籐かごに重ねた焼きたてのプレーンナン。表面に焼き色の斑点と柔らかな気泡が見える
🌍ジャンルインド料理

ナンの作り方|フライパンで焼く南アジアのやわらかいパン

世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方

STEP 11 / 8

材料を混ぜてこねる

手順1: 材料を混ぜてこねる

大きなボウルに、薄力粉系の粉、強力粉、ぬるま湯、ギリシャヨーグルトを入れます。生地用の溶かしギーまたはバター28g、インスタントイースト、砂糖、塩も加えます。粉気がなくなるまで混ぜ、そのあと、やわらかく弾力が出て、手に少しだけくっつくくらいまでこねます。

べたつくからと、あわてて粉を足さないでください。日本の粉など違う粉は、水の吸い方が違うかもしれません。調整するなら少しずつ足し、どこを変えたかを覚えておきましょう。

STEP 22 / 8

油を薄く塗ったボウルで発酵させる

手順2: 油を薄く塗ったボウルで発酵させる

ボウルに油を薄く塗って生地を入れ、覆って50〜60分発酵させます。目安は、生地がおよそ2倍になるまでです。涼しい日はもっと長く、暖かい日は短くなることがあります。時間とともに、生地の大きさも見てください。

STEP 33 / 8

8等分して休ませる

手順3: 8等分して休ませる

軽く打ち粉をした台に生地を出し、8等分して、それぞれ丸めます。1個約65gが目安です。これは概算なので、ぴったりの数字よりも8個の大きさをそろえることを優先してください。覆って20分休ませます。表面が乾いて皮ができないように、必ず覆っておきます。

STEP 44 / 8

フライパンを熱して成形する

手順4: フライパンを熱して成形する

鋳鉄フライパンかグリドルを中強火にかけ、しっかり熱します。油は引きません。ボウル用の油と2回のギー(バター)は、それぞれ発酵、生地、仕上げのためのもので、フライパンに塗るためではありません。

フライパンを熱しているあいだに、生地玉を手で伸ばすか、めん棒で伸ばします。仕上がりは2通りあるので、どちらかのスタイルを選んでください。厚めに仕上げるなら直径約15cmの丸か、長さ約18cmの楕円に。薄めなら直径約20cmの丸か、長さ約25cmの楕円に。厚みが均一になるよう整えると、均等に焼けます。

STEP 55 / 8

最初の面を焼く

手順5: 最初の面を焼く

成形した生地を、熱した乾いたフライパンに置きます。30〜40秒を目安に、上面に気泡が上がり、下の面に焼き色の斑点がつくまで焼きます。気泡が出るより先に下側がどんどん黒くなるなら、フライパンが熱すぎます。火を弱めるか、次の1枚の前にフライパンを少しのあいだコンロから外しましょう。

STEP 66 / 8

返して反対側を焼く

手順6: 返して反対側を焼く

フライ返しで裏返し、反対側を40〜50秒、こちらにも焼き色の斑点がつくまで焼きます。返すのは一度だけにして、パンをぎゅっと押さえつけないでください。気泡がつぶれてしまいます。

この秒数は目安で、すべてのナンがこの時間で焼けるという保証ではありません。厚み、フライパン、火力で変わります。黒く焦げるのではなく、両面が金色にふくらんで焼き色の斑点が出た状態をめざしてください。まだ生のように見えたり、生焼けの生地が残っていたりするナンは、出さないでください。

STEP 77 / 8

ギーを塗って、好みで仕上げる

手順7: ギーを塗って、好みで仕上げる

焼けたナンをフライパンから出し、仕上げ用に取り分けた溶かしギーまたはバター28gの一部を刷毛で塗ります。好みでニゲラシードと刻んだパクチーを散らしましょう。残りの生地も同じように成形して焼き、1枚焼けるごとにギー(バター)を塗ります。

STEP 88 / 8

保温して食卓へ

手順8: 保温して食卓へ

焼けたそばから清潔な布かアルミ箔で包みます。低温のオーブンで重ねたまま保温する方法もあります。温かいうちにカレー、ダール(豆のカレー)、グリルした肉料理などに添え、ちぎってソースをすくって食べましょう。

焼くときの合図は、上面の気泡と下面の斑点の二つです。秒数は目安として、まずこの二つを目で確かめてから返してください。1枚目で火力を見きわめれば、2枚目以降は調整しやすくなります。

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Ingredients

材料

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

8品目

買い出しの前に

小麦粉2種、ヨーグルト、ぬるま湯、イースト、砂糖、塩、ギーを並べたナンの材料
小麦粉2種、ギリシャヨーグルト、ぬるま湯、インスタントイースト、砂糖、塩、ギー。任意の仕上げ材料、ボウルに塗る油、打ち粉は別に置く

重さで量れる材料は重さで量ってください。粉、水、ヨーグルトはできれば秤で量りましょう。

### 生地
材料 分量 代替・備考
薄力粉系の粉 180g 生地の土台。日本の粉で作る場合は下の説明を参照
強力粉 90g 弾力と噛みごたえを足す
ぬるま湯 142g 生地をまとめる。熱湯ではなくぬるま湯
全脂のプレーンなギリシャヨーグルト 71g やわらかさとほのかな酸味。ふつうのヨーグルトより濃厚
溶かしギーまたはバター(生地用) 28g 風味としなやかさ。バターはギーの代わりに使える
インスタントイースト 小さじ1と1/2 発酵させる
グラニュー糖 小さじ1 生地の配合の一部
食塩(細かい食卓塩) 小さじ1 粗塩ではなく細かい塩
3品目

仕上げ

材料 分量 代替・備考
溶かしギーまたはバター(塗る用) 28g 生地用とは別に28g。焼いたあとに刷毛で塗る
ニゲラシード 小さじ2(任意) 独特の香りがある小さな黒い種
生のパクチー(コリアンダーの葉)、刻む 1/4カップ(任意) 仕上げの緑。好みで省いてよい
2品目

そのほか

材料 分量 代替・備考
油(ボウル用) 適量 発酵させるボウルに薄く塗るだけ
打ち粉 適量 分割や成形のとき、台に軽く振る
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手に入りにくい材料の買い方

買い出しガイド

タンドールがなくても、熱したフライパンで気泡と焼き色を

本来のナンは、とても高温になったタンドール(壺型の窯)の内壁に生地を貼りつけて焼きます。壁から外れたナンは、中がふんわりやわらかく、表面には焦げ目とふくらみが浮かんでいます。ナンは南アジアの料理で食べられる、発酵させた小麦のパンです。ただ、タンドールのある家庭はそう多くありません。そこで頼りになるのが、厚手の鋳鉄フライパンやグリドルです。

このレシピで守ること

タンドールで焼くパンを、家庭のフライパンで焼けるようにした一案です。守るのは、やわらかくて少し弾力のある発酵生地、熱した乾いたフライパン、気泡を立たせて焼き色の斑点をつける短い焼き時間、そして焼きたてに塗る溶かしギー(またはバター)です。

「タンドールなしでナンは作れるの?」と聞かれたら、答えは「作れます」です。ただし、タンドール焼きの代わりではなく家庭向けの再現です。フライパンは片面ずつ下から火を当て、タンドールは四方からパンを包むように熱します。フライパンで得られるのは、気泡、焼き色の斑点、やわらかい中身。もっと深い焦げ目は、タンドールのほうが得意です。

配合はKing Arthur Bakingが公開している一つのレシピに従います。8枚分で、薄力粉系の粉(原典はall-purpose flour)と強力粉を組み合わせ、全脂のギリシャヨーグルトで生地をやわらかくし、溶かしたギーまたはバターを生地にも仕上げにも使います。原典の所要時間は全体で約2時間。大半は、生地を放っておく発酵と休ませる時間です。


選び方と代用のポイント

粉について。2種類の粉(all-purpose flourとbread flour)は、国によってたんぱく質の量が違います。日本で作るなら、強力粉90gの部分は国産の強力粉、薄力粉系180gの部分は薄力粉か中力粉が候補になります。水の吸い方や食感が変わることがあるため、自分で調整してください。

ヨーグルトについて。濃厚な全脂のギリシャヨーグルトを使います。ふつうのヨーグルトに替えると、水分が多い分、生地はやわらかくべたつきます。

ほかの材料は次の点に気をつけてください。

  • イーストはインスタントイーストを使う配合です。別の種類のドライイーストしかない場合は、その製品の説明で使い方を確かめてください。
  • 砂糖を省いたり蜂蜜に替えたりすると、配合が変わります。
  • 塩は、粗塩やフレーク状の塩のスプーン1杯と、細かい食卓塩のスプーン1杯では塩分量が違います。
  • ニゲラは輸入食材店や通販で見つかります。なくても作れます。黒ごまを代わりに勧める人もいますが、香りが違うので代用品とは言えません。
  • 有塩バターで仕上げると、その分塩気が加わります。
アレルギーと生地の扱い

このナンは小麦(グルテン)と乳(ヨーグルト、ギーまたはバター)を含みます。アレルギー対応の置き換えは案内しません。材料を替えると配合も食感も変わります。市販品を使うときは表示を確認してください。生の生地は味見しないでください。

道具

  • 大きめのボウル、秤、計量スプーン
  • 生地をこねる作業台
  • 生地にかぶせる蓋、皿、または清潔な布
  • めん棒(なくてもよい。手で伸ばせます)
  • 高温に耐える厚手の鋳鉄フライパン、またはグリドル
  • 刷毛、フライ返し
  • 焼けたナンの保温に使う清潔な布かアルミ箔

うまくいかないとき

困りごと 考えられる原因 対処
生地が硬くて伸びない 発酵不足、休ませ不足、または吸水の違う粉 分割後の休ませ時間をしっかり取る。次回、粉を足すなら少しずつにして、配合との違いを記録する
ナンがふくらまない イーストの勢いが弱い、一次発酵が不十分、フライパンが熱くない イーストを確かめ、生地がおよそ2倍になるまで待ち、焼く前に十分予熱する。生地をフライパンに押しつけない
気泡が出る前に表面が焦げる 火が強すぎる 火を弱めるか、フライパンをコンロから少し外す。次の1枚で調整する。焼き時間は目安で、固定の決まりではない
冷めると硬くなる 覆わずに置いた 1枚焼けるごとに清潔な布かアルミ箔で包み、温かいうちに食べる

このレシピは、室温・冷蔵・冷凍のいずれの保存日数も案内しません。ナンは焼きたての温かいうちがいちばんおいしいパンです。焼けた順に包んで、すぐ食卓に出してください。

厚めか薄めか、プレーンか具をのせるか

  • 厚めか薄めか。 2通りあります。やわらかく仕上げる厚めは、直径約15cmの丸か長さ約18cmの楕円。薄めは、直径約20cmの丸か長さ約25cmの楕円。1回に焼く分は同じスタイルにそろえると、焼き上がりが均一になります。
  • プレーンか、仕上げをのせるか。 ギーかバターを塗るだけで完成です。ニゲラシードとパクチーは、足してもよい任意の仕上げで、必須ではありません。
  • ギーかバターか。 どちらも生地と仕上げに使えます。味は違いますし、有塩バターなら仕上がりが塩辛くなります。
  • 店のバリエーション。 ジャカルタのあるレストランのメニューには、プレーン、ガーリック、チーズのナンがタンドリーロティと並んでいます。これはその店のバリエーションであり、この記事はそれらの作り方を案内しません。
  • まったく別の配合。 ナンの配合はさまざまで、牛乳と水を使い、ヨーグルトを入れないものもあります。家庭のオーブンやフライパンとブロイラーでタンドールの焦げ目に近づけます。別のレシピなので、上の材料や手順と混ぜないでください。

ナンとは何か、ロティやチャパティとの違い

ナンは、南アジアの料理で作られる、発酵させた小麦のパンです。典型的にはタンドールの壁に貼って焼き、中はやわらかく、表面には焦げ目がつきます。インドの観光・ホテル経営分野の教育資料は、国内のさまざまなパンとしてタワ(平鍋)で焼くロティ、タンドール焼きのロティ、ナン、クルチャ、ラッチャ・パラーターを挙げています。その中でナンは、タンドール焼きのロティよりも厚く、やわらかい、またはリッチなパンとして説明されています。

豆知識

「ナン」という語は、ペルシア語でパンを意味する語と関係があるとされます。それ以上の歴史や正確な起源には諸説あり、起源は定説がないのが実際のところです。この記事では、発祥の場所や時代、発明の逸話を一つに決めて書くことはしません。

ナン、ロティ、チャパティの実用的な比べ方

ナン ロティ/チャパティ
生地 発酵させた小麦生地(このレシピはヨーグルトとギーまたはバターも使う) 一般に無発酵
厚みと食感 厚め、やわらかく、気泡がある 一般に薄い日常のパン
伝統的な焼き方 タンドールで焼く 地域による。タワロティは平鍋、タンドリーロティはタンドール

これは大まかな実用上の違いで、厳密な定義ではありません。ロティやチャパティとの違いは目安にとどめてください。パンの呼び名は地域や家庭によって違い、材料一つで決まるものでもありません。

インドネシアの食卓で出会うナン

ナンは南アジアのパンで、インドネシア発祥ではありませんが、インドネシアの食堂の卓に並ぶことがあります。2023年にパレンバンのナン店を伝えた報道では、店主が、インド人の料理人を雇い、輸入したアタ粉(全粒の小麦粉)を使っていると語っています。店ではカレーやタンドリーチキンとともにナンを出していたそうです。また、ジャカルタのHookah Habibi Cafeが公開しているインド料理のメニューには、数種類のナンがタンドリーロティと並んでいます。

どちらも一店舗の例で、インドネシア全体でどれだけナンが食べられているか、値段はいくらか、いつでも手に入るかを示すものではありません。


よくある質問

タンドールがなくても、本当にナンを作れますか?

家庭向けの再現としては作れます。とても熱くした乾いた鋳鉄フライパンやグリドルで、気泡、焼き色の斑点、やわらかい中身が得られます。タンドールの壁に貼って焼くのと同じにはならないので、結果はタンドールのナンに近づく、と考えてください。

フライパンに油を引きますか?

フライパンに油は引きません。中強火で、乾いたフライパンのまま焼きます。このレシピの油は発酵ボウルに塗るためだけで、ギーやバターは生地と焼き上がりの仕上げに使います。

ギリシャヨーグルトの代わりにふつうのヨーグルトを使えますか?

使えますが、配合の変更になります。ふつうのヨーグルトはゆるいので、生地がより水っぽくやわらかくなります。扱い方も食感も違ってくるでしょう。

何枚できますか?

8枚です。8枚は8人前ではありません。何人分になるかは、そのほかの料理次第です。

全部でどのくらい時間がかかりますか?

全体で約2時間が目安です。50〜60分の発酵、分割後の20分の休ませ、8枚を1枚ずつ焼く時間を含みます。台所の温度やコンロで変わります。

残ったナンは保存できますか?

保存日数は案内しません。焼いたそばから包んでやわらかさを保ち、温かいうちに食べてください。

同じ国のほかの料理は、インドの料理で紹介しています。

主な参考リンク

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