンは、ふつうのバタタ・サウンとは別の料理です。「losne」はにんにくを指し、この料理では小さなじゃがいも、炒って水に浸した Byadgi 唐辛子、タマリンドとともに、にんにくをたっぷり使います。Byadgi 唐辛子は鮮やかな赤色に見える一方、辛みはかなり穏やかです。ここで作るサウンには、にんにくは入りません。
食べ方 — ご飯とダルを横に、グレービーを受け止める

The Culinary Konnoisseur も Belly On My Mind も、バタタ・サウンを白いご飯とダルと一緒に出しています。The Culinary Konnoisseur は相手にダリ・トーイを挙げ、付け合わせとしてギーにも触れています。白いご飯がグレービーを吸い、ダルが、酸っぱくて辛いじゃがいもの合間に入ります。
家で作るなら、蒸したご飯と、ふだん作っているシンプルなダルのそばに置いてください。食卓で少しだけギーを添えるのは任意で、レシピには含まれません。
よくある質問
バタタ・ソングはバタタ・サウンとは別の料理ですか?
同じ料理の2つの綴りとして扱われています。Belly On My Mind の筆者は「saung」は「song」と発音すると説明しており、2017年の Curly Tales のレストラン紹介記事では Batata Song の綴りが使われています。
バタタ・サウンはとても辛いですか?
4人分に赤唐辛子粉を小さじ1使いますが、唐辛子の品種は指定されていないので、辛さは手持ちの粉しだいです。Curly Tales はレストランのものを穏やかな辛さと描いています。唐辛子の辛さが分からないときは、少なめから始めてください。
タマリンドペーストが見つからないときは?
The Culinary Konnoisseur は、代わりにレモン大のタマリンド1個から取った液を挙げています。抽出に使う水の量は示されていないので、液を少しずつ加えて、味見をしながら調整してください。
じゃがいもを崩さないようにするには?
角切りにする前に、固めに、ゆですぎないようにゆでます。鍋の中では、強くかき混ぜず、やさしく返してください。
にんにくは入れますか?
このレシピには入っていません。にんにくをたっぷり使う作り方は、Cooking With Shobana が説明しているように、バタタ・ロスネ・サウンという別の名前で存在します。
どのくらい日持ちしますか?
この記事で使った資料には、保存や温め直しの案内がありません。そのため、保存期間はここでは示しません。
















