ダーブ・チングリ:青いココナッツが鍋になる料理
若い緑色のココナッツは、仕上げに添える盛り付けの器ではありません。海老が火を通される調理容器そのものです。別に用意するおろしココナッツ、マスタードシードペースト、最後に加えるマスタードオイルを守り、殻の上部だけを封じてオーブンに入れてください。
若い緑色のココナッツの上部を切り落とし、中の水を捨てて、空いた空洞に生の海老、薄切りの玉ねぎ、切れ目を入れた青唐辛子、おろしココナッツ、マスタードを詰めます。切り取った上部をふたとして戻し、開口部をアルミ箔で封じたら、ココナッツごとオーブンで焼きます。これがダーブ・チングリです。Rituparna Royが2020年のCondé Nast Traveller Indiaの記事で、若い緑色のココナッツの中で調理するベンガルの海老料理として紹介しています。
この記事では、chingri はベンガル語で海老のこと、daab は材料欄で若いココナッツ(tender coconut)として説明されています。大事なのは調理法です。ココナッツのカレーを作ってから殻によそうのではなく、ココナッツそのものが鍋になって、食材を抱えたまま火が通ります。
このページのレシピは、Royの記事に再掲され、Minakshie DasGuptaの『Bangla Ranna: The Bengal Cookbook』に帰属するものとして紹介されている版です。書籍そのものは確認しておらず、著者名・書名・年代は記事の表記のままお伝えします。このレシピは、このページのために台所で試作したものではありません。分量が幅で示されている材料は、1つの値を選び、元の幅を並べて示しました。
この国の料理をもっと見たい方は、インドのレシピへどうぞ。
英語では多くの場合 daab chingri と書き、ベンガル文字では ডাব চিংড়ি です。
ベンガルの海老とココナッツの料理のなかで
Royの記事は、ダーブ・チングリを、海老とココナッツを組み合わせるベンガル料理の仲間のなかに置いています。挽いたマスタードと生のココナッツで作る narkel chingri、似た材料を圧力鍋で蒸す bhapa chingri、ココナッツミルクを使う chingri maacher malaikari などです。ダーブ・チングリがこれらと違うのは、青いココナッツが調理容器である点だとされています。
これは記事が示している比較で、どの地域・どの家庭にも通じる決まった定義ではありません。ココナッツミルクで煮る海老のカレー(チングリ・マライカレーと呼ばれることが多い料理)や、マスタードで魚を煮るショルシェ・イリッシュなどをご存じなら、ダーブ・チングリは作り方そのものが違うと考えてください。ココナッツミルクは使わず、殻に入れたまま焼きます。
この料理に使える食材・調味料
道具
- ボウル
- ココナッツ上部の開口部を覆えるアルミ箔1枚
- オーブン
選び方と代用
使うココナッツは2種類で、役割が違います。若い緑色のココナッツ(daab)は鍋です。水を抜いて中身を詰め、殻の内側の果肉はそのまま殻の一部として残します。おろしココナッツは別のココナッツをおろしたもので、詰め物に混ぜます。おろしココナッツの代わりに、daabの果肉をかき出して使わないでください。ココナッツミルクにも置き換えません。
マスタードシードペーストは、すでにペースト状になったものを使います。
クリームやココナッツミルク、別の種類のマスタードに置き換えないでください。
よくある取り違えと軌道修正
ダーブ・チングリという名前のレシピはいくつもあるため、別のレシピの手順が混ざりやすい料理です。次の表は、このレシピと違う点をまとめたものです。
| ついやりたくなる手順 | このレシピでは | 理由 |
|---|---|---|
| ココナッツミルクを加える | 使わない | ココナッツミルクを使うと、マライカレーの方向に寄っていく |
| daabの果肉をかき出して詰め物に加える | しない。果肉は殻の一部として残す | おろしココナッツは、別のココナッツから用意する |
| ココナッツ水を使う | 捨てて使わない | 詰め物に液体は足さない |
| 玉ねぎを炒める、油を先に熱する | すべて生のまま入れ、油は最後に加える | ココナッツの中だけで火を通す |
| 生地で封じる、ココナッツ全体を箔で巻く | ふたを戻し、上部だけを箔1枚で覆う | 示された作り方のとおりにするため |
| 1個のdaabには多すぎるように見える | 未確認 | 分ける・増減する・余りを扱うための検証済みの答えはない |
ベンガルのお祝いと、箔のふたの話
Royの2020年の記事は、ダーブ・チングリを、誕生日、結婚式、ベンガルの新年、ドゥルガー・プージャと結びつけています。これは記事の記述であり、すべてのベンガルの家庭がこうした機会にこの料理を作る、という意味ではありません。
記事は、調理法の移り変わりもたどっています。農村のベンガルでは、粘土を塗った若いココナッツを薪火でゆっくり焼く技法があったと書かれており、1902年の料理書には半熟のココナッツ殻を使うレシピがあるとも紹介されています。都市ではそれらに代わって、アルミ箔とオーブンが使われるようになったといいます。記事には、Pia Prominaの回想も紹介されています。それによると、1960年代にMinakshie DasGuptaが生地の代わりにアルミ箔を使い、ココナッツをオーブンで焼いてみたそうです。記事によれば、この技法とレシピは1982年に『Bangla Ranna』に記録され、1998年に家族がKewpie'sを開きました。
これらの年代や話は、記事と取材先が伝えているものです。1902年の料理書、『Bangla Ranna』、レストランの記録そのものは確認していないため、この料理の誕生を確定した歴史として読まないでください。記事は、家庭で作るときの下ごしらえの手間の大きさや、料理が時代とともにさまざまな調理法を渡り歩いてきたことにも触れています。
ほかのダーブ・チングリ
以下は別のレシピです。材料・温度・器具は、このページの作り方とは入れ替えられません。
NDTV Food(Tanushri Jash)。 玉ねぎ、にんにく、青唐辛子のペースト、パンチフォロン、マスタードペースト、マスタードオイルを使い、若いココナッツの果肉をこそげて、その水と一緒にすりつぶしてペーストにします。生地でココナッツを封じ、220(温度の単位は書かれていません)で約45分焼く方法で、圧力鍋で作る方法も紹介されています。
Subha's Food Diaries。 筆者の義母の版として紹介され、家庭ごとに違うと添えられています。黒マスタード、ケシの実、ココナッツミルク100ml、ココナッツ自身の果肉と水、砂糖が入り、海老をペーストに10分置いてから、圧力鍋で調理します。器具を替える方法も書かれていますが、ここでは取り上げません。
Royの記事のレシピには電子レンジで作る代替案も書かれていますが、このページでは使いません。
よくある質問
ダーブ・チングリにはココナッツミルクを使いますか?
このレシピでは使いません。Royの記事で『Bangla Ranna』に帰属するレシピは、別のココナッツをおろしたものを使い、ココナッツミルクは入りません。ココナッツミルクが出てくるのはSubha's Food Diariesの版で、こちらは別のレシピです。
daabの水や果肉は使いますか?
水は捨てて使いません。果肉をかき出して加える工程もなく、果肉は殻の一部としてそのまま残ります。果肉と水を使うのは、ほかの版の作り方です。
圧力鍋や電子レンジでも作れますか?
再掲されたレシピには電子レンジの代替案があり、NDTVとSubha's Food Diariesの版は圧力鍋を使いますが、このページが取り上げるのはオーブンで焼く方法だけです。それ以外の方法の安全性については、ここでは助言しません。
何人分で、どのくらい時間がかかりますか?
このレシピには、人数も、下ごしらえの時間も、全体の所要時間も書かれていません。時間として示されているのは焼く時間だけで、350°Fで約1時間です。
海老1 kgは、daab1個に入りますか?
レシピは海老1 kgとdaab1個を並べて挙げていますが、ココナッツの容量は示していません。収まるかどうかは試していないため、確認できていません。このページの写真も、実際に量った分量ではなく、イメージとして示した量です。
これは書籍のレシピそのものですか?
Rituparna RoyのCondé Nast Traveller Indiaの記事に再掲されたレシピで、記事ではMinakshie DasGuptaの『Bangla Ranna: The Bengal Cookbook』に帰属するものとされています。書籍そのものは確認していません。海老1 kgが殻をむく前の重さか後の重さか、どの種類の海老を指すのかも書かれていません。
残りの保存や再加熱はどうしますか?
このレシピには、保存や再加熱の案内がありません。魚介類については、お住まいの国の食品安全当局の指針に従ってください。
















