マンチョウスープ ― 上にカリッとのせる、胡椒の効いた野菜スープ
野菜は細かく刻んでさっと炒め、スープは醤油と胡椒で味つけして、軽くとろみをつけます。揚げ麺は好みでのせるトッピングで、食卓でのせるとカリッとしたままです。
唐辛子、しょうが、にんにくが熱い油に触れるのは、ほんの数秒。そこへ玉ねぎ、いんげん、マッシュルーム、キャベツ、にんじん、ピーマンが、順に素早く加わります。醤油と黒胡椒を入れ、水を注ぎ、水溶きコーンスターチを加えると、スープはつやのある軽いとろみになります。最後に米酢をほんの少し。好みで、カリカリに揚げた麺を小さな巣のようにのせます。
マンチョウスープは、インドで広く親しまれている、中国料理の影響を受けたインド中華(Indo-Chinese)の一品です。この記事で扱うのは、そのなかの特定の一種類。Dassana's Veg RecipesのDassana Amitのレシピをもとにした、ベジタリアンの2人分です。同レシピはこれを、ヴィーガンのインド中華風野菜スープと紹介しています。肉や卵の入る版、マンチュリアンの団子スープ(Manchurian dumpling soup)は別の料理なので、ここでは混ぜません。
このレシピが認めている選択肢のなかから、この記事では一つのまとまった組み合わせに決めています。サラダ油などの中性の油、生の赤唐辛子、ふつうの玉ねぎ、マッシュルーム、キャベツ、すりおろしたにんじん、ピーマン、黒胡椒、ただの水、米酢、パクチーを使い、揚げ麺は入れる前提にして、セロリは省きます。世界ごはん紀行では、このレシピを台所で試作していません。分量と手順は、公開されているレシピにできるだけそのまま従っています。
料理の輪郭 ― ベジタリアンのインド中華という一つの形
マンチョウスープの作り方はさまざまで、公開されているレシピは細かな違いにとどまらず変わります。この記事でマンチョウスープと呼ぶのは、細かく刻んだ野菜を香りのよい油で炒め、醤油味のスープに煮て、とろみをつけ、好みで揚げ麺をのせる料理です。
名前は中国や満州地方と結びつけて語られることもありますが、この記事が使った資料は、起源も、考案した人も、時期も確かめていません。起源は断定しません。
ほかの有名なレシピと並べると、幅の広さが分かります。
| 版 | このレシピとの違い |
|---|---|
| Tarla Dalal(Tarla Dalal's Kitchenに転載されたもの) | 4人分。野菜をまず水で煮て濾し、別にストックを取る。スープにはトマト、ミント、コリアンダーが入る |
| Lee Kum Kee India | 2人分で野菜ストック700ml。ダークソイソースを煮込み、米酢と胡椒を加え、ライトソイソースで味を調え、最後に水溶きコーンスターチを入れる |
| Sanjeev Kapoor Khazana(ZengaTV掲載) | マッシュルーム、ダークソイソース、赤唐辛子のソース、野菜ストック、コーンスターチを使う野菜版 |
どれもそれぞれ独自の配合です。分量や手順は混ぜず、以下のレシピとは別のものとして読んでください。
この料理に使える食材・調味料
道具
- スープ用の中華鍋または深めのフライパン
- 水溶きコーンスターチ用の小さなボウルとスプーン
- 麺に粉をまぶすための、乾いたボウルと菜箸またはトング
- 麺を揚げるための別の小鍋
- 穴あきおたまか網じゃくし
- キッチンペーパーを敷いた皿
- おたまとスープ用の器
選び方と代用
各行から1つずつ選んでください。
| この記事で使うもの | 他に使えるもの |
|---|---|
| 中性の油 | ごま油 |
| 生の赤唐辛子 小さじ1/2〜1 | 青唐辛子 1〜2本 |
| 玉ねぎ | ねぎの白い部分 1/4カップ |
| 黒胡椒(粉) | 白胡椒(粉) |
| 水 3カップ | 野菜ストック 3カップ |
| 米酢 | 白酢(ホワイトビネガー) |
| 香菜 小さじ2 | ねぎの青い部分 大さじ1〜2 |
| セロリは入れない | セロリ 小さじ1(好みで) |
| 上に揚げ麺をのせる | 麺はのせない |
醤油とコーンスターチは、ふつうのものを使います。
醤油にはもともと塩気があるので、足す塩の量は使う醤油によって変わります。そのため、塩は適量とし、味を見てから加えます。
うまくいかないときは ― とろみ、だま、塩気、辛さ
| 困りごと | 考えられる理由 | 直し方 |
|---|---|---|
| スープにだまができる | 水溶きの粉が沈んでいた、または一度に全部入れた | 入れる直前に水溶きをもう一度混ぜ、火を弱め、混ぜながら少しずつ注ぐ |
| 思ったよりとろみが強い | 水溶きを一度に全部入れた | 次回は水溶きを少しずつ加え、好みのとろみになったところで加えるのをやめる |
| 塩辛い | 醤油の塩気を確かめる前に塩を足した | 醤油と水を入れたあとで味を見て、必要な分だけ塩を足す |
| 辛すぎる、または辛さが足りない | 唐辛子の量 | 生の赤唐辛子は小さじ1/2〜1の範囲に収める。迷うときは小さじ1/2から |
| 麺がふやける | 麺がスープに長く浸かっていた、または揚げる前に濡れていた | 揚げる前に水気を切って粉をまぶし、別に揚げて、出す直前にのせる |
| 香味料が焦げ臭い | 手順1の火が強すぎた | 弱火のまま8〜10秒だけ炒めてから玉ねぎを入れる |
濡れた食材を入れると、熱い油は激しく跳ねることがあります。調理した麺は水気をよく切ってから粉をまぶし、揚げ鍋には油や麺を入れすぎず、少量ずつ揚げてください。
レシピの範囲でできるアレンジ
いちばん簡単なのは、麺をまったく省くことです。麺がなくてもスープは完成するので、そのまま出せます。水の代わりに野菜ストックを使うと、ベースの味が変わります。パクチーはねぎの青い部分に替えられます。中性の油をごま油にすると、最初の工程からごま油の香りが加わります。
前の表で紹介した、別に野菜ストックを取る版、トマトとミントを使う版、ダークとライトのソイソースを使う版、赤唐辛子のソースを使う版は、このレシピの小さな調整ではなく、それぞれ別のレシピとして扱うのがよいでしょう。
よくある質問
マンチョウスープはヴィーガンですか?
この記事の版はそうです。Dassana's Veg Recipesは、これをヴィーガンのインド中華風野菜スープとして紹介しています。肉や卵が入るマンチョウスープもありますが、それは別の版です。
揚げ麺なしでも作れますか?
はい。麺は好みでのせるものです。手順11〜13を飛ばして、パクチーをのせるか、そのままでいただきます。
なぜ麺をスープで煮ないのですか?
このレシピでは、麺はスープの具ではなく、カリッとしたトッピングです。粉をまぶして別に揚げ、食べるときに上にのせるので、歯ごたえが保たれます。
醤油はダークとライト、どちらを使いますか?
ここで使ったレシピは種類を指定していないので、ふつうの醤油を使います。Lee Kum Kee Indiaの版ではダークソイソースとライトソイソースを別々の目的で使いますが、それは分量も別の、異なるレシピです。
マンチョウスープの起源は?
この記事が使った資料は、起源も考案者も確かめていないので、由来の話はしません。言えるのは、インド中華の料理であることと、インドでは多くの版が公開されていることです。






















