カチョリ:粗挽きのスパイス豆餡を包んだ、さくさくの殻
小麦粉にギーを擦り込んで作るさくさくの殻。ペーストにならない、粗く挽いた黄色いムング豆の餡。そして、外側が黄金色でかりっとするまで、弱火〜中弱火でじっくり揚げること。
カチョリは、スパイスを効かせた餡を小麦粉の生地で包み、丸い円盤にして揚げたものです。ここで紹介する版の餡は、皮をむいて割った黄色いムング豆(ムングダル)。浸水してよく水を切り、水を加えずに粗くパルスで砕いてから、ギーで温めたドライスパイスと合わせます。生地でこの餡の小さな球を包み、中厚の円盤に整え、外側だけが先に色づかないようゆっくり揚げて殻を黄金色にかりっと仕上げます。
カチョリは決まった一つの料理ではなく、地域ごとに餡の違うさまざまな型があり、この記事も発祥の地を一か所に特定しません。ここで作るのは、レシピの作者が北インド、ウッタル・プラデーシュのものと分類しているカスタ(さくさくと層のようにほろりとほどける)ムングダル・カチョリです。同じ国の料理はインドのページもどうぞ。
このレシピは世界ごはん紀行の台所で試作したものではありません。分量と手順は、参考文献に挙げた公開済みの家庭向けレシピ1本に沿っています。生地を30分休ませる時間と、豆を2時間浸水する時間を見込んでおいてください。
このレシピについて:選んだもの、選ばなかったもの
ここでは、Dassana's Veg Recipes に掲載された Dassana Amit の「Kachori Recipe (Khasta Kachori With Moong Dal)」に沿って作ります。このページ自体が地域ごとの数種類のカチョリに触れていて、レシピカードでは今回の型を北インド、ウッタル・プラデーシュに分類しています。一つのレシピを代表型として採ることで、複数の人の作り方を混ぜず、分量と手順を最初から最後まで一貫させました。
そのレシピのうち、この記事で次のように扱った点があります。
- ギーで統一。 レシピカードではギーか油のどちらでもよいとされていますが、この記事では生地にも餡にもギーを使い、迷わないようにしました。
- フェンネルは粗く砕いた種。 フェンネルパウダーでもよいとされていますが、この版では砕いた種を使います。
- アサフェティダ(ヒング)。 手順にはヒングひとつまみが出てくるのに、レシピカードの材料欄にはありません。ここでは同じひとつまみを材料表に載せて手順でも使い、買い物のときに抜けないようにしました。ほかのレシピの分量は持ち込んでいません。
- 水の量。 カードの表記は「1/2カップ、または必要に応じて加える」です。この数字は目安であって上限ではなく、全部を使うとは限りません。作り方では水を少しずつ加え、生地の手ざわりで調整します。
- できあがりの個数。 レシピカードは12個、手順の説明は約9〜10個と書いていて、食い違っています。そのためこの記事では個数を断定せず、1個あたりの栄養価も示しません。実際にできた餡の球の数に合わせて生地を分けてください。
比較のために、Recipes in Hindi の Dolly Singh によるラージャスターン風ムングダル・カチョリも見ました。マイダ250g、ムング豆200g、ギー50g、しょうがとにんにくのペースト、別の組み合わせのスパイスを使い、豆を乾煎りして冷ましてから粗く挽き、水を混ぜてまとめる別の作り方です。カチョリが作り手によってどれほど違うかがわかりますが、この記事の分量や手順には混ぜていません。
この料理に使える食材・調味料
選び方と代用
- 全粒の緑のムング豆ではなく、黄色い割り豆を。 餡は、粗くふぞろいに挽ける皮なしの黄色い割り豆が前提です。皮つきの緑のムング豆は別の食材で、ここでは使いません。
- 生のしょうがではなく、乾燥しょうが粉(サウント)を。
- レモン汁ではなく、ドライマンゴーパウダー(アムチュール)を。
- スパイスは順番どおりに。 粉スパイスは温めたギーに1種類ずつ加えます。始める前に、小さな容器へ1種類ずつ量り分けておくと慌てません。
道具
- 大きめのボウル
- 水で湿らせたきれいな布
- 浸水用のボウルと、水切り用の目の細かいざる
- パルスのできる小型のグラインダーかブレンダー
- 餡を作る小鍋とヘラ
- 餡を冷ます皿
- きれいな板と、包丁かスケッパー
- めん棒
- 成形したカチョリを並べるトレー
- 揚げ用のカダイ、または深くて厚手の鍋
- 穴あきお玉
- ペーパータオル
うまくいかないときは
| 気づくこと | 確認すること | 対処 |
|---|---|---|
| 生地が乾いている | 水が足りない | 水を少し足してこね直す |
| 生地がべたつく | 生地がべたついている | 粉を少しこね込む |
| 試しの生地片がゆっくり安定して浮かない | 油がまだ適した状態ではない | 弱火〜中弱火の範囲で火加減を調整し、カチョリを入れる前にもう一度試す |
| 鍋の中でカチョリ同士がぶつかる | 一度に入れすぎている | 鍋の大きさに合う少なめの量に分けて揚げる |
食べ方、添え物、作りたてについて
このカチョリは、揚げたてのまま何も添えずに温かく食べます。何も添えなくてもレシピとして完結しています。何か添えたいときは、チャツネ、揚げた唐辛子、ヨーグルトを好みで横に置いてもかまいませんが、いずれもこのレシピには含まれません。
カチョリは作りたてを食べるものとして紹介しています。この記事では保存期間も、半分だけ揚げて後で仕上げる方法も案内しません。一般的な台所の衛生は守ってください。手と道具を清潔にし、調理を途中で中断するときは食品を冷蔵庫に入れ、食べ物を室温に長時間置かないようにします。
よくある質問
このレシピで何個できますか?
この記事が沿っているレシピは、カードに12個、手順の説明に約9〜10個と、2通りの数を書いています。食い違っているため、できあがりの個数や1個あたりの栄養価は示しません。作った餡の球の数に合わせて、生地を分けてください。
材料表にヒングがあるのはなぜですか?
もとにしたレシピでは、手順の中で餡にヒングひとつまみを加えるのに、材料欄にはヒングがありません。この記事ではその同じひとつまみを材料表に載せて、両者をそろえました。ほかのレシピの分量は使っていません。
水1/2カップが最大ですか?
いいえ。もとのレシピは水を「1/2カップ、または必要に応じて加える」としています。少しずつ加え、生地がなめらかでやややわらかめからやわらかめになったところで止めます。乾いていれば水をもう少し、べたつくなら粉を少し足してください。
油の温度は何度にすればよいですか?
数値の温度は示していません。弱火〜中弱火で油を温め、ごく小さな生地片を落としてみてください。ゆっくり、一定に浮いてくれば準備完了です。揚げ時間の7〜9分は大まかな目安にすぎないので、黄金色でかりっとした表面を見て判断し、油が熱いあいだは鍋のそばを離れないでください。
作り置きや、残りの保存はできますか?
この記事で扱うのは、揚げたてを温かく食べるカチョリだけです。保存期間や、半分だけ揚げておく方法は案内していません。参考文献に挙げたラージャスターン風の比較レシピには1週間保存できるという記述がありますが、独立した安全性の根拠で確認できていないため、ここでは使っていません。
緑のムング豆(皮つき)でも作れますか?
この版では使えません。餡は皮をむいて割った黄色いムング豆を使い、このカチョリに欠かせない粗い黄色の粒に挽きます。
これが本場のカチョリですか?
どれか一つが本物、というものではありません。カチョリは地域ごとに餡の違うさまざまな型があります。ここで紹介したのは、レシピの作者が北インド、ウッタル・プラデーシュのものと分類しているカスタ・ムングダル・カチョリの一例で、「唯一の正解」としてではなく、わかりやすい代表として選んだものです。



























































