ジャガンナート・バッラバ:炒った小麦粉とギー、糸を引くシロップ
粉はギーで薄い茶色になるまでだけ炒め、シロップは細い糸が1本落ちる濃さまで煮詰め、生地が鍋の中央に1つの塊になったら混ぜるのをやめます。
厚手の鍋でギーが溶け、全粒小麦粉を入れると、淡い色の粉がゆっくり薄茶色に変わり、台所に香ばしい匂いが広がります。別の鍋では砂糖と水を煮詰め、すくったシロップが細い糸を1本引いて落ちるところまで進めます。そのシロップにクローブ、ナツメグ、カルダモンを加え、炒った粉を合わせると、数分で鍋肌から離れて柔らかな1つの塊になります。油を塗った皿に広げ、冷まして小さな四角に切れば、ジャガンナート・バッラバ(Jagannath Ballabha、Jagannath Ballavとも表記)の出来上がりです。
この名前はオディシャ州のプリと結びついています。プリのジャガンナート寺院に関わるマハープラサード(供物)の一覧に、ジャガンナート・バッラヴの名が出てきます。この記事は寺院の厨房を再現するものではありません。ジャガンナートにちなむ料理を集めた個人のレシピサイト「Nirmalya」に載っている家庭向けのレシピを下敷きに、小麦粉・ギー・砂糖でつくる素朴な家庭版にまとめました。寺院の公式レシピではなく、プリで供えられるものと同じ味になるとも言いません。
このレシピは世界ごはん紀行では試作していません。 分量、時間、見た目の目安は公開されているレシピによるもので、編集部の判断として、次の2点を明記します。
- 粉: 元のレシピは「小麦粉」とだけ書き、種類を指定していません。ここではインドの全粒小麦粉(アッタ)を使います。ほかの小麦粉では同じ仕上がりになるとは限りません。
- カルダモン: 元のレシピは材料にカルダモンパウダー小さじ1を挙げていますが、入れるタイミングを書いていません。ここでは弱火のシロップに、クローブとナツメグと一緒に加えます。この順序は編集部の判断で、著者の指示ではありません。
元のレシピにある選択肢のうち、ギーは3/4カップ(3/4〜1カップの範囲)、砂糖はグラニュー糖(砂糖または氷砂糖)を選びました。仕上げ用として勧められている追加のギー大さじ1〜2は入れません。同じ国の料理はほかにも紹介しています。インドのページもご覧ください。
ジャガンナート・バッラバは、同じ供物の伝統にあるハンサケリとよく混同されます。ハンサケリはウラド豆のペーストと米粉を材料に、ギーで揚げて作ります。バッラバは豆を使わず、揚げません。小麦粉をギーで炒め、砂糖シロップでまとめる菓子です。名前の似たゴパーラ・バッラバは、1日のうちの特定の時刻に供える一連の供物を指す呼び名で、この1つの菓子のことではありません。
この料理に使える食材・調味料
道具
- 粉をギーで炒めるための、厚手のカダイまたは厚手の片手鍋
- シロップ用の、別の片手鍋
- 耐熱のヘラ
- シロップの確認に使う、耐熱の(金属の)スプーン
- 皿にギーを塗る小さな刷毛か道具
- 耐熱の浅い皿か金属のトレイ
- 切るための包丁
選び方と代用
粉。 ここで使うのは、インド食材店や南アジア食材店で売られている全粒のアッタです。薄力粉や中力粉のような小麦粉も小麦粉ですが、アッタとは性質が違います。使う場合は、同じ仕上がりではなく、色や食感が変わると考えてください。
ギー。 この菓子の香りはギーが担うので、きちんと用意する価値があります。無塩の澄ましバターで代用できますが、香りは変わります。ふつうの溶かしバターは水分と乳固形分が残っているため、同量で置き換えられるわけではありません。ギーの量は3/4カップから1カップまでの幅があり、この記事では3/4カップです。
砂糖。 ここではグラニュー糖を使います。シロップには氷砂糖という選択肢もありますが、溶け方が違うので、完全に溶けてからシロップの状態を判断してください。
香辛料。 クローブはホールのまま使います。カルダモンとナツメグはパウダーです。
糖蜜ではなく砂糖シロップ。 生地をまとめるのは、砂糖と水だけで作る単純なシロップです。糖蜜や黒砂糖系の製品に置き換えないでください。別の菓子になってしまいます。
粉が焦げた、生地がゆるい、切ると崩れる:確認したいこと
シロップの正確な温度は示されていないので、以下の確認は目で見える状態を頼りにします。見極めの目安であって、仕上がりの保証ではありません。
| 見える状態 | 見るところ | 対処 |
|---|---|---|
| 粉に黒っぽい部分や黒い点がある、または焦げた匂いがする | 火が強すぎる、または粉が鍋底で動かなかった | 弱〜中火で炒め、ヘラを動かし続けます。厚手の鍋を使います |
| 約5分たっても粉が淡い色のまま | 火がかなり弱い、または鍋が薄い | 時間ではなく、薄茶色と香ばしい匂いで判断して炒め続けます |
| シロップが糸を引かない | まだ煮詰めきれていない | 煮続け、耐熱のスプーンに少量とってもう一度確かめます |
| 一本糸になってから長く待ってしまった | 炒めた粉の準備が間に合っていなかった | シロップが一本糸になる前に粉、香辛料、油を塗った皿をそろえ、すぐあとに合わせます |
| 生地がゆるく、まとまらない | 混ぜる時間が足りない | 弱火で、鍋肌から離れて中央に集まるまで混ぜ続けます |
| 切ると崩れる | 冷める前に切った | 切る前に、広げた生地をしっかり冷まします |
食べ方と保存

四角に切った菓子は、小さな皿にそのまま盛ります。この版にはナッツも食用色素も飾りもありません。目に入る暗い粒はホールのクローブだけなので、食べるときに取り除くのがよいでしょう。
この菓子に特有の保存の案内はありません。冷ましてから蓋つきの密閉容器に入れ、早めに食べてください。日数は示しません。
プリのジャガンナート・バッラバ
オディシャの海沿いの町プリには、ジャガンナート寺院があります。そこで供えられる食べ物はマハープラサードと呼ばれます。プリの地域案内サイト「Puriwaves」は、ボーガ・マンダパの供物(販売もされる供物)の一覧にジャガンナート・バッラヴを挙げています。「Odiapedia」のマハープラサードの概説は、ジャガンナートに供える菓子の1つとしてジャガンナート・バッラバを挙げ、供物名の一覧は資料によって違いがあるとも述べています。
こうした一覧からわかるのは、この名前がプリの供物の伝統に含まれているということです。レシピや配合は示していません。 ここで従ったレシピは、ジャガンナートにちなむ家庭料理を集めたサイト「Nirmalya」のもので、家庭の一例として読んでください。寺院の厨房の配合や儀礼上の位置づけと一致するとは言いません。
この家庭版の構造ははっきりしています。ギーで炒めた小麦粉、クローブとナツメグで香りをつけた砂糖シロップ、そして短い最後の混ぜで生地をまとめ、広げて切る、という流れです。材料にはカルダモンパウダーも挙がっていますが、作り方には入れる時点が書かれていません。弱火のシロップにほかの香辛料と一緒に入れるのは編集部の補足で、著者の工程ではありません。一本糸という目安はレシピ自体のものです。耐熱のスプーンで確認するのは、熱いシロップを素手で試さずにすむようにするための、編集部の安全上の提案です。
よくある質問
ジャガンナート・バッラバとハンサケリは同じものですか?
いいえ。どちらもジャガンナートの供物の伝統に属しますが、ハンサケリはウラド豆のペーストと米粉をギーで揚げて作ります。ここで作るジャガンナート・バッラバは、小麦粉をギーで炒めて砂糖シロップで固めたものです。
これは寺院のレシピですか?
いいえ。寺院の運営団体ではなく、個人のレシピサイト「Nirmalya」に載っている家庭向けレシピに従っています。プリの供物の一覧には名前が出ていますが、レシピは載っていません。そのため、寺院の配合だとも、同じ味になるとも言いません。
何個できますか?
レシピには書かれていません。皿の大きさも厚みも示されていないので、できあがりの数は書いていません。固まった生地を、好きな大きさの小さな四角に切ってください。
どの粉を使えばよいですか?
レシピには「小麦粉」とだけあります。インドの全粒粉アッタを選んだのは編集部の解釈です。ほかの小麦粉では、色や食感が変わることがあります。
カルダモンをシロップに入れるのはなぜですか?
レシピは材料にカルダモンパウダー小さじ1を挙げていますが、入れる時点を書いていません。ここでは弱火のシロップに、クローブとナツメグと一緒に入れています。これは編集部の補足で、そのように明記しています。
ギーを増やしたり、最後に足したりしてもよいですか?
公開されているレシピは、ギーを3/4〜1カップの範囲とし、生地が鍋の中でまとまったあとに追加で大さじ1〜2を足してもよいとしています。この記事は3/4カップで作り、追加は入れません。皿に塗るごく少量のギーは、塗るためだけの別の量です。
ギーの代わりにバターを、砂糖の代わりに氷砂糖を使えますか?
無塩の澄ましバターはギーの代わりになりますが、香りは違います。ふつうの溶かしバターを同量で置き換える根拠はありません。氷砂糖はレシピでは砂糖の代わりとして認められていますが、溶け方が違うので、完全に溶けたのを確かめてからシロップの糸を見てください。
どのくらい日持ちしますか?
レシピは保存期間を書いていません。ギーや砂糖の量から日数を見積もることもしません。冷ましてから蓋つきの密閉容器に入れ、早めに食べてください。































