濃い茶色のピーナッツのスープに牛肉が沈み、フライドエシャロットと青ねぎをのせたチョト・マカッサルの小さな器と、米のちまき
🔪下準備20分
🔥調理2時間15分
🌍料理インドネシア・マカッサル料理

チョト・マカッサルの作り方|南スラウェシの牛肉とピーナッツのスープ

約13分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

香味ペーストを作る

手順1: 香味ペーストを作る

にんにく、エシャロット、赤唐辛子、しょうが、ガランガルを1cmほどに粗く刻み、ミキサーかフードプロセッサーに入れます。1〜2分回し、途中でへらで側面をこそげながら、なめらかなペーストにします。回りにくければ水大さじ1を足してください。

STEP 22 / 6

スパイスを乾煎りしてひく

手順2: スパイスを乾煎りしてひく

油をひかないフライパンにシナモンスティック、コリアンダーシード、クミンシード、クローブを入れ、中火で4〜5分、フライパンをゆすりながら乾煎りします。コリアンダーがきつね色になって香りが立ったら火から下ろして冷まします。シナモン以外をスパイスミルで細かい粉にします。シナモンはスティックのまま取っておきます。

STEP 33 / 6

ペーストを炒め、牛肉を加える

手順3: ペーストを炒め、牛肉を加える

厚手の鍋にココナッツオイル大さじ1と香味ペーストを入れて中火にかけ、5〜6分、木べらで混ぜながら炒めます。水分が飛んで色がやや濃くなり、にんにくの香りが甘く変わったら、塩、こしょうをふった2cm角の牛ほほ肉を加えます。5分ほど炒め、肉の表面の色が変わってペーストが全体に絡めば十分です。

STEP 44 / 6

スパイスと水を加え、1時間煮る

手順4: スパイスと水を加え、1時間煮る

ひいたスパイス、シナモンスティック、こぶみかんの葉、結んだレモングラス、タウチオを加えて、タウチオが溶けて肉全体になじむまでよく混ぜ、水900mlを注ぎます。強火で沸騰させ、浮いてくるアクをお玉ですくいます。弱めの中火に落として、ふたを少しずらしてのせ、1時間煮ます。途中でアクが浮いたらそのつど取り除きます。

STEP 55 / 6

ピーナッツを加えて、さらに1時間煮る

手順5: ピーナッツを加えて、さらに1時間煮る

生のピーナッツをフードプロセッサーかスパイスミルで細かい粉状にし、鍋に加えて底から混ぜます。弱めの中火のまま、ときどき鍋底から混ぜながら、さらに1時間煮ます。スープが白っぽい茶色に濁ってとろみがつき、牛肉が箸でほぐれるほどやわらかくなれば煮上がりです。水分が減りすぎたら、湯を100mlずつ足してください。

STEP 66 / 6

ライムで味を調え、器に盛る

手順6: ライムで味を調え、器に盛る

レモングラスとシナモンスティックを取り出し、ライム果汁を加えて混ぜます。味を見て、塩で調えます。器に牛肉とスープを盛り、フライドエシャロットと青ねぎをのせます。ご飯(またはクトゥパット)とくし形のライムを添えます。

スパイスは乾煎りしてからひくと、香りがぐっと強くなります。焦がすと苦みが出るので、コリアンダーの粒がきつね色になり、ぱちぱちと小さく弾け始めたら、すぐに火から下ろしてください。

牛肉は中心までしっかり火を通してください。2時間煮込むので通常は十分ですが、内臓を加える場合は、生の内臓を必ず下ゆでしてから使い、スープの中でも十分に加熱してください。

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Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

チョト・マカッサルの材料の牛ほほ肉、生のピーナッツ、タウチオ、エシャロット、にんにく、しょうが、ガランガル、ホールスパイス、レモングラス、こぶみかんの葉、ライム

5品目

香味ペースト

材料 分量 代替・備考
にんにく 3片 粗く刻む
エシャロット 2個 粗く刻む。玉ねぎ1/4個でも可
赤唐辛子(生) 1本 辛さが苦手なら省く
しょうが 10g 薄切り
ガランガル 6g 薄切り
4品目

ホールスパイス

材料 分量 代替・備考
シナモンスティック 2cm 砕かずに使う
コリアンダーシード 小さじ2 —
クミンシード 小さじ1/2 —
クローブ 小さじ1/4 —
9品目

スープ

材料 分量 代替・備考
牛ほほ肉 600g 2cm角。牛すね肉でも可
塩、黒こしょう 各少々 肉の下味
ココナッツオイル 大さじ1 サラダ油でも可
こぶみかんの葉 3枚 —
レモングラス 1本 たたいて結ぶ
タウチオ 大さじ1と1/2 合わせ味噌でも可
生のピーナッツ(皮なし) 60g 細かい粉状にする
水 900ml —
ライム果汁 1/2個分 —
4品目

仕上げと添えるもの

材料 分量 代替・備考
フライドエシャロット 大さじ2 市販品でよい
青ねぎ 2本 小口切り
ご飯 4人分 クトゥパット(米のちまき)があればそれを
ライム 1個 くし形切り
注意

スープにピーナッツと大豆(タウチオ、味噌)を使います。ピーナッツは重いアレルギーを起こすことがある食品なので、食べる人に必ず確かめてください。ピーナッツの粉はスープの底に沈んで焦げつきやすいので、加えたあとはときどき鍋底から混ぜてください。


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Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

港町マカッサルの朝は、湯気の立つ大鍋から始まります。食堂の店先では、店主が深い鍋から牛肉と内臓をすくい、小さな器に盛って、濃い茶色のスープを注ぎます。テーブルにはライムのかけらと、甘辛い発酵大豆のサンバル、そしてヤシの葉で編んだ米のちまき。客はちまきをちぎってスープに浸し、ライムを搾って、朝からしっかりとスパイスの効いた一杯を平らげていきます。インドネシア・スラウェシ島の南の玄関口で生まれた牛肉のスープ、チョト・マカッサル(Coto Makassar)です。

ゴワ王国の兵士たちの鍋から、港町の朝ごはんへ

マカッサルの食堂で、大鍋から牛肉のスープを小さな器に盛り分け、ちまきとライムを並べた店先

チョト・マカッサルの起源は、16世紀に南スラウェシで栄えたゴワ王国にさかのぼるとされています。最初は王宮の使用人や兵士のために作られた料理だったといわれ、牛肉と、腸、レバー、肺、心臓、胃袋、脳などの内臓を一緒に煮込みます。スープをピーナッツのペーストでとろりと濃くするのが、インドネシア各地にあるほかの牛肉スープとの大きな違いです。

この一杯には、港町マカッサルの歴史が詰まっています。インド由来のカレーのようなスパイス、海の向こうから入ってきたピーナッツ、イスラムの教えに沿ったハラールの牛肉。そして、スープに添える発酵大豆のみそ「タウチオ」には、中国系の人びとの食文化の影響が見られます。ゴワ王国の時代のマカッサルは、さまざまな人と物が行き交う交易の町でした。

豆知識

チョト・マカッサルは、インドネシア各地にある「ソト」と呼ばれるスープ料理の一つです。今ではマカッサルの定番の朝ごはんとして親しまれ、結婚式や宗教の祝いの席にも出される料理です。

食べ方にも、マカッサルらしさがあります。ご飯ではなく、ヤシの若葉で編んだ袋に米を詰めて煮たクトゥパットや、ココナッツミルクで炊いた米をバナナの葉で包んだブラサと一緒に食べるのが定番です。そこにライムとタウチオのサンバルを添え、自分の好みに味を調えながら食べます。


日本の台所で作るときに知っておきたいこと

日本で手に入る牛ほほ肉、炒る前のピーナッツ、タウチオ、ガランガル、レモングラス、こぶみかんの葉、コリアンダーシード、クミンシード

この記事の作り方は、インドネシア料理研究家ペティ・パンデアン=エリオットの料理書『The Indonesian Table』に載ったレシピを基にしています。内臓は使わず、長時間煮込むと口の中でほどける牛ほほ肉で作る、家庭向けの形です。牛ほほ肉が手に入らなければ、牛すね肉でも作れます。内臓を入れたいなら、下ゆでしたハチノスやセンマイを、肉の一部と置き換えて加えてください。

原書のレシピは、スープのこくに日本の味噌を使っています。マカッサルでスープに合わせるのは、インドネシアの発酵大豆みそタウチオです。アジア食材店や通販で手に入るなら、ぜひタウチオを使ってみてください。豆の粒が残ったやわらかい塩気が、ピーナッツのスープによく合います。なければ、合わせ味噌で十分においしく作れます。

コツ

ピーナッツは、皮をむいた生のピーナッツを使い、フードプロセッサーやスパイスミルで細かい粉状にします。煎ったピーナッツを使うと香ばしさが強くなりすぎ、塩味つきのものはスープが塩辛くなるので避けてください。

ガランガル、レモングラス、こぶみかんの葉は、タイ料理用として冷凍や乾燥のものがアジア食材店でそろいます。乾燥のこぶみかんの葉を使う場合は、生より香りが弱いので、枚数を倍にしてください。


ちまきを浸して、ライムを搾って

チョト・マカッサルの器に、ちぎった米のちまきを浸し、ライムとタウチオのサンバルを添えた朝ごはん
ちまきやご飯をスープに浸して

チョト・マカッサルは、マカッサルでは小ぶりの器で出てきます。濃いスープなので、たっぷりの量を一度に飲むのではなく、ちまきやご飯を少しずつ浸しながら食べるのがちょうどよい食べ方です。ライムを搾ると味がぐっと締まるので、半分食べたところで搾ってみてください。

辛さがほしいときは、サンバルを添えます。同じインドネシアのスープでも、ジャカルタのソト・ブタウィは牛乳やココナッツミルクで白く仕上げ、ジャワ島東部のラウォンは黒いクルワッの実で真っ黒に仕上げます。牛肉のスープだけでも、島ごとにこれほど色が違うのがインドネシア料理の面白さです。

豆知識

クトゥパットは、ヤシの若い葉をひし形の袋に編み、米を詰めて長時間煮た米の固まりです。インドネシアでは断食明けの祝いの料理としても知られています。日本では、もち米を混ぜたご飯を小さく握ったものでも、スープに浸して食べるとよく合います。

アレンジの楽しみ方

牛肉にハチノスを加えて作ったチョト・マカッサルの器

マカッサルの食堂のように内臓を入れたいときは、下ゆでしたハチノスやセンマイ、牛ハツを、牛ほほ肉の3分の1ほどと置き換えます。内臓は手順3で牛肉と一緒に加え、同じ時間煮込みます。食感の違う部位が入ると、一杯の中に変化が生まれ、食堂の味に近づきます。

牛ほほ肉の代わりに、牛すじ肉で作ることもできます。その場合は、すじ肉を一度下ゆでしてアクを抜いてから使い、煮込み時間を30分ほど延ばしてください。煮込むほどにスープにゼラチン質が溶け出して、とろみが増します。

よくある質問

チョト・マカッサルの残りを保存容器に移し、スープと肉を分けて冷蔵する様子

タウチオと味噌は、どちらがよいですか?

マカッサルの味に近いのはタウチオです。豆の粒が残り、少し甘みのある塩気が特徴です。味噌は豆の粒がなく、こくが強めになりますが、原書のレシピも味噌を使っているので、どちらでもおいしく作れます。

作り置きはできますか?

粗熱が取れたら保存容器に入れて冷蔵し、2日以内に食べきってください。冷えるとピーナッツのとろみで固まるので、水を少し足して弱火で温め直します。

圧力鍋で作れますか?

作れます。手順4で水を加えたら、ふたをして加圧15〜20分、自然に圧が下がるまで置きます。ふたを開けてピーナッツの粉を加え、15分ほど煮てとろみをつけてください。

辛くないですか?

赤唐辛子1本なので、ほんのりピリッとする程度です。スパイスの香りは強いですが、辛さは控えめです。辛いのが好きなら、食卓でサンバルを足してください。

主な参考リンク

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