カンサール、ジャガリーの糖液を飲み込む小麦のそぼろ
先に粉へ油をすり込み、最弱火でそぼろに糖液を吸わせ、そのあとでカルダモンと2回目の油を加えます。
1961年のインド国勢調査に付属する村落調査報告書には、イサンプル(Isanpur)で調査された共同体において、カンサールが縁起のよい婚礼の食事として記されています。報告書が記述するある共同体では、婚礼の儀式のあとに新婚の二人がカンサールを互いに食べさせ合います。これは特定の場所と時代の記録で、今日のグジャラートの婚礼すべてを表すものではありませんが、この甘味がどんな場面に結びついてきたかをよく伝えています。
カンサール(કંસાર、Kansaarとも表記)は、小麦とジャガリー(粗糖)で作るグジャラートの甘味です。ここで紹介するのは鍋で炊く作り方で、全粒小麦粉に油をすり込んでそぼろ状にし、沸かしたジャガリー水に加えて、糖液がなくなるまで混ぜます。グリーンカルダモンで香りをつけ、半割りのカシューナッツを散らして熱いうちに食べます。ジャガリーの糖蜜のような香りと全粒小麦の粒感が前に出て、その後ろにカルダモンとカシューナッツが控える味わいです。油は植物油なので、ギーの香りには頼りません。
同じ国の料理はインドのページでも紹介しています。
カンサールとは、どこで食べられる甘味か
Times FoodとI am Gujaratは同じ出版社系列の媒体で、どちらもカンサールを結婚式や吉事に結びついたグジャラートの甘味として紹介しています。グジャラート州政府によるグジャラート料理の概説は、吉事のための小麦の料理として、カンサール、ラプシー、シーラを挙げています。
同じ概説には、南グジャラート、北グジャラート、サウラーシュトラ地方ごとに違いがあるとも書かれています。ですから、どれか一つの鍋だけをカンサールの唯一の姿と考えるのは適切ではありません。この記事は、公表されている一つのレシピに沿って進めるもので、これが普遍的な作り方だと主張するものではありません。
カンサールとラプシー
州政府のページはカンサール、ラプシー、シーラを別々に挙げているので、この記事では三つを自動的に同じものとは扱いません。同じページは、細かく挽いた小麦粉(loat)と粗挽きの小麦(fada)も区別しており、fadaの粒の大きさを砂糖の粒や小さなムング豆にたとえています。これらは用語を理解するための説明で、この版のレシピではなく、分量を変える根拠にもなりません。
このレシピについて
このレシピは世界ごはん紀行の台所では試作していません。分量と手順は公開されている一つのレシピに沿ったもので、8人分という収量もそのレシピ自身の表示であり、実測した結果ではありません。
レシピの出どころはTimes Food(TNNのレシピ)です。ページには「Courtesy: Chef Kunal Kapur」というクレジットがありますが、著者や本人が公開した版かどうかは独自に確認していません。I am Gujaratのグジャラート語レシピも似た順序ですが、同じ出版社系列のため、独立した裏づけではなく比較用として見るにとどめます。カルダモンの分量表記や糖液の組み立てが違う点は採用していません。
始める前に知っておきたい点が二つあります。
- 小麦粉: ページの説明文には「whole wheat flour」、材料欄には「wheat flour」とあり、挽き方の指定はありません。この記事では全粒小麦粉を使います。
- カシューナッツ: レシピには「10 halved cashews」とあるだけで、ローストの指定はありません。市販のそのまま食べられる無塩ローストのカシューナッツを使うのは、こちらの調達上の選択で、家庭で煎る手順は入れていません。
蓋をして2分という指示は公開レシピの目安で、実測した結果でも安全の保証でもありません。
材料(8人分)

| --- | ---: | --- | | 全粒小麦粉 | 1カップ | 油をすり込んでそぼろにし、糖液で炊く | | なたね油(キャノーラ油)、粉用 | 1/2カップ | 液体に触れる前に粉をコーティングする | | 粉状ジャガリー(グル、グッド) | 1カップ | 水に溶かして甘みと糖蜜のような香りをつける | | 水 | 2 1/2カップ | ジャガリーの糖液になる | | 粉末グリーンカルダモン | 小さじ1 | 糖液を吸わせたあとに香りを加える | | なたね油(キャノーラ油)、仕上げ用 | 大さじ2 | 糖液を吸わせたあとに混ぜ込む | | カシューナッツ(そのまま食べられる無塩ロースト) | 半割りのカシューナッツ10個分 | 飾り |
油は2回に分けて別々に用意し、粉に一度に加えないでください。
この料理には小麦(グルテン)とカシューナッツ(木の実)が含まれ、なたね油(キャノーラ油)も使います。食物アレルギーは重い症状につながることがあるため、該当する方は原材料表示と交差接触の可能性を確認してください。
道具
- ボウル
- 蓋つきの鍋(普通の不透明な蓋。底が厚いものが望ましい)
- 泡立て器または木べら
- 仕上げ材料を混ぜるスプーン
- 包丁と安定したまな板
- 計量カップと計量スプーン
- 下ごしらえした材料を入れる小さな器
- 盛りつけ用の器
選び方と代用
ジャガリー: インド食材店や通販でグル(gur)またはジャガリーを探してください。手に入らない場合は日本の黒糖で代用できますが、糖蜜の香り、水分、甘さが違うため、同じ仕上がりにはなりません。三温糖のような淡い砂糖は色も香りも薄く、このお菓子からさらに離れます。
油: 癖の少ないなたね油(キャノーラ油)を選びます。ごま油は香りが強く、味が変わります。
カルダモン: ホールのグリーンカルダモンを使う直前に挽いても使えます。省くこともできますが、主な香りが一つ失われます。シナモンは同じ役割の代わりにはなりません。
カシューナッツ: そのまま食べられる無塩のローストされたものを買います。
小麦粉: この版では全粒小麦粉を使います。粗挽きのfada、薄力粉、米粉はこの配合に含まれません。
作り方
乾いたそぼろから、しっとり温かい甘味になるまでを順に追います。
写真は各段階の様子を示すもので、正確な分量やカシューナッツの個数、切り方、仕上がりの判断を示すものではありません。
そのまま食べられる無塩ローストのカシューナッツを安定したまな板に置き、包丁で慎重に半分に切ります。必要なのは半割りのカシューナッツ10個分です。砕かず、形が分かる状態にして取り分けておきます。

2. 粉に最初の油を加える
ボウルに全粒小麦粉1カップを入れ、油1/2カップを注ぎます。仕上げ用の油大さじ2は別に取っておきます。

3. すり合わせてそぼろにする
きれいにした指で粉と油をすり合わせ、ボウル全体がショートクラストのような均一なそぼろになるまで続けます。この段階では水もジャガリーも加えません。

4. 水にジャガリーを加える
鍋に水2 1/2カップを入れ、粉状ジャガリー1カップを加えます。

5. ジャガリーを溶かす
鍋を火にかけ、ジャガリーが溶けるまで混ぜます。

6. 沸騰させる
蓋をせず、ジャガリー水を沸騰させます。

7. そぼろを加える
油をなじませたそぼろを、沸騰した糖液にそっと流し入れ、火を最弱火に落とします。

8. 最弱火で混ぜる
泡立て器か木べらで混ぜ続け、火は最弱火のままにします。全体がしっとりして、とろみが出てきます。

9. 糖液が吸われたか確かめる
糖液が吸われるまで混ぜ続けます。目安は、液だまりがなくなり、しっとりした粒がまとまっていることです。焦げ色を合図にしないでください。液が残っているうちは次へ進みません。

10. カルダモンを加える
粉末グリーンカルダモン小さじ1を鍋に加えます。

11. 仕上げの油を加える
取っておいた油大さじ2をスプーンで加えます。

12. 混ぜる
カルダモンと仕上げの油がカンサール全体にいきわたるまで混ぜます。

13. 蓋をする
普通の蓋を鍋にのせます。

14. 弱火で加熱する
蓋をしたまま、弱火で2分加熱します。

15. 火を止める
火を止めます。

16. 蓋を外す
蓋を慎重に外します。

17. 飾る
温かいカンサールに、半割りのカシューナッツ10個分を加えます。

18. 熱いうちに出す
カンサールを熱いうちに供します。

つまずいたときに、鍋の中で見ること
| 気づくこと | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 油っぽい粒と粉っぽい粒が混ざっている | 油が均一にすり込まれていない | 糖液に入れる前に、全体が均一になるまで手でさらにすり合わせる |
| ボウルの中で粉がぬれた生地になる | 液体を早く加えすぎた | 水とジャガリーはボウルに入れない。鍋で使うもの |
| 鍋に糖液がまだ溜まっている | そぼろが糖液を吸いきっていない | 最弱火で混ぜ続け、まだ蓋はしない |
| 塊ができる、または底が焦げつきそう | 火が強いか、混ぜるのが止まっている可能性がある | 火を最弱火に落とし、混ぜ続ける |
| 色があまり変わらないように見える | この段階では色は合図ではない | 焦げ色ではなく、糖液が吸われて粒がしっとりしているかで判断する |
アレンジと違い
この版は、全粒小麦粉、ジャガリー、水、カルダモン、油、カシューナッツという一つの配合に絞っています。ギー、牛乳、セモリナ粉やfada、米粉、レーズン、追加の砂糖、蒸す工程はこの版には含まれず、混ぜるとここで紹介したものとは別のレシピになります。
| 変わりうる点 | 分かっていること | この記事での扱い |
|---|---|---|
| 小麦の挽き方 | 州政府のページは細かいloatと粗いfadaを区別し、小麦の質で水の必要量が変わると述べている | 粗挽きは別の食感を試す実験で、確認された水の量はない |
| 甘味料 | 州政府のページは概説で砂糖を好みで調整できると述べ、このレシピの甘味料はジャガリー | まずジャガリーを使う。黒糖は風味の違う代用品で、砂糖は追加しない |
| 地域 | 州政府のページは南グジャラート、北グジャラート、サウラーシュトラ地方ごとの違いを述べている | 地域の標準ではなく、公開されている一つの版として扱う |
よくある質問
カンサールとラプシーは同じものですか?
必ずしも同じではありません。州政府の概説は、吉事のための小麦の料理としてカンサール、ラプシー、シーラを別々に挙げ、地域による違いも述べています。場所によって重なる使われ方はあるかもしれませんが、これらの資料からは、名前が全域で入れ替え可能とは言えません。
ジャガリーが手に入らないときは何を使えますか?
ジャガリーが手に入りにくいときの編集部の提案が、日本の黒糖です。香り、水分、甘さが違うので同じ材料ではなく代用品で、この置き換えは試していません。
粗挽きの小麦粉は使えますか?
公開されているレシピは粗挽きのfadaを使っていないので、粗挽き粉を使うのは別の食感を試す実験になります。州政府のページはfadaの粒を砂糖の粒や小さなムング豆ほどの大きさと説明し、小麦の質で水の必要量が変わると述べています。このレシピに確認された水の調整量はお示しできません。
「10 halved cashews」は10個のこと?10片のこと?
この表記からは決められません。10個を半分に切るとも、半割りの10片とも読めますが、レシピはどちらとも書いていません。ここでは表記のままにしており、写真でも判別できません。
なぜ、そのまま食べられるローストしたカシューナッツなのですか?
公開レシピにはローストの指定がありません。家庭で煎る手順や生のナッツをそのまま出す手順が要らないよう、市販のそのまま食べられる無塩ローストのカシューナッツを選びました。
何人分で、どのくらいかかりますか?
公開レシピは分量を8人分と表示しています。ページには合計20分、下準備5分という表示もありますが、各段階の時間は示されていません。これらはページの数字で実測した結果ではないので、鍋の中の状態を見て進めてください。
作り置きはできますか?
このレシピは熱いうちに食べるもので、保存期間やカンサール専用の温め直し方は確認できていないため、日数をお示しできません。残った場合は日本の厚生労働省の家庭向けの一般的な案内が参考になります。清潔に扱い、浅い容器に小分けして早く冷まし、冷蔵し、しっかり温め直すというものです。これはカンサールの賞味期間を示すものではありません。







