ダベリ:ひとつのやわらかいパンに、内と外で違う食感を
パヴの内側と外側は、別々の仕事として分けて考えます。パヴの中には、スパイスのきいたじゃがいものフィリングと2種のチャツネを入れます。開いた3つの面には、sev、ピーナッツ、玉ねぎ、ザクロ、コリアンダーの衣をつけます。バターで焼くのは、その両方ができあがってからです。
グジャラート州観光局(Gujarat Tourism)は、カッチ地方のダベリ(Kutchi Dabeli)をグジャラートの料理として紹介しています。ゆでてつぶしたじゃがいもに特別なマサラを混ぜ、ladi pavに挟み、ザクロとローストピーナッツで仕上げて、タマリンド、デーツ、にんにく、赤唐辛子のチャツネと一緒に出す、という説明です。この短い紹介文に、料理の発想がすべて入っています。やわらかいパン、スパイスのきいた具、甘酸っぱいもの、にんにくの辛いもの、そして上にのせるシャキシャキした新鮮なものです。
このレシピは、その発想を8個分で一から組み立てたものです。ダベリマサラ、タマリンド・デーツチャツネ、赤いガーリックチャツネは手作りで、スパイスピーナッツはマサラで煎って作ります。家で作らないのは2つだけです。パヴ(小型のやわらかいパン)とsev(ひよこ豆粉の細い揚げ麺)は買ってくるベース材料にします。
作業は、はっきりした段階に分かれます。まず、冷ます時間が必要なタマリンド・デーツチャツネ。次にマサラ、ガーリックチャツネ、ピーナッツ。続いてポテトのフィリングです。最後に、パヴ1個ずつに具を詰め、2枚の衣の皿に順に押しつけて、両面が熱くカリッとするまで焼きます。
世界ごはん紀行では、このレシピを台所で試作していません。分量と時間は、レシピの著者が公開しているレシピから取りました。それらが幅で示していたり、記述どうしが食い違っていたりする箇所では、いくつか選択をしています。その選択は、下の背景の節とよくある質問で説明します。写真は各段階を示すイメージで、分量、時間、温度、安全性の裏づけにはなりません。
カッチ地方のダベリ:グジャラートの軽食と、このレシピのもと
グジャラート州観光局は、この料理をカッチ地方のダベリ(Kutchi Dabeli)として、グジャラートのカッチ地方に位置づけて紹介しています。インドのほかの料理はインドのページもご覧ください。この記事の資料からは、ダベリを誰がいつ考案したのか、名前がどう生まれたのか、グジャラート文字でどう書くのかは確認できません。そのため、表記はラテン文字のDabeliとKutchi Dabeliだけを使い、由来の物語は語りません。
このレシピは、Indian Healthy RecipesのSwasthi Shreekanthによるダベリのレシピに従っています。マサラ、赤いガーリックチャツネ、スパイスピーナッツ、ポテトのフィリング、2枚の皿での衣付け、フライパンでの焼きがそうです。タマリンド・デーツチャツネは、そのページからリンクされている同じ著者の別のチャツネのレシピを、コンロ用の圧力鍋で作る方法で作ります。Veg Recipes of IndiaのDassana Amitによるダベリは、比較のためだけに読みました。そちらは分量が違う別のレシピで、とくに玉ねぎをフィリングに入れて加熱します。その内容は一切混ぜていません。この版では、玉ねぎは加熱するフィリングには入れず、フィリングの鉢に散らし、各パヴの内側に挟み、2皿目の衣に使うだけです。
主となるレシピのページが幅で示している箇所や、本文の手順とレシピカードが一致していない箇所は、選ぶ必要がありました。
- ガーリックチャツネの甘み。 本文の手順ではジャグリー大さじ1と1/2〜2、レシピカードではジャグリーパウダー小さじ1〜1と1/2とあります。どちらかを推測で選ばず、両方が挙げている砂糖の代替を使い、この版では砂糖小さじ1にしました。タマリンド・デーツチャツネのジャグリー(1/2カップ、90〜100 g。ここでは100 gを使う)は別の材料で、そのまま使います。
- バター。 レシピカードには無塩バター合計大さじ1と1/2とあります。一方、手順にはフライパンにバターかギーを小さじ1〜2入れ、上にやわらかいバターを塗るとだけあり、上に塗る分は量が示されていません。この版は手順に従い、フライパン1回分につきバター小さじ1と、上に塗る分量不明のやわらかいバターにしました。この2つの記述は食い違ったままで、1個あたりの量や合計には直していません。
- 幅のある分量。 幅で示された分量は、下の値か中間の値を使いました。パヴ1個につきガーリックチャツネ大さじ1/2(大さじ1/2〜1から)、1層目のじゃがいも大さじ1と1/2(大さじ1と1/2〜2から)、フィリングの塩小さじ3/4(小さじ3/4〜1から)、タマリンドチャツネのチリパウダー小さじ1/2(小さじ1/2〜1から)です。ピーナッツには、手作りマサラにすでに黒塩が入っているので、塩は足しません。
インドの屋台料理なら、パヴ・バジやパーニープーリーを思い浮かべる方もいるでしょう。パヴ・バジもパヴを添えますが、野菜のバジを別に添えて食べます。パーニープーリーはタマリンドチャツネを使いますが、揚げた中空の殻に水状のたれを詰めます。ダベリはそれらとは別の料理で、フィリングと衣は、パンそのものを軸に組み立てられています。
この料理に使える食材・調味料
道具
- 6 Lのコンロ用圧力鍋(トリベット付き)
- 圧力鍋の中に入る、ふた付きの耐熱の内鉢
- つぶすためのスプーンと、目の細かいこし器
- タマリンド・デーツチャツネを入れる、ふた付きの清潔な容器
- マサラを煎るための乾いたフライパン
- マサラとガーリックチャツネを挽くグラインダー
- 小鍋、ざる、ポテトマッシャー
- ピーナッツとフィリング用のフライパンと、盛りつけ用の鉢
- パン切りナイフ
- 衣付け用の別々の皿2枚
- 焼き用のフライパンとへら
選び方と代用
じゃがいも、玉ねぎ、レモン、コリアンダー、ザクロ、にんにくなど、生鮮の材料の多くは特別な買い物が要りません。インド食材店や南アジア食材店で、名前を指定して探す価値があるものは次のとおりです。
- アムチュール(乾燥マンゴーパウダー)と黒塩(カーラナマック)。どちらもマサラとタマリンドチャツネに使います。
- カシミールチリパウダーと乾燥カシミール唐辛子。チリパウダーはマサラに、丸ごとの乾燥唐辛子はガーリックチャツネに使います。
- ジャグリーと種なしタマリンド。タマリンド・デーツチャツネに使います。
- sev。ひよこ豆粉で作る、細くてカリッとした揚げ麺です。
- パヴ。小型のやわらかいパンです。ディナーロールやバンズでも代用できます。
この版ではマサラも2種のチャツネも家で作るので、既製のダベリマサラや瓶入りのチャツネは買い物リストに入れません。
このレシピにはピーナッツとバターが入ります。パヴとsevの原材料は商品によって違うので、買う前にパッケージの表示で小麦、乳、そのほかのアレルゲンを確認してください。ここで紹介した商品や版が、特定のアレルゲンを含まないことは保証しません。
混ぜてはいけないものを分ける:このレシピでつまずきやすい点
ここでの失敗の多くは、混ぜてはいけないものを混ぜてしまうことから起こります。気をつけたいのは、水、皿、粉を入れるタイミングです。
| 項目 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 水 | 内鉢の水2カップ、圧力鍋の水1カップ、唐辛子の浸水用の水1カップ、粉砕用の水1/4カップ、じゃがいもをゆでる水、フィリング用の水1/2カップを、それぞれ分けておく | それぞれに役割がある。圧力鍋の水と唐辛子の浸水用の水は、どちらのチャツネにも入れない |
| 圧力鍋 | 圧力が自然に完全に抜けるまで、開けず、弁にも触れない | 内鉢を取り出す前に、完全に自然減圧する手順になっている |
| タマリンドチャツネの粉 | 5種類の粉は圧力をかけたあとに加え、少しのあいだふたをする | 粉は煮汁ではなく、仕上げの香りづけにあたる |
| チャツネの口当たり | つぶしたチャツネは目の細かいこし器に押し通す | 繊維や固形の粒を除くのは、こす作業だけ |
| 塩 | ピーナッツには塩を足さない | 手作りマサラにすでに黒塩が入っている |
| 玉ねぎ | 加熱するフィリングには入れない | この版では、玉ねぎは生の飾りだけに使う |
| 衣の皿 | 先にsevとピーナッツの皿で衣をつけ、次に玉ねぎ・ザクロ・コリアンダーの皿で衣をつける | 皿を混ぜると、2つの衣の違いがぼやける |
| 余った飾り | 皿に残る量は決まっていない | 「残り」「残りの半量」と書いたとおりに使い、ほかの用途は考えない |
著者が示す別のやり方
次の代替案は、著者のレシピに出てくるものです。どれも上の版には含まれていません。選ぶ場合は、基本の選択の代わりに使い、併用しないでください。
- ガーリックチャツネの唐辛子粉:乾燥唐辛子12本の代わりに、カシミールチリパウダー大さじ1を使えます。どちらか一方だけにします。
- スターアニスをやわらかくする:スターアニスの風味が強すぎると感じるなら、マサラには小さいスターアニスの半量を使います。
- タマリンドチャツネのガラムマサラ:ローストしたコリアンダーの粉小さじ3/4の代わりに、ガラムマサラ小さじ1/4を使えます。両方は使いません。
- タマリンドチャツネの別の作り方:著者は、Instant Potを使う方法(9〜10分加圧、自然減圧)と、コンロの鍋で煮る方法も挙げています。鍋で煮る方法には、ギー小さじ1/2、ヒング小さじ1/8、追加の水が付いてきます。それらはその方法専用で、圧力鍋の版には加えません。
- じゃがいもの別の加熱と焼きの別の方法:じゃがいもは、ゆでる代わりに圧力鍋で加熱する方法(高圧で10分、またはコンロ用圧力鍋でホイッスル3回)もあります。たくさん作る場合は、フライパンの代わりに、350°F/175°Cに予熱したオーブンで2分焼く方法もあります。
よくある質問
8個は8人分ですか?
いいえ。このレシピでできるのは8個です。これは個数で、人数ではありません。1人が何個食べるかは、お好みで決めてください。
時間はどのくらいかかりますか?
主となるレシピのページには、準備25分、加熱25分、合計50分とあります。リンク先のタマリンドチャツネのレシピには、15分、15分、30分とあります。これらは著者が別々に公開している数字です。主レシピの数字に、チャツネとマサラを一から作る時間が含まれているかどうかははっきりしないので、足し算して全体の所要時間とすることはしないでください。
チャツネは先に作れますか?
著者は、チャツネとマサラを前日に準備することを勧めています。タマリンド・デーツチャツネは、先に作る場合は清潔な容器に入れて冷蔵します(手順15)。著者のページには保存についての記述もありますが、この版については確認できていないので、保存日数は示しません。焼き上がったダベリは、焼いたらすぐに出します。
タマリンドチャツネは200 mlと3/4カップのどちらが必要ですか?
タマリンドチャツネのレシピは、できあがりを200 mlとしています。主となるレシピでは、タマリンドチャツネを3/4カップとし、フィリングに大さじ2、各パヴの内側に大さじ1ずつ使います。この2つの数字は別のレシピカードのものです。この記事では、どちらも書かれたとおりに載せ、一方をもう一方に換算したり、余りを計算したりはしません。
ガーリックチャツネは、なぜジャグリーではなく砂糖ですか?
主となるページの手順とレシピカードで、ジャグリーの量が食い違っています(大さじ1と1/2〜2と小さじ1〜1と1/2)。どちらかを選ぶ代わりに、両方が触れている砂糖の代替、小さじ1を使いました。タマリンド・デーツチャツネには、そのままジャグリーを使います。
バターは合計でどのくらい必要ですか?
確認できた合計量はありません。レシピカードには無塩バター大さじ1と1/2とありますが、手順にはフライパンに小さじ1〜2と、上に塗る量不明のやわらかいバターとあります。この版は手順に従い、フライパン1回分につき小さじ1と、上に塗る少量のやわらかいバターにしました。1回のフライパンに何個入るかは示されていないので、量を掛け算して合計は出していません。
パヴとsevは自分で作る必要がありますか?
いいえ。どちらもベース材料として挙げられているので、このレシピでは市販のパヴ(またはディナーロールやバンズ)とsevを使います。アレルゲンはパッケージの表示で確認してください。
栄養成分は分かりますか?
著者のレシピカードには栄養成分の数値がありますが、バターの量など、この版で選んだ内容に合わせて計算されたものではないため、ここには載せていません。





































































