バナナの葉を敷いた円いトレイに白いご飯と鶏の煮込み、サンバルゴレン、香りココナッツ、野菜、麺を並べたナシ・アンベン
🔪下準備55分
🔥調理1時間35分
🌍料理ジャワ料理

ナシ・アンベンの作り方|ジャワの大皿ごはん

約29分で読めます世界ごはん紀行編集部
Cooking flow

作り方を先に見る

STEP 11 / 6

セロンドンの香味を作る

手順1: セロンドンの香味を作る

エシャロット60g、にんにく10g、戻した干しえび15g、コリアンダー、フェンネル、クミン、ターメリックを粗いペーストにします。フライパンに油15mlとペーストを入れ、中弱火で3〜4分、香りが立つまで炒めます。

そこへ無糖ココナッツファイン150g、砂糖3g、塩3gを加え、弱火で12〜15分、木べらで底を返しながら水分を飛ばします。仕上がりの目安は、水がにじまない乾き具合で、指でつまんでも湿り気が出ず、薄いきつね色でほぐれる状態です。湿ったそぼろのままにしないでください。焦げた苦みが出たら戻せないので、火を弱めて鍋底を休ませます。黒くなった部分だけは、混ぜ戻さないようにします。

STEP 22 / 6

鶏のkicap煮を作る

手順2: 鶏のkicap煮を作る

エシャロット60g、にんにく20g、しょうが30g、乾燥唐辛子、コリアンダー、フェンネル、クミンを細かくつぶします。鍋に油15mlを入れて中火で5〜7分、油が浮くまで香味を炒めるつもりで、水分が減って油が浮く手前まで火を入れます。

鶏もも肉700g、ココナッツミルク200ml、水250ml、ケチャップマニス80ml、サラムリーフ、シナモン、カルダモン、八角、塩を加えます。煮立ったら弱火にし、ふたを少しずらして25〜30分煮ます。煮汁を少量残して止めるのがコツで、鶏にまとわりつきつつ、鍋底に少量残る濃さを目指します。

最も厚い肉の中心を温度計で確認し、75℃以上で1分間以上加熱します。温度計がなければ、厚い部分を割って、赤みと生の肉汁が残っていないことを確かめてください。

厚生労働省の案内に合わせ、鶏肉は中心部75℃以上で1分間以上を加熱の目安にします。生の鶏を置いた皿・包丁・まな板・トングは、加熱後の鶏や野菜へ戻さないでください。中心温度を測るときは、温度計の先端を厚い部分の中央へ入れ、測定後に洗浄・消毒します。

STEP 33 / 6

米を炊いて蒸らす

手順3: 米を炊いて蒸らす

ジャスミンライス450gを水がほぼ透明になるまで軽く洗い、ざるで10分水切りします。厚手の鍋に米、水540ml、塩4g、結んだパンダンリーフを入れ、中火で沸騰させます。沸騰したら弱火へ落とし、ふたを開けずに12〜15分、水の音が消えるまで弱火で炊きます。表面に小さな穴ができるのが目印です。

火を止めたら、10分蒸らして粒を立てる。しゃもじで底から返し、柔らかく練らずに、トレイ中央へ山にできるだけの粒のまとまりを残します。水が残っているときは、ふたを外して弱火で2〜3分だけ追加加熱します。底が焦げそうなら混ぜずに、別の器へ移して蒸らしてください。

STEP 44 / 6

サンバルゴレンを煮含める

手順4: サンバルゴレンを煮含める

テンペ150g、木綿豆腐150g、じゃがいも180gを2cm角に切り、油30mlのうち適量で表面を焼いて取り出します。同じ鍋でエシャロット60g、にんにく15g、赤唐辛子、戻した干しえび15g、チリペースト15gを中火で4〜5分炒めます。

ココナッツミルク150ml、水100ml、ケチャップマニス30mlを加え、焼いた具、さやいんげん100g、戻した春雨30gを戻します。弱火で8〜10分、春雨が汁を吸ったところを目安に、豆と豆腐に赤茶色の煮汁が薄く絡むまで煮ます。汁が完全になくなる前に火を止めてください。鍋底が乾いてきたら、水を大さじ1ずつ足し、焦げを混ぜ込まないようにします。

STEP 55 / 6

ウラプの野菜をゆでて和える

手順5: ウラプの野菜をゆでて和える

キャベツ150gは2cm幅、さやいんげん100gは3cm長さに切り、もやし100gはそのままにして、沸騰した湯で順番にゆでます。目安は、いんげん2分、キャベツ1分、もやし30秒です。ざるへ上げて短く冷まし、手で強くつぶさず、ペーパータオルで包んで水を押し出します。野菜から水を出さないための下ごしらえです。

ココナッツファイン80g、赤唐辛子、エシャロット30g、にんにく1片をフライパンで弱火にかけ、ライム果汁10ml、砂糖3g、塩3gを加えます。粗熱が取れた香味ココナッツへ野菜を和え、ココナッツが野菜全体に均一に絡んだら、食べる直前まで別容器に置きましょう。熱いまま和えると、野菜から水が出ます。野菜は緑と歯触りを残すところで止め、噛んだときに中心の抵抗が少しある状態にします。

STEP 66 / 6

焼きそばを最後に炒める

手順6: 焼きそばを最後に炒める

フライパンへ油15mlを入れ、エシャロット30g、にんにく1片、戻した干しえび10g、チリペースト10gを中火で2〜3分炒めます。からし菜または小松菜100g、木綿豆腐100g、中華蒸し麺250gを加え、麺を強めの火で短時間、3〜4分かけて切らないようにほぐします。

ケチャップマニス30mlを鍋肌から加え、麺全体が薄い茶色になり、葉物がしんなりする直前に火を止めます。水を足して煮るのではなく、麺が固まるときは少量の油でほぐしてください。柔らかくなりすぎた麺は、完全には戻りません。熱いままトレイへ盛ると水分が移るため、2〜3分だけ湯気を逃がしてから盛るようにします。

鍋ごとに水分の戻し方が違います。セロンドンが湿ったら、清潔なフライパンへ戻して弱火で2〜3分ずつ乾かします。焦げた後に水を足して戻すことはできません。サンバルゴレンが乾いたときは、水またはココナッツミルクを大さじ1ずつ足し、具を崩さずに鍋底をはがしてください。焦げた具へ水を足さないのが決まりです。

ウラプが水っぽければ、野菜だけをざるへ上げ、冷ましたココナッツを少量足します。塩や酸味だけを増やさないでください。米が柔らかすぎて山にできないときは、無理に型へ詰めず、柔らかい米は平らに盛るようにします。バナナの葉を敷いた大皿へ広げ、添え物に囲ませれば大丈夫です。

0 / 0
Ingredients

材料を分けて見る

材料表の分量4人分

表内の数値を目安として再計算します。塩、辛味、油は味を見ながら調整してください。

準備

買い出しの前に

ナシ・アンベンに使う米、鶏肉、テンペ、豆腐、ココナッツ、香辛料、バナナの葉を並べた材料
6品を一枚の皿へまとめるための材料

材料は、米、鶏の煮込み、サンバルゴレン、セロンドン、ウラプ、焼きそば、盛り付けに分けて並べました。6品を別々に仕上げるので量は多く見えますが、品ごとに見れば一つひとつは小さな鍋の仕事です。分量は4〜5人で取り分ける家庭用の縮小版で、Rasa.myの原典にある丸鶏・大容量の指定はそのまま使わず、部位肉と少量の副菜へ置き換えた編集部の設計です。買い物では、一般名で材料をそろえるところから始めてください。まずテンペ、kecap manis、salam leaf、banana leaf、dried shrimpの有無を確かめ、ない場合は表の代替欄を見て香りの役割を保ちます。

4品目

白い香り米

材料 分量 代替・備考
ジャスミンライス 450g Rasa.myの米5 cupsの構成を家庭用へ縮小した設計。日本米でもよいが、粘りが出やすい
水 540ml 鍋と米の状態で10〜20ml調整する。炊飯器の目盛りへ液体を単純に合わせない
パンダンリーフ 1枚 あれば使用。なければ省略しても米の構造は保てる
塩 4g 副菜の塩分があるため、米だけで濃くしない
18品目

鶏のkicap煮

材料 分量 代替・備考
鶏もも肉 700g 皮付き・骨なし。厚い部分を開いて4cm角にする
エシャロットまたは紫玉ねぎ 60g 玉ねぎなら約1/2個。薄切りまたは粗みじん切り
にんにく 20g つぶしてから刻む
しょうが 20g 皮を除いて薄切り
しょうが 30g 皮を除いて薄切り。根茎の香りを一種類にまとめ、入手性を優先する
乾燥唐辛子 4〜6本 種を抜くと辛さを下げられる
コリアンダーシード 2g パウダーなら約1g
フェンネルシード 1g なければ省略可
クミンシード 1g なければ省略可
ケチャップマニス(kecap manis) 80ml 甘い濃口しょうゆ。一般的なしょうゆだけでは甘さと粘度が足りない
ココナッツミルク 200ml 料理用。薄い飲料タイプは煮詰め時間を延ばす
水 250ml 鶏の半分が浸る量から始める
サラムリーフ(salam leaf) 2枚 なければローリエ1枚。香りは同じにならない
シナモン 1/2本 スティックを使う
カルダモン 2粒 さやを軽く割る
八角 1個 香りが強いため増やさない
油 15ml 香味を炒める。普通の米油・サラダ油でよい
塩 5g ケチャップマニスの塩分を見て仕上げに調整
15品目

サンバルゴレン・ジャワ風

材料 分量 代替・備考
テンペ(tempeh) 150g 2cm角。なければ厚揚げを使えるが、発酵大豆の香りは弱くなる
木綿豆腐 150g 水切りして2cm角
じゃがいも 180g 2cm角。先に焼いて崩れにくくする
さやいんげん 100g 4cm長さ。冷凍品は水分を拭く
春雨 30g 戻して5cmに切る。干し湯葉は同量の水戻しで加えてもよい
干しえび(dried shrimp) 15g 水で戻して刻む。えびを避ける場合は省略し、塩を後で調整
赤唐辛子 2本 辛さを下げるなら種を抜く
エシャロットまたは紫玉ねぎ 60g 粗みじん切り
にんにく 15g 粗みじん切り
チリペースト 15g サンバルオレックでもよい。辛さは製品で変わる
ケチャップマニス(kecap manis) 30ml 甘さを見て最後に加える
ココナッツミルク 150ml 分離していても混ぜて量る
水 100ml 春雨を戻すための煮汁
油 30ml 豆腐・テンペ・じゃがいもを焼く分を含む
塩・白こしょう 各少量 干しえびとケチャップマニスの塩分を見て調整
11品目

セロンドン(香りココナッツ)

材料 分量 代替・備考
無糖のココナッツファイン 150g 生のすりおろしココナッツでもよい。加糖品は使わない
干しえび(dried shrimp) 15g 省略可。魚介を使わない場合は塩を増やさない
エシャロットまたは紫玉ねぎ 60g 4個相当。薄切り
にんにく 10g 2片相当
コリアンダーシード 2g 軽くつぶす
フェンネルシード 1g 香りが強ければ省略
クミンシード 1g 香りを残すため少量
ターメリックパウダー 1g 色付け用。増やすと苦みが出る
砂糖 3g 甘いおかずにしない量
塩 3g 乾煎り後に調整
油 15ml 香味を炒める。ココナッツの脂が多ければ減らす
10品目

ウラプ(野菜とココナッツの和え物)

材料 分量 代替・備考
キャベツ 150g 5mm幅。白菜は水が出やすいので短時間でゆでる
もやし 100g 根を取ると水が出にくい
さやいんげん 100g 4cm長さ。サンバルゴレン分とは別に用意
無糖のココナッツファイン 80g 乾燥品なら熱湯少量で戻して水気を切る
赤唐辛子 1本 サンバルを別添えにするため控えめ
エシャロットまたは紫玉ねぎ 30g 粗みじん切り
にんにく 1片 香味用
ライム果汁 10ml 酸味は香味ココナッツが冷めてから加える
砂糖 3g 酸味の角を丸める
塩 3g 野菜の水気を切ってから調整
11品目

焼きそばと盛り付け

材料 分量 代替・備考
中華蒸し麺または黄色い麺 250g ゆで麺は水気を拭く。乾麺は表示どおり戻す
からし菜または小松菜 100g 4cm長さ。チンゲンサイでもよい
木綿豆腐 100g 角切り。サンバルゴレンから取り分けてもよい
エシャロットまたは紫玉ねぎ 30g 薄切り
にんにく 1片 みじん切り
干しえび(dried shrimp) 10g 省略可。使う場合は戻して刻む
チリペースト 10g 子どもが食べる場合は別添えにする
ケチャップマニス(kecap manis) 30ml 麺全体を黒くしすぎない量から加える
油 15ml 強めの火で麺をほぐす
ゆで卵 4〜5個 半分に切る。塩魚やrempeyekは任意の別添え
バナナの葉(banana leaf) 2〜3枚 食用表示を確認し、洗って水気を拭く。なければクッキングシート
コツ

香りの核になるのは、テンペとケチャップマニスです。発酵大豆の香りと甘い濃いしょうゆが、この皿の輪郭を作ります。サラムリーフ、パンダン、バナナの葉は、手に入らない日に料理を中止する材料ではありませんが、あれば香りと見た目の再現度が上がります。干しえびはセロンドン、サンバルゴレン、麺の三か所に重ねて使うので、魚介アレルギーのある人がいる場合は、最初に全工程から外してください。

注意

テンペ、豆腐、ケチャップマニス、麺には、大豆や小麦が含まれる場合があります。干しえび、塩魚、ピーナッツ、rempeyekは、魚介・えび・落花生の表示を確認してください。使う人がいる場合は、別添えにしても器具と油を分けましょう。市販のチリペースト、ココナッツミルク、乾物は商品ごとに原材料とアレルゲン表示が異なるため、材料名だけで安全と考えないでください。

0 / 0
栄養情報 1人分の目安
184kcal
エネルギー
7.0g
タンパク質
8.0g
脂質
21.2g
炭水化物
1.8g
食物繊維
420mg
ナトリウム
※ 目安値です。材料や調理法により変動します。
Shop the pantry

材料からそろえる、味の決め手

買い出しガイド

円いトレイの中央に、白いご飯を置く

バナナの葉を敷いた円いトレイの中央に白いご飯と複数の添え物を並べたナシ・アンベン
円いトレイを囲み、中央の米と添え物を分け合うナシ・アンベン

バナナの葉を敷いた大きな円いトレイが、食卓の真ん中へ運ばれてきます。葉の中央には中央に置く白いご飯がこんもりと盛られ、そのまわりに鶏の甘辛い煮込み、サンバルゴレン、ココナッツのセロンドン、野菜、麺などが寄り添っています。組み合わせは地域や家庭で変わりますが、形は同じです。4〜5人で一枚のトレイを囲むので、これは単品の米料理ではなく、誰がどの順番で手を伸ばすかまで含んだ食卓になります。

Nasi Ambeng(ナシ・アンベン)は、ジャワ系の共有料理です。白いご飯と副菜をひとつのトレイにまとめる料理の名前であり、盛り付けの形式の名前でもあります。米だけを炊けば出来上がるレシピではなく、複数の味と食感を同時に仕上げる大皿料理です。核心は、料理を混ぜずに並べるところにあります。鶏、野菜、辛味、ココナッツは混ぜ合わせず、白いご飯を中心に味を組み立てるのは食べる人ひとりひとりです。ひと口目は鶏の甘い煮汁を米へ、次は野菜とココナッツを、というふうに、手元で味が変わっていきます。

この記事は、セランゴール系の構成例を手がかりに、白いご飯、鶏の煮込み、サンバルゴレン、セロンドン、ウラプ、焼きそばを、日本の台所向けに4〜5人分の一枚皿へ縮小した家庭向けの設計です。品数は多いのですが、すべてを同時に作るわけではありません。先に乾いた具を仕上げ、米を炊く時間と鶏を煮込む時間を重ねていきます。共有皿の形は残しつつ、入手しにくい材料は香り・辛味・食感の役割を見て置き換えます。なお、分量は原典の丸鶏・大容量の指定をそのまま写したものではなく、家庭用に縮小した編集部の調理設計です。

豆知識

MICHELIN Guideは、ナシ・アンベンを円いトレイの共有皿、nasi tumpengを円錐形の米料理として区別しています。どちらも米と添え物を行事の場へ並べますが、ナシ・アンベンは平たいトレイを囲んで分ける形が中心です。料理名や表記には家庭・地域による差があるため、語源や唯一の発祥地までは断定できません。


祝いの皿が、持ち帰りの食卓へ続く

バナナの葉を敷いたナシ・アンベンを大皿のまま囲む食卓
祝宴や共同の集まりへ運ばれる、共有皿としてのナシ・アンベン

マレーシアの文化機関JKKNは、ナシ・アンベンを伝統的なジャワ料理として紹介しています。マレーシアでは特に、セランゴールの共同の皿として、セランゴールとジョホールのジャワ系コミュニティで人気があるそうです。祝宴、tahlilの儀礼、共同の集まりへ大皿が運ばれ、食べ物を分けることが一体感と協力の象徴になる、という説明です。シンガポールのRoots.gov.sgも、この料理を家族の行事へ運ぶ料理として、ジャワ系の家族行事や食文化・アイデンティティに結び付けています。

皿が空になっても、話は終わりません。JKKNの説明では、4〜5人で一つのトレイを囲み、残った料理を四つに分けて持ち帰る伝統的な実践があります。Roots.gov.sgも、分けられた料理を持ち帰るNasi Berkatの考え方を紹介しています。食卓から家へ分けることは、単なる残り物の処理ではありません。同じ料理を家へ持ち帰り、別の食卓へつなぐ行為です。残りを四つに分けるこのやり方は、あくまで資料が紹介する伝統的な実践であり、すべての家庭や店が同じ分配方法を守っているわけではありません。

いまのナシ・アンベンは、店先でも家庭でも姿を変えています。MICHELIN Guideによれば、卒業、結婚、出産、再会などの集まりでも食べられ、個別盛りの商業的な形もあります。Roots.gov.sgは1970年代後半からの商業化と、より広いマレー料理への展開にも触れています。個別盛りへ変わる料理になっても、複数の料理を一緒に味わい、人を養い結び付けるという変わっても残る共有の意味は消えません。料理が広がるほど添え物は入れ替わっていくので、次の節の表は地域の全家庭を代表する規則ではなく、確認できた構成例の比較として読んでください。

地域と家庭で、添え物は入れ替わる

鶏の煮込み、サンバルゴレン、セロンドン、野菜、麺を別々に盛ったナシ・アンベンの構成例
地域や家庭で入れ替わるナシ・アンベンの添え物

ナシ・アンベンの中心は白いご飯と共有トレイで、周囲の副菜は固定のリストではありません。JKKNの構成例には、鶏のkicapまたはopor、サンバルゴレン、セロンドン、麺または春雨、ウラプ、塩魚、ポテトパティ、rempeyek、ゆで卵が挙がっています。MICHELIN Guideの例では、rendang、ayam lemak、テンペ・豆腐・さやいんげんを使うサンバルゴレン、ウラプ、セロンドン、揚げた小魚とピーナッツなどが並びます。中央の米は変えず、周囲を替える。同じ料理名の下で、鶏・野菜・ココナッツ・麺の食感差を楽しむ形がいくつもあるわけです。

場所・場面 料理の構成例 この記事での扱い
セランゴール・ジョホールのジャワ系コミュニティ 白いご飯、ayam kicapまたはopor、サンバルゴレン、セロンドン、麺・春雨、ウラプ、塩魚、rempeyek、卵など セランゴール系の構成を軸に、鶏の煮込み、サンバルゴレン、セロンドン、ウラプ、焼きそばを作る
シンガポールのジャワ系家庭行事・店 鶏または牛の煮込み、サンバルゴレン、テンペ、ウラプ、セロンドン、香り米など 料理名と共有皿の意味を確認し、家庭用の副菜を一律のシンガポール式とは扱わない
祝い・共同の集まり 人数に応じた中央の米と複数の添え物。皿を囲む場合も個別盛りの場合もある 4〜5人で囲める円いトレイを使い、辛味と塩魚は別添えにして食べる人へ余地を残す
日本の家庭用アレンジ 入手性と食べ切れる量に合わせた5〜6品 共有皿の形、香り米、鶏、ココナッツ、野菜、麺の役割を残し、材料の代替を表に示す

公式・文化資料に挙がる副菜を、一度にすべて作る必要はありません。この記事が一皿に残したいのは、米の柔らかさ、鶏の甘じょっぱさ、サンバルゴレンの豆と豆腐、セロンドンの乾いた香り、ウラプの青い歯触り、麺のまとまりです。つまり、品数より食感の差です。塩魚やrempeyekは食感と塩味を足す役目なので、塩味は別添えにすることができ、作業量を増やさずに現地の構成へ寄せられます。地域差は「どれが正しいか」ではなく、手元の食材と集まる人数に合わせて、周囲の料理が入れ替わるということなのです。

似た名前の料理と比べる

豆知識

英語の資料にはNasi AmbengとNasi Ambangの表記があり、日本語ではナシ・アンベン、ナシアンベンと書かれることがあります。表記の違いが語源の違いかどうかは断定できません。検索するときは、英語表記も併せて使うと見つけやすくなります。

具を別々に仕上げ、最後に一枚へ集める

鶏の煮込み、セロンドン、サンバルゴレン、ウラプ、麺を小皿へ分けて仕上げる途中の台所
水分と香りを混ぜないように、添え物を別々に仕上げる

段取りの地図を先に渡しておきます。最初にセロンドンを乾煎りし、次に鶏を煮込みます。米を炊きながらサンバルゴレンとウラプを進め、麺は最後に炒めます。乾いたココナッツは冷めると香りと食感が締まり、野菜は水気を切ってから和えるので、先に仕上げておいても味がぼやけにくいのです。鶏の煮込みは弱火でことこと置いておけるため、米の炊き上がりと歩調を合わせる役を持っています。水分を別々に管理するのがこの料理の要で、仕上がった具は鍋や小皿のまま味を保ち、混ぜずにとっておきます。そして最後に一枚へ集めるときに、はじめてトレイへ移します。

円いトレイの上で、味を混ぜずに並べる

白いご飯を中央へ盛り、鶏、サンバルゴレン、セロンドン、ウラプ、麺を周囲へ配したナシ・アンベン
中央のご飯を囲むように、味と色の違う添え物を配する

洗って水気を拭いたバナナの葉を円いトレイへ敷き、中央の白いご飯を、温かいまま幅20cm前後の山にして置きます。そのまわりに、鶏のkicap煮、サンバルゴレン、セロンドン、ウラプ、焼きそばを、周囲に別々の味として別々の山にします。汁の多い鶏だけは、浅い器か葉の縁へ置きましょう。ゆで卵を山のあいだへ置き、塩魚・rempeyek・サンバルは、食べる人が取りやすい端へ別添えにします。料理は一つに混ぜず、米へ少量ずつ添え物を合わせながら食べてください。

皿の上は、ひと口ごとに色と食感が変わります。鶏は柔らかく甘じょっぱく、サンバルゴレンはテンペ・豆腐・春雨が煮汁を含み、セロンドンは乾いて香ばしく、ウラプは野菜の歯触りが残り、麺はまとまりのある塩気を運びます。一口ごとに組み合わせるのが楽しみ方です。一人分の小皿へ最初から取り分ける場合も、米と副菜の役割が見える配置にしておくと、同じ楽しみが残ります。JKKNとMICHELIN Guideが紹介する共有皿の食べ方を参考にしつつ、手で食べるか箸・スプーンを使うかは、食卓の顔ぶれに合わせてください。残りを持ち帰るときは、大皿のまま置かず、具材ごとに冷ますために、清潔な浅い容器へ分けます。

置く料理 皿の上の役割 食べるときの組み合わせ
白いパンダン米 すべての味を受ける中央 鶏の煮汁やサンバルを少量ずつ合わせる
鶏のkicap煮 甘じょっぱさと柔らかさ 米、ウラプ、セロンドンと一緒にする
サンバルゴレン テンペ・豆腐・春雨の濃い煮込み 米へ少量ずつ、辛さが必要ならサンバルを追加
セロンドン 乾いたココナッツの香りとほぐれる食感 鶏や米に振りかけるように添える
ウラプ 青い野菜と酸味 濃い煮込みの合間に少量を挟む
焼きそば・卵・塩魚 麺の弾力、卵の丸み、塩味 皿の空いた場所から各自で取る

日本で材料を選ぶときの置き換え

テンペ、ケチャップマニス、サラムリーフ、干しえび、バナナの葉を無地の器に並べた買い物材料
一般名で探せる専門食材と、代替できる材料

通販や輸入食材を扱う店で最初に探す価値があるのは、発酵香を残すテンペ、甘い濃口しょうゆのケチャップマニス、そして香りと共有皿の外観を作るバナナの葉の三つです。サラムリーフとパンダンリーフは香りの層を足してくれますが、なければ料理が成り立たなくなる材料ではありません。干しえびは、セロンドン・サンバルゴレン・麺へ少量ずつ使います。魚介を食べる人がいる家庭では候補になりますが、アレルギーがあるなら全工程から外してください。米、鶏肉、野菜、鍋、フライパンは、手元の道具と近所の食材で進めます。商品カードは一般名で探すための入口で、特定のブランド・容量・型番をすすめるものではありません。

手に入らない材料 置き換え 変わるところと調整
テンペ 厚揚げまたは木綿豆腐を焼く 発酵大豆の香りとほぐれる食感は弱くなる。焼き色を濃くして煮汁を含ませる
ケチャップマニス 濃口しょうゆに黒糖またはきび砂糖を少量合わせる 粘度は同じにならないため、煮汁を少し長く煮詰め、塩は最後に調整
サラムリーフ ローリエ1枚、または省略 樟脳系の香りは代わりきらない。ローリエを増やして苦みを出さない
パンダンリーフ 省略 米の香りは軽くなる。香味野菜を米へ増量せず、添え物の香りを濃くしない
バナナの葉 クッキングシート 食べられる香りと見た目は減るが、共有皿の形は保てる。加熱用ではなく盛り付け用に使う
干しえび 省略 えびのうま味を塩で単純に補わず、ケチャップマニスと香味の量を変えずに仕上げる
コツ

代替を使うと味がずれる方向があるので、先に知っておくと買い足しの順番がつけやすくなります。まず米と副菜の数を守り、専門食材を全部そろえるより、テンペか厚揚げ、甘いしょうゆ、乾いたココナッツという三つの役割を確保してください。香りと食感を別々に置き換えると考えると楽になります。

ケチャップマニスの代わりに醤油を増やしすぎないでください。塩辛くなるだけなので、甘味と煮詰めで濃さを作ります。バナナの葉の代わりのクッキングシートは、香りの代替ではなく、料理を一つのトレイへまとめるための敷物です。

注意

ジャワ系の食卓で食べられる料理でも、購入するケチャップマニス、チリペースト、麺、乾物が自動的に同じ基準を満たすとは限りません。宗教上の条件がある人へ出す場合は、認証や原材料表示を購入先ごとに確認し、豚由来原料・魚介・えび・大豆・小麦の表示も見てください。えびを抜く人の鍋と、えびを使う鍋を分けるだけでなく、包丁、まな板、菜箸、油の共有も避けましょう。

よくある質問

ナシ・アンベンの米と副菜を浅い保存容器へ分けて冷ます台所
共有皿を保存するときは、具材ごとに分けて冷ます

前日に作れる料理はありますか?

前日に作れるのは、セロンドン、鶏のkicap煮、サンバルゴレンまでです。粗熱を取って、清潔な浅い容器へ別々に入れます。乾いた具は前日、米と野菜は当日に回し、米、ウラプ、焼きそば、盛り付けは当日に行います。そうすると米と野菜の食感、麺の水分が保てます。前日の鶏やサンバルは冷蔵から出して中心まで再加熱し、冷たい具を米へ乗せないようにしてください。

完成したトレイをそのまま保存できますか?

完成したトレイを室温に置き続けないでください。トレイのまま冷蔵しないのが基本で、食べ終わったら米、鶏、サンバル、野菜、麺を具材ごとに分けて冷まします。FoodSafety.govの目安では、加熱済み肉・鶏肉の残りは4℃以下で3〜4日が目安です。家庭の冷蔵庫の温度、扱い、具材の状態で安全性は変わります。再加熱する鶏とサンバルは中心まで熱くし、香りと食感を優先して、野菜と麺は食べる分だけ当日に作ってください。

セロンドンがしっとりしてしまいました。

野菜や鶏の汁を混ぜたのではなく、炒め不足でしっとりしたのなら、清潔なフライパンへ戻し、弱火で水分だけを飛ばします。焦げた香りが出た部分は取り除き、黒い部分を全体へ混ぜて苦みを広げないようにします。熱い鍋のまま密閉すると結露するので、浅い皿へ広げて粗熱を取ってから保存してください。

バナナの葉がありません。

クッキングシートを円いトレイへ敷けば、料理を一つの共有皿へまとめる役割は残せます。食用のバナナの葉が手に入った場合も、洗浄して水気を拭き、加熱用ではなく盛り付け用として使います。葉の香りがなくなる分、パンダンやサラムリーフを無理に増量せず、鶏・ココナッツ・テンペの味を基準にしてください。

辛さや魚介を避ける人がいる場合は?

チリペーストと赤唐辛子を減らし、サンバルを別添えにすれば、同じ皿で辛さを分けられます。干しえびを使わないサンバルゴレンとセロンドンを先に取り分け、えびを入れる鍋・器具・油と分けて交差接触を避けましょう。テンペと豆腐を使う料理は大豆を含むため、魚介を避ける人でも、大豆・小麦など別のアレルゲンの確認が必要です。料理名が同じでも市販調味料の表示は同じではないので、作る人が原材料を確認してください。

主な参考リンク

レシピ一覧に戻る