ケララ風フィッシュフライ:丸ごと1尾の魚、赤いスパイスのたれ、熱い油
皮に浅い切り目を入れた、下処理済みの丸ごと1尾の魚。しょうがにんにくペースト、シャロット、酢、粉末スパイスの短いマリネ。米粉の薄い衣。ココナッツ油と植物油での深揚げ。皿には赤玉ねぎ、パクチー、ライムを添えます。それ以外は加えません。
Food Networkに載っているこのレシピの前書きで、シェフのManeet Chauhanは大学時代を振り返っています。海辺で食べた手頃な揚げ魚の一皿と、駅の近くで魚を揚げる匂いに引き寄せられたことです。これは本人の思い出であり、この記事の出発点です。ケララの人びとが皆そうして揚げ魚を食べている、という話ではありません。
この記事が従うのは、Food Networkに載っているManeet Chauhan名義の「Kerala Fish Fry」です。『Chaat』(Maneet Chauhan、Jody Eddy著、Clarkson Potter、2020年)から翻案・再録されたレシピで、分量も順序も時間も、そのまま守ります。4人分で、下処理済みのレッドスナッパー約1ポンド(約450g)を1尾使います。Food Networkの表示では、30分の冷蔵マリネを含めて全体で約1時間5分、手を動かす時間は35分です。
このレシピは、世界ごはん紀行編集部の台所ではまだ試作していません。
作り方は短いのに、ところどころ細かく決まっています。皮の両面に浅い切り目を3〜4本ずつ入れて、たれをなじませます。魚は冷蔵庫で休ませ、米粉を薄くまとわせ、バーナーを中火に下げる前に350°Fまで熱した油へ入れます。揚げたら油を切り、もう一度塩を振って熱いうちに出します。
ケララの魚料理のなかの、ひとつのレシピ
ケララの魚料理は1つの料理ではありません。州政府の観光サイトKerala Tourismは、フィッシュ・マッパス、フィッシュ・モイリー、エビのチリフライ、焼き魚など、さまざまな魚料理を紹介しています。載せているレシピは州内の家庭から集めたものだとも書かれています。その幅のなかでこの料理は、あくまで料理書に載ったケララ風の一例として読むのがよく、「本場の正統な作り方」でも「インドを代表する魚のフライ」でもありません。Food Networkのページには、この料理がいつどこで生まれたかは書かれていないため、この記事も起源については何も述べません。
魚のカレーであるフィッシュ・モイリーとは、はっきり違います。こちらは魚をソースで煮ません。丸ごとマリネして、衣をつけて揚げます。同じ国のほかの料理も見てみたい方は、インドのほかの料理もどうぞ。
Chauhanの前書きには、ケララではキングフィッシュがよく選ばれるとあります。ただ、レシピの材料欄に載っているのはレッドスナッパーです。この記事ではレッドスナッパーを基本の魚とし、ほかの魚は選択肢として扱います(「選び方と代用」を参照)。
この料理に使える食材・調味料
道具
- 小型のフードプロセッサー
- よく切れる包丁と、丸ごとの魚をのせるトレーかまな板
- 魚を冷蔵庫に入れておくためのボウル
- ダッチオーブンなどの大きな厚手の鍋
- 瞬間温度計
- 米粉を入れる浅いボウル
- 魚を返すための長いヘラなど
- ペーパータオルを敷いた皿
選び方と代用
ここに挙げる選択肢は、どれも手順の順序を変えません。
- 魚。 基本は、下処理済みのレッドスナッパー約1ポンドの丸ごと1尾です。ほかに、ケララで人気のキングフィッシュや、身のしっかりした白身魚(ハリバット、タラ、ヒラメ類、ティラピア)も選べます。魚を替える場合も、同じくらいの大きさの下処理済みの丸ごとの魚にしてください。そうすれば、皮の浅い切り目と12〜15分の揚げ時間が、鍋の中で起きることと合います。切り身は対象外です。使う場合は独自のアレンジとなり、揚げ時間の目安もありません。
- 油。 ココナッツ油の代わりに植物油だけでも作れますが、ココナッツの南国らしい香りはなくなります。精製ココナッツ油はくせが少なく、未精製のココナッツ油は香りが強く出ます。変わるのは香りで、手順は変わりません。
- 唐辛子パウダー。 カシミール唐辛子パウダー、または別の赤唐辛子パウダーを使います。複数のスパイスを混ぜた調味料は別物なので、ここでは勧めません。
- しょうがにんにくペースト。 市販のしょうがにんにくペーストを使います。
- 米粉。 1/4カップのままにします。小麦粉、でんぷん、パン粉ではなく米粉を使います。
カレーリーフ、ココナッツミルク、タマリンド、ごはん、ソースは加えません。
うまくいかないときの見直し
以下は確認の目安であり、結果を保証するものではありません。
| 見えること | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| 小麦粉をひとつまみ落としても音がしない | 油が、小麦粉で確かめる目安にまだ届いていない | 中強火のまま熱を続け、温度計かもうひとつまみの小麦粉で確かめ直す |
| 油とマリネが強くはねる | 扱い方と油の深さ | 鍋の縁より上に手を保ち、魚はゆっくり下ろす。次回は大きな厚手の鍋で、油を合計約3インチに測って入れる |
| 魚に粉が厚くついている | 余分な粉を落としていない | 揚げる前に魚を持ち上げ、ボウルの上で振って、薄くついた状態にする |
| 12〜15分で表面はきつね色だが、中の火通りが不安 | 魚の大きさや器具によって必要な時間が変わる | 別の安全基準で確かめる。ほとんどの魚介は中心が145°Fに達するのが目安。350°Fの油の温度を、魚が焼けた証拠と読み替えない |
| 魚が約1ポンドよりかなり大きい、または薄い | 記載の時間は、その程度の大きさの丸ごとの魚の時間 | 記載の大きさに近い丸ごとの魚を選ぶ。大きさが違うときは、時計より中心温度の確認を頼りにする |
生の魚の扱いと保存
揚げた魚の保存期間はここでは示しません。以下の衛生管理を守ってください。
- 2日以内に使う魚は、40°F以下で冷蔵します。そうでなければ冷凍します。
- 生の魚は、添えて出す赤玉ねぎ、パクチー、ライムなど、そのまま食べるものから離しておきます。
- 生の魚を扱った後は、手、まな板、道具、調理台を洗います。
- 傷みやすい食品は、冷蔵庫の外に2時間以上置かないでください。気温が90°Fを超えるときは1時間までです。
このレシピの範囲でできる変更
下の変更では、魚、油、唐辛子のいずれか一つを選びます。丸ごとの魚、皮の切り目、冷蔵のマリネ、米粉の衣、揚げる順序はそのままにしてください。
| 選択肢 | 変わること | 変わらないこと |
|---|---|---|
| レッドスナッパー(材料表のとおり) | なし | すべて |
| キングフィッシュ | 魚の種類。ケララで人気の魚 | 下処理済みの丸ごとの魚、すべての工程 |
| ハリバット、タラ、ヒラメ類、ティラピア | 魚の種類。身のしっかりした白身魚から選ぶ | 同じくらいの大きさの丸ごとの魚、すべての工程 |
| 植物油だけ | ココナッツの南国らしい香りがなくなる | 油の深さ、温度、時間 |
| 精製または未精製のココナッツ油 | 精製はくせが少なく、未精製は香りが強い | ほかのすべて |
| カシミール唐辛子の代わりに別の赤唐辛子パウダー | 唐辛子パウダー | すべての分量と工程 |
よくある質問
本当に丸ごとの魚が必要ですか?
このレシピは、約1ポンドの下処理済みの丸ごと1尾の魚のために書かれています。皮の切り目、途中で返すこと、12〜15分の揚げ時間は、すべてその魚を前提にしています。切り身は対象外です。試す場合は、切り身の時間の目安が示されていないため、自分なりのアレンジとして扱ってください。
レッドスナッパー以外の魚でも作れますか?
このレシピが認める範囲でなら作れます。Chauhanの前書きでは、ケララではキングフィッシュが人気と触れられ、ハリバット、タラ、ヒラメ類、ティラピアなどの身のしっかりした白身魚も使えるとされています。同じくらいの大きさの丸ごとの魚を選んでください。
油が2種類なのはなぜですか?
ココナッツ油は南国らしい香りのために使い、そこへ植物油を足して揚げに必要な深さにします。前書きは植物油だけでもよいとし、その場合はココナッツの香りがなくなると述べています。精製ココナッツ油はくせが少なく、未精製は香りが強く出ます。
350°Fなら魚の中まで火が通りますか?
通るとは言えません。350°Fは魚を入れる前の油の温度で、揚げる前に火は中火に下げます。魚の中心については、FDAがほとんどの魚介で中心温度145°Fを別の基準として示しています。
この料理にマラヤーラム語の名前はありますか?
揚げ魚を指すマラヤーラム語の名前はネット上に出てくることがありますが、このレシピに当てはまるかを確かめたものがないため、この記事ではレシピ自身の題「Kerala Fish Fry」だけを使っています。
何を添えて食べますか?
このレシピでは、熱いうちに赤玉ねぎの薄切り、パクチーのみじん切り、ライムのくし形切りを添えます。ごはんもカレーもソースも指定されていません。





















