パニールのさいの目切り、玉ねぎの花びら、四角く切ったピーマンを串に刺していきます。カシミリチリとターメリックで赤橙色に染まった濃いヨーグルトの衣をまとわせ、オーブンの上火の下に入れると、縁にだんだんと小さなきつね色の斑点が現れます。その間に別の鍋では、玉ねぎのペーストが黄金色になり、トマトのピューレと粉スパイスが煮詰まって縁に油が浮き、ヨーグルトとクリームでやわらかく整えられていきます。串焼きの香ばしさと、なめらかなグレイビー。その二つを最後に重ねるのが、この料理です。
焼き目が先、クリームのグレイビーは最後
下味をつけたパニールは、縁にうっすら焼き色の斑点がつくところまでで焼き上げ、グレイビーにはいちばん最後に合わせます。焼いた具材と、なめらかなトマトと玉ねぎのソースとの対比が、この料理の核です。
このレシピは、Dassana's Veg Recipes の1本のレシピを4人分にそろえたものです。レシピカードの表示は、下準備1時間30分、調理30分で、合計およそ2時間。作業は、漬けて焼くパニールティッカと、最後にティッカを入れるマサラのグレイビーの二つにきれいに分かれます。二つの工程を分けて進めることが、ただパニールをソースで煮込む料理との違いになります。
分量はすべてこの1枚のレシピカードから取りました。カードに幅や選択肢がある箇所は、この記事で一つを選び、その旨を書いています。ほかのレシピからの借用はありません。
パニールティッカマサラは何が違うのか
パニールティッカは、漬けて焼いたパニールそのものです。元のレシピは、パニールティッカを下味をつけて焼く(またはフライパンで焼く)ものとし、マサラを、そのティッカを加えるトマトと玉ねぎのグレイビーとしています。焼いたところで止めればパニールティッカという一品、グレイビーまで進めれば主菜になるカレーになります。
レシピの筆者は、この版をレストラン風のパンジャブのカレーと説明し、北インド料理・パンジャブ料理に分類しています。これはこのレシピのスタイルについての説明で、料理がいつどこで生まれたかを確定するものではありません。この記事でも起源は断定しません。
パニールバターマサラとよく並べて語られますが、別の料理です。焼いたティッカから始めるわけではなく、ソースの組み立ても違います。名前が似ていても、同じ配合ではありません。
この料理に使える食材・調味料
道具
- 上火(トップヒーター)のあるオーブン
- 天板(シートを敷く)
- 金属串(オーブン対応のもの)
- 油を塗るための刷毛
- 串を返すためのトング
- ボウル各種
- 湯通し用の小鍋
- ブレンダー
- グレイビー用のソテーパン
- ヨーグルトを泡立てる泡立て器かフォーク
タンドールや特別なグリルは必要ありません。家庭のオーブンで作れます。
パニール、カシミリチリ、ベサン、カスリメティの選び方
この料理には乳製品(パニール、ヨーグルト、クリーム)とひよこ豆(ベサン)が入っています。ガラムマサラやタンドリーマサラなどのスパイスブレンドは、原材料の表示や、同じ設備で作られていることの表示も確認してください。添えるロティやナンには小麦が含まれることがあります。ベジタリアン向けの料理ですが、乳製品を含むのでヴィーガンではありません。
パニールは、牛乳を加熱し、酸で固めて作るインドのフレッシュチーズです。しっかりとまとまった食感で、穏やかな甘みとほのかな酸味、ナッツのような風味があり、加熱しても溶けず形を保ちます。乳の種類や作り方で食感は変わります。豆腐や一般的なチーズは、水分、乳の風味、焼き色のつき方が違うので、このレシピでは同等品になりません。「パニール」または「インドのフレッシュチーズ」の名前で探してください。
カシミリチリパウダーは、穏やかな辛みで色をつける唐辛子です。代わりに甘口のパプリカパウダーも使えますが、色は出ても、辛みと香りは同じになりません。辛みの強いチリパウダーを同量で置き換えるのは避け、どれを使うにしてもラベルを見て、少なめから始めてください。
ベサン(ひよこ豆の粉)は、マリネを具にとどまらせるために、ここで選んだ材料です。コーンスターチでも代用できますが、使う場合はベサンの代わりに使い、両方を一緒に入れることはしません。ほかのでんぷんについては、このレシピでは確かめていません。
カスリメティは、フェヌグリークの乾燥した「葉」です。フェヌグリークの種子の粉は別の材料なので、代わりには使えません。
クリームは、この版では軽めのクリーム(light cream)を大さじ3使います。軽めのクリームなら大さじ3〜4、生クリーム(heavy cream)なら大さじ1〜2の範囲で使えます。軽めのクリームは乳脂肪分がおよそ25〜35%とされていますが、商品の呼び名は国によって違うので、ラベルで乳脂肪分を確認してください。
任意のスパイスは、マリネのコリアンダーパウダー小さじ1/2、サフラン、グレイビーのクミンです。グレイビーのコリアンダーパウダー小さじ1は基本のレシピに含まれます。ナツメグも省けますが、その場合はレシピからの省略になります。どれも香りが違うので、省くものだけを省き、全部を別のスパイス一つで置き換えることはしないでください。
うまくいかないとき:硬いパニール、流れるマリネ、分離したヨーグルト
| 起きること | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| パニールが硬くゴムのようになる | 焼きすぎた、またはグレイビーに入れたあとも煮続けた | 15分あたりから縁の軽い焼き色を確認する。グレイビーにティッカを入れる前に火を止める |
| マリネが流れ落ちる | ヨーグルトの水分が多い | ハングカードか濃いギリシャヨーグルトを使う。ベサンがとどまりを助ける |
| グレイビーのヨーグルトが分離した | 強い火のままの鍋に冷たいヨーグルトを加えた | 鍋を火から外し、よく泡立てた全脂ヨーグルトを混ぜ込む |
| トマトの酸味が強い | 熟していない、または酸味の強いトマト | 熟した赤いトマトを選ぶ。必要なら任意の砂糖を少量、味を見ながら加える |
| カスリメティの香りがあまりしない | 乾燥した葉をそのまま入れた | 指先や手のひらで細かくもみ砕いてから加える |
| グレイビーが苦い | 玉ねぎやしょうが・にんにくのペーストを焦がした | 手順7、8で色を見て、焦げつく前に火を弱める |
ヨーグルトが分離してしまったときに、確実に元へ戻せる方法は示せません。最善の予防は手順そのもので、鍋を火から外し、ヨーグルトをなめらかに泡立ててから混ぜることです。
同じレシピの中での変え方
オーブンの代わりにタワで焼く場合。 元のレシピにはフライパンで焼く方法にも触れがあり、Neha's Cook Book の別の家庭向けレシピでは、マリネしたパニールと野菜をタワ(インドの台所でよく使う平らな鉄板)で弱めの中火から中火で、返しながら焼き色がつくまで焼いています。そのレシピは分量も順序も別なので、ここには混ぜていません。フライパンやタワで試すなら、このレシピの分量を保ち、数切れずつ焼いて、時間ではなく表面の焼き色で判断してください。同じページはタンドールを燻したような風味の源として挙げています。オーブンでもフライパンでも、炭の煙の香りは再現できません。
色はそのままで辛さを抑えたいとき。 カシミリチリの代わりに甘口のパプリカパウダーを使うと色は出ますが、辛みと香りは同じになりません。
任意のスパイスを省くとき。 マリネのコリアンダーパウダー小さじ1/2、サフラン、グレイビーのクミンは、それぞれ省けます。グレイビーのコリアンダーパウダー小さじ1は残してください。省くのは省きたいものだけにして、全部を別の一つのスパイスで置き換えるのはやめましょう。
甘みの調整。 砂糖は任意です。仕上がったグレイビーを味見してから加えてください。
塩加減。 パニールやスパイスブレンドの塩気は商品で違い、グレイビーの塩に決まった量はありません。味見してから整えます。
パニール、パンジャブのレストラン風、そして家庭のタワ
このレシピは、自らを北インドのパンジャブ風レストランのカレーとして紹介しています。それはこの版のスタイルの説明です。パニールティッカマサラという料理の起源と時期は、使った資料からは確かめられなかったため、由来の物語はここでは語りません。
言えるのはパニールそのものについてです。ある学術レビューは、パニールを、牛乳を加熱し酸で固めて作るインドのフレッシュな非熟成の乳製品とし、しっかりまとまった食感と、穏やかな甘酸っぱさとナッツのような風味があると述べています。この形を保つ硬さがあるからこそ、パニールは漬けて串に刺し、溶けずに焼けます。同じレビューはパニールの歴史にも触れていますが、示される根拠は議論があり、地理的にも広く、このカレーの成立を語るものではありません。
ティッカの焼き方も、家庭によって一つではありません。この記事のレシピはオーブンを使い、別の家庭向けレシピは、インドの台所に広く見られる平らな鉄板のタワで焼く方法を、オーブンなしで作る手段として紹介しています。どちらも、全家庭に共通する標準とは位置づけられていません。インドのほかの料理は、インドのページから探せます。
食べ方と残ったときの扱い

元のレシピは、パニールティッカマサラをナン、ロティ、チャパティ、パラータと合わせることを勧めています。プレーンのロティを横に添えると、焼いたパニールごとグレイビーをすくって食べられます。
元のレシピには、できあがった料理の保存期間の記載がないため、日数はここにも書きません。日本の厚生労働省の家庭向けの一般的な食中毒予防の指針に沿うと、残ったものは浅い容器に移して早く冷まし、室温に長く置かず、温め直すときは中心が75°Cで1分以上になるまで加熱します。
よくある質問
パニールティッカとパニールティッカマサラはどう違いますか?
パニールティッカは、スパイスを加えたヨーグルトに漬けて、焼く(またはフライパンで焼く)パニールです。パニールティッカマサラは、そのティッカをトマトと玉ねぎのグレイビーに合わせた、主菜として食べるカレーです。
パニールの代わりに豆腐やほかのチーズを使えますか?
同等の代わりにはなりません。パニールは酸で固めたフレッシュチーズで、加熱しても形を保ちます。豆腐やほかのチーズは、水分、風味、焼き色のつき方が違います。パニールという名前、またはインドのフレッシュチーズとして探してください。
オーブンがない場合はどうしますか?
元のレシピにはフライパンで焼く方法への言及があり、別の家庭向けレシピではタワで焼いています。このレシピの分量は変えず、別のレシピの配合は混ぜないで、焼き色を見て判断してください。火加減と時間は様子を見ながら調整する必要があります。
パニールを硬くしないコツは?
焼きすぎないことです。縁に軽く焼き色の斑点が出たところで止めます。グレイビーに入れたあとは、煮込まず、火を止めて余熱で温めます。
グレイビーのヨーグルトはなぜ分離するのですか?
強い火の鍋に冷たいヨーグルトを加えると、分離しやすくなります。鍋を火から外し、全脂ヨーグルトをなめらかに泡立ててよく混ぜてから、水を加えて煮てください。
どのくらい保存できますか?
このレシピは保存期間を示していないので、日数は書けません。残ったものは浅い容器で早く冷まし、温め直すときは中心が75°Cで1分以上になるまで加熱してください。



















