温かいカルダモンのミルクを吸うパン
パンは全面がきつね色でカリッとするまで焼き、ミルクは沸かさずに温め、二層に重ねたら弱火のまま返さずに吸わせます。こうすると、三角形のパンが形を保てます。
白い食パンの三角形が、薄く引いたギーの中できつね色になっていきます。同じ鍋でアーモンドが色づき、続いてカシューナッツとピスタチオも炒めます。その間に、コンデンスミルクと牛乳を混ぜ、カルダモンパウダーとサフランをひとつまみ加えて、厚底の鍋でそっと温めます。焼いたパンを温かいミルクの上に二層に重ね、ナッツとローズウォーターをのせたら、鍋をもう一度弱火にかけて、パンがミルクを吸いきるまで待ちます。
これがこのレシピの台所の情景です。作り方は、Dassana's Veg RecipesでDassana Amitが公開しているダブル・カ・ミータ(double ka meetha)に沿っています。ダッサナ・アミットは、これを伝統的な方法ではなく、手早く作れるように手を加えた自分の家庭版として紹介しています。通常は使うというラブディー(rabdi、牛乳を煮詰めたもの)の代わりにコンデンスミルクを使い、パンは揚げずにタワで焼き、シャヒ・トゥクダ(shahi tukda)に結びつけているシュガーシロップは省きます。伝統的な作り方は別だと、はっきり書いています。
つまりこれは、ハイデラバード風のパンのデザートの一つの家庭版であって、唯一の作り方ではありません。ほかの文献には、牛乳を煮詰めてラブリ(rabri)にする、パンを揚げる、シュガーシロップに浸す、蓋をして弱火で仕上げる、といったレシピがあります。それらは後ほど比べますが、材料や分量はこのレシピに混ぜていません。レシピカードは3人分で、準備15分・加熱15分という目安は著者の見積もりです。あくまで著者の目安として見てください。
世界ごはん紀行では、このレシピを台所で試作していません。以下の分量と工程は、公開されているレシピにできるだけ忠実に従っています。各工程では時間よりも、パンがきつね色になったか、ミルクが沸いていないか、ミルクがパンに吸われたかという状態で判断してください。
ほかの料理は、インドのページもご覧ください。
この料理に使える食材・調味料
道具
- まな板と包丁
- タワか厚底のフライパン(パンを焼き、ナッツを炒める用)
- 平らなヘラ
- 焼いたパンと炒めたナッツをそれぞれ置く皿
- ボウル
- 泡立て器かスプーン
- 厚底の鍋(ミルク液を温め、最後に煮る用)
- ローズウォーター用の小さじ
- 盛りつけ用の器
選び方と代用
ギー、カルダモンパウダー、サフラン、ローズウォーターは、それぞれ一般名で探してください。サフランは「kesar」でも探せます。
- パン:このレシピでは、耳をつけたままの大きな白いサンドイッチ用食パンを使います。薄切りで小さいものなら、枚数が増えます。決まった枚数はないので、鍋に二層に並べられる量を目安にしてください。
- ギー:パンを焼くときもナッツを炒めるときもギーを使います。ほかの油脂には替えないでください。
- サフラン:糸状の本物のサフランを使います。黄色い食用色素は別のもので、ここでは代わりになりません。
- カルダモン:粉末のカルダモンを使います。ホールのさやには替えないでください。
- ローズウォーター:料理用の、ふつうのローズウォーターを使います。ローズ風味の飲み物やシロップではありません。手に入らなければ省けますが、仕上がりの香りは変わります。
うまくいかないとき
時計ではなく、各工程でのパンとミルクの状態を目安にしてください。
| 見た目 | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| パンがまだらにきつね色で、ほかは柔らかい | すべての面が鍋に当たっているか | 全体が均一にカリッとするまで数回返し、鍋が乾いていればギーを少し足す |
| ナッツが一度に色づき、焦げすぎるものがある | まとめて入れていないか | まずアーモンドだけ、その後にカシューナッツとピスタチオを炒め、できたものから順に取り出す |
| ミルク液が激しく泡立つ | 鍋の下の火 | 弱火のまま、温まったらすぐ下ろす。沸騰させない |
| 最後に煮ているとき、ミルクが底に焦げつく | 鍋 | 厚底の鍋を使い、火を弱く保つ |
| パンの三角形が崩れる | ミルクの中でパンを返したり混ぜたりしていないか | ミルクが吸われるまで、層をそのままにしておく |
ハイデラバードの食卓と、ダブル・カ・ミータという名前
名前の中身は、パンと甘さです。Rekhta Dictionaryは、double-roTiiを「パン」「食パン」と載せ、miiThaaには甘い味や甘い菓子などの意味を載せています。ダッサナ・アミットも、名前を同じように、パンで作る甘いものとして説明し、double rotiを西洋式パンの呼び名としています。これらの資料が説明するのは、いまの言葉の意味です。パンがいつ、なぜdouble rotiと呼ばれるようになったかは示していません。現地の文字での料理名の確かな表記も確認できませんでした。
この料理が出てくる場面は、いくつかの資料に見られます。NDTV Foodの2018年の記事(Sushmita Sengupta)は、ダブル・カ・ミータをイードの集まりや結婚式、パーティーで作るハイデラバードの菓子として紹介しています。Farida's Cook Bookは、ラマダンとイードのメニューとして自分の版を紹介し、著者は祖母から教わったと書いています。これは著者自身の家族の話で、一般的な決まりではありません。The Indian Expressの2025年3月の記事(Rahul V Pisharody)は、ハイデラバードの甘い食べ物の一つとして挙げています。同じ記事は、この街の食文化を移住と変化の物語として語っています。これらをあわせると、祝いの席にも日常にもある料理だとわかりますが、ひとつの行事だけに結びついた料理だとは、どの資料も示していません。
街の食の歴史は、別の資料から見えてきます。Sahapediaの記事で、歴史家のAmanda Marie Lanzilloは、ハイデラバード料理を歴史的な料理書からたどっています。19世紀の料理書が宮廷の料理の知識をより広い読者に伝えたこと、1857年以降にデリーやラクナウなどから料理人が移り住んだことを述べています。ただし、この記事はダブル・カ・ミータそのものには触れていません。街の料理の背景であって、この料理の起源の物語ではありません。ここで挙げた資料のどれも、この料理がいつ、どこで生まれたかは示していません。
ダブル・カ・ミータとシャヒ・トゥクダの関係は、資料によって語り方が違います。ダッサナ・アミットは、2つを別の料理として扱い、シュガーシロップはシャヒ・トゥクダに結びつけています。NDTVの記事では、シェフのSadaf Hussainが、パンの厚みが違うだけの近い親戚として説明しています。資料の見方が分かれているので、この記事では2つの間に普遍的な線は引きません。
よくある質問
このレシピは、Dassana Amitが手を加えた、コンデンスミルクとフライパンで焼いたパンを使う手早い版です。以下の答えの多くは、どの版を作るかによって変わります。
ダブル・カ・ミータはシャヒ・トゥクダと同じですか?
資料の見方が分かれています。この記事が従うDassana Amitは、2つを別の料理として説明しています。NDTV Foodで引用されているシェフのSadaf Hussainは、パンの厚さが違うだけの近い親戚と呼んでいます。この記事はDassana Amitの版を作るもので、すべての台所に通じる決まりがあるとは言いません。
ラブリを作る必要はありますか?
この版では不要です。ここでは、加糖コンデンスミルク1/2カップと牛乳1.5カップを混ぜたものが、ラブリの代わりになります。Farida's Cook Bookのラブリを使うレシピは、別の方法の別の版です。
パンは揚げるべきですか?
この版では、ギーでフライパンで焼いて、きつね色にカリッとさせます。Dassana Amitは、深く揚げる、浅く揚げるという別のやり方にも触れていますが、この記事では使いません。
ローズウォーターは必要ですか?
材料カードでは「あってもなくてもよい」とされていますが、番号つきの方法では小さじ1を使います。この記事は方法に従っています。省いても料理としては成り立ちますが、香りは変わります。
サフランの代わりに黄色い食用色素を使えますか?
このレシピではできません。糸状の本物のサフランを使うレシピです。Farida's Cook Bookに載っている黄色い食用色素は、別の版の別の材料です。
どのくらい時間がかかりますか?
Dassana Amitは、準備15分、加熱15分、合計30分と書いています。これは著者自身の見積もりで、世界ごはん紀行で時間を計ったわけではありません。時計ではなく、パンがミルクを吸ったかどうかで仕上がりを判断してください。
どのくらい日持ちしますか? 栄養は?
Dassana Amitは、冷蔵庫に数日置けると触れていますが、それ以上の保存条件は示していません。これは著者の一言であって、試験された食品安全上の期間ではありません。ページには栄養成分の表もありますが、1人分か全量かを確認できていないため、ここには載せていません。






























