カッラッパム:発酵させた米、削りたてのココナッツ、平らな鍋
発酵は時間の上限を守ること、できあがった生地を室温に置いたままにしないこと、そして1枚ずつ中心まで焼き通すこと。きれいな焼き色がついていても、火が通った証拠にはなりません。
生米を水に浸して挽き、注げるくらいの厚みの生地にします。少量のイーストと砂糖を加えて発酵させ、おろしたココナッツ、にんにく、カレーリーフ、小玉ねぎを混ぜます。しばらく休ませたら、油を引いた鍋に弱火でレードル1杯分を流し、返して焼き色がつくまで焼きます。ケララ観光局が朝食のレシピとして紹介しているのがこのカッラッパムで、この記事で扱うのもこの版です。
このレシピは試作していません。 分量はケララ観光局のものです。レシピに書かれていない部分は、そのことと補い方を下で説明します。カッラッパムは、インドのページで紹介している数多くの料理のひとつです。
この記事のレシピのまとめ方
配合は、ケララ観光局のイースト版だけを使っています。ICAR–Central Rice Research Instituteが2015年に出した書籍にも同じ配合と手順が載っていますが、これは文面の確認に使っただけで、別の独立したレシピではありません。
この記事には、ケララ観光局ではなく編集部で決めた点が2つあります。
- 砂糖:レシピの材料欄は砂糖50g、イーストの活性化に10gを使うとしています。手順ではその後に50gを加えると書かれていますが、50gが合計なのか追加分なのかは書かれていません。この記事では50gを合計と読み、イーストに10g、生地に40gを入れます。これはレシピの記載ではなく、編集部の解釈です。
- クミン:どちらの資料も材料欄にクミンシード5gを挙げながら、入れる時期は書いていません。この記事では、発酵後にココナッツなどの香味材料と一緒に、ホールのまま加えます。
ケララ観光局は、香味材料を入れたあとに味をみて、塩と砂糖を調えるよう勧めています。生の生地を味見することはお勧めしません。代わりに、少量を中心まで焼き通してから味をみてください。
ケララ観光局のレシピには、浸水時間、挽くときの水の量、ココナッツの重さ、塩の量、発酵温度、裏面の焼き時間、イーストを溶く水の温度、できあがる枚数が書かれていません。足りない数値を作ることはしていません。目安や限度が必要な箇所は、次に説明するとおり他の資料から借りたものです。それ以外は、作る人の判断にゆだねます。
家庭での発酵:言えること、言えないこと
カッラッパム専用の公的な安全基準は見つかりませんでした。この記事の浸水、塩、発酵、保存、加熱の限度は、ドーサとイドリの生地についてBC Centre for Disease Controlが出している指針から借りています。見つかった中でいちばん近い公的資料ですが、この生地の安全を保証するものではありません。
この指針は、家庭の料理人ではなく、保健所の検査官や食品を扱う施設に向けて書かれています。対象は、米とケツルアズキで自然に発酵させる生地です。カッラッパムの生地はそれとは違い、ケツルアズキを使わず、砂糖が多く、イーストを加え、発酵時間は6〜8時間です。私たちが調べた範囲では、この配合のpHを測った資料はありません。指針が報告している酸性度にこの生地も達する、とは考えないでください。
発酵しても安全にはなりません。 酸っぱい味やにおいがしても同じです。膨らみ、泡、焼き色は、生地や焼いたパンケーキの進み具合を示すだけです。
指針は、発酵後に加えるココナッツや生の香味材料も扱っていません。芽胞をつくるバチルス属の菌は4℃を超えると増え得る、と指針は述べています。だからこのレシピでは時間を区切り、できあがった生地を室温に置きません。74°Cまで加熱するのは細菌を対象にしたもので、すでにできてしまった毒素まで壊せるとは考えられません。
この記事は、指針より慎重にした点もあります。
| 項目 | ドーサ・イドリ生地の指針 | この記事 |
|---|---|---|
| 発酵 | 約30°Cで12〜14時間以内 | ケララ観光局の6〜8時間、遅くても14時間で打ち切り |
| 発酵後、室温 | 1日以内に焼く | 室温に置かない |
| 発酵後、冷蔵 | 4°C、5〜7日以内に使う | 4°C以下、香味材料を入れる前に5日以内 |
| ココナッツと香味材料を入れた生地 | 対象外 | 保存せず、その日のうちに焼き切る |
さらに、次の点もわかっていません。米500gにイースト2gで、約30°Cの6〜8時間で本当に2倍になるのか。塩2%がこの生地の味に合うのか。片面1分と焼き色で、中心が74°Cに達するのか。作り方には、それぞれを確かめる手順を入れています。カビや腐敗臭で捨てる目安は、カリフォルニア大学の果物・野菜の発酵に関する指針に書かれた一般的な目安を、ここに当てはめたものです。
この料理に使える食材・調味料
選び方と代用
- 米:生米を使い、浸水してから自分で挽きます。米粉は使いません。
- イースト:期限内の市販の製パン用ドライイーストを、湯の温度も含め、製品の表示に従って使います。ドライイーストもインスタントも、砂糖を加えたぬるま湯で戻せます。インスタントのほうが速く膨らむことがあります。2gがどの製品でも同じように働くとは考えず、生地の様子を見てください。
- ココナッツ:丸ごと1個を買っておろします。ココナッツミルクでは代用できません。
- 玉ねぎ:大きな玉ねぎではなく、エシャロットくらいの小さな球根を選びます。
- アレルギー:この料理にアレルゲンが含まれないとは言えません。買った材料の表示を確認してください。
道具
- ふた付きの大きなボウル(生地が2倍になっても余裕のある大きさ)
- ミキサーまたはウェットグラインダー
- 目の細かいざる
- イースト液を作る小さな器
- キッチンスケール
- 木べら
- ココナッツ用のおろし器
- 包丁とまな板
- 食品用の平らな鍋(フライパンでも可)
- レードルとフライ返し
- あれば食品用の温度計
うまくいかないとき
| 気づいたこと | 対処 |
|---|---|
| 挽いた生地が厚すぎて注げない | まだ挽いている間に、飲用できる水を少し足します。注げるようになったらすぐ止めます |
| 8時間たっても2倍にならない | 生地の温度を確かめ、ふたをして約30°Cに保ち、遅くとも14時間まで様子を見ます。それでも膨らまなければ捨てます |
| 6時間より前に2倍になった | 時計を待たずに、焼くか、香味材料を入れる前に冷蔵します |
| カビが見える、腐ったようなにおいがする | 捨てます。 カビの部分だけ取り除いたり、生地を救おうとしたりしないでください |
| 酸っぱいにおいや味がする | 安全の目印とは考えないでください。確かめるために生の生地を味見することもしません |
| 外は焼き色がついているのに、中心が生 | 中心が74°Cで15秒以上になるまで、弱火で焼き続けます |
| 生地をどのくらい出していたかわからない | 使いません |
近い料理、別のバージョン
トディ:ケララ観光局は、伝統的な発酵の材料として自然のトディを挙げ、家庭ではイーストで作れると説明しています。このレシピはイーストだけで、トディ(kallu)は加えません。
ギー:ケララ観光局はギーを選択肢として挙げていますが、材料欄にはないため、この記事ではギーを入れず、何も添えずにいただきます。
別のカッラッパム:Penguin Random House Indiaが抜粋を掲載しているLathika George『The Suriani Kitchen』には、炊いたご飯、水2カップ、3/4カップ分の生地、温かい場所での発酵、片面1分ずつ、という別のレシピがあります。比較の参考にはなりますが、細部はこの配合には移せません。2つのレシピを混ぜないでください。
スリランカのホッパー:近い料理ですが、生地も鍋も形も違うため、同じものとは扱いません。
ケララのカッラッパム
ケララ観光局は、カッラッパムをケララの朝食の料理のひとつとして紹介しています。Penguinの抜粋は「Toddy Pancakes」の題で、この料理をトディの伝統に結びつけ、イーストを代わりに使うことに触れ、カレーやシチューとの文脈でも言及しています。ICAR–Central Rice Research Instituteの『Traditional Rice Foods: The Rich Heritage of India』は、カッラッパムをケララの項に載せています。これらの資料からは、この料理がいつ生まれたか、誰が作るかを裏づける記述は得られません。 そのため、この記事でも述べません。
よくある質問
発酵していれば、生地は安全ですか?
いいえ。発酵、酸味、気泡、よく膨らんだことは、安全の証明にはなりません。この配合のpHを測った資料は見つかりませんでした。そのため、ここでの対策は、器具を清潔にすること、時間と温度の限度を守ること、怪しい生地は捨てること、中心を74°Cまで焼くことです。利用できる指針の範囲でリスクを減らすものですが、保証ではありません。
温度と時間の限度は、どこから来ていますか?
6〜8時間はケララ観光局のものです。約30°C、14時間での打ち切り、2倍と気泡、74°Cは、ドーサとイドリの生地についてBC Centre for Disease Controlが出している指針から借りました。いちばん近い公的な指針として借りたもので、カッラッパムの基準ではありません。
生地を作り置きできますか?
香味材料を入れる前だけです。発酵した生地は4°C以下で冷蔵し、5日以内に使います。ココナッツと香味材料を入れたら、その日のうちにすべて焼き切り、焼かなかった分は捨ててください。
米の浸水時間と、挽くときの水の量は?
どちらもケララ観光局のレシピには書かれていません。浸水は、指針にある、室温で4時間まで、それより長ければ冷蔵庫、という限度に従います。挽くときは、飲用できる水を少しずつ加え、厚いが注げる状態になるまでとします。計量した量はお伝えできません。
何枚焼けますか?
レシピにも、ほかの資料にも、できあがる枚数は書かれていません。レードルの大きさも違うため、数はお伝えできません。
砂糖は50gですか、60gですか?
合計で50gです。10gをイーストに、40gを生地に使います。ケララ観光局の書き方はどちらにも読めますが、この記事では編集部の解釈でこうしています。
クミンは、なぜ発酵のあとに入れるのですか?
ケララ観光局とICARの書籍は、クミンを挙げるだけで、入れる時期を書いていません。ほかの香味材料と一緒に、発酵のあとにホールのまま加えるのは、編集部の選択で、どちらの資料の指示でもありません。
残ったものはどのくらい日持ちしますか?
焼き上がったカッラッパムについて、お伝えできる保存期間は見つかりませんでした。余ったものは粗熱が取れたら冷蔵または冷凍し、食べる前に中心が74°Cで15秒以上になるまで温め直してください。
























