チキン・レザラ:脂が浮く、薄く真珠色のグレービー
グレービーは薄く、淡い真珠色のまま、表面に脂が浮いた状態にします。濃くてクリーミーにはしません。鶏を先にゆで、玉ねぎ、汁、粉、ヨーグルトを一段ずつ重ねて火を入れ、香りの牛乳は火を止めてから加えます。
カルカッタ(コルカタ)のムグライ料理のレストランでは、チキン・レザラは薄いグレービーで、真珠のように白く、表面に脂が浮いた姿で食卓に出てくる、とBong Eatsは書いています。このレシピでは、揚げた丸ごとの赤唐辛子、カリッと揚げたmakhana(フォックスナッツ)、バラの花びらで器を仕上げます。淡い色が最初の工程から最後の一皿まで続くのが、この料理の見どころです。
この記事のレシピは、2023年にBong Eatsが公開した「Calcutta Chicken Rezala」に沿っています。特定のレストランの公式レシピではありません。Bong Eatsの説明では、チームはコルカタの複数のレストランでレザラを食べ比べました。店ごとに味が違ったため、何度も試作を重ね、家庭でも作れるレストラン風のレザラに逆算して仕立てたそうです。出発点のひとつはNadim Amin氏の動画でした。家庭料理ではない、とチーム自身がはっきり書いています。ですから、カルカッタのレストラン風レザラをていねいに再現した一例として読んでください。唯一の本場の形でも、ベンガルの標準的な家庭の味でもありません。Bong Eatsはこのレシピを6人分、所要時間は約90分としています。
公開されているレシピからは、意図して一点変えています。Bong Eatsは生の鶏肉を最初に洗うよう書いていますが、この記事では洗いません。FoodSafety.govは、水がはねて有害な菌が台所に広がるため、家禽を洗わないよう勧めています。また、下の手順では段階ごとの時間だけに頼らず、温度計で鶏肉の火通りを確かめます。
世界ごはん紀行編集部は、このレシピを台所で試作していません。下の段階ごとの時間は調理の目安であり、鶏肉に安全に火が通ったことの証明にはなりません。いちばん厚い部分の中心を温度計で確かめてください。
この国の料理をもっと知りたい方は、インドのレシピと食文化もご覧ください。
同じ名前でも鍋はさまざま — レザラの幅
レザラは、配合がかなり違うレシピに共通する名前です。 いくつかの資料を見ると、材料も入れる順番も、作る人や地域によって変わります。
- コルカタ風の別の版。 SBS Foodには、Will Meyrickの「Chicken rezala Kolkata-style」が載っています。3〜4人分で鶏肉は800 g。香ばしく煎ったスパイスとナッツを合わせたペースト、ココナッツミルク、青唐辛子をすりつぶしたもの、ローズウォーターで作り、ヨーグルトもコーンスターチも使いません。
- 料理史のエッセイにある家庭風のレシピ。 GOYAの「The Rezala Route, From History to Plate」で、Tarana Husain KhanがAfreen Alviのレシピを紹介しています。玉ねぎペースト、ヨーグルト、けしを加える順番が、この記事の版とは違います。
- ベンガル、バングラデシュ、ボパール。 同じ書き手がOpen Magazineで、ベンガル、バングラデシュ、ボパールのレザラがそれぞれ違うことを書いています。コリアンダーを強く効かせたボパール風は、白いコルカタ風とは別ものです。
- レストランのマトン・レザラ。 2001年のTimes of Indiaは、コルカタの店Sabir'sのマトン・レザラについて家族の話を伝えています。ダヒ(ヨーグルト)、ギー、けし、サフラン、メースを使い、炭火で作るという内容です。
これらは、下のレシピには混ぜません。レザラという名前がどれだけ幅広いかを示すもので、足すべき材料の一覧ではありません。
「白いコルマ」というだけではない
淡い色、ヨーグルト、香り。これだけではレザラとは呼べず、レザラとコルマ(qorma)やほかの白いカレーとの境目にもなりません。Bong Eatsは自分たちの版を、コルマというより白いkaliya(カリヤ)のようなものと説明しています。これはこのレシピの作り手が自分たちの料理を語る言葉で、すべてのレザラの定義ではありません。この版を特徴づけるのは、次のような組み立てです。
- 香味を入れた湯で鶏をゆで、ゆで汁を濾して取っておく
- 白玉ねぎのペーストと、ペーストではなく濾したしょうがにんにくの汁を使う
- 白けし、カシュー、khopra(皮をむいた乾燥ココナッツ)の粉を使う
- 少量のコーンスターチでまとめたヨーグルトを使う
- 火を止めてから、青唐辛子、ケウラ水、ごく少量のミータ・アタール(meetha attar)を入れた温かい牛乳を加える
この料理に使える食材・調味料
道具
- 鶏をゆでる鍋
- しょうがにんにく汁、ゆで汁、青唐辛子入りの牛乳を濾すための目の細かいこし器(茶こしでも可)
- 煎ったスパイス、種、ナッツ、khopraを挽くためのスパイスグラインダーか石のすり鉢とすりこ木
- 白玉ねぎのペーストと青唐辛子を挽くためのブレンダー
- 炒めて煮込む広めのフライパン
- ヨーグルトを混ぜる泡立て器
- 食品用温度計
- 生の鶏肉専用のまな板、包丁、容器
選び方と代用
鶏肉。分量の1 kgはレシピ全体の合計です。自分で鶏をさばく場合は小さめのものを選び、丸鶏で800 g未満、または下処理後で600 g未満の鶏を使います。この大きさは1羽ごとの目安で、小さめの鶏を何羽か合わせて1 kgにするため、2つの数字は両立します。1羽を四つ割りにして、手羽付きの胸肉2片ともも付きの脚2片にし、皮を取り除きます。骨なしの角切りは、火通りの時間をここでは確かめていないため、この記事では扱いません。
khopra。乾燥ココナッツのことです。茶色い外皮を取り除いたものを使うと、粉もグレービーも淡いままに仕上がります。ココナッツミルクの代用にはなりません。ココナッツミルクは別のレザラに使うもので、ここでは入れません。
makhana。フォックスナッツ、またはハスの実に似た水生植物の種として売られています。ここでは揚げてカリッとさせ、最後に上へ散らします。
ミータ・アタールとケウラ水。ミータ・アタールはベンガルのムグライ料理に使う香りのエッセンスで、使うのは1/2滴だけです。この記事は特定の銘柄も代用品も勧めません。ラベルで食品と確認できるものだけを使ってください。入れない場合は香りの違う変更版になり、同じ仕上がりにはなりません。ケウラ水は小さじ1/4を使います。別のレザラに使うローズウォーターで、どちらも置き換えないでください。
ギー。このレシピが想定しているのは、白い水牛乳のギーです。ほかのギーでも同じ結果になるとは、この記事では言えません。
うまくいかないときの戻し方
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| ヨーグルトが分離する | コーンスターチなしで入れた、または混ぜなかった | 入れる前にコーンスターチのスラリーをヨーグルトによく混ぜてなめらかにし、鍋に入れたら絶えず混ぜる |
| ベースが茶色くなる | 玉ねぎを強火で炒めた、またはスパイスやナッツを濃く煎った | 玉ねぎのペーストは弱火で炒め、スパイス、種、ナッツは軽く煎るだけにする |
| グレービーに斑点が出る、または茶色い | khopraの皮が残っていた、またはしょうがにんにくの繊維が入った | 皮をむいたkhopraを使い、しょうがにんにく汁は目の細かいこし器で濾す |
| グレービーが濃く、コルマのようになる | 汁ではなくペーストを入れた、またはほかの液体やクリームを足した | 材料表のとおりに作る。濾した汁と取っておいたゆで汁を使い、ココナッツミルクやクリームは入れない |
| 30分煮ても鶏が75°Cに達しない | 肉の大きさが大きい、または火が思ったより弱い | いちばん厚い部分の中心が75°Cに達して1分以上保たれるまで火を入れ続けてから、仕上げに進む |
| 食品用のミータ・アタールがない | 近くで手に入らない | 香水で代用せず、入れずに作る。香りは変わる |
盛り付け
浅めの器に盛ると、薄く淡いグレービーと浮いた脂が見えます。上に赤唐辛子、makhana、バラの花びらをのせます。添えるのはPhirni(フィルニ)とされていて、ほかの副菜は加えません。
よくある質問
チキン・レザラは「白いコルマ」と同じですか?
色だけでは決まりません。レザラのレシピは幅広く、淡いヨーグルトのグレービーというだけでは名前が決まらないからです。Bong Eatsは自分たちの版を、コルマではなく白いkaliyaに近いと比べています。これはこのレシピの作り手による説明で、すべてのレザラに当てはまる決まりではありません。この版の特徴は、ゆでた鶏とゆで汁を使うこと、濾したしょうがにんにく汁、けし・カシュー・khopraの粉、そして火を止めてから加える青唐辛子とケウラ水入りの牛乳です。
下ゆでは省けますか?
Bong EatsのFAQには近道の方法が載っています。ひとつは、生の鶏を用意したベースに直接加える方法。もうひとつは、すべてを合わせて弱火で火を通す方法です。どちらも別の手順で、工程も違います。この記事は下ゆでを含む段階的な方法を通して紹介していて、どちらの近道とも組み合わせていません。
公開されているレシピは洗うと書いているのに、なぜ洗わないのですか?
FoodSafety.govは、水がはねて有害な菌が台所に広がるため、家禽を洗わないよう勧めています。日本の厚生労働省は、鶏肉を含む食肉を中心部が75°Cで1分以上になるまで加熱するよう勧めています。あわせて、生肉用の器具を分けること、手を洗うこと、生肉に触れた器具を洗って消毒することも案内しています。この記事はその助言に従い、段階ごとの時間だけには頼りません。
骨なしの鶏肉でも作れますか?
この版は、Bong EatsのFAQにあるとおり、皮なしの骨付き四つ割りを使います。骨なし肉の火通りの時間はここでは確かめていないので、この記事では置き換えを勧めません。
ミータ・アタールとは何ですか? 代わりに何を使えますか?
Bong Eatsは、ベンガルのムグライ料理に使う香りのエッセンスと説明していて、このレシピで使うのは1/2滴だけです。食品用と明記された製品だけを使い、香水や化粧品用のアタールは絶対に使わないでください。この記事は代用品を勧めません。入れない場合は、仕上がりの香りが変わります。
何人分で、どのくらいかかりますか?
Bong Eatsは6人分、約90分としています。この時間は、同じ方法で全工程を行う場合の掲載値です。鶏が煮えたかどうかは、時計ではなく温度計で確かめてください。
レザラはどこから来た料理ですか?
決まった答えはありません。GOYAとOpen Magazineで、Tarana Husain Khanはムガル宮廷、ダッカ、アワド(ワジド・アリー・シャーを含む)に結びつく、競合する起源や名前の説を示し、さまざまな本や口伝を引いています。2001年のTimes of Indiaは、Sabir AliがLucknowからコルカタに来て1948年にSabir'sを開いた、という家族の話を伝えています。ただしこれらの資料は、レザラが最初にどこで作られたかを確定するものでも、このチキン版の系譜をたどるものでもありません。
















