クルチャ:タワで焼く、金色の斑点のやわらかいパン
やわらかくしなやかな生地、黒いニゲラシードを軽く散らすこと、熱したタワでつく金色の斑点。そして中までしっかり火が通っていること。詰め物は入れません。
丸く伸ばした生地を熱したタワに置くと、小さな泡がぷつぷつと浮いてきます。刷毛で油を塗りながら何度か返すうちに、表面に金色の斑点が散っていきます。ここで紹介するのは、Dassana's Veg RecipesのDassana Amitが紹介しているクルチャです。マイダ(精製した小麦粉)の生地を、カード(ヨーグルト)、ベーキングパウダー、重曹でやわらかくふくらませ、タンドールではなくタワまたはスキレットで焼く、詰め物なしのパンです。温かいうちに、チャナマサラのようなひよこ豆のカレーを添えて食べることが多いそうです。
「クルチャ」は、インドで幅広いパンの仲間を指す名前です。じゃがいもやパニール(チーズ)を詰めたもの、全粒粉で作るもの、タンドールで焼く厚めの詰め物入りで知られるアムリトサリ・クルチャもあります。この記事で扱うのは、ヨーグルト生地の、詰め物なしの北インド風家庭版をニゲラシードで仕上げ、コンロで焼く1種類だけです。アムリトサリ・クルチャとして紹介するものではありません。
このレシピはDassana's Veg Recipesに沿っています。レシピカードでは、ニゲラまたはごまを大さじ1〜2としていますが、この記事ではニゲラ(カロンジ)大さじ1を選びました。同じサイトは種を省いてもよいとも書いているので、ここでいう「プレーン」は、詰め物がないという意味で、種なしという意味ではありません。
このレシピは世界ごはん紀行の台所ではテストしていません。分量と手順は公開されているレシピに沿っています。出来上がりの枚数の実測、生地玉の重さ、焼き時間、タワの温度は載せていません。
クルチャの仲間の中での位置づけ
名前は同じでも、中身がかなり違うパンがいくつもあります。どれを作るのかを先に押さえておくと迷いません。
| 種類 | 特徴 | この記事で扱うか |
|---|---|---|
| プレーンなタワ焼きクルチャ(Dassana's Veg Recipes) | マイダ、カード、ベーキングパウダー、重曹。2時間休ませ、タワで焼く。ニゲラまたはごまは任意 | 扱う(ニゲラ入り) |
| 詰め物入りのタワ焼きクルチャ(シェフ Kunal Kapur) | マイダにカード、溶かしバター、より多めの膨張剤。香辛料入りのマッシュポテトを詰める。30分以上休ませる | 扱わない |
| 全粒粉・油なしのクルチャ(FSSAIが掲載する書籍) | アッタ(全粒粉)とカード。ごまとカスリメティを散らし、油は使わない | 扱わない |
| アムリトサリ・クルチャ(The Indian Express) | より厚く、詰め物入りで、タンドールで焼くと説明されている。デリーの、チョーレー(ひよこ豆のカレー)と食べるクルチェとは区別されている | 扱わない |
ほかの作り方は粉も分量も詰め物も違うため、下のレシピには混ぜていません。The Indian Expressのアムリトサリ・クルチャの解説は、クルチャの由来について複数の説を挙げています。説が分かれているので、この記事は起源を1つに決めません。
この料理に使える食材・調味料
選び方と代用
小麦粉。 マイダは精製した小麦粉で、英語ではall-purpose flourと呼ばれます。ここではall-purpose flourを使ってください。ケーキ用、パン用などほかの粉に替えたときの確認はしていません。
カード。 無糖のプレーンヨーグルトが、カードの自然な代わりになります。ヨーグルトは脂肪分も水分も製品ごとに違い、その差を直す分量は決まっていません。生地の手ざわりで見て、水の量で調整してください。カード大さじ4は、ヨーグルト大さじ3と牛乳大さじ1に替えることもできます。
油脂。 生地に入れる油大さじ2½は、ギーに替えられます。焼くときに塗る脂は、油、ギー、バターのどれでも使えます。
種。 ニゲラ(カロンジ)は小さな黒い種で、黒ごまとは別のものです。トッピングはごまでも作れます。種は大さじ2まで使え、まったく使わなくても作れます。
道具
- 大きめのボウル
- 混ぜるためのスプーン
- 生地にかぶせる、湿らせた清潔な布
- めん棒と、のし台または作業台
- タワまたは厚手の平らなフライパン
- 返すための平らなヘラ
- 油を塗る刷毛
- 焼き上がったクルチャを温かく保つバスケット
焼き上がりの見分け方
| 見えるもの | すること |
|---|---|
| 混ぜている途中で生地が乾いて固い | 水を少しずつ足し、やわらかくしなやかになるまでこね続ける |
| 伸ばすときに生地がくっつく | 台に打ち粉を少し多めにふる |
| 一度返したあともクルチャの色が薄い | 油を塗りながら、両面に金色の斑点がつくまで返して焼き続ける |
| 中まで火が通っているか自信がない | タワにのせたまま、中まで焼けるまで返し続ける。味見で確かめない |
よくある質問
酵母で発酵させる生地ですか?
いいえ。生地はカード、ベーキングパウダー、重曹でふくらみます。酵母も発酵種も使いません。温かい場所で発酵させる方法や、一晩置く方法もこの記事では扱いません。休ませるのは、湿らせた布の下での2時間だけです。
どのくらいこねればよいですか?
Dassana's Veg Recipesには、目安として8〜10分とあります。これは著者の目安なので、時間より生地がなめらかでやわらかく、しなやかになったかを見て、こね終えてください。
何枚できますか?
Dassana's Veg Recipesのレシピカードには、10枚と書かれています。これは著者の表記で、世界ごはん紀行では作る、数える、量るといった実測をしていません。そのため、生地玉の重さや大きさは示していません。
ニゲラシードは黒ごまと同じですか?
いいえ。ニゲラ(カロンジ)と黒ごまは別の種です。Dassana's Veg Recipesはトッピングにニゲラまたはごまを挙げていて、この記事ではニゲラを使いました。種を入れなくても作れます。
詰め物入りや全粒粉でも作れますか?
それぞれ別のレシピで、分量も違います。シェフ Kunal Kapurのタワ焼きクルチャは、じゃがいもの詰め物、バター、多めの膨張剤を使います。FSSAIが掲載する書籍の全粒粉・油なしクルチャは、アッタ、ごま、カスリメティを使います。この生地を作り替えるのではなく、それぞれの著者が書いたとおりに作ってください。
これはアムリトサリ・クルチャですか?
いいえ。The Indian Expressは、アムリトサリ・クルチャを、より厚く、詰め物入りで、タンドールで焼くものと説明しています。この記事は、詰め物なしでタワで焼くプレーンな版です。
作り置きできますか?
この記事では保存の目安を示していません。タワから上がったものをバスケットで温かく保ち、温かいうちに食べるレシピとして書いています。



















